Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年2月23日発行号 - Mac OS XにAppleWorks 6



2月21日はワシントンの誕生日ということを何人かの読者の方から教えていただきました。ありがとうございます。ということで、22日にはどっさりとTILの文書が増えていて、AppleWorks 6に関する文書は今日の配信ではフォローできていません。これからでかけないといけないので、とりあえず今日の分はこの時間に配信します。22日、23日と連続してSal Soghoian氏によるAppleScriptのセミナーがあり、本日は22日分の記事を入れています。明日は23日分を御報告できると思います。Mac OS Xについて、いろいろ知ることができました。
Mac OS X Server 1.2に関する文書が出ましたし、この分野で有名なStepwiseのサイトにも、Mac OS X Server 1.2の入手方法が記載されており、米国ではすでにリリースがなされたものと見て良いでしょう。ただし、正式なアナウンスはまだありません。Mac OS X Serverの行く先については、具体的なアナウンスもありませんが、アップルの担当者が言うように、確かに、NetBoot、WebObjects、QTSSのような環境を提供するという意味では重要なプラットフォームでしょう。しかしながら、これらは、Mac OS Xでもそれほど労せず動かせるようになるとも考えられます。一方、サーバ環境としては、LinuxやFreeBSDあるいはSolarisなど、他の環境もあり、Mac OS X Serverにしかない機能をどうしても使う必要があるならともかく、単なるファイルサーバとして使うのであれば、Mac OS X Serverにこだわる必要もなくなってきます。新しいバージョンのMac OS X Serverの変化を見る限りでは、その延長線の傾きも極めて緩やかなものとしか言えないだけに、サーバ環境への時間と費用の投資にはとても頭を悩ませる状況になってきたと言えそうです。
LinuxPPC関連の抽選は、明日の配信号でお知らせします。今日は、抽選をする時間がありませんでした。夜にでも家内にあみだくじを引かせますので、応募された方は、それくらいの時間に念力パワーを集中させると効果はあるかもしれません(笑)。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS XではAppleWorks 6がバンドルか? スクリプト環境は継続

AppleScriptに関するセミナーが2000年2月22日にアップルで開催された。講師はAppleのAppleScript Product ManagerであるSal Soghoian氏だ。デモではデベロッパー配付されたばかりのMac OS X Developer Preview 3が利用され、Mac OS Xのさまざまな特徴がかい間見られた。Mac OS Xには、テキストエディタ、スクリプト編集プログラムといったアプリケーションに加え、「スケッチ」と呼ばれるドロー形式のグラフィックスアプリケーションもバンドルされる計画であることが判明した。スケッチはAppleScriptに対応している。また、Carbon対応したAppleWorks 6も、システムにバンドルされる計画があることも話された。テキストエディタは、Mac OS X Serverに組み込まれているもののようになると思われるが、Cocoa対応のアプリケーションであり、Cocoaのフレームワークのさまざまな機能が利用できるという期待もある。スクリプト編集プログラムはすでにMac OS 9でCarbon対応しているが、それと同等なものがMac OS Xにも付属するようだ。実際にデモを見た限りでは、スクリプト編集プログラムはMac OS 9のものと同じで、Aquaベースであるためにタイトルバーやスクロールバーなどの形状が違っているというところだ。
AppleScriptに関しては、可能な限り以前のバージョンからの互換性を保つようにするという。ただし、ネットワークなど、現状とシステムのベースが異なるものもあるが、基本的な文法はまったく同じにするという。Mac OS Xでは真のマルチタスク機能が可能だが、現在のMac OS 9などのように、バックグランドでスクリプト処理が滞るようなことはなく、フォアグランドでもバックグランドでも同じように処理されるということが期待できるそうだ。
デモでは、Stone Software社のCreateというドローソフトをAppleScriptでコントロールするところも見せていた。このソフトはNeXTSTEP時代からあるドローアプリケーションだが、Cocoa対応のアプリケーションとして、Mac OS Xのリリースと同時に発売される見通しだという。CocoaのアプリケーションフレームワークがAppleScript対応であるために、こうしたAppleScriptに対応したアプリケーションがすぐにも登場するということにつながっている。
Classic、Carbon、Cocoaのそれぞれのアプリケーションが、異なるAPI環境にあるアプリケーションに対してスクリプト処理をさせることは可能だ。このとき、CarbonからClassicに対してのスクリプトプログラムは、Mac OS 9などの従来のOSで作られたスクリプトプログラムがそのまま利用できるようになっている。つまり、スクリプト編集プログラムなどで作ったプログラムは、1つの形態としては、Carbon環境で実行されるが、そこからClassic環境で動くアプリケーションのコントロールも従来とおりできるということである。
AppleScript環境は、Mac OS Xでも従来とは変わらず、重要なシステム機能であることも同様だと言えそうだ。Mac OS XでAppleScriptの応用範囲が広がり、さらに飛躍する可能性は十分に感じられる。

