Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年3月4日発行号 - Carbon 1.1



情報ハブ・コンソーシアムの発表は、イメージしにくいかも知れません。安田火災海上保険はZaurusを使った営業支援システムを実証実験として行っており、そういう事例を示されればだいたいイメージがつかめるかもしれません。Jiniを実サービスとして見える段階まで持っていっていることにもある意味では注目されるでしょう。ばっさり切り捨てた見方をすれば、現在のWeb中心のシステムはクライアントからサーバのプロセスを起動することはできますが、逆はかなり難しいことです。しかしながら、情報ハブ・コンソーシアムが目指す環境は、サーバからクライアント、あるいは別のクライアントからクライアントのプロセスを起動するようなイメージを思い浮かべました。発表を見ながら、このインタフェースを使うと次のようなサービスができるのではないかと考えました。
――テレビ番組をWebページで見ると、「録画」ボタンがある。これをクリックすると、インターネットにつながれたビデオデッキに対して、サーバ側からリクエストを送って、指定した番組の録画がセットされる。録画より少し前には、録画時間に見合ったテープがセットされているかもやはりサーバからチェックが入り、セット忘れとかがあれば電話がかかってくる。――
ということが実現するにはいろんな障害があり、もちろん、インターネットにつながったビデオデッキとかまだないじゃないかということもあります。だけど、昔だったら、こうしたシステムは莫大な投資をして1社でなんとか…みたいなことになっていましたが、現代のビジネスモデルでは、こうしたサービスは自社だけでなく業界全体の統一した基盤の上で展開するという必要が出て来るわけで、その意味では、コンソーシアムとしては成果を出している点は評価できると思われます。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【訂正】Mac OS X Server 1.2のアカデミック版は\35,000

Mac OS X Server 1.2のアカデミック版の価格は、当初のニュースでは\38,000ですが、正しくは\35,000です。ニュースリリースの記載に間違いがあったもので、訂正いたします。

カテゴリ:


Carbon SDK 1.1b5がADCメンバに対して配付を開始

Carbon SDK 1.1b5がADC(Apple Developer Connection)のメンバに対して配付された。ADCメンバのみに対する情報は機密事項なので、詳細は分からないが、Carbonは近々1.1にバージョンアップされることは確かだ。SDKは、Carbon対応のアプリケーションを作成するのに必要な素材が含まれたもの。以前のバージョンのSDKから判断すると、最新版のUniversal Interfacesやサンプルコード、ドキュメント、ライブラリなどが含まれているものと思われる。Mac OS 8.1以降のシステムで利用できるとしている。

関連リンク:Technical: Mac OS X: Carbon
カテゴリ:アップルからの開発資料, Carbon/CF


Jiniベースのアプリケーション構築インタフェースが実用化を宣言

情報ハブ・コンソーシアムは、「ネットワークアプリケーションの実用化」に成功し、規格を業界標準へ働きかけることを発表した。コンソーシアムでは、インターネットを利用したより高度なネットワークビジネスを展開できるような仕組みを開発して来た。JINIの技術をベースにした、ネットワークアプリケーションのAPIをコンソーシアムで策定し、Jini Communityに対して標準化の働きかけを行う(一部のサービスはすでに提案済み)。ネットワーク各所に分散した機器に対して、ネットワークの形態に依存しないで通信を行い、さらにセキュリティを確保するための機能も備え、エージェントによる処理代行機能を備えたものだ。1つの見方としては、サーバに集中させるのではなく、端末も1つの処理プロセス実行機能としてとらえた分散システムを構築する土台となるもの。JiniあるいはJavaにはそういう技術は含まれているが、よりアプリケーションに近いところのサービスを提供することで、ユーザに対するサービス構築をより容易にするという狙いがある。また、保険会社や大学で実際にこのインタフェースを使用したアプリケーションを構築し、実証実験も行い成果が上がっている。沖電気は2000年秋からソフトウエアの供給を開始する予定だが、サーバライセンスを有償にし、クライアントライセンスは無償にする方針である。モバイル端末、あるいは今後期待されているインターネット家電を巻き込んだサービスシステムを構築する場合のベースになるものとして位置付けられており、高度なネットワークサービス提供での基盤技術の1つになることを狙う。

