マイクロソフトの分割が話題にのぼっていますが、OSとその他の2分割案から、さらにブラウザ部門を分離する3分割案まで出ているとか。いずれにしても、分割しても、それぞれの会社の合計を取れば、今よりも高いシェアになるのは見えているのではないでしょうか。分割案が出た頃にはマイクロソフト株はかえって値段を上げているとも聞きます。また、ブラウザ開発までも分離してしまうというのは、90年代後半のブラウザ戦争の余波なのかもしれませんが、ブラウザだけを突出されるのもどうかなと思います。いずれにしても、明白な負けを「分割」という形で象徴させたいというのがあるような気もするし、マイクロソフトとしても分割命令という負けを被ることを避けたいと思っているのではないでしょうか。控訴で時間をかせぐことで、仮に分割されるとしても、より効果的な