Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年2月25日発行号 - CocoaでAppleScript対応



MDOnlineの読者の方々は、おそらくパソコン利用では指導的な立場の方が多いと思うのですが、このところ、やたらとセキュリティの話をさせられませんか? 官公庁がアタックを受けて、ホームページの書き換えが行われてしまったわけですが、それはそれでショッキングな事件であることは確かなのですけど、一般マスコミはちょっとあおり過ぎじゃないかとも思ってしまいます。「やっぱりネットワークは危険」みたいな論調がサブリミナルしているような気がしてなりません。
もっとも、セキュリティ一般についても認識は人によってさまざまです。カギをかけないで空き巣に入られた場合、あまり同情はされないと思いますが、カギを壊したり窓をこじ開けたりなんて話を聞くと縮み上がってしまうという点では共通のコンセンサスがあるかと思います。ところが、「子供が繁華街をうろつくと犯罪に巻き込まれる」みたいなこととなるとどうでしょうか。そうでもあり、そうでなくもあり、酒の肴になりそうな議論になりそうです。「あの場所で発砲事件があったから行ってはいけません」ということを言われるかもしれませんが、セキュリティ的には非常に低い確率(連続して発生する発砲事件に出会う)ことに対して、高いコスト(というかこの場合はその場所にいけないという不利益)がかかっていると言えると思います。セキュリティの基本に、セキュリティにかかる費用が被害額を上回っては意味がない、ということがあります。
いずれにしても、実社会でもことセキュリティとなると、あいまいです。ましてやなんだか分からないネットワークはなおさらでしょう。日本の警察は優秀だとは言え、夜中に暴走族がたまるところにわざわざ出かける人もいません。結局は、君子危うきに近付かずを決め込むのが安全なわけです。しかし、ネットワークの場合、場所と言う意味の安全性はあまりないわけで、犯罪者はずかずかとやってくるのも事実です。今こそ、ネットワークは危険だという消極的な対応ではなく、ネットワークを安全にしようという強い意志を皆が持たないといけないと思います。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Cocoaアプリケーションのフレームワークはイベントモデルに対応

Mac OS XのネイティブなAPI環境であるCocoaでは、フレームワーク自体がAppleEventのオブジェクトモデルを内包しているため、従来よりもAppleScript対応が容易になることになりそうだ。Macworld Expo/Tokyo 2000開催中にデベロッパー向け行われた説明会で明らかになったものだ。また、AppleScriptのプロダクトマネーじゃであるSal Soghoian氏、AppleScript Technology ManagerのJason Yao氏とのインタビューでも明らかにされた。
Cocoaアプリケーションを作成するためには、用意されたフレームワークを利用するのだが、フレームワークのコンポーネント自体がすでにAppleEventを受け付けるようになっているという。おそらく、AppleEventのオブジェクトモデルとして手軽に利用できるようになっていることと、イベントをハンドリングする機能が組み込まれているものと思われる。たとえば、テキスト編集やオブジェクトを扱うコンポーネントがAppleScriptに対応できる状態で提供されているそうだ。つまりはフレームワークに用意されたコンポーネントを使う限りにおいては、最初からAppleScript対応していると考えていいようだ。
現在のaeteリソースに対応する用語辞書情報については、Cocoaでは大きく変わり、テキストファイルでその情報を所持させることになる。Cocoaから見たファイルシステムにはリソースというものが存在しないため、こうした手法を使うことになるそうだが、土台がUNIXであるという点にも関連しているそうだ。この用語辞書情報をおさめたテキストファイルは、Rezで処理するリソース定義ファイルのフォーマットのようなものだそうだ。インタビュー中に、このフォーマットをXMLフォーマットにすれば、さまざまなツールを用語作成に使えるのではないかと、筆者より提案をした。なお、アプリケーションとは別にファイルが必要になるが、Mac OS 9から導入されたパッケージを利用すれば、利用者には1つのアイコンだけが見えるようにもできる。
なお、CarbonでのAppleScript対応は、従来とおり、aeteリソースを記述し、イベントのハンドリングプログラムを基本的には作成する必要がある。Cocoaでも全く何もしなくてもAppleScript対応できるということにはならないだろうが、従来のAPI環境にくらべてより少ない労力でAppleScript対応ができ、しかも、単一コンポーネントに対しては均一なスクリプト環境を構築できると言う大きなメリットもある。Cocoaアプリケーションでは、AppleScript対応がより多くのソフトウエアに広がることが十分に予想できる。

