Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年3月7日発行号 - LiveMotionのβ開始



LiveMotionのベータ版が登場したのでさっそく使ってみました。タイムラインによって、オブジェクトを移動させたり、あるいは時間に従って色が変わるような設定が、けっこう簡単に作成できます。私はデザイン系ではないので、PhotoshopやIllustratorとなるとちょっと弱いのですが、これらのソフトでオブジェクトを作成して、それがそのままLiveMotionに持って来て動きがつけられるとなると、デザイナにとっては強力なツールが手に入ることになるでしょう。そして、Flashのファイルフォーマットに書き出すことで、デファクトスタンダードのFlashプラグインでの再生が可能です。いろいろな状況をうまく取り込んだ注目されるツールだと言えます。Flash対抗ではあるけども、きちんとFlashのファイルフォーマットに対応しているあたりが、言ってみればしたたかな戦略が見えます。Flashとの違いとなると、インタラクティブなものが作成できないということになるかと思います。しかしながら、Flashを使ったWebサイトの多くは、ベクターグラフィックスによるアニメーションが中心ですから、その意味で、アニメーション作成に絞った作りの方が、かえってデザイナさんたちには受けるのではないかと思います。インタラクティブとなると、プログラミング的になりますし、結局のところはサーバでアプリケーションを構築しないといろいろな意味で実用的にはならないところだとも言えます。デザイナの領域はやはりアニメーションということで、実情に即して強みのあるところに集約した製品を作るあたりは、なかなか的を射た製品計画だと言えるでしょう。
そういえば、米国の休日ですが、「地球の歩き方」にのっていますね。本棚にもあるのですが、Webサイトで発見しました。ただ、実際の日付が毎年異なる行事は、Webを探していると、アメリカ海軍のページで見つけたりしました。
今年のWWDCは例年通り5月にありますが、日本からの申し込みも、ドルベースで行うようです。昨年までは御存じのとおり、日本のアップルで募集をしていましたけど今年からは違うようです。WWDCのページ
http://www.apple.com/developer/wwdc2000/
に、日本語のツアーカタログもありますが、Expoでの説明会で紙に印刷されたものをもらった方もいらっしゃるかと思います。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


アドビがLiveMotionを発表、Web動画制作でFlashに対抗

Adobe Systems社は、動きのあるWebコンテンツを制作するためのツール「Adobe LiveMotion」を発表した。米国では2000年第二四半期に出荷予定で、日本語版は第三四半期になる予定だ。市場価格は$399と予想されている。WindowsとMac OSで利用でき、ベータ版の配付が開始されている。
LiveMotionを一言で言えば、Flash対抗と言えるソフトで、ベクターグラフィックスをベースとした動きのあるWebサイト向けのコンテンツを作成するためのものだ。各種の画像ファイルやFlashのファイルフォーマットへの書き出しに加えて、W3Cで勧告が出されているScalable Vector Graphics(SVG)言語にも対応し、次世代標準を狙う。大きな特徴は、Photoshop、Illustratorとの連動で、オブジェクトやレイヤーを保ったままLiveMotionに読み込み、そこで動きをつけることができる。AffterEffectsタイムラインの感じで動きや時間的な変化を定義できる。現在、Photoshop、Illustratorを使っているデザイナーが、基本的な要素をそれら使い慣れたアプリケーションで作成し、それをもとにLiveMotionで動きをつけるという作業の流れが実現するといった、デザイナ受けする作業環境を提供することとなる。Webサイトで動きのある画像を制作するとなるとFlashの独壇場であったが、アドビということもあって強力な対抗馬が登場することになる。

関連リンク:Adobe LiveMotion
カテゴリ:各種プロダクツ, オーサリング系


DiskLightがあるとメモリの内容を保持したスリープはできない

FireWire搭載のPowerBookあるいはiBookで、コントロールパネルの「省エネルギー設定」で「メモリの内容を保持しながらスリープする」の設定を行った時、Norton Utilitiesに含まれるDiskLight(ディスクアクセスをアイコンの点滅で知らせる機能)がインストールされているとクラッシュする。「メモリの内容を保持しながらスリープする」の設定を行わないか、あるいはDiskLightの機能拡張を使わないようにするかしなければならない。

関連リンク:25122:PowerBook, iBook: Compatibility With Norton DiskLight
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook, PowerBook


ゴミ箱の中にあるSystem Resourcesは捨ててもかまわない。

ゴミ箱の中に、「System Resources」というファイルがある場合でも、このファイルは完全に削除してしまってもかまわない。このファイルがゴミ箱にある場合には、起動時にSystem ResourcesとPowerPC Enablerのバージョンが異なっている場合で、System Resourcesが古い場合に発生する。そして、System Resourcesを捨てて、新しいSystem Resourcesを自動的に生成するので、古いファイルはもはや不要である。

関連リンク:25123:Mac OS: System Resources File In Trash
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


Final Cut Pro 1.2.1でシリアル番号が入力できない場合の対処

出荷された一部のFinal Cut Pro 1.2.1で、シリアル番号のラベルに印刷されているべき最後の数字の何桁かが、製造時のミスによって印刷されないまま出荷されている。シリアル番号を入れてもOKボタンがクリックできない時には、番号の最後にさらに「-340」を追加すればよい。また、シリアル番号の、Iと1、Oと0を間違えないようにという注意書きもある。

関連リンク:25120:Final Cut Pro 1.2.1: Truncated Serial Number
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime


WebObjects 4.5に関する文書が公開、Java VMのコントロールなど

WebObjects 4.5に関するTech Info Libraryの文書が以下のように公開された。実際のアプリケーションの稼動環境に関するものが中心であり、使用しているシステムに関係のある文書は要チェックだろう。

