Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年2月29日発行号 - Mac OS XのKDKが配付



昨日から一転して今日は寒い日ですが、2000年問題としてはそれどころではないですね。「もっと深刻」と言われたうるう日が今日です。いちおう、どのパソコンも、2000年2月29日は実在するようになっているのを確認しましたでしょうか? 私のてもとにあるマシン類はいちおう、大丈夫みたいでした。古いデジカメあたりに若干の期待をしたのですが(笑)、ちゃんと、2月29日は存在しました。だけど、昨日のニュースにもありましたが、気象庁の警報を出すシステムで、問題が出たみたいですね。警報を出す時に、警報を出している期間を計算するらしいのですのが、28日に出して29日に解除するように設定されないのといけないのが、解除日は3月1日になってしまったとか。まさに典型的な2000年問題と言えるわけで、100年に1度のうるう日のない年だと判断してしまったということでしょう。こうした問題なら、別に今日に限らずに出ているかと思います。実際どうなのかはわかりませんが、たとえばローンの金額を、2000年2月内で日割り計算するような場合とかに、今年のうるう日が考慮されていないなど、もっと長期間でかつ日数で計算するような処理では問題が出ているのではないかと推測されます。もっとも、長期間だと1日のずれはあまり問題にならないかもしれませんが、いずれにしても、とっくの昔に2000年問題に抵触する処理がなされて終わっているという可能性もあるわけです。
ただ思うのですが、単に「4年ごとにうるう日が来る」という処理を行って、「100年ごとにうるう日はなくなる」というより長いスパンの処理を行っていないといった中途半端なプログラムだと、かえって、2000年のうるう日は、問題なく通り過ぎてしまうのではないかと想像できます。いずにしても、大事故が起こらかったというのは幸いですが、それだけに、もう何ヶ月もすると、何もなかったかのように忘れてしまうでしょう。一方、今後も水面下で2000年問題と戦わないといけないのはエンジニアやプログラマです。年数の扱いを2桁で行っているシステムを相手に、今年だけ使う決算処理プログラムを書いている人もいらっしゃるかもしれません。結局のところ、コンピュータは人間が作ったソフトウエアというもので動く機械であって、万能のマシンではないことは認識する必要があるのです。ソフトウエアの実行は機械ですが、ソフトウエアの作成はまさに人間の手作業が組み入れられた世界であることを忘れてはいけないということが、2000年問題が教えてくれる教訓なのではないでしょうか。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS Xのドライバ開発などカーネル拡張のための開発素材の配付が開始

「Mac OS X Developer Preview Kernel Extension Development Kit (KDK)」がADCのメンバーに対して配付が開始された。これには、「I/O Kit DDK」も含まれており、デベロッパがMac OS X向けのデバイスドライバを開発するのに必要な素材も提供されている。(なお、ADCでの公開内容は機密事項であるため、公開ページに記載された内容だけを記事としてお届けする。)

関連リンク:Technical: Mac OS X
カテゴリ:開発情報, Mac OS X


AirMacソフトウエアの1.1の国際対応版がリリース

AirMac用のソフトウエアのVer.1.1の国際対応英語版がリリースされた。このバージョンのソフトウエアはすでにリリースされており、ソフトウエアによるベースステーションや、複数のベースステーションを使えるアクティブローミングなどの特徴を備えている。英語版のシステムは米国だけで使われているわけではなく、日本でも出荷されているなど全世界で利用されているため、国際対応の英語版がリリースされたものと思われる。

関連リンク:AirPort 1.1
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, ネットワーク


ドライバをMacsBugでデバッグする時のエントリへのブレーク設定

デバイスドライバのデバッグをMacsBugを使って実行バイナリベースで行う方法が詳しく記載されている。68kドライバの場合には、driveコマンドなどを使って、ドライバのエントリーポイントを探してそこにブレークポイントを設定する。ネイティブドライバの場合もdriveコマンドを使うが、さらにやり方が異なる、fragsコマンドを使って、フラグメントの情報を表示し、さらにいくつかのコマンドを入れてエントリポイントを見つけるという必要がある。いずれの方法も、実際にMacsBugを使ってコマンドを入力し、その出力結果を参照しながら説明が行われているので、曖昧なところは少なく、分かりやすい文書と言えるだろう。

関連リンク:DV 41 - Native Disk Driver Debugging
カテゴリ:Technical Q&A, 開発情報


SDRAMと電源を持つUSB機器との組み合わせで起動しない理由

PowerMac G4などで、電源をオフの状態から起動する時、ある種のSDRAMのDIMMを搭載していて、さらに自分で電源を持っているUSBデバイスを接続していると、フリーズするなど起動しないという症状が出る。すでに、Tech Info Libraryでアナウンスはしているが、この文書では、そのメカニズムが詳しく紹介されている。電源投入前のときにUSB機器からの電圧が、メモリに対して0.3Vの電圧をかけてしまう。その状態からSDRAMの電源を投入した場合にメモリICによっては正しく動作しないというのが症状である。

関連リンク:HW82 - SDRAM Problems with Self-Powered USB Devices
カテゴリ:Technical Q&A, 周辺機器


