Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年1月11日発行号 - MDOnline-新インターネットサービス



今日のある記事を書いた時、新しいサービスのiDiskをどうしても使ってみたくなり、iDiskを使ってみました。明日の配信になるかとは思いますが、どんな様子かを記事にしてお届けしたいと思います。ただ、北米以外のユーザも利用できなくはないというものの、住所の記載で、正しい州名と存在する郵便番号を記入しないといけません。国で選択できるのは、アメリカとカナダだけです。仕方ないので、「米国加州浦和市…」のような住所で登録してしまいましたが、関係者の方々でこのニューズレターを御覧になっていて、もし、問題があるようなら、御連絡ください。とりあえず、これで登録できて、メールアドレスなども発行されました。
米国のapple.comのサイトは、先週の基調講演直後にすっかり様変わりしましたし、EarthLinkとの提携など、インターネットサービスに力を入れるのも発表されました。e-worldの経験を生かしてか、MSNを他山の石としているのか、ともかく自社でネットワークサービスを行うという荒っぽいビジネスではないことはとりあえず一安心というところでしょうか。グリーティングカードやファイル共有などと項目だけを見ていれば、最近はやりのバーチャルコミュニティのようなものと思えなくもないのですが、Mac OS独自の機能を提供することで、Mac OSつまりはMacintoshの販売促進につなげるという基本路線は明確に実現されていると思います。10年後は分かりませんが、ここ何年かはアップルはパソコンメーカとして活動するのは間違いないかと思います。言い換えれば、急激にネットワークサービスにシフトするような意味合いで、今回のインターネットサービスを見るというのはちょっとはずしているかと思います。
一般新聞の1面にも出ているのであえて記事にはしませんでしたが、AOLはタイムワーナーまでも買収してしまいました。ここまで大規模に企業買収による連合が進むのなら、1社だけの「多メディア展開」のような方針も昔話というか、インパクトはもはや与えられないでしょうね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


アップルの新しいインターネットサービスの詳細なQ&A

Tech Info Libraryに公開された「iReview, iCards, and iTools: FAQ」という文書は、Macworld Expo/SFの基調講演で発表された、アップルのインターネットサービスについての詳細なQ&A集だ。かなり長い文書で子細に書かれている。ここでは概略とポイントだけを示すが、これらのサービスの内容を詳しく知りたい人は必読のドキュメントだ。
フリーで提供されるインターネットサービスとして、Webサイトの紹介を行うiReview、高いクオリティのメールベースのカード送付サービスであるiCard、そして各種サービスのiToolsに大きく分類される。iToolsでは5MBサイズの電子メールアドレス(__@mac.com)の提供、20MBまでのファイル保存スペースの確保、ホームページ作成サービス、子供に有害コンテンツを見せない機能を提供する。基本的には北米向けとなっているが、世界中から登録することは可能だということだ。おそらく、コンテンツの紹介などの地域性が出ることと、現在は英語で提供されているので北米向けとしているのだろう。iReview、iCardsについては機種依存はしないインターネットサービスだが、iToolsについては、Mac OS 9の利用をするように記載されている(Mac OS向けのインストーラをダウンロードして利用する)。また、各種サービスではブラウザのクッキーを使うようになっている。
無料の電子メールはPOPベースなので、通常のメールソフトでのやりとりが可能だ。ファイル保存サービスのiDiskはMac OS 9でFinderに統合されたストレージスペースのように使え、このサービスはPCからは利用できない。アプリケーションからiDiskへ保存ができる。ホームページ作成サービスは、Webサイトを利用して対話的にホームページを作成する。有害コンテンツを見せない機能は、Mac OSで稼動するソフトウエアとして機能するものが提供される。

関連リンク:72002:iReview, iCards, and iTools: FAQ
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク


【Mac OS 9シリーズ】USBドライバをネットワークインストール?

昨年末に筆者の使っているMac OS 9が崩壊して再インストールをしたことをお話したが、新規にインストールしたため、すべての機器のドライバがセットアップされた状態ではなかった。そのこともあってたまたま気がついたのだが、USB機器のドライバのダウンロードが自動的になされる様子の一端を垣間見ることができた。ただ、残念ながら完全には行われなかった。

CD-R/RWドライブのCue!Drive USBを筆者は所持している。日本で発売前に米国で買ってきたもの(99年のWWDCのとき)である。それを、Power Macintosh G3/300に接続している。昨日、新しくしたMac OS 9システムで始めて電源を入れると、次のようなダイアログボックスが表示された。
figs/macos9/17/fig01.gif

つまり、USB機器の接続を認識したものの、システムにドライバが存在しないことをしっかりと認識している。しかも、メッセージも日本語だ(当たり前か?)。インターネット経由でドライバをさがすかどうかをたずねられているので、もちろんさがしてみた。少し待つと、残念ながら次のようなダイアログボックスが出てきた。どうやらアップルのデータベースには、Cue!Driveのドライバは登録されていないようだ。
figs/macos9/17/fig02.gif

仕方なく、製品に添付していたCD-ROMからドライバをインストールして使った。しかしながら、アップルのサイトにドライバが登録されていれば、そんな面倒なことはしなくても、最新のドライバが自動的にシステムに組み込まれるという大変便利な機能であることは間違いない。各社が積極的にドライバのアップデート機能を活用するようになることを期待したいところだ。
また、手動のアップデートも期待したい。現在組み込まれているドライバの最新版があるかどうかをさがし、あるなら問い合わせたのちに更新するかどうかというような機能もあれば、ドライバの管理の手間はより軽減されるのではないだろうか。

