Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年4月29日発行号 - iMovieをフリーで公開



iMovieのフリー版が出たので、とりあえず記事を配信します。未明にmdo-dのリストで送ったメールのタイトルにスペルミスがありました。申し訳ありません。
今日もちょっととんでもないメールが舞い込んできました。AllAdvantage.comというところからなんですけど、インターネット広告を見ている人にお金が支払われるというサービスです。専用のソフトを使うみたいですが、マック版もあるようです。まあ、大金が転がり込むわけではなく、小遣い程度ですが、紹介者によってレートがあがったりするようです。だけども、ねずみ講的なレートではないと思います。こう言ったサービス自体にはもちろん問題ないと思います。しかし、送られてきたダイレクトメールに336ものメールアドレスが文面に含まれていました。ソースを見ると、どうやら、ヘッダに含めた文字列の一部が漏えいしたようです。たぶん、BCCに指定したのだけども文字数が多すぎたのをシステムが勝手に改行を入れたのか、あるいは不具合なのか、ヘッダにメールアドレスだけがどっさり並ぶ行があり、運悪くその前に空行があったので、メールアドレス部分以後が本文として処理されたようです。本文に一部のヘッダが食い込んでいるので、システム側のトラブルなのでしょう。だとしたらAllAdvantage.comが悪いわけではないのでしょうけど、ちょっとお粗末です。メール自体はfreemail.ne.jpから送られています。
さらに悪いことに、AllAdvantage.comのサービスは登録制であり、個人情報を登録しないといけません。しかしながら、DMの文面に「弊社では第三者に対してメンバーの個人情報を販売、貸与、分配することは絶対にありません。」などと記載があります。藪蛇とはこのことでしょうか。漏えいしたアドレスは、頭文字がgとhのあたりなので、私のアドレスはなかったのですが、たとえアドレスだけでも勝手に流されるのはまだまだ抵抗ある人が多いかと思います。ただ、アドレスならオープンであっても仕方ないとも言えるので、このDMを「個人情報の漏えい」とまでは言いませんが、ちょっとイメージ悪くなりますね。この会社は1年程前にできたみたいですけど、大規模な出資がつい最近あったようですが、それは日本の有名企業…。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


iMovieのフリー配付を開始、デスクトップビデオがより身近に

AppleはiMac DVだけにバンドルしてたビデオ編集ソフトのiMovieをフリーで配付を始めた。初心者でも手軽に扱えるビデオ編集ソフトとして高い評価を得ていたが、iMac DVでないと使えないという点では多くのユーザが不満を感じていた。有償で別売するという予測もされていたが、フリーで配付というユーザにとってはいちばんうれしい結果となった。FireWire搭載のPowerBook、Power Mac G4が対象機種となっている。つまり、FireWireが最初から組み込まれいる機種向けだ。Mac OS 9.0.4、QuickTime 4.1が動作条件で、メモリは64MB以上となっている。現在、米国のアップルのサイトで、英語版のiMovie 1.0.2がダウンロード可能となっている。サイズは20MB弱だ。また、アメリカとカナダのユーザ向けには、実費程度の費用(米国向けで$19.95)で、CD-ROMの提供も行っている。CD-ROMには、160MBに及ぶチュートリアルが含まれているため、安価であることもあり、CD-ROMを入手する価値はある。

ダウンロードして少し使ってみた。プロジェクト名に日本語文字があると、パネルでの表示が文字化けるが、基本的には日本語システムでも使える。テロップをOsakaフォントにすると、なぜがビットマップフォントの拡大状態になりかなりジャギーなのだが、平成ゴシックなどTrueTypeフォントを使えば、きちんと見られる状態となる。対応機種としては、FireWire標準搭載のものだけになっているが、規約上はどのマシンにインストールしても問題ないものと思われる。Blue & WhiteのPower Macintosh G3にインストールしてみたが、稼動させることはできた。FireWireの拡張カードでの利用が可能なのかは不明だ。FireWireからのビデオのやりとりをスムーズにするために、こうした制約を付けているものと思われる。

ところで、ダウンロードしたiMovieでは、既存のビデオファイルのインポートがメニュー操作ではできなかった。DV圧縮のムービー、DVストリームのムービーもインポートができない。インポートできるのは、静止画とサウンドだけのようだ。しかしながら、既存のムービーを利用する方法もある(有名なチップスだが…)。既存のムービーをQuickTime Playerを使ってDVストリーム型式のファイルに書き出し、そのファイルを、iMovieのプロジェクトフォルダにあるMediaフォルダにコピーしてiMovieを起動する。そうすれば、少しのエラーメッセージが出るが、右側のムービーのライブラリのボックスに、ムービーが登場する。あとは、編集ができるようになる。

iMovieは確かにムービー編集ソフトだが、デジカメで撮影したJPEGファイルを並べて、テロップを付けて、スライドショー的な使い方もでき、それはそれで効果は高いと言えるだろう。もちろん、「DVビデオ」という装置との併用は効果的ではあるが、ソースは動画には限らないツールだと思う。サポートの問題もあるかもしれないが、FireWire搭載機に限定するのはある意味では可能性を狭くするものではないだろうか。だが、MacintoshのラインナップのすべてのマシンにFireWireが搭載されるのはそう遠くない話だとも考えられるため、こうした機種限定の不快さはいずれ解消されると考えられる。

いずれにしても、iMovieのフリー化によって、今後のPower Mac G4、PowerBookにはiMovieが標準で添付されることが十分に予想される。アップルの定義する4つの市場のうち、iBook以外ではiMovieが標準で添付されることになる。iBookもFireWireが搭載されるモデルの出現で、やはり同様にiMovieが付属するだろう。ちょっとオーバーだと自分でも思うが、これは、80年代のHyperCardの再来を予感させる。HyperCardはプログラミングツールで、iMovieはオーサリングツールという違いがあり、用途は異なるが、今後、ビデオ編集によるオリジナル映像作品作成が、Macintoshの世界での大きなトレンドになる可能性に現実味が出てきた。ハードウエアの性能が高くなって初心者でもスムーズにビデオ処理ができる。さらに手軽に使えるソフトウエアの存在が大きな起爆剤になる可能性がある。そして、それはHyperCardと同様、Windowsの世界が追随できないトレンドとなるだろう。Windowsの世界ではコスト競争が激しいため、FireWireが標準搭載となる可能性は低く、「ビデオはオプション」という状況に変化はないと見ることができるからだ。

関連リンク:Get iMovie
カテゴリ:ビデオ編集


【Carbon化シリーズ】Carbon化するプログラムは?

Carbon化を行うアプリケーションは、筆者が以前に出版した「Macintoshアプリケーションプログラミング」(ディー・アート刊)で紹介した、TextDrawというプログラムだ。自分でソースコードを作ったものだけに、いちおう隅々まで知りつくし…と言いたいところだが、この書籍は、実は5年も前に書いたものだ。その後は、実のところ、JavaやAppleScript、Perl、PHPあたりを中心にやってきたこともあって、自分で1からCで作ったいちばん最近のものがTextDrawだったりもする。その意味では、自分で作ったプログラムながら、自分でも怪しい。もっと他のプログラムをベースにしてもいいのだが、ひととおりいろいろな機能が入っている方が、問題点も出てきやすいと考えて、TextDrawを使うことにする。書籍では、TextDraw IIIというバージョンだが、Carbon化するのはTextDraw IVにしよう。実はこの書籍は、絶版寸前で、入手が困難かもしれない。上下の2巻なのだが、バランス良く売れるわけではなく、下巻が入手しづらい状況だったが、1999年中ごろに増刷されているので、注文すれば入手できないわけではないと思われる。定価は各巻\3,689だ。中途半端な値段に消費税率が3%だった時代を懐かしんでしまう。
TextDrawについて、概要を紹介しておこう。マルチウインドウやメニューといったアプリケーションの基本をまずクリアしているのは言うまでもない。名前の由来は、TextEditのオブジェクトを、ドローソフトのようにウインドウ内に自由に配置できるようにしたところから来ている。もちろん、TextEdit内での文字列編集は可能だし、マルチスタイルであり、さらにインラインまで可能である。オブジェクトとしてはリストも埋め込めるようになっており、リストのセルをインラインで編集できる。Drag Managerを使って、たとえばFinderからPICTファイルをドラッグして、オブジェクトとして埋め込めるなどしている。AppleScriptに対応しており、配置したオブジェクトをスクリプトコントロールが可能だ。ただし、当時のシステムの制約から、パレットなど、今時のアプリケーションでは当たり前な機能は省略されている。
それではいきなりCarbonLibをリンクして…と言いたいところだが、まず、現状のUniversal Header 3.3.1(CarbonLib SDK 1.0.2に付属)で、きちんとコンパイルできるかをチェックすることにした。また、TextDrawIIIは、FATバイナリ(こういう言葉も数年後には死語だろうな…)ではあるが、CarbonはPowerPCのみなので、PowerPCアプリケーションの生成だけでかまわない。プロジェクトも、PowerPCの生成だけに変更する。Carbon化する前に、まずはコンパイルを通すようにするという作業を行ってみた。果たして、そのままうまく行くか…何とエラーが出る。スクロールバーを生成する部分でエラーが出る。TextDrawIIIは漢字Talk時代のアプリケーションであり、旧来のスクロールバーを利用する部分でエラーが出てしまう。スクロールバーのコントロールプロシージャを指定する定数が、いままでインクルードしていたヘッダでは定義されていないのである。
もちろん、なんとかするという手もあるが、ここは少し欲張ってみた。コントロール類はMac OS 8で大きく変化をし、現状のMac OS 9ではAppearance Managerベースのスクロールバーを使うのが一般的だ。スクロールバーのつまみの大きさが状態に合わせて変化するやつだ。とりあえず、スクロールバー関連のエラーしか出ていないので、Carbon化にとりかかる前に、Appearance対応のスクロールバーにすることにした。
(続く)

カテゴリ:Carbon/CF, Carbon化


iMovie 1.0.2へのアップデータ日本語版がダウンロード可能に

iMovieを1.0.2へアップデートするアップデータの日本語版が、配付開始になっている。1.0.2では、オーディオ関連の処理の機能向上が変更点だ。なお、フリーになったiMovieは1.0.2であり、日本語版の登場が待たれている。ソフトウエア自体は準備OKではないだろうか。

関連リンク:iMovie Update 1.0.2
カテゴリ:ビデオ編集


Apple DVD Software 2.0が公開、これは何?

Apple DVD Software 2.0が公開されている。解説のページやダウンロードしたインストーラの説明文書ではでは、ソフトウエアデコードを使うプレイヤApple DVD Player 2.0についての説明がなされている。Apple DVD Softwareは、従来はPower Macintosh G3や、PCIグラフィックスのG4など、ハードウエアデコードに対応したDVD再生機能を持つマシン向けのDVD再生ソフトを差しているものだ。なお、ソフトデコードのApple DVD PlayerはすでにVer.2.2がリリースされており、古い2.0がリリースされる理由も分からない。文書が間違いで、実はハードデコード対応のDVDプレイヤソフトの新バージョンなのかもしれない。しかしながらダウンロードしてみたが、FireWire搭載のPowerBook、Blue & WhiteのPower Macintosh G3(CD-ROMドライブ搭載)のいずれでも、この機種にはインストールできないというエラーメッセージが最初に表示され、何がインストールされるのかの確認もできなかった。

関連リンク:Apple DVD Software 2.0
カテゴリ:周辺機器