Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年1月20日発行号 - MDOnline-Tech Q&Aに新文書



普段のインターネットはケーブルテレビ経由で使っていますが、モバイル用にはDIONに契約しています。契約したことを知らせてきた文書には、設定したパスワードがしっかりそのまま印刷されていました。いいのか悪いのか、どちらも言えるかもしれません。以前だと、「パスワードは紙に書くな」というのが鉄則でしたが、だったら覚えておくのでしょうか。たくさんのアカウントを管理しなければならない今の状況では、覚えておくのは不可能です。覚えやすいように、1つのパスワードでずっと通すのも、別の意味で危険です。だから、たとえば誰にも見られないノートや手帳にパスワードを書いておくというのは1つの有効な手段です。もちろん、それを盗まれたり覗き見られたりしないような管理は必要でしょうけど、ともかく、パスワードの管理にも以前の常識を適用するのは疑問のある状況ではあります。アカウントとパスワードの管理にはいろいろネタはあるところですが、そのうちまた話題にしましょう。DIONの紙にパスワードを印刷して郵送するというやり方も一瞬はひるみましたが、今の状況では忘れた時に参照できるという意味ではいいのかもしれません。ただ、その送られてきたペーパーを管理するという仕事が発生してしまいますね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS X Serverに関する日本語の技術文書が公開

Tech Info Library-Jに、Mac OS X Serverに関する文書が以下のように公開された。文書の概要を紹介しておこう。

◇24993JN:Mac OS X Server: Macintosh マネージャ - デフォルトパスワードのリセット
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=24993
Macintosh マネージャのパスワードは、NetBootセットアップアシスタントを利用することでリセットされる。その後に、Macintoshマネージャサーバを再起動する。

◇25019JN:Mac OS X Server: バージョン情報の確認
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25019
いくつかのアップデートリリースが出ているが、現在のシステムバージョンを確認する方法が記載されている。Workspace Managerのコンソールを使う方法や、unameコマのをTerminalで入力する方法などが説明されている。

◇30714JN:Mac OS X Server: 起動モードの変更
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30714
起動時にVキーを押していると起動プロセスのメッセージが表示される。Sキーだとシングルユーザモード、optionキーだとMac OS 8のパーティションが起動する。

◇30749JN:Mac OS X Server: root のパスワードがわからなくなってしまったら
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30749
ルートのパスワードが分からなくなってしまった場合、シングルユーザモードで起動して作業を行う。その場合のコマンド入力の手順が説明されている。

◇30767JN:Mac OS X Server: “ネットワークへ接続できない”というエラー
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30767
タイトルに記載されたエラーが出る場合の原因として、NetInfoの情報に問題がることがある。NetInfoの状態を初期化することで対処できることもあり、そのためのコマンドが解説されている。

◇30770JN:Mac OS X Server: Lookupdとは?
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30770
lookupdというデーモンが起動しているが、これはNetInfo 、DNS 、NIS、UNIX 系ファイルから情報を取り出すための統合的な機能を提供している。このlookupdについてこの文書で詳細に解説している。

◇30837JN:Mac OS X Server: シングルユーザモードでの起動
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30837
シングルユーザモードで起動するには、起動時に「s」キーを押したままにする。これによりネットワーク機能が組み込まれない状態で起動するので、システム設定によって起動できなくなった場合などに、この方法で起動してメンテナンス作業を行う。Mac OSで起動して、起動コマンドのオプションに-sを加えるという方法もある。

◇24988JN:Mac OS X Server: クライアントからの NetBoot プロセスのモニタ
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=24988
クライアントからNetBootのモニタをすることができる。Command+option+O+Fキーを押したまま起動して、OpenFirmwareを起動する。そして、「boot enet:bootp」とコマンド入力すればいい。

カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS X Server


Carbonのシリアルポート利用は、Mac OS XではOTでも利用できない

Technical Q&Aで公開された「Serial API Choice」では、Carbonとシリアルポートの利用について記載されている。Mac OS 9でのCarbonでは、Open Transportによるシリアルポートの利用はこれまで通り使えるものの、さらに古い手法でのシリアルポート利用はできなくなる。さらに、Mac OS XでのCarbonでは、Open Transportによるシリアルポート利用もできなくなる。Mac OS Xでは、IOKitベースのシリアルポート利用をしなければならない。

関連リンク:dv39 - Serial API Choice
カテゴリ:Technical Q&A, 周辺機器, Carbon/CF


DriverServicesLibのキューのあるフィールドについて

Technical Q&Aで公開された「DriverServicesLib Queue Routines」では、DriverServicesLibで利用できるキューのサービスについて記載されている。キューのqTailフィールドが常にnilになっているが、これは仕様とのことだ。また、OSUtils.hで提供されているキューに比べて、DriverServicesLibのものは機能がより多く、PowerPCコードのためにミックスモードの切り替えも起こらないため、パフォーマンス的にも有利になる。

