Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年4月24日発行号 - WWDCでソフトビジネスのセッション



22日と23日は、@nifty Convention 2000に、いちおう招待ということで行ってきました。参加予定人数は2000人ということで、熱海のニューフジヤホテルを借り切ってのイベントのようなのですが、部屋割りを見る限りは500人くらいの参加じゃなかったかと思います。もちろん、全員が集まる行事もあったのですが、フォーラムに別れてのイベントが主体ですので、大人数にまみれたのは開会式の立食パーティと朝食のときくらいでした。イベントはフォーラムの企画なのですが、やはりフォーラムによる温度差はあったと言えるでしょう。もっとも、すべてのフォーラムが参加しているわけではなく、一切かかわっていないフォーラムも多数あるわけですが、多人数が集まってにぎやかにやっているフォーラムも一部にはあったという具合です。私も、「MacTechディスカッション」のパネラーとして招いていただいたのですが、残念ながら集まった人間のうち半分以上はパネラーということで、座談会のはずが雑談会になりました。酒も入っていない割には盛り上がったとも言えるのですが(笑)。記事にしようかとも思いましたが、今回は記事にはしないで、以下のアドレスにフォトレポを掲載することにしました。以下のアドレスのページはこれから作りますので、本日の午後遅い時間以降に御覧ください。
figs/nifcon2000
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


WWDC 2000でソフトウエアビジネスのセッションを並行開催

2000年5月15〜19日の日程で開催される開発者向けのカンファレンス「WWDC 2000」で、ソフトウエアビジネスについてのセミナー「SDF Bootcamp at WWDC 2000」が開催される。Software Development Forumが主催し、場所もSDFのオフィスで行われる。ビジネスプラン立て方から、ベンチャーキャピタルからの出資を得る方法や、国際マーケットに進出する方法、マーケティングの手法など、ソフトウエアビジネスの実践を講議するものだ。15〜18日は午後、19日は午前に講議があるため、WWDCのセッションを見ることができなくなるが、テクニカルなことより経営的なことを知りたいのであれば、参加する価値はあるだろう。事前にメールで参加を伝えておく必要がある。なお、日本語のWWDC 2000のページには解説がないこともあり、日本語通訳はつかないものと思われる。

関連リンク:WorldWide Developers Conference 2000
カテゴリ:イベント


【Darwinシリーズ】はじめての起動

インストールが終わり、System Disk 3.0で起動するボリュームを選択すると、次はDarwinが起動するはずだ。再起動など適当な作業を行い、Darwin 1.0で起動してみる。ここで、起動時間を測ってみた。スイッチオンから2秒後にジャーンという起動音、そして、13秒で通常のMac OSの起動のときと同様、画面全体がグレーに塗りつぶされ、15秒後にお馴染みのマックのアイコンが画面中央にあらわれる。ここまでは同じだが、19秒後に、見なれないマウスポインタが出てくる。風船タイプのマウスポインタだが、色がケバい。これは、Mac OS X Serverの起動の時に出てくるものと同じだ。そして、画面の変化はしばらくないが、約60秒後に、プロンプトが出てきた。

 Darwin/BSD (localhost) (console)
 login:

のように表示される。コンソール、それはMac OSが否定してきた世界でもあるのだが、こうして私達の目の前に登場してきたのである。言うまでもないことだが、コンソールは、キーボードでコマンドを入れ、returnキーを押してコマンドの実行を開始し、結果も通常は画面で受け取るという型式のユーザインタフェースだ。マウスは、もはや使えない。しかも、いきなりグレーに塗り潰された画面上に、テキストのコンソール画面が現れるのである。ある程度コマンドを入れて、画面がスクロールアップされるまで、起動時のグレーの塗り潰しや、マックのアイコンは残ったままだ。いかにも、「製作中」を思わせるソフトウエアと感じてしまった。

◇起動直後にコマンド入力をしたところ(デジカメで撮影)
 figs/darwin/DSC00001.JPG

さて、いきなりログインとなったが、ここでは「root」と入力してログインすればいい。パスワード設定されていないので、rootの入力だけでログインされてしまう。ただ、最初の1回目の起動時には、「LUServer Can’t Initialized」のようなメッセージがプロンプトに重なるのだが、何度かreturnキーを押してプロンプトを出してrootと入力すればそれでOKだった。以後はこのエラーは出てこないようだ。

ここからはUNIXの世界だ。まずは、pwdコマンドで、カレントディレクトリを見てみる。起動直後だから、rootアカウントのホームディレクトリがカレントになっているはずだ。すると、

 /Local/Users/Administrator

となっている。このディレクトリ構成は、まさにMac OS X Serverと同じものだ。LinuxやFreeBSDとは大きく違うところであもある。また、通常はアカウント名がディレクトリ名になっているので、root = Administratorという図式も、Mac OS X Serverと同じである。当面は、rootでDarwinを使って行くことにしよう。蛇足かもしれないが、UNIXでは、ファイルがMac OSと同じように階層化されている。そして、ディレクトリの区切りは「スラッシュ」で行う。Mac OSのようにコロンではない。上記は、特定のディレクトリへのフルパス表記なのである。
なお、パスワードもなくログインされるのは危険と思うかも知れないが、リモートのログインは初期状態ではサポートされていない。だから、安心して使っていいだろう。もっとも、現状で重要なデータをDarwinに入れておくのは、あまりにチャレンジャー過ぎるとも言えるが…。
rootでログインすると、rootのホームディレクトリがカレントになっている。そこをlsコマンドで一覧してみると、.OpenStep、.dir.tiff、Documentsなどのファイルやディレクトリが見える(前出の図にコマンド入力結果が見える)。このユーザのホームディレクトリの初期状態も、やはりMac OS X Serverと同様になっている。Mac OS Xでも、ホームディレクトリの位置などはおおむね類推できると言えるかもしれない。

いろいろ見て行きたいところだが、もっとも肝心な終了の仕方を説明しておこう。終了も、再起動も、コマンドを入力しなければならない。終了は「halt」、再起動は「reboot」というコマンドを入力する。後は勝手に作業される。
再起動すると、また、Darwinが起動するが、これをMac OS 9の起動に切り替える方法も説明しておこう。これは簡単にできるようになっている。起動時に、optionキーを押したままにしておくと、Darwinが起動ボリュームになっていても、強制的にMac OS 9のボリュームを起動ディスクに変更する。これは一時的に変更するのではなく、起動ディスクの設定をMac OS 9側に設定するのである。だから、Mac OS 9が起動した後、今度はDarwin 1.0を起動したいと思った時には、System Disk 3.0で改めて起動ディスクをDarwin 1.0に切り替える必要がある。

カテゴリ:オープンソース, Darwin 1.0


Mac OSのスクリプトをJavaScript言語で記述するための機能拡張

Script Debuggerなどを開発しているLate Night Softwareは、Mac OSでのスクリプトの記述をJavaScriptで行うための機能拡張「JavaScript OSAX」を開発している。ベータ版の1.0b7が公開された。JavaScript OSAXを使うことで、スクリプト言語として、システム標準のAppleScript以外にJavaScriptも利用することができる。NetscapeのオープンソースプロジェクトであるMozillaのスクリプト処理部分を、Mac OSのOpen Scripting Archtectureで利用できるようにしたものだ。再配布は禁止されているものの、個人的な利用はフリーで行える。JavaScriptはWebページのスクリプト言語としてポピュラーなだけに、JavaScriptでMac OSのシステムやアプリケーションを操作できるとなると、より多くのプログラマから注目が集まることは間違いない。その結果、ソリューション系のプログラミングの幅が広がることが期待できると言える。

関連リンク:JavaScript OSAX
カテゴリ:ユーティリティ, AppleScript


XMLをパースするスクリプト機能拡張が正式にリリース

Late Night Softwareは、AppleScriptでXMLデータを処理するためのスクリプト機能追加「XML Tools 2.0」の正式にリリースした。XML Toolsは、James Clark氏のExpat XMLパーサをベースにスクリプト機能拡張として利用できるようにしたものだ。XMLファイルを読み込み、それをAppleScriptのレコードとして分解したり、あるいはXMLの生成の機能などが含まれている。PowerPCのみで利用できる。XMLはデータ交換の手法として利用されはじめているが、このOSAXを利用することで、AppleScriptベースのシステムでも、XMLについての処理を組み込むことが容易になる。

関連リンク:XML Tools 2.0
カテゴリ:ライブラリ, AppleScript


システムフォルダのファイル構成の違いをレポートするユーティリティ

Quinn "The Eskimo!"氏によってリリースされた「SystemFolderDiff 1.1b」は、システムフォルダ内のファイル構成の違いをレポートするユーティリティだ。システムトラブルなどで新規にシステムをインストールした時などには便利なユーティリティだろう。なお、Mac OS 8.5以上で稼動するものの、CarbonLibは、1.0.2以降が必要だ。Mac OS 9.0.4にはCarbonLib 1.0.1が入っているので最新版に置き換える必要がある。なお、Carbon対応なので、Mac OS Xでも利用できるのではあるが、システムの構成などはまだ未知のものであり、「テストをしていない」ということで、動作保証はされていない。

関連リンク:Software Development
カテゴリ:ユーティリティ


4Dでファイル処理を行う機能拡張がバージョンアップ

Automated Solutions Groupは、データベースソフトの4th Dimension(4D)のコマンドを100以上追加する機能拡張「FileToolkit for 4D」のVer.3.0をリリースした。FileToolkit for 4Dは、ファイル関連の処理を行うさまざまな機能を追加し、ファイルの選択ダイアログや、ファイル情報、エイリアス、ファイル入出力などが行える。Macintosh版とWindows版があり、一方だけだと160ユーロ、両方合わせては250ユーロとなっている。コンパイルしたアプリケーションには、ラインセンスフリーで利用できる。

関連リンク:Automated Solutions Group Announces FileToolkit 3.0 Release
カテゴリ:データベース


バグレポート用のソフトウエアがバージョンアップ

iecan Softwareは、ベータ版ソフトなどでソフトのバグを集積するためのツール「ie Bug Tracker 1.1」をリリースした。バグレポートを簡単に作成できるアプリケーションにより、テスタはバグの報告を書き、そこからすぐに電子メールで送ることができる。また、使用機器の設定や状態なども自動的に報告する。新しいバージョンの1.1では、ユーザインタフェースの改良などを行った。価格は$9.95となっている。

関連リンク:ie Bug Tracker
カテゴリ:ユーティリティ