◇70151:WebObjects 4.5: Setting Java VM Command-Line Options
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70151
ヒープサイズやスタックサイズ、ガベージコレクションの動作など、JavaのVMをコントロールするためのコマンドラインオプションについて一覧されている。JDKのjavaコマンドと異なり、独自のオプション文字列で記述する。オプションの指定方法についても記載されている。

◇70153:WebObjects 4.5: Solaris "Can’t find Xa.o" error message
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70153
ある種のSolaris 2.6では、WebObjectsがリンクで必要とするライブラリが含まれていないために、エラーが出てしまうことがある。Solarisのディストリビューションからpkgaddコマンドを使って追加しておく必要がある。

◇70152:WebObjects 4.5: Password Protecting the WOStats Page
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70152
管理情報などを参照できるWOStatsは初期状態ではパスワードプロテクションがかかっていない。パスワードを設定するには、WOStatsPageプロジェクトを変更するが、WOBuilderでファイルを開いて作業する手順が記載されている。

◇70154:WebObjects 4.5: Preventing Zombie Processes on Solaris
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70154
Oracleデータベースを利用している時、別のSolarisマシンでWebObjects 4.5を使っていると、データベースを停止させたときにゾンビプロセスが起動する。これが発生しないようにするには、Oracleクライアントのsqlnet.oraに記述を加える。その記述内容が記載されている。

◇70155:WebObjects 4.5: Control-Dragging in Windows NT Project Builder
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70155
ProjectBuilderでファイルの順序を入れ替えるのに、control+ドラッグが行えるものの、NTではそのようには動作しない。それを動作させるためのコマンドの入力方法が記載されている。

◇70157:WebObjects 4.5: Application Timeout Reveals Server for Virtual Domain Systems
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70157
実際のドメイン名ではなく仮想ドメイン名で運用しているとき、セッションが進むと仮想ドメイン名ではなく、実際のドメイン名が出てくる。これを防ぐにはWOApplicationにあるメソッドをオーバーライドして動作を変えれば良く、そのプログラムが記載されている。

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), WebObjects


QuickTimeについての文書Ice Floeに追加

QuickTimeについての文書である「Letters from the Ice Floe」に追加された文書について、概要をまとめておく。

◇IceFloe 25 - Resource Endian Flippers
 http://developer.apple.com/quicktime/icefloe/dispatch025.html
リソースはMacのスタイルであるビッグエンディアン、すなわち、複数バイトのデータは上位桁ほど先に保存される形式で格納されている。これは、WindowsでもMac OSでも同様である。しかしながら、リソースマネージャで読み込むと、ハンドルについてはそのプラットフォームのネイティブな形式で取り出される。これはリソースのタイプごとに、入れ替えを行うかどうかを定義されているが、その定義の利用方法等がこの文書に記載されている。

◇IceFloe 26 - QuickTime Generic RTP Payload Format
 http://developer.apple.com/quicktime/icefloe/dispatch026.html
Realtime Transport Protocol(RTP)で伝送されるストリームに含まれるペイロードプロファイルのフォーマットに関する文書である。ペイロードはデータの種類や圧縮の種類などを収めた情報である。RTPはIETFで決められている規格ではあるが、ペイロードに関するの詳細な取り決めまではなされていない。QuickTime Streaming Serverが送りだすストリーミングデータでの、ペイロードのデータフォーマットが詳細に記載されている。

関連リンク:Letters from the Ice Floe
カテゴリ:アップルからの開発資料, QuickTime


2000/3/6に更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、以下の文書が2000年3月6日に更新されたものとして公開された。文書のアドレスが記載されているものは、そのアドレスを利用して参照できる。アドレスがないものについては、文書名の冒頭が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先は省略した。

25049:Mac OS: DHCP Issues With Open Transport 2.5.1 and 2.5.2
60283:Mac OS 8.6: About Mac OS 8.6 Update
4255:Macintosh: Foreign File Access Error Message
15553:Apple ftp Sites: Frequently Asked Questions
24318:LaserWriter: Communication Mode Switch Setting Articles
24828:Printer Troubleshooting: Printer Does Not Appear In Chooser
20233:Macintosh Computers: 8x-Speed (or faster) CD-ROM Drive & Vibration

○規格など
2425:MIDI: General Description and Overview
72131:HTTP Status Codes
18237:DHCP: What Is It?

○WebObjects関連
◇70121:WebObjects 4: Monitor FAQ
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70121
◇70022:Framework Headers And NT Compile Time
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70022
◇70146:WebObjects: Preventing Security Holes with Dynamic Content
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70146
◇70015:WebObjects: WebObjects And the Browser Stop Button
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70015
◇70074:WebObjects: Determining the Installed WebObjects Version
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n70074
70082:WebObjects: HP-UX Bug May Cause WebObjects Problems
70060:WebObjects 3.5.1: Complex Java Wrapper Example
70148:WebObjects: Using Fingerprint Files

○やや古いハードウエア関連
14189:Duo & Duo Dock: Frequently Asked Questions
19108:AppleVision 1710AV: Frequently Asked Questions
13464:Quadra 660AV and 840AV: Frequently Asked Questions
18867:Quadra 800, 900 & 950: Frequently Asked Questions (11/95)
18216:Apple Displays: Frequently Asked Questions
18928:Macintosh Performa 5xxx/6xxx: Frequently Asked Questions
18290:Performa 500 Series: Frequently Asked Questions (4/97)
26189:Macintosh: Support for Older Model Computers
18224:Macintosh Performa 6100: Frequently Asked Questions
24215:Macintosh Performa 6400 Series: Frequently Asked Questions

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)