CarbonでUser Paneを使ったサンプルプログラム

Carbon対応のアプリケーションで、起動すると、ダイアログボックスに複数のTextEditが配置されたものが表示される。それぞれのTextEditの編集に入ると、そのTextEditが紫色の枠で囲まれて選択されているのが分かるようになっている。こうした動作を行うC言語で書かれたプログラムのソースが公開されている。スクロール付きのTextEditの処理サンプルであることに加えて、User Paneを利用するサンプルでもある。

関連リンク:ScrollingEditField
カテゴリ:アップルからの開発資料, Carbon/CF


マルチユーザで省エネルギー設定が残らないのは不具合

Mac OS 9でマルチユーザ機能を利用している場合に、「省エネルギー設定」で起動時刻や終了時刻を設定したとする。再度起動した時に設定を確認すると、設定がなくなっている。「省エネルギー設定」の設定が保存されないのは、スタンドアロンでマルチユーザを使う場合だけでなく、Macintosh Managerを使った場合にも起こる。これは、Multi-User/Macintosh Manager 1.2で解決されている既知の問題である。Mac OSにはMulti-User 1.1が搭載されている。現状で解決するには、Macintoshマネージャ1.2.Xをダウンロードしてインストールすれば良い。

関連リンク:31188:Multiple Users: Energy Saver Settings Not Held
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, Mac OS 9


AppleWorks 5でデータベース書類がおかしくなったときの対処法

AppleWorks 5でデータベースの文書がおかしくなり、レコードが追加できないなどの症状が出ることがある。その場合の対処方法が手順で追って示されている。いったん、テキスト形式でファイルに書き出し、新しいデータベース書類を作成し、同じ内容のフィールド定義を行って読み込みを行うというものである。

関連リンク:31189:AppleWorks 5, ClarisWorks 5: How To Restore a Corrupt Database Document
カテゴリ:アプリケーション, Knowledge Base(旧TIL)


WebサーバのApache 1.3.12がリリース

The Apache Software Foundationから、WebサーバのApacheの最新版として1.3.12がリリースされた。1.3.11より、Mac OS X Server向けのバイナリも「/dist/binaries/rhapsody」というディレクトリで配付されている。変更点は以下の文書に13項目に渡って記載されているが、文字セットやモジュール関連の記述が見られる。
◇Apache 1.3.12 Released
 http://www.apache.org/dist/Announcement.txt
◇Ver.1.3.12での変更点を記述した文書
 http://www.apache.org/dist/CHANGES

Stepwise Serverでは、新しく配付されはじめたApache 1.3.12について、WebObjectsを利用するための最適なインストール方法を、ドキュメントとして公開している。ソースからビルドする場合のコマンド入力について詳しく記載されている。WebObjectsを使う場合には、バイナリを直接インストールする方法をだけでなく、この情報に記載されている内容も検討すべきだろう。
◇Building Apache 1.3.12 with WebObjects Support
 http://www.stepwise.com/Articles/Workbench/2000-01-29.01.html

関連リンク:Index of /dist/binaries/rhapsody
カテゴリ:WebObjects, サーバー関連, Mac OS X Server


フリーのサーチエンジンht://digの導入法、セキュリティパッチも配付

Stepwise Serverで、フリーのサーチエンジン「ht://dig」をMac OS X Serverにインストールする方法をドキュメントとして公開した。まだ、Stepwiseでは、dig 3.1.5のセキュリティの問題を解決するパッチも作成している。digのソースをダウンロードしてパッチを当てて、ビルドする方法のコマンドの詳細が、ドキュメントでは解説されている。

関連リンク:Building ht://dig 3.1.5 for Mac OS X Server
カテゴリ:サーバー関連, Mac OS X Server


リストサーバのMacjordomoの1.5fc10がリリース

Mac OS上で稼動するメーリングリストのサーバ「Macjordomo 1.5fc10」がリリースされた。Ver1.1aとして、19997年頃には頻繁にアップデートがなされていたが、1998年頃には開発ペースはダウンしていた。1999年3月頃には、Ver.1.5がリリースされはじめたが、これは1.1として始めたアップデートをアルファ版、ベータ版と位置付けその完成版を1.5としたものだとされている。変更点について記載されたドキュメントがないため、従来のVer.1.1との違いは不明だが、ダイアログボックスのユーザインタフェースを見る限りは設定内容にあまり変化はないようだ。1.5a4については、多くのバグと多くの機能が追加されたという説明が見られる。いずれにしてもfcというバージョン表記があるので、完成に近付いていることが伺える。

関連リンク:Macjordomo Home Page
カテゴリ:サーバー関連, 各種製品


2000/2/28に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年2月28日に更新されたものとして公開された。なお、サードパーティの連絡先は省略した。

◇60434:iBook: Bundled Software Description
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60434
◇30535:Apple Studio Display 15" LCD: Calibration Lists No Profile
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30535
◇58217:Apple Studio Display 21/Apple Studio Display 17: Tripod Stand Safety Tips
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58217
◇20881:Iomega Zip Drive: Troubleshooting FAQ
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n20881
◇60235:Macintosh: Using DVD-RAM Discs
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60235
◇30004:Apple Menu Options: Not Creating Recent Document Aliases
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n30004
◇58348:Mac OS: Alternating Flashing ? and Icon Inside Folder at Startup
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58348

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)