Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年5月16日発行号 - CodeWarriorのMac OS X対応



WWDC 2000の参加者数は、3600人弱と、昨年の40%増となっています。確かに人がごったがえしているという印象があります。基調講演は立ち見の人もかなりいました。日本からのツアー参加者が400人弱となっているため、400人ほどの日本人が来ていることになります。参加者の1割を超えています。また、学生と思われる人たちが多くいることや、女性が目立つということもあり、昨年とは違った雰囲気を感じます。
会場には、インターネットカフェとして、Ethernetのケーブルとコンセントを使えるテーブルが並んでいる場所があるのですが、普段はなかなか場所が空きません。一方、AirMac(こっちだとAirPortなのだが…)の無線ネットワークがはりめぐらされていて(というか、充されているとでも言えばいいのか?)、AirMacカード、おっとアメリカだからAirPortカードを装着していれば、会場の至る所でネットワークに参加できるようです。実は基調講演の最初の原稿を送付するのは、MacWIREの松尾編集長のAirPort搭載機から配信させてもらいました(その節は有り難うございます)。松尾編集長は、米国で販売されているAirPortカードをしっかり装着されていました。会場でのAirPortネットワークの機器構成などにはけっこう興味があるのですが、これについては関係者から詳細を聞くことはできませんでした。会場の片隅では、PowerBookのバッテリ充電サービスコーナーもあります。これもマックらしいところと言えばいいでしょうか。
16日の火曜日の午前中にあるキーノートも、公開できない内容なので、残念ながら、WWDCのレポートの主力はほぼ終わったことになります。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CodeWarriorをMac OS XのCarbon対応開発ツールへ

メトロワークスは「CodeWarrior tools for Mac OS X」をリリースした。文字通り、Mac OS X向けのアプリケーションをCodeWarriorで作成するためのツールだ。Carbon対応のIDEやコンパイラに加えて、Mac OS Xのマシン1台だけのデバッグやあるいはリモート環境を利用したデバッグが行える。また、Carbonに対応したアプリケーションフレームワークのPowerPlantも含まれている。Mac OS X向けのPowerPlantでは、Carbon Event APIやCore Foundationをサポートしている。つまり、CodeWarriorはCarbon対応という路線でMac OS Xでの開発ツールのポジションをまずはキープする考えのようだ。WWDCの来場者にはCodeWarrior tools for Mac OS Xのベータ版が配付されている。また、ダウンロードなども可能だ。また、2000年第3四半期に、CodeWarriorの次期バージョンがリリースされるが、それにCodeWarrior tools for Mac OS Xが組み込まれる予定となっている。なお、現地時間17日に、メトロワークスのセッションがあるので、そこで詳細が分かれば再度お伝えしたい。

関連リンク:Metrowerks Outlines Plans for New Development Tools for Mac OS X at Apple’s Worldwide Developers Conference 2000
カテゴリ:Carbon/CF, 開発ツール, CodeWarrior


WebObjectsの新価格は72,800円

WWDCの基調講演で、WebObjectsの開発キットとトランザクション数無制限の稼動環境が$699という低価格になることが発表された。それを受けて、日本でも、\72,800で、6月上旬より販売する。日本では販売代理店経由となるが、拡販計画についてもあるようなので、WebObjectsのパッケージをショップで手にできるようになるかもしれない。メーカ希望小売り価格なので、場合によっては値引き販売も考えられる。なお、アカデミック版については、従来は19,800円だったが、11,800円に改定された模様だ(正式に価格が公示されていない“立ち話”で聞いた価格なので、その点は斟酌願いたい)。

カテゴリ:


【WWDC2000】Mac OS Xは延期というより試用期間を設けたもの

WWDC 2000の基調講演で、Mac OS Xは夏にはベータ版、2001年1月からはファイナル版1.0のリリースというスケジュールが示された。時間的な延期はたいがいは開発の遅れというのが理由になるのだ。しかしながら、基調講演の日にプレス向けに開かれたミーティングで説明が行われ、今回のMac OS Xでは事情が違うようだ。この夏に製品版として出荷しようとしていたものと同じレベルのものを、あえて「ベータ版」と称して、デベロッパだけでなく、一般ユーザにも配付し、さまざまなユーザ環境での利用の可否や使い勝手を検証し、そのフィードバックを得て、2001年1月に正式版として完成させるということのようだ。つまり、完成度を高めるための試用期間を設定したと言えるだろう。そのベータ版の配付方法などについては詳細は決定していないそうだが、一般ユーザを巻き込むことになると、たとえば、手数料かあるいは安価に評価版CD-ROMを申し込んで入手できるとか、サイズは大きいがダウンロードするというようなことが考えられる。また、今年の最初のWindows 2000のように、雑誌などへのバンドルについても期待をしたいところだ。
WWDCの会場で配付されたMac OS X Developer Preview 4は、APIについてはほぼ完成しており、これを利用してすぐにでも開発をすすめることができるというバージョンである。デベロッパのカンファレンスの“おみやげ”としては、参加者そしてアップル共にメリットがあると言えるだろう。さっそく、会場のあちらこちらでインストールが始まった。筆者も実はインストールしてみたが、その中身については機密保持の義務があるために公表できない点は御容赦願いたい。

カテゴリ: