Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年3月7日発行号 - AppleWorks 6の説明会



この号の発行日は3月7日になっていますが、気持ち的には3月6日号です。よろしくお願いします。3月6日の月曜日は、午前中にSolaris 8の発表会があり、夕方にAppleWorks 6の説明会があって、結局1日中でかけていました。間の時間には会社には行ったので、その間に少し記事を書いて配信できれば…と思ったのですが、予想したほど時間がなく、結局帰って来てから記事を書いたので、本日の分は遅くなってしまいました。もっとも、いつものサイクルでの月曜に配信する内容は、土曜日に発行した号に含まれているので、ニュース自体は決して遅くなっているわけではありません。しかし、外出時間が長くなると、いずれにしても発行サイクルがずれてしまうので御容赦ください。
などと言っている間にどんどんと時間は過ぎるものです。今月の中ごろに、MDOnlineは開始して半年が経過します。なんだか必死に記事を書いている間に、気がついたら半年経過していました。最初は週に3回ほど配信かなと思ったら、ふたをあけると毎日配信しても、すべての記事が書き切れないほどだったりもしています。開発に関連するもっと細かいこと、たとえばREALbasicの新しいクラスを誰かが作ったとか、そういう話を入れられるかと思ったのですが、そこまでフォローし切れないのが実情です。平日の配信というのもちょっと考えています。火〜土の毎日配信として、日月と休むという配信方法も検討していますが…、それをやると、結局、月〜土になりかねないし、悩みどころです。いずれにしても、記事の内容、方向性など、御意見をいただければと思います。読者の方を登録させていただいているメーリングリストの<mdo-d@cserver.locus.co.jp>で投稿いただくか、あるいは私宛にメールをいただければと思います。
それから、来月4月には、創刊直後くらいに半年の購読で申し込まれた方の更新になります。ぜひとも更新していただきたいのですが、実はオンラインでの更新プログラムはこれから作るところです。いましばらくお待ちください。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


AppleWorks 6の説明会が開催、出荷時期はまだ「未定」

2000年3月6日に、アップルは近々出荷されるアプリケーションソフト「AppleWorks 6」についての説明会を開催した。AppleWorks 6は、クラリスワークスVer.4の後継というよりも新しいソフトとして位置付けている。ワープロ、表計算、ドロー、ペイント、データベース、プレゼンテーションが1つのアプリケーションで使える。これらを別々の文書として作成できるが、ドローや表計算をワープロ文書に組み入れるなど、各種機能を連係して使えるのが特徴である。クラリスワークスはシンプルながら使いやすいこともあり、さらにはiMacやiBookに添付されていることもあって、多くのユーザがいる。AppleWorks 6については、Macworld Expo/Tokyo 2000のときに発表されて展示されていた。発売予定は3月中旬と変わらず、具体的な日程もまだ決まっていない。なお、Windows版は予定がないと明言された。以下、2月17日に作成した記事で触れなかったことを中心に説明をしよう。
AppleWorksにはテンプレートやクリップアートが添付されるが、インターネットを通じても供給される。それを「オンラインストアハウス」と名付けている。ブラウザを使うのではなく、AppleWorksの中から直接ダウンロードできるようになっていて、追加のテンプレートが150、クリップアートは25,000用意されている。クリップアートはキーワード検索もできるようになっている。日本向けに用紙がA4になっていたり、あるいはCD-ROMでインストールされるものには日本向けのクリップアートも含まれている。ただし、住所録などのテンプレートにははがき印刷がないのが少し残念なところだ。
ワープロ文書はHTMLで書き出すことができるが、埋め込んだ表計算オブジェクトは、TABLEタグを使ってそのまま書き出される。位置などはHTMLに指定はされておらず、単にシンプルなタグを生成するだけだが、一応の表にはなる。テクスチャで塗りつぶしたグラフィックスオブジェクトについては、JPEGファイルで絵面が作成されて、それがIMGタグで埋め込まれる形式だ。ワープロ文書には、URLへのリンクや、AppleWorks文書へのリンクも設定できるようになった。
なお、他の形式のワープロ文書は、クラリスワークス1,2,4のいずれかのフォーマットの読み込みしかできない。書き出しはクラリスワークス4のみである。マックライトIIからの読み込み機能はなくなっている。データベースや表計算についても同様で、クラリスワークスだけしか特定のアプリケーションのファイルフォーマット変換はできない。なお、汎用的なテキストの形式は可能だ。また、AppleScriptのサポートを考えれば、独自の用途に応じたコンバータを作成するという可能性は残されているため、用意されたファイル形式だけに閉じているということは言えない。なお、AppleScriptに関するドキュメントはパッケージには含まれず、後からの提供となるため、用語説明をたよりにスクリプトを作ることになるだろう。グラフィックス系でサポートされているフォーマットは、QuickTimeに依存している。つまり、こうした処理を完全にQuickTimeで行っている模様だ。プレゼンテーションのトランジションも、QuickTimeの機能を利用して行っている。
表計算では、セルをドラッグ&ドロップして、移動やコピーができるようになった。関数については増えてはいない。カタログには「外部のセルを参照」と記載されているが、具体的な記述方法は確認できなかった。
書類の自動保存機能があり、指定をすると、一定時間ごとにファイルを保存するようになる。そして、アプリケーションがフリーズしてしまったときなど、再度アプリケーションを起動すると、自動保存で別途保存している書類を開くかどうかをたずねるという形式だ。
50の欧文フォントが添付されるが、日本語フォントの添付はない。アプリケーション自体は、マルチリンガル対応となっている。今後、iMacやiBookへのバンドル予定はあるが、時期については未定だ。また、アップグレードは用意しておらず、既存のクラリスワークスユーザも通常のパッケージを購入する必要がある。CarbonLib対応のアプリケーションであり、Mac OS 8.Xへのインストール時には、CarbonLibがシステムに自動的に組み込まれる。