関連リンク:ネットワークアプリケーションインタフェースの実用化に成功、今後、業界標準へ
カテゴリ:Java, 業界動向


Mozillaのマイルストーン14がリリース、次期リリースはベータ版

オープンソースとして開発が続けられて来たNetscapeの次期WebブラウザのMozillaのマイルストーン14のリリースが行われた。マイルストーン13がアルファ版であり、3月末に予定されているマイルストーン15はベータ版となる。機能の組み込みはアルファ版までにすでに行われており、安定性やパフォーマンスの向上を目指した改良が続けられている段階のようだ。

関連リンク:Mozilla.org: releases
カテゴリ:ブラウザ


REALbasic 2.1a28が公開、たくさんのバグ修正やデバック強化など

REALbasicの次期バージョンVer.2.1のアルファ版のリリースアップが行われた。新しくなった点は、Windowsのランタイムでファイルのドラッグ&ドロップができるようになったこと、Single型の変数がデバッガで修正できるようになったことなど。また、多数のバグ修正が行われている。ただし、このバージョンでは、68Kソフトウエアは機能しないため、68Kをターゲットにしたプラグインやアプリケーション生成はできなくなる。この点は、次のリリースで修正される予定だ。

関連リンク:REALbasic 2.1a28
カテゴリ:REALbasic


ユーザグループの懇親会が3/25に開催、Expoの反省会も

ユーザグループコネクション事務局は2000年3月25日(土)13:30より、ほぼ毎月開催している「サードパーティデモ&ユーザグループ懇親会」を開催する。場所は東京初台のアップルコンピュータ本社にあるセミナールームだ。デモ/プレゼンテーションの内容では、住友スリーエムよりiMacのディスプレイフィルタ、日本電気よりClick!-USB、アイオメガよりZipドライブなどとなっている。Appleの新製品についての説明も行われることになっており、FireWire搭載のPowerBook G3などの説明がなされるものと思われる。また、Macworld Expo/Tokyo 2000でのユーザグループブース出展の反省会も開催される。

関連リンク:3/25サードパーティデモ&ユーザグループ懇親会
カテゴリ:イベント


WebObjectsの解説書がソフトバンクパブリッシングより出版

待望のWebObjectsの解説書が出版される。ソフトバンクパブリッシングから出版される「WebObjects実践ガイドブック」で、著者は倉橋浩一氏とSBP編集部、アップルコンピュータが監修している。352ページで本体価格が4,200円となっている。刊行予定日は、2000年3月15日だ。WebObjectsの初心者から、すでに開発に利用している人までをターゲットに書かれており、開発手順を事例を交えて丁寧な解説をしていると紹介されている。倉橋浩一氏は、システムハウスの有限会社テクニカル・ピットを経営しており、WebObjects関連のメーリングリストなどでも積極的に発言しており、個人のホームページも以下のように開設している。
◇倉橋浩一氏のホームページ(WebObjectsのテクニカルサポート)
 http://www.kt.rim.or.jp/~kurahasi/WO/

関連リンク:Softbank Books
カテゴリ:サードパーティの開発資料, WebObjects


真紀俊男氏によるREALbasicの解説書が出版

毎日コミニュケーションズより、REALbasicの解説書「進め!REALbasic」が2000年2月15日に出版されている。簡単にプログラミングができることを売り物にしている開発ツールREALbasicを使ったプログラミングの入門書で、プログラミングの基礎やオブジェクト指向、あるいは実践的なプログラミングについて記載されている。304ページで価格は\2,800、CD-ROMが付属する。著者は、「進め!コードウォーリア」「もっと進め!コードウォーリア」といったプログラミングに関する著書を執筆しており、K仲川という名前で、フリーソフトやWebページでの情報提供、あるいはオンラインでの発言など積極的にプログラミングコミュニティに対して活動を行っている。
◇K仲川の公式ホームページ
 http://hp.vector.co.jp/authors/VA007446/index.html

