Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年5月24日発行号 - Mac OS Xでアップルメニュー



Inside Mac OS Xが公開されたので、その内容は記事にできると判断できますから、また1つシリーズものを立ち上げました。【Inside Mac OS X】というシリーズです。ポイントになるところを解説しながら読み込むという雰囲気で進めたいと思っています。シリーズが3つも並行していますが、週に2〜3本が限度なので、だいたい、各シリーズとも週に1本ずつというスケジュールを考えています。内容的なことでリクエストがあれば、どうぞ御遠慮なくおっしゃってください。
今日はPalmの発表会がありました。Palm VIIは来年だそうですが、日本のデベロッパーとしては、コンテンツサービス開始が先なのでまだ間に合うというところでしょうか。携帯端末+ワイアレスにフォーカスしていようとしている方は、そろそろ動きださないといけないかもしれません。もっとも、やっと目処が立てるかなと言ったところかもしれませんね。
WWDC 2000のおみやげのTシャツですが、当選は以下の方々です。本日、佐川急便で発送いたします。
・メトロワークス(2名様):ダルソン、平井 康之
・Mac OS X(1名様):エルタス

それから、またまたプレゼントがあります。今日のPalmの記者会見で配付されたPalmのマウスパッドと、Palmの紙袋です。
figs/photos/SANY0018.JPG
マウスパッドはPalmというだけでなく、ウォーターベッドみたいというか、表面が液体になっていてぷにぷにしています。紙袋の裏はPalm Vxです。紙袋は折って送付することになるかと思いますが、ご了承ください。
=====================Palm関連品プレゼント
品名:(1)Palmマウスパッド
   (2)Palm紙袋
応募方法:msyk@locus.co.jp宛に電子メールを送る
 題目:【Palm関連品希望】
 内容:氏名、郵便番号、住所(必要なら会社名なども)、
    希望品名、当選時の公表名
  *MDOnlineを購読している電子メールで応募してください
  *応募は1通のみを有効とします
締め切り:2000年5月27日到着分
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS Xで往年のアップルメニューを実現するソフト

Sig Softwareは、Mac OS Xでアップルメニューを実現する「Classic Menu」を公開した。フリーではあるが、$10の支払いは歓迎だとしている。WWDC 2000でMac OS X Developer Preview 4が配られ、基調講演でもMac OS Xが利用されたが、従来のMac OS 9まであったアップルメニューがなくなっている。メニューバーにブルーのアップルマークがあるが、これは何もメニューにはならない。基調講演を見た限りでは、いちばん左のメニューが「アプリケーション名」のメニューであり、アプリケーションの終了や初期設定のメニュー項目が入るだけのようだ。しかしながら、永年Mac OSを使い続けてきたユーザにとっては使いやすいランチャとしてのアップルメニューを捨てがたいという思いもあるかもしれない。ならば「Classic Menu」があることに安心しておこう。ただし、画面の右端にアップルメニューが出るようになっている。アプリケーションや文書のエイリアスを規定のフォルダに登録することで、メニュー項目を構成できるものと思われる。Mac OS X DP4での稼動を確認しているとのことだ。アプリケーション自体はTerminal上で解凍する必要があるなど現状では簡単にインストールはできないかもしれないが、DP4はまだデベロッパだけしか入手できていないので、大きな問題はないと思う。もはや、Mac OS Xプラットフォームの製品として出してしまうのも驚きだが、しかもメニューに食い込むようなものまで作ってしまう点にも凄味を感じる製品だ。

