Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年2月8日発行号 - iCab1.9がリリース



コーレルとインプライズ/ボーランドが合併だそうです。コーレルはたくさんの製品を抱えているものの、最近では、Linuxのディストリビューションが話題になりました。WordPerfectやParadoxといったオフィス製品も出してきていますが、WordPerfectをLinuxに移植するなど、ともかくLinux化に積極的です。インプライズはC++やJavaに加えてApplication Serverや分散オブジェクト環境のVisiBrokerなど、開発ツールが主力ですが、データベースのInterBaseをオープンソース化してLinuxにコミットしたり、C++、JavaあるいはDelphiをLinuxに移植するなどやはりLinux環境への対応に力を注いでいます。両者は、1999年9月に提携をしており、それを一歩進めたことになるのでしょう。いずれにしても、ソフト開発メーカがまだ開拓されていない土地を求めるとなるとLinuxということになるのでしょうか。両者が合併すると、LinuxのOSのディストリビューション、ワープロやスケジューラなどのオフィス系の一連のソフト、そしてアプリケーションサーバやデータベースサーバ、開発環境といったバックエンドの環境がすべて揃うことになります。製品がカバーする範囲が広く(まるでマイクロソフト?)、その意味では注目できるでしょう。両者の主力製品はまだ一部しかLinux対応していませんが、揃ってきた時には状況の変化が起こる可能性があります。Linuxにワープロなどはあるものの、実際に文書作成などを行っている人はめったにいません。デスクトップ環境としてはやはり、WindowsやMac OSの方が、アプリケーションの完成度と言う点では評価されています。だから、Linuxはやはりサーバで使うものというのが一般的な評価でしょうが、コーレルの動き次第では状況も変わる可能性もあります。また、本格的な競争はこれからにしても、競争も激しくなると製品も改良されるでしょうから、デスクトップOSとしてのLinuxの実用度も高くなるかもしれません。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Beの次世代情報端末向けシステム「BeIA」を発表

Be社は、コードネームがStingerとして知られていた、インターネットからの情報取得やエンタテインメント環境を提供するためのシステム「BeIA」を発表した。パソコンのように設定を行うなどしてインターネットを利用するのではなく、もっと簡単にインターネット利用ができることを目的とした一種のOSで、起動時間が短く、使用メモリも少ないとしている。インターネット家電のような製品をにらんだ基本ソフトウエアやアプリケーションのセットのようで、パソコンの次の情報機器を目指した製品だ。マルチメディア機能も備えているため、エンタテインメントのコンテンツを利用することもできる。IAは「Internet Appliance」の略のようだが、実態の掴みにくい名称でもある。同社のページに画面ショットなどはなく、具体的なルック&フィールも分からない。コンピュータメーカのFICのマザーボードに、BeIAがサブシステムとしてバンドルされることも発表された。メーカに対しては、第一四半期に出荷される。
一時期は、次世代のMac OSとして候補のあがっていたBe OSではあり、一部では高い支持を得ていたが、実用性という観点からは未知数であり、結果的には実らなかった。そして、Be OSをフリーダウンロードできるようにして、収益の柱をBeOSからBeIAに移した。Be OSは一般購買者向けに販売していたものの、結果的にはライセンスで得ていた収益の方が大きかったと予想される。BeIAは、機器に組み込むものだけに、すべてがライセンス販売となるため、今までのようにコンシューマにアピールするようなことは少なくなるだろう。BeIAでの出直しがどこまで成功するかが見どころだろう。

関連リンク:Be
カテゴリ:業界動向


コンパクトなWebブラウザiCabがバージョンアップ、プラグインに対応

Alexander Clauss & iCab Companyによって開発されているWebブラウザのiCabがVer.1.9となった。現在はプレビュー版で、2000年6月に製品版として49DMで販売される予定だ。新しいバージョンになって、Netscpape Navigator向けのプラグインを利用できるようになった。また、JavaScriptも利用できるようになった。Link Managerとして、現在のページのリンク一覧をフレームの左側に表示し、クリックすることで右側にページの内容を表示するようなウインドウの機能も加わった。なお、執筆時点では、日本語版は前バージョンの1.8が最新版であった。