カテゴリ:AppleScript, Mac OS X, イベント


Sal Soghoian氏によるAppleScriptのセミナーが開催

2000年2月22日に、アップルで開催されたAppleScriptのセミナーでは、スクリプターの間では“神様”とまで呼ばれている、AppleのAppleScript Product ManagerであるSal Soghoian氏が講師をつとめた。絞り込んだユーザを対象としたためか、50人ほどの聴講者でそれほど広い部屋でもなく、Sal Soghoian氏と聴講者が至近距離で対話ができたセミナーだった。募集時にはDTPに特化したセミナーということだったが、実際にはAppleScriptの利点やこれまでの流れといった一般的な話題や、Mac OS Xといった次世代の話題も含まれていた。Mac OS Xについては別掲の記事を参照してもらいたい。
まず、AppleScriptの利点として、さまざまな会社でのコスト削減の実例を挙げた。「突き詰めればAppleScriptを利用することでお金が儲かる」という、非常に分かりやすい表現で、AppleScriptの利点をまとめた。AppleScriptによる自動化による生産性向上というのが広い見方ではあるが、「儲ける」という直接的な表現は、AppleScriptの利用を促す意味でも強いメッセージと言えるだろう。
Mac OS 9に搭載されたIP経由のスクリプト利用についても、ワークフローやキオスク端末のようなイメージを出して説明をしていた。異なるマシンを連係するようなワークフローを世界中にはり巡らされたインターネットをベースに行える。また、キオスク端末を別のところから管理するような用途も示された。さらに、Sal Soghoian氏のバージニア州の自宅にあるMacintoshを、AppleScriptでコントロールするデモも行われた。もっとも、自宅のマシンを見ることができるわけでないため、確認はできないものの、印象に残るデモであった。こうしたIP通信を利用したスクリプト処理では、アカウントとパスワードでの認証のプロセスも入るが、それも含めてデータのやりとりは暗号化されており、盗聴や改竄からはシステム的に守られていることも話された。
DTP関連のデモとして、QuarkXPressのレイアウトを、テキストや画像などの素材から自動的にカタログを作るようなものが示された。また、千明社の倉持哲也氏によってQuarkXPressの表組を自動的に行うプログラムのデモも行われた。このプログラムは倉持氏が開発し、フリーウエアで配付されているもので、Macworld ExpoのユーザーグループブースでのAppleScript User Groupで展示していたところをSal Soghoian氏が見て、今回のデモへとつながったという経緯がある。
さらに、フォルダアクションのデモや、ColorSyncによるデモも行われた。サンフランシスコの現在の景色をダウンロードしてデスクトップピクチャにするデモは、なかなか印象的であった。Sherlockのデモや、倉持氏のプログラムでも使われている開発ツールのFaceSpanのデモなど盛り沢山のデモであった。
セミナー終了後は、AppleScript Users Groupのメンバーを中心に、記念撮影と書籍へのサイン依頼が続き、Sal Soghoian氏がコアユーザの心を捕らえていることもうかがえた。

カテゴリ:AppleScript, イベント


FireWireドライブから起動できるのはUnified Macintosh Architecture対応機

FireWireに接続したハードディスクなどからの起動をサポートするのは、Unified Macintosh Architectureに基づいたハードウエアである。AGPグラフィックスのPowerMac G4、iMac DV、FireWire搭載のPowerBookがそれに相当する。iBookもUnified Macintosh Architectureであるが、FireWire端子がない。FireWireドライブからの起動方法は、通常のシステムと同様「起動ディスク」コントロールパネルで選択しておけばよい。

関連リンク:58606:FireWire Booting: What Computers Support It and How To
カテゴリ:周辺機器, Mac OS 9


Mac OS X Server 1.2に関する文書が公開、BlueBox環境の詳細な説明も

Tech Info Libraryに、Mac OS X Server 1.2に関する文書が以下のように公開された。いずれも、利用者にとっては重要な文書であり、内容も豊富だ。概要を紹介しておこう。

◇60714:Mac OS X Server: About Release 1.2
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60714
PowerMac G4に対応したMac OS X Server 1.2についての文書だ。Apache 1.3.9が組み込まれていることや、NetProbe.appが加わったことなどの違いがまずまとめられている。また、機種ごとに、利用できるSCSIカードについての情報もある。AppleShareファイルサーバ機能については、制限事項などがかなり詳細に記載されちえる。NetBootやMacintosh Managerについての説明もある。Ver.1.2を実際に使う場合には、必ず目を通しておく必要があるだろう。

◇60715:Mac OS X Server: About Mac OS Compatibility (MacOS.app) v2.2
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60715
Mac OS X Server 1.2に搭載されているBlueBox(従来のMac OSと互換性のある環境)についての文書だ。起動方法から始まり、どのようなシステム環境なのか、利用できる機能とそうでない機能などがまとめられている。Mac OS X Serverで、Mac OSを利用する場合には、必読の文書である。