関連リンク:進め!REALbasic
カテゴリ:サードパーティの開発資料, REALbasic


デジタルビデオ初心者向けに「Final Cut Pro体験コース」

アップルは、デジタルビデオの初心者向けに、ビデオ編集ソフトのFinal Cut Proの体験コースを開催する。PowerMac G4を実際に使ったもので、基本操作に加えて、より高度な編集機能までを1日のコースで体験できる。開催予定日は、2000年3月15(水), 17(金), 22(水), 24(金), 29(水), 31(金)で、いずれも10:00〜17:00に開催される。場所は東京初台のアップルコンピュータ本社のトレーニングルームで、各日とも12人が定員となっている。

関連リンク:Final Cut Pro体験コース
カテゴリ:QuickTime, サービス


QuickTimeのエフェクトファイルのフォーマットとその利用方法

QuickTime 4ではエフェクトの設定をファイルに保存できるようになっている。そのファイルフォーマットが解説されている。エフェクトのファイルは、ムービ編集ソフトでのエフェクト設定で見られる「効果の選択」ダイアログボックスで「ロード」ボタンをクリックして取り込むことができる。ただし、エフェクトの設定ファイルを読み込むAPIは用意されていないので、通常の方法でファイルを読み込んで利用する必要があり、そのサンプルプログラムが示されている。

関連リンク:http://developer.apple.com/quicktime/icefloe/dispatch024.html
カテゴリ:アップルからの開発資料, QuickTime


VRムービにムービなどを埋め込み方法を記載した文書

QuickTime VRムービ中に、別のムービやあるいは静止画を埋め込む方法がサンプルコードとともに示されている。VRムービの中に、動画がパネルのように表示されるような形態のデータを作成できるということであり、埋め込まれた結果の画像も示されている。ポイントになるのは3×3の配列の処理である。

関連リンク:http://developer.apple.com/quicktime/icefloe/dispatch023.html
カテゴリ:アップルからの開発資料, QuickTime


PowerBook G3でバッテリの残量を正確に表示する方法など

FireWire搭載のPowerBook G3についての文書が以下のように、Tech Info Libraryに追加された。

◇58615:PowerBook (FireWire): Late Breaking News
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58615
Mac Helpに含まれるLate Breaking Newsの内容で、かなり長い文書だ。各種機能の利用方法や、スリープの動作、周辺機器の使い方など、詳細な情報となっている。しかしながら、所有者は内容は参照できるものの、これから購入する予定の人が、マシンの動作や周辺機器の互換性をチェックするのには便利だろう。

◇58616:PowerBook (FireWire): Ensuring Battery Level Indicator Accuracy
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58616
コントロールバーのバッテリ残量を正確に表示させるためには、バッテリの電力を使い切ってからフルチャージする必要がある。ACアダプタを使わない状態で使用して自動的にシャットダウンするまで使用し、その後、ACアダプタを接続すればいい。

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook


AirMac関連機器をいくつかの国や地域でまたがって使う場合の注意点

AirMacのカードやベースステーションは、販売された国や地域の通信規格や状況に合わせて作られている。つまり、別の国に持ち込んで使用する場合の動作やあるいは法律的な認可については保証できない。航空機内ではAirMacカードは妨害電波源となる恐れがあるので、電波を発しないようにしておく必要がある。国によって、無線電波の利用可能チャンネルが違うので、別の国に持ち込んだ場合には、チャンネルの設定を変更する必要があるかもしれない。また、AirMacソフトウエアはVer.1.1以降を使う必要がある。いくつかの他の文書へのリンクもこの文書にある。