関連リンク:http://www.icab.de/
カテゴリ:ブラウザ


REALbasicでメール送信を行うプラグインがリリース

REALbasicで、SMTPを利用したメールを送信することを可能にしたプラグイン「Nubz SMTPSocket」がリリースされた。電子メールの送信ができるが、ファイルの添付を行いマルチパートMIMEのメールを構成することもできる。デーモンのように機能し、メールをキューに溜め込んで、1回のセッションで複数のメールの送信もできるとしている。

関連リンク:Nubz New Products DevTools
カテゴリ:ライブラリ, REALbasic


スクリプトでメールをダウンロードするmboxerが仕様を確定

AppleScriptによるコントロールでPOPサーバからメールをダウンロードするソフト「mboxer」が1.0fc3になった。Tanaka’s OSAXの作者でもある田中求之氏が開発を進めている。仕様をフィクスさせ、AppleScriptでの利用法に関するページも新たに設けられた。一部のコマンドでは前バージョンから動作が変更されている。mboxerは、POPサーバから取り出したデータをそのままファイルにダウンロードするのが1つの機能だが、加えてダウンロードしたファイルから、ヘッダや本文などをシフトJISにコード変換した結果で取り出したり、Eudora形式のファイルに変換する等の機能も備えている。電子メールをベースにしたシステム構築などに利用できるものだ。
また、メールを送信するAppleScript対応アプリケーションとして、UVJ Mailerもリリースされているが、Ver.2.0のベータ版が公開されている。

関連リンク:mboxer
カテゴリ:電子メールソフト


ディスクの内容をそのままファイルに書き出すサンプルコード

サンプルコードとして公開された「BasicDiskImage」は、ディスクのブロックの内容をそのままファイルに保存するというものだ。PBReadSyncを使ってディスクのブロックをそのまま読み込む方法を説明するものであるが、ユーティリティとして使える場合もあるだろう。たとえば、0ブロックはブートセクタで、システムを起動するのに必要な情報が記録されている。読み取り結果はファイルとして保存されるが、たとえば、それを、16進表示するようなユーティリティを使って参照することになる。

関連リンク:BasicDiskImage 1.0b1
カテゴリ:アップルからの開発資料, 周辺機器


2000/2/5,7に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年2月5,7日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

○本体関連
60684:Power Mac G4 (AGP Graphics): Purpose of Red Light on Logic Board
22148:Power Macintosh: MacIPX Errors
20000:Power Macintosh 5400/120: Disk Icon at Startup
20039:Power Macintosh 5400/120: Need to Install Revision 2?
○プリンタ関連
20018:LaserWriter 8.4: PostScript Fax Isn’t Supported
20041:LaserWriter Select 360: Multipurpose Tray Now Available
20049:Portable StyleWriter: Out of Paper Error
11134:PrintMonitor: Where=80 and Why=-50 Error Messages
7393:PrintMonitor: Why=6 and Why=-120 Error Messages
2507:Page Setup: What Happens When "Font Substitution?" Is Deselected
10096:LaserWriter Driver 7.1.1: Clone PostScript Interpreter Issues
8557:PostScript: Printing From a PC
5658:LaserWriter: Recycled Paper Specifications
6547:Intelligent Print Spoolers
11037:LaserWriter Driver 7.x: Printing Linked Files Issue
26186:Support for Apple Printers
○Mac OS X Server/WebObjects
◇70037:WebObjects Current Patch List
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70037
◇60106:Mac OS X Server: About Kerberos on Mac OS X Server
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60106
○ソフトウエア関連
20027:Megaphone 1.0.3P: Read Me
20040:Macintosh: Sound Terminology Definitions
20009:AppleShare 4.2.1: Product Description
20038:AppleShare 4.2 to 4.2.1 Updater Read Me
9530:System 7 LaserWriter Driver: How to Shrink PostScript Files
17789:Mac OS: Connecting Windows For Workgroups
10089:PhotoGrade: No DOS Support
3859:Kanji: Sending Characters Via Electronic Mail
43024:Macintosh: Can I Run Windows?
7765:Macintosh: Screen Dumps to a Printer
8514:Macintosh Trash Can: You Can’t Hide It, but You Can Stop It
24506:QuickTime MPEG Extension: Incompatibility With Third-Party Cards
○周辺機器関連
7294:Macintosh: How To Get Simultaneous RGB and NTSC Output
7400:Macintosh: How To Get Two Screen Dumps on a Single Page
8680:EtherTalk: How To Determine Version Number

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)