カテゴリ:周辺機器, Mac OS 9, Mac OS 9


自分自身を隠すサンプルアプリケーション

Appleより公開されいてるサンプルプログラムの「Processes: HowToHideYourApp」では、プロセスマネージャの機能を使って、自分自身を隠す方法を説明している。「隠す」とは、アプリケーションメニューのいちばん上の項目を選択するのと同等で、そのアプリケーションが表示しているウィンドウをすべて非表示にする。サンプルというよりも、サブルーチンとして使えるものが提供されており、隠した後にアクティブにするプロセスや、隠れている最中のイベント処理をコールバックルーチンで定義できるなど、実用的なサブルーチンとして使えるものだ。

関連リンク:Processes: HowToHideYourApp
カテゴリ:アップルからの開発資料, Mac OS 9, Mac OS 8


USBプリンタの一覧を取得しデータを転送するサンプル

Appleより公開されいてるサンプルプログラムの「Printing: DropPrint USB」では、Apple USBPrinterDriverに対応した接続プリンタの一覧を取得し、そこで指定したプリンタにファイルの内容を送付するというものだ。ただし、アプリケーション本体部分はかなり以前から公開されているサンプルプログラムを使っており、プロジェクトの中のTestPrinterClass.cというのがUSB関連の利用を示したサンプルとなっている。プリンタの一覧の取得や、プリンタへのデータ転送、あるいは一般的にUSBデバイスの取得やデータ転送のサンプルとして見ることができるだろう。

関連リンク:Printing: DropPrint USB
カテゴリ:アップルからの開発資料, 周辺機器


PowerBookでのFinal Cut Pro利用はFireWire 2 Goカードのみ

Tech Info Libraryで、Final Cut Proに関する文書が以下のように公開されている。概要は次の通りだ。

◇32082:Final Cut Pro: PowerBook Support
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n32082
Final Cut ProはPowerBook G3シリーズ(ブロンズキーボード)をサポートしているが、ファイルの読み書きや編集の機能が利用できる。キャプチャやテープへのプレイバックは、Newer Technology FireWire 2 Goカードで可能なことは確認したが、他のカードについてはテストをしていないためサポート対象外としている。

◇32083:Final Cut Pro 1.2.1 and Mac OS 9: Install Mac OS 9 Audio Update 1.1
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n32083
Mac OS 9でFinal Cut Pro 1.2.1を使い、仮想記憶をオンにしている場合には、Mac OS 9 Audio Update 1.1を適用しておく必要がある。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime, グラフィックス, PowerBook


キー操作で起動やオープンができるユーティリティ、使い方コンテストも開催

MindVision Software社は、アプリケーションの起動や書類のオープン、Webサイトを見る作業を手早くできるユーティリティ「MindControl 1.0」をリリースした。一種のキーボードを利用したランチャーで、たとえば、Command+escキーで画面下にパネルが開く。そこで、キータイプしたり、ポップアップされたメニューの項目を矢印キーなどで選択することで、あらかじめ登録してあるアプリケーションや書類を開くことなどができる。マウスに持ち替えなくてもアプリケーションの起動などができるため、ポータブル機での利用はもちろん、文字入力中心の作業をしているユーザにとっても便利なユーティリティだろう。$19.95のシェアウエアだ。
また、同社では、MindControlの使い方のコンテストを、サンフランシスコでのExpoを機に始めた。3月いっぱいまでエントリを受け付ける。エントリするのに購入する必要はなく、使い方のアイデアさえあれば応募できる。優勝商品はiBookだ。執筆時点でまだ3人の応募しか一覧されていないため、狙い目かもしれない。

関連リンク:MindVision, MindControl
カテゴリ:ユーティリティ, イベント


英語版FileMaker Pro 5にバグ修正のアップデート

データベースソフトのFileMaker Pro 5.0のアップデータがリリースされた。Ver.5.0v2にアップデートする。修正内容は、FileMaker Pro本体では、AppleScriptのGetDataコマンドでのエラーが出ないようにしたこと、十分なアクセス権がないのにリレーションの変更ができていた点などが修正された。Web Comanionはv3にアップデートされるが、リモート管理用のパスワードに「t」の文字が使えないというバグを修正している。なお、公開されているのは、英語版のFileMaker Proに対するものだけだ。執筆時点では、日本語版に対するアップデータは、ファイルメーカー社のサイトには存在していなかった。

関連リンク:FileMaker Pro 5.0v2
カテゴリ:データベース, 各種製品


2000/1/10に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月10日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。60683はNewとして表示されているが、既報の32078と同じなのでこちらに含めた。

58451:Power Mac G4 (AGP Graphics): Single Channel SCSI Cards May Interfere with Wake From Sleep
60592:Mac OS 9: Setting Up Internet or AOL When Palm Desktop 2.5 Is Installed
60514:Mac OS 9: What is NSL?
10182:Mac OS: Rebuilding Desktop File and Icon Recovery
32078:AppleShare IP 6.3: Web-Based Remote Admin Will Not Launch if AppleTalk is Inactive.
25069:iMac (Slot Loading): System Freeze at Startup with Multiple USB Devices Connected
70105:WebObjects 4: WOAssociationTiming Framework Example

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)