カテゴリ:AppleScript, Mac OS X


アップルがエンドユーザからの製品評価を収集、評価希望者の登録を開始

アップルは、日本国内で、開発中の製品をユーザによって評価する「Customer Quality Feedbackプログラム」を開始する。開発段階の製品をユーザが評価することによって、ニーズを把握し、また品質を高めるのが目的である。米国では数年前から行われている。このプログラムに参加するには登録が必要で、その後に使い勝手や機能などのレポートが担当者より開発チームへと報告されるようになっている。エンドユーザ向けのプログラムであるため、マスコミ関係者は応募できない。また、デベロッパに対しては、デベロッパ向けのサービスに誘導されている。

関連リンク:Customer Quality Feedback
カテゴリ:サービス


Macintosh マネージャのクライアントの日本語版がアップデート

ネットワーク内にあるMacintoshを集中管理するMacintoshマネージャのクライアントソフトのアップデートがリリースされた。Ver.1.2.2では、制限付きユーザやパネルユーザが別のユーザの書類を利用できてしまうことがあったが、その点が修正されている。また、Mac OS 9のマルチユーザ機能との互換性が高められている。クライアントは、Mac OS 8.1以降をサポートしている。管理ツールも含まれているが、これはMac OS 9以降で利用できる。サーバはAppleShare IP 6.2/6.3上で稼動するMacintoshマネージャサーバ1.2.2を利用するように指示があるが、Mac OS X Serverについては記載がない。なお、Ver.1.2.4の英語版は1月にすでにリリースされている。

関連リンク:Macintosh マネージャ 1.2.4(日本語版)
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, ネットワーク


Mac OS X Serverに関する技術文書が日本語に翻訳されて公開

Mac OS X Serverについての、Tech Info Libraryが日本語に翻訳されて公開された。もとの文章は、1999年初旬のMac OS X Serverの最初のリリースに向けて公開された文書が多く、その意味ではやや古い文書ではあるが、Mac OS X Server自体があまり変化はないため、バージョンが変わったものを除いては記載されていることは多くは今でも有効だと言える。Mac OS X Serverでネットワーク管理をしている人は、再度、知識を整理する意味でも一読しておくとよいかもしれない。

◇60025JN:Mac OS X Server: NetworkManager
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60025
◇60026JN:Mac OS X Server: NetworkManager での NetInfo 上のコンピュータ管理
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60026
◇60038JN:Mac OS X Server: NetInfo とは?
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60038
◇60073JC:Mac OS X Server: Apache Web サーバのサポート情報
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60073
◇60074JN:Mac OS X Server: Apple ファイルサービスにおいての管理者のパスワードの再設定
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60074
◇60193JN:Mac OS X Server: WebAdmin を Internet Explorer で使う
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60193
◇60076JN:Mac OS X Server: ネットワーク上の他の BootP サーバの利用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60076
◇60077JC:Mac OS X Server: AppleTalk シードルータとしての利用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60077
◇60195JN:Mac OS X Server: Darwin OS の違い
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60195
◇60559JN:Mac OS X Server: NFS エクスポートを管理する
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60559
○NetBoot関連
◇60079JN:NetBoot 製品に関する記述
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60079
◇60080JN:Mac OS X Server: NetBoot の動作理論
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60080
◇60082JN:Mac OS X Server: NetBoot システム必要条件
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60082
◇60085JN:Mac OS X Server: NetBoot のインストールとセットアップ
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60085
◇60089JN:Mac OS X Server: Macintosh マネージャの操作方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60089
◇60191JN:Mac OS X Server: NetBoot の利用、Apple ファイルサービス、HFS ボリューム
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60191
◇60317JN:Mac OS X Server: NetBoot デスクトップ管理バージョン 1.1 : Read Me
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60317
◇60363JN:Mac OS X Server: NetBoot HD.img を Mac OS 8.6 にアップデートする
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60363
○クライアント管理関連
◇60081JN:Mac OS X Server: Macintosh マネージメントの概要
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60081
◇60406JN:Mac OS X Server: Macintosh マネージャの制限表
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60406
◇60644JN:Mac OS X Server: Mac OS 9 で、Macintosh Management サーバ 1.0 を使う
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60644
◇60078JN:Mac OS X Server: Macintosh Manager クライアントの必要条件
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60078