カテゴリ:アプリケーション, 各種プロダクツ


AppMaker #12のアップデートがリリース、スクリプト対応コード生成

Bowers Developmentは、同社のアプリケーションソース生成ソフト「AppMaker #12」に対するアップデートを公開した。AppMaker #12はすでにリリースされていて、そのアップデートである。aeteリソースや、オブジェクト参照の解決、SetDataやGetDataイベントの処理などが追加された。オブジェクトの参照はAppMakerのプロジェクトのDataDefsから自動的に生成されるため、基本的なスクリプティングについては、追加でプログラミングする必要はないとしている。また、AppMakerが生成する基本クラスをオーバーライドする機能もアップデートで追加された。
AppMakerは、ウインドウの中にボタンなどのオブジェクトを配置して、アプリケーションなどを設計するツールだ。そして、その設計通りに機能するC++などのソースコードを作成する。CodeWarriorのフレームワークであるPowerPlantにも対応している。

関連リンク:AppMaker: Late News
カテゴリ:開発ツール, 開発ツール


OmniWebがMac OS X対応版にバージョンアップ、ベータ版を配付開始

Omni Groupは、Mac OS X向けのWebブラウザ「OmniWeb 4.0 beta1」をリリースした。Mac OS X Serverに付属するWebブラウザとして知られるOmniWeb 3.0をアップデートしたものである。Mac OS X Developer Preview 3に早くも対応した。価格はサイトでの最初のユーザはフリーで、その後、1追加ライセンスあたり$59.95などとなっている。OmniWebは従来からOPENSTEP対応になっているため、Cocoa対応のアプリケーションであると思われる。Mac OS X Serverでは、WebブラウザはOmniWebしかない状態だったが、Mac OS X向けにはInternet Explorerの開発が進んでいることなどが公表されており、新しいOS環境では競合製品が存在することになる。早期に製品を供給して、利用者への浸透を図る考えだろう。

関連リンク:OmniWeb
カテゴリ:各種製品, ブラウザ


Solaris 8を3月下旬より出荷、オープンソースに加え一部のバイナリも無償に

サン・マイクロシステムズは、同社のワークステーションやサーバなどで利用可能なUNIXベースのオペレーティングシステム「Solaris 8」を3月下旬より出荷する。約10年の歴史を持つSolarisの最新版であり、メッセージは10言語、入出力は37言語に対応したマルチリンガルOSである。日付表示などの形式を示すロケールは123も用意されている。スケールの大きなシステムの運用に耐えるOSであるという特徴は以前からあるが、Solaris 8での大きな変化は、なんと言ってもソースコードを公開して、さらに8CPUシステムまでのバイナリのライセンスも無償として普及を促し、フリーUNIXが台頭する中、現在のポジションを維持する戦略を取る。
Solaris 8のポジションとして、十分なインターネット機能を組み込まれた、データセンタ、つまり大規模なデータ保存・処理を必要とするような用途への利用を目指す。安定性はもとより、コンピュータの電源を落とさないで、ハードウエアの増設のような保守作業ができるとか、クラスタリングや128CPUのシステムまで対応できているスケーラビリティを売りものにして、ミッションクリティカルな分野や、あるいはアクセスの要求が爆発的になったときでも対処できる点を特徴として浮かび上がらせる考えだ。大規模なインターネットサービスを行うシステムでの中核としてSolaris 8を位置付け、そうした顧客に対して同社のサーバ製品などと組み合わせた導入を図る。
Solaris 8と前バージョンの違いは、大きいところではLDAPサーバが加わったことや、インストーラがより使いやすくなったこと、IPv6への対応、ネットワークキャッシュによって4倍の性能になることを始めとするパフォーマンスの向上などがある。変更点については、かなりたくさん挙げられているので、検討が必要な場合には資料などを参照してもらいたい。

関連リンク:Solaris 8 Operating Environment
カテゴリ:UNIX, 業界動向