Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年1月25日発行号 - MDOnline-MetaCardがバージョンアップ



あえて「カード型開発ツール」という言葉は記事では使いませんでしたが、Macユーザのみなさんなら意味が分かってもらえるかと思います。HyperCardはさっぱりアップデートされなくなり、ToolBookも販売は続けられていますが表舞台から去っています。この手の開発ツールがどうしても使いたいとなると、今では手軽にこれと言って選ぶことはできない状況ではありますが、MetaCardはバージョンアップを続けています。ただ、ソフト自体は$995とかなり高価で、ToolBook的な色彩もありますが、UNIXも含めたクロスプラットフォームのアプリケーション開発ツールとなると、あまり類を見ないかとも思います。Starter Kitをダウンロードしてみましたが、現在はVer.2.2.5です。でも、「スタック」という言葉を使っていたり、メッセージのウインドウがあるなど、とにかくHyperCardを思い出させます。
そこでAsymetricsはどうなっているのかとサイトを見に行ったら、社名がclick2learn.comに変わっていて、Webをプラットフォームとする方向へ転換していました。ToolBook IIとしてToolBookはまだ販売はされていますし、1999年にバージョンアップもされています。ユーザグループも活動は続けているようです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


クロスプラットフォームの開発ツールMetaCardがバージョンアップ

MetaCard社は、クロスプラットフォームの開発ツール「MetaCard」のバージョンアップ版、Ver.2.3を2000年1月中にリリースする。MetaCardは、HyperCard的な開発ツールであり、ビジュアルを中心とした開発環境で、手軽に画面設計ができるのがまずいちばんの特徴だろう。そして、ベクターグラフィックスを扱えることや、生成したアプリケーションがMac OSだけでなく、WindowsやUNIXで利用できるというクロスプラットフォーム開発が可能な点も大きな特徴だ。もとはUNIXのソフトだったが、1998年にリリースしたVer.2.2でMac OSにも対応した。もともと、HyperCardやSuperCard、Oracle Media Objectsで開発したソフトウエアをコンバートして読み込める機能が搭載されていた。スクリプト言語としてはMetaTalkが搭載されており、perlライクなスクリプト記述ができるとしている。また、QuickTimeはもちろん、さまざまなメディアデータを読み込める。価格は$995だが、開発したアプリケーションの配付ライセンスは不要だ。教育機関向けの割り引きもある。アプリケーションを生成すると、プラットフォームにかかわらず1つのファイルとして配付されるため、特にWindows向けのアプリケーションでは管理が楽になるというメリットがある。機能がある程度制限されたStarter Kitをフリーでダウンロードできるので、試用することも可能だ。Ver.2.3では、スクリプト言語でソケット通信の機能が組み込まれ、インターネットサービスを利用するソフトウエアを簡単に開発できるようになった。
カードと言うメタファーをベースにした開発ツールは、特にHyperCardが一時期は大きな支持を集めていたものの、ユーザ層の変化などから最近ではあまり話題を呼ばなくなっている。HyperCardが実質的に開発がストップしており、Windows分野でもToolBookのようなツールは大ブレークしたわけではなかった。ToolBookは、Microsoftの設立メンバーでもあるポールアレン氏が作ったAsymetrix社がリリースしていたが、現在はclick2learn.com, Inc.と名前を変えて、Webベースの教育システムへと特化している。ToolBook IIとして現在も販売されているが、重点はWebベースの開発ツールへと移行しているようだ。(ちなみに、click2learnはソフトバンクとジョイントベンチャーを作り、日本でオンライン教育関連のポータルビジネスに参入するという発表が今月なされている。)いずれにしても、アップデートが続けられているこの種の開発ツールとしてMetaCardへは注目をしておく必要はあるだろう。

関連リンク:MetaCard Corporation
カテゴリ:Windows, UNIX, 開発ツール, 開発ツール


WebObjects 4.0.1 Patch 2がリリース、DB関連を中心に数多くのバグを修正

WebObjects 4.0.1のPatch 2がリリースされた。すべての利用者はこのパッチをあてるべきだとされている。Sybaseのストアドプロシージャを使ったときの不具合を修正など、Sybase関連の修正がいくつかある。また、文字列の比較で大文字小文字を考慮しない場合の処理が改良されている。ODBCデータベースに対して新しいモデルで接続するときのエラーや、スナップショットに到達できないこと、Oracleでのオプティミスティックロックが機能しない場合がることの修正やOuter JoinでのSQL文の生成ミスが修正されている。Java関連の修正もあるなど、かなりたくさんの修正項目が挙げられている。修正内容は、以下のTech Info Libraryの文書を参照するとよいだろう。ダウンロードのリンクやインストール方法も、TILの文書中にある。