◇86000:Macintosh Management Server 1.2: Read Me
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n86000
すでに公開されている、Mac OS X Server向けのMacintosh Manager 1.2サーバについての文書だ。利用条件やインストール方法等がまとめられている。なお、このサーバプロセスは、Mac OS X Server 1.0-2以降で稼動する。

カテゴリ:Mac OS X Server


NetBootに関する文書が公開、クライアントをMac OS 9にする方法など

Mac OS X Serverで、クライアントのシステムを集中管理できるNetBootについての文書が公開された。以下のように、追加情報と、クライアントのシステムをMac OS 9にアップデートする方法が記載されている。

◇60713:Mac OS X Server: About NetBoot Server Software
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60713
NetBootに関する情報のうち、マニュアルなどに入れられなかったものがまとめられている。ファームウエアのアップデートが必要な機種や、Macintosh Managerの扱いや利用しなくする方法、起動時にPRAMのリセットをさせない方法など、さまざまな内容が記載されている。

◇25090:NetBoot: Upgrading a NetBoot Image to Mac OS 9
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25090
NetBootのクライアントディスクのイメージをMac OS 9に変換する方法が記載されている。アップデートする方法が手順で示されている。クライアントから、Global Administratorでログインして作業する。

カテゴリ:ネットワーク, Mac OS X Server


PowerBookでFinal Cut Proを使った場合に問題の出るDVカメラ

FireWire搭載のPowerBookでFinal Cut Proを使用する場合、コントロールができなくなるDVカメラがある。いくつかのソニー製品がそれに当たり、問題の出るカメラの一覧が掲載されている。将来的にはこの問題を解決するアップデータをリリースする予定だ。

関連リンク:58605:PowerBook(FireWire): Device Control In Final Cut Pro
カテゴリ:QuickTime, グラフィックス, PowerBook


システムのクリーンインストールが必要になる場合を説明する文書

システムを新たなフォルダにインストールするクリーンインストールの意味と、それが必要になる場合がどのようなときかを説明したドキュメントだ。起動時にクラッシュする場合や、特定のプログラムでクラッシュする場合、さまざまな状況でクラッシュする場合、インストール中にクラッシュする場合などの対処法が示されており、原因とクリーンインストールの必要性が解説されている。トラブルシューティングのための情報源としても利用できるだろう。

関連リンク:30691:Mac OS: When and Why to Perform a Clean Install
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), トラブルシューティング, Mac OS 9


2000/2/22に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年2月22日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

○システム関連
◇59004:Mac OS X Server Update Download Instructions
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n59004
◇31061:Mac OS X Server: Inside NetBooting
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31061
◇25035:Mac OS 9: Using America Online with Multiple Users
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25035
◇20725:Mac OS: -44 Error Occurs When Installing Software
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n20725
◇14438:Macintosh: Startup Problems Q & A
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n14438
◇31180:Macintosh: Memory Utilization Troubleshooting Chart
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31180
◇58413:Macintosh: Moving Applications to a New Computer
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58413
60652:AppleShare IP 6.3: Not Tested With At Ease Server
○ハードウエア関連
◇58587:PowerBook (FireWire): Connecting Non-USB or Non-FireWire Peripherals
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58587
◇43031:Options for Backing Up Hard Drive Contents
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n43031
◇60432:iBook: How Programmable Function Keys work
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60432
◇30380:Power Macintosh: Iomega ZIP Drive Troubleshooting
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30380
◇75023:Power Mac G4 (AGP Graphics): Helping Correct DVD Audio Sync
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75023
◇30702:iMac: ClarisWorks Registration Information
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30702
◇58603:AirPort: Information About Closed Networks
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58603
○クラリスワークス旧版
55173:ClarisWorks: Alerts When Opening a File
56883:ClarisWorks: Using with WorldScript
55220:ClarisWorks: Communications with a TDD Modem
56798:ClarisWorks: How to Set Up a Layout for Envelope Printing
24805:Claris Software: Compatibility With Windows 98
55538:FAXstf and ClarisWorks
30899:AppleWorks/ClarisWorks: Entering Year 2000 & Beyond Dates
57377:ClarisWorks 5.0: Custom Outline Style Does Not Allow For Proper Custom Indents
57381:ClarisWorks 5.0: Database Does Not Scroll To Found Record in List View
57379:ClarisWorks 5.0: Text Field Import Limited to 255 Characters (DB)
24492:ClarisWorks 5.0: Text Alignment in Database List Mode
57348:ClarisWorks 5.0 for Windows: Cannot Install With DOS Compatibility Cards
24757:AppleWorks for Windows: Importing Pictures Changes Bit Depth
31004:AppleWorks 5: Editing Master Page of Business Plan Stationery
24995:AppleWorks 5: Equation Editor Symbol Font Error
○プリンタ関連
60490:Desktop Printing: Error -8940
16108:PrintMonitor: Description
15979:PrintMonitor: Suggested Size = N/A
15908:LaserWriter 8.x: Using Hewlett-Packard LaserJet 4si
16279:LaserWriter 8.2: Printer Driver Changes
16197:LaserWriter Fax Log: Contains Status Of Transmissions

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)