関連リンク:dv40 - DriverServicesLib Queue Routines
カテゴリ:Technical Q&A, 周辺機器


ダイアログ作成時にはdStorageをnilにするとCarbon対応

Technical Q&Aに公開された「CloseDialog and ’ictb’s」では、ダイアログボックスを作成したときのメモリリークの問題について記載されている。これは、1999年12月に公開された文書の修正版のようだ。GetNewDialogでダイアログボックスを作成するとき、dStorageパラメータに値を渡していて、ictbリソースがある場合、CloseDialogでダイアログボックスを閉じると、ictbリソースの部分がメモリに残ってしまう。これを避けるには、dStorageパラメータにnilを引き渡すか、DisposeDialogを使ってダイアログボックスを破棄する、あるいはdftbリソースを使うという手段がある。dStorageにnilをわたす方法を採用していれば、Carbonでも正しく機能する…という点が追加されたようだ。

関連リンク:tb66 - CloseDialog and ’ictb’s
カテゴリ:Technical Q&A, Mac OS 9, Carbon/CF


Mac OS ROMを使った起動プロセスについての詳しい解説

Tech Info Library-Jに公開された「NewWorld ROM について」では、ブロンズキーボードのPowerBook G3シリーズでの起動プロセスについて解説されている。ROM-in-RAMと呼ばれるこの方式は、起動のためのROMには最小限の機能だけを搭載し、これまではROMで実現していた機能をRAM上に展開すると行った方式に変更された。ROMにあった内容は、システムフォルダの「Mac OS ROM」ファイルに含まれている。こうしたシステム環境を「NerWorld」というコードネームで呼ばれている。これにより割り込み処理などが効率化されるなど、より高速化が期待できる。起動ディスクのクリアや、強制的にハードディスクあるいはCD-ROMで起動する場合のキー操作についても記載されているなど、内容的には詳しい文書だ。PowerBookユーザでなくても、ROM-in-RAM方式を知りたい場合には一読するとよいだろう。

関連リンク:58342JN:PowerBook G3 Series (Bronze Keyboard): NewWorld ROM について
カテゴリ:PowerBook, Tech Info Library-J


Power Mac G4のDVD-RAMには2種類ある

Tech Info Libraryに掲載された「DVD-RAM Drive Differences」では、AGPタイプのPower Mac G4に搭載されているDVD-RAMに2種類あることが記載されている。写真入りで説明されており、トレイ部分の形状が違っている。しかしながら、性能的には同等であると説明されている。

関連リンク:31161:Power Macintosh G4 (AGP): DVD-RAM Drive Differences
カテゴリ:周辺機器, Knowledge Base(旧TIL), Power Mac


2000/1/18にTech Info Library-Jで公開された文書

アップルコンピュータより公開されているTech Info Library-Jで、別掲の記事以外に以下の文書が2000年1月18日に新規公開された。一覧の左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

16473JN:Mac OS: 起動時に起こる問題のトラブルシューティング
25035JN:Mac OS 9: マルチユーザでアメリカ・オンラインを使う
60643JC:Mac OS 9: インストールする前に Firmware をアップデートする
25082JN:Macintosh: USB CD-R 装置に書き出すときのエラー
24414JN:10/100 Ethernet Card: 10/100 イーサネットカードに適したケーブル
24861JN:FireWire: DV カメラからコンピュータへ静止画を転送する

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J


2000/1/19に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月19日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

58433:Power Mac G4: Read Me
75002:QuickTime Streaming Server 2.0: Streaming Live Audio or Video
11909:Fonts: Bitmap, PostScript, and TrueType Compared
75009:QuickTime Streaming Server 2.0: Viewing Streamed Media From a Client Computer
43029:iMac: How To Get Service & Support
31159:Mac OS 8.6: ARA Personal Server 3.0 Will Not Install

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)


更新されたTechnote(2000年1月)

Technoteの以下の文書が更新されている。更新されたポイントについては記載がないので分からないが、文書自体はすでに公開されていたものである。文書の概要も併せて説明しておこう。

◇TN1181: Sherlock’s Find by Content Text Extractor Plug-ins
 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1181.html
Mac OS 8.6からサポートされた、Sherlockでの内容で検索の索引作成で使うプラグインの作成方法を示した文書。独自フォーマットのファイルからテキストを正確に抽出するために利用される。

◇TN1150: HFS Plus Volume Format
 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1150.html
HFS Plusフォーマットの仕様書。APIについては書かれていない。フォーマットの詳細なスペックを知りたいような場合に参照すればいいだろう。

◇TN1145: Living in a Dynamic TCP Environment
 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1145.html
Open TransportでTCP/IP通信を行うとき、IPアドレスは常に一定であるとは限らない。こうした環境でのプログラミングの方法とサンプルが示されている。

◇TN1104: Interrupt-Safe Routines
 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1104.html
割り込み時などに呼び出し可能なAPIコールについての説明。

◇TN1060: Controlling Apps with Synthesized Events, or jGNEFilter - the Untold Story
 http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1060.html
jGNEFilterを利用すればイベントキューの内容について、イベント処理をする前に処理を行うことができる。

カテゴリ:Technote