関連リンク:70141:WebObjects 4.0.1 Patch 2 Overview
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), WebObjects, 開発ツール


QuickTime 4.1ではFinal Cut Proは1.2以降を使う必要がある

QuickTime 4.1ではDV機能に変化があるため、Final Cut Pro 1.0/1.0.1は利用できなくなる。Final Cut Pro 1.2へアップグレードする必要がある。アップデータはフリーでダウンロードできる。

関連リンク:60695:QuickTime 4.1: Not Compatible With Final Cut Pro 1.0
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime


Macintosh Server G4の仕様が文書として公開

米国で発売されているMacintosh Server G4のハードウエアのスペックが記載された文書がTech Info Libraryに公開された。メモリやハードディスク、CPUなどの具体的な数値を知りたい場合にはこの文書を参照すればいいだろう。なお、AppleShare IP版のスペックであると記載されている。

関連リンク:58577:Macintosh Server G4: Technical Specifications
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Power Mac


ワイヤレスネットワークベースステーションは縦横どちらに置いても同じ

AirPort Base Stationの設置する方向についての文書がTech Info Libraryに公開された。縦にしても、横にしても、パフォーマンスには関係ないとしている。
<なお、AirPortの名称は日本では使わないことがアナウンスされているが、MDOnlineでは米国でリリースされた内容をもとに記事を作成する場合は不要な混乱を避けるために、記事中ではAirPortという名称を使うこととする。ただし、見出しではAirPortという名称はその場合でも使わないというガイドラインで記事を作成する。>

関連リンク:58572:AirPort Base Station: Mounting Orientation Does Not Affect Performance
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク


ログ解析ツールAnalogの利用を支援するAnalog Helper

Sig Softwareは、Webサーバのログファイルを解析するAnalogの設定を行うツール「Analog Helper」をVer.1.2にアップデートした。Analogは、さまざまなプラットフォームに移植されているWebサーバのログ解析ツールで、ページごとのアクセス数や時間、日ごとのアクセス状況などをグラフ表示するなど、ログ解析ツールでは定番ソフトとなっている。ただし、それを稼動するための設定が複雑だが、Analog Helperを使うことで、設定をダイアログボックスで行うことができる。Mac OSで稼動する。価格は$25ドルだ。Ver.1.2でAnalog4に対応し、Report Magicの利用も組み込まれた。

関連リンク:AnalogHelper
カテゴリ:サーバー関連


2000/1/22,23に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月22,23日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

58418:Power Mac G4: How to Differentiate Between Models
20833:Mac OS 7.6: About QuickDraw GX Read Me
20076:System 7.5, v7.5.3: Before You Install QuickDraw GX
16178:System 7.5 MUK: QuickDraw GX Installation Read Me
30948:Power Macintosh G3 (Blue and White): FAXstf 5.0.5, Connection and Web Browser Issue
43029:iMac: How To Get Service & Support
22229:iMac: Transferring Files Modem to Modem
59002:Final Cut Pro 1.0.x: QuickTime 4.x Compatibility

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)


2000/1/24に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年1月24日に更新されたものとして公開された。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。
75004:QuickTime Streaming Server 2.0: Setting Up a Relay
58546:AirPort Base Station: X2 Modem Compatibility
58434:Power Mac G4: Technical Specifications
70142:WebObjects 3.5.1: Additional gdb Troubleshooting
70117:WebObjects 4: Preventing Zombie Processes on Solaris
58537:iMac (Slot Loading): Installing AirPort Card
31164:Mac OS X Server: NetBoot Installer Can’t Open Package Message
31161:Power Macintosh G4 (AGP): DVD-RAM Drive Differences
58527:iMac (Slot Loading): Buzzing Noise After Shutdown
58473:iMac (Slot Loading): Differences Between Models
58474:iMac (Slot Loading): Technical Specifications
31165:Location Manager: Editing Remote Access And Modem Configurations

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)