関連リンク:Classic Menu
カテゴリ:ユーティリティ, Mac OS X


【Inside Mac OS X】マルチユーザはNetInfoで実現

Inside Mac OS X: System Overviewのp.20にある「Multiple Users」では、Mac OS Xでのマルチユーザ環境についての解説がある。そこでは、NetInfoを用いたネットワークアカウントの管理を行うということが明記されている。
マルチユーザの1つの側面は、1台のマシンを複数のユーザで利用し、それぞれのユーザのフォルダや初期設定を別々に管理できるという点だ。Mac OS 9にも組み込まれているが、一般には家庭内のような利用や、管理の手間をかけられなかったような組織での利用が中心だと考えられる。企業や学校などの組織で求められるマルチユーザ機能はやや様相が違うだろう。それは、ネットワークサーバでユーザ管理が一元化されていて、どのマシンからも同一のアカウントでログインができるという「ネットワークアカウント」だ。初期設定やあるいは文書フォルダなどをネットワーク上で管理しておき、どのパソコンからログインしても、同じデスクトップ環境が再現するというものだ。この意味でのマルチユーザを、NetInfoを利用して実現することがInside Mac OS Xに書かれている。なお、Windows NTでのドメイン、あるいはWindows 2000でのActive Directoryではすでに実現しており、「移動プロファイル」などの名称で、こうしたどのマシンからログオンしても同じデスクトップが再現される機能が利用できる。
NetInfoは、NeXT時代からあるネットワークディレクトリシステムで、情報を階層的に管理できる柔軟性などで注目されている。Mac OS X ServerではNetInfoのクライアントになる機能があり、メールアドレス管理やアカウント管理などでもNetInfoが使われている。強力な機能ながら使いこなしにノウハウがいることも指摘されているが、ディレクトリシステムの使いこなしについてはNetInfoに限らず他のシステムでも同様に困難さはつきまとう。
ネットワークアカウントをNetInfoで実現するには、NetInfoのサーバを何らかの形でたてないといけない。どういう形でサーバを提供するのか、あるいは管理ツールはどうなるのかなど興味はつきないが、Mac OS Xのネットワーク環境はNetInfoが1つの軸になることは間違いなさそうだ。

カテゴリ:Mac OS X, ネットワーク, Inside Mac OS X


通信機能を搭載したPalm VIIの日本版は2001年上半期

ワイヤレス通信機能を搭載したPalm VIIの日本登場は、2001年上半期に投入予定であることが明らかにされた。米国ではすでに発売済みだが、日本ではあと1年はおあずけだ。通信機能を内蔵する点では、インターネットを手軽に利用できるということに他ならないが、より大きな意味を持つのはWebクリッピングといわれる機能だ。Webをブラウズするのではなく、Webをベースにアプリケーションを動かすという意味合いがある。iモード専用ページなどがあるがそれに近いイメージだ。しかしながら、形態としてはPalmのソフトウエアをインターネット越しに利用できる、つまりオンラインでPalmソフトウエアを使えるというイメージに近いものである。ニュースサイトからの情報の取り出しや、コマースサイトへの発注処理などをPalmで行えるというサービスだ。
こうした機能を効果的に使えるようにするには、コンテンツを提供するプロバイダの存在は不可欠だ。そこで、2000年9月にコンテンツデベロッパー向けの会議を日本で開催し情報の提供を行う。そして地固めをした上で2001年上半期からの発売とサービス開始というのが示されたスケジュールだ。その段階で、おそらくPalm VIIを改良した小型軽量の新モデルを投入する予定となっている。iモードのインターネットが注目されているが、画面サイズではPalmの方が広く、より見やすいコンテンツを作ることが期待でき、その点を既存の携帯電話インターネット利用との差別化のポイントと見ている。なお、接続サービスのPalm Netや、どういった通信手段を用いるのかといった具体的な計画については話されなかった。
iモードを利用したサービスが1つのビジネスになることは証明されている。ならば、Palmでも同じことが起こる可能性があるが、具体的なコンテンツプロバイダ支援策が明らかにならないと何とも言えないだろう。つまり、コンテンツプロバイダとしては資金をどう回収すればいいのかというビジョンが示されないとどうしようもない。この点について今は明確ではないが、9月の段階で明らかになるかも知れない。いずれにしても、Palmをワイアレスでインターネット接続という大きな方針は示された。そうなれば、たとえば、Palmを端末として利用するASP事業ということも視野に入るだろう。外食産業向けに、注文をPalmで取り、調理工程指示や料金計算などをインターネットをベースに行うようなサービスも可能になると考えられる。Palmの世界がまた飛躍しそうだ。

関連リンク:Web Clipping
カテゴリ:業界動向, Palm & PDA


QuickTimeをコダックにライセンス、将来製品でビデオキャプチャ

Appleは、QuickTimeに関するライセンスをKodak(Eastman Kodak Company)に供与したことを発表した。Kodakは現在開発中のデジタルカメラにおいて、QuickTimeの技術を利用して、ビデオクリップを撮影できるようにする。QuickTimeがクロスプラットフォームが注目しており、Mac OSだけでなく、Windowsでもサポートしている点を評価してのデジカメ製品での採用をしたとしている。ただし、具体的な製品についてはアナウンスされていない。また、Kodak社の一部の機種は、FlashPoint Technology社のOS「Digita」を採用したOS搭載マシンである。DigitaとQuickTimeが統合されるのか、あるいはDigita搭載マシンではないものにQuickTimeが利用されるのかは不明だが、興味ある点ではある。

関連リンク:Kodak Licenses Apple’s QuickTime
カテゴリ:業界動向