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS X Server


TIFFファイルの情報をAppleScriptで取得するオブジェクト

GoodBuddy Software社は、TIFFファイルの情報を取得するAppleScriptのオブジェクト「TIFFScript」をリリースした。TIFFScriptは、スクリプトオブジェクト形式で、load scriptでAppleScriptのプログラムに取り込んで実行できる。$19のシェアウエアだ。TIFFファイルのさまざまな情報を取得することができる。同社では、Image Scrptsシリーズとして、さまざまな画像フォーマットをスクリプトで処理できるようにするための素材を提供する予定で、TIFFScriptはその第一弾となる。

関連リンク:Image Scripts
カテゴリ:AppleScript, グラフィックス


Timbuktuの次期バージョンのベータが公開、異OS間のダイアル接続もサポート

Netopiaは、リモートコントロールソフトのTimbuktuの次期バージョン「Timbuktu Pro 2000」のベータ版を評価用に公開した。新しいバージョンでは、モデムを利用したダイアルアップで、別のところにあるTimbuktuが稼動するコンピュータに直接接続できる機能がクロスプラットフォーム対応した。また、Windows 2000対応や、Windows 98での動作の向上などが変更点である。LDAPおよびNetopia’s Internet Locatorといったディレクトリサービスにも対応している。評価版はWindows用のみで、Windows 2000での利用にも制限のあるものである。

関連リンク:Introducing Timbuktu Pro 2000 - Windows Beta
カテゴリ:その他のインターネット


2000/2/24に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年2月24日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。また、サポート情報に関する文書は新規公開であるが、重要度は低いため、こちらのリストにまとめた。

◇58498:iMac DV: Final Cut Pro 1.2 Not Currently Supported
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58498
◇25113:iMovie: (Type 12) & DVD Player (ControlStripLib) Errors
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25113
◇58502:AirPort Base Station: How To Perform a Forced Reload
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58502
○サポート情報(新規公開)
◇75029:VST Technologies: Support and Upgrades
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75029
◇75033:Imation: Support and Upgrades
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75033
◇75027:Epson: Support and Upgrades
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75027
◇75028:Hewlett-Packard: Support and Upgrades
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75028
◇75035:Iomega: Support and Upgrades
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75035
○システム関連
◇60585:Mac OS 9: The Control Strip and Zip Disks
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60585
◇30893:Remote Access: Modem Not Responding Alert
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30893
◇31184:Mac OS X Server: Mac OS X Server 1.2 Upgrade Instructions
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31184
24617:At Ease: Mounting CDs On PowerBook G3 Series
○PowerBook関連
◇30425:PowerBook Repair Extension Program: FAQ
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30425
◇24102:PowerBook: Troubleshooting Expansion Bays
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n24102
◇30375:PowerBook: Audio Play Through Support
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30375
◇58586:PowerBook (FireWire): Expansion Bay Device Compatibility
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58586
◇58583:PowerBook (FireWire): FireWire Target Disk Mode
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58583
28511:PowerBook G3 Series: CD-ROM and DVD-ROM Drive Support
60288:PowerBook G3 Series: Floppy Drive Not Recognized By Virtual PC
22211:PowerBook G3 Series: Battery Adjustment
28508:PowerBook G3 Series: Control Strip Contents Described
58329:PowerBook G3 Series (Bronze Keyboard): Battery and Expansion Bay 58333:PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): What’s New and Different
Compatibility
24822:PowerBook 3400: Interchangability of Expansion Bay Devices
21003:PowerBook 3400: General Usage Tips
30177:PowerBook 1400: CD ROM Drive
21148:PowerBook 1400:Target Disk Mode & Internal CD Drive
20787:PowerBook 1400, 200, 2300: Disk Copy Needs Floppy Drive Error
30155:PowerBook 1400: CD Expansion Bay Troubleshooting
○その他
58444:Tech Info Library: Advanced Search Techniques

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)