関連リンク:58567:Using AirPort Wireless Communication Internationally
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク


制限付きユーザでスクラップブックやノートパッドを使う方法

マルチユーザで使用しているとき、制限付きユーザやパネルユーザでログインしても、スクラップブックやノートパッドが使えない。データのファイルを開くことに問題があるというメッセージが出てくる。個別のユーザごとに異なるスクラップブックやノートパッドを使う場合には、これらのデータファイル(「スクラップブックファイル」「ノートパッドファイル」)がシステムフォルダにあるので、それらをユーザの書類フォルダなど、ファイル書き込みのアクセス権のある場所に移動して利用する。また、データをすべてのユーザで共有するなら、「共有書類」フォルダなど、すべてのユーザがアクセスできるフォルダにデータファイルをコピーして使う。なお、文書には記載されていないが、以上のように処置した場合には、データファイルをダブルクリックして利用することになるだろう。

関連リンク:31192:Multiple Users: Notepad & Scrapbook Errors in Limited or Panels Users
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


2000/3/2に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年3月2日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先は省略した。

◇60666:Mac OS 9: Installing on NuBus-based Power Macintosh Computers
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60666
◇60665:Mac OS 9: Includes Battery Updater Functionality
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60665
◇31190:Software Updates Control Panel: Just Beeps, No Updates
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31190
◇31157:Final Cut Pro 1.2.1: Luma/Chroma Clamping Issue
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31157
◇58544:AirPort: America Online Compatibility
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58544
28030:Mac OS 8: About QuickDraw GX Read Me

○WebObjects & QTSS
◇75019:QuickTime Streaming Server 2.0: How to Create Streaming MP3 Files
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75019
◇70126:WebObjects: WebObjects and Windows 2000
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70126
◇70003:WebObjects 4: Java FAQ
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70003
◇70114:WebObjects 4: "fatal error LNK1106"
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70114
◇70118:WebObjects 4: Using Jikes With WebObjects on Windows NT
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70118
◇70050:WebObjects 4: Setting Java VM Command-Line Arguments
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70050

○PowerBook関連
◇58583:PowerBook (FireWire): FireWire Target Disk Mode
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58583
◇58594:PowerBook (FireWire): DVD Movie Decoding Performed via Software
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58594
31135:PowerBook G3: Turn Processor Cycling Off When Using USB Adapter Card
31013:Powerbook G3 Series (Bronze Keyboard): How to Reinstall FAXstf

○USB関連
30973:PowerBook: Using USB Devices
30655:Directory of USB Products Available on the Web
58015:Apple USB Mouse and Keyboard
30650:USB FAQ (1 of 4)
30651:USB FAQ (2 of 4)
30652:USB FAQ (3 of 4)
30653:USB FAQ (4 of 4)
43004:USB: Descriptions of Ports, Connectors, and Cables

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)


2000/3/3に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年3月3日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先は省略した。

○ソフトウエア
◇25114:Mac OS 8, 9: System Compatibility Matrix
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25114
◇20201:Multiprocessing Software: Read Me
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n20201
25113:iMovie: (Type 12) & DVD Player (ControlStripLib) Errors
20227:Apple Remote Access Client Updater: Read Me

○ハードウエア
◇75023:Power Mac G4 (AGP Graphics): Helping Correct DVD Audio Sync
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n75023
30571:PowerBook G3 Series: Now Software Registration Issue
20231:Macintosh Performa 6400: Modem Documentation?
20216:Power Macintosh 5400: Flashing Question Mark at Startup
20206:Performa 5200 & 6200: Upgrade for 14.4 Internal Modem?
20214:PowerBook 5300: Focus Enhancements Video Card Sound Issue
20219:Powerbook 190 & 5300: Why Is Ethernet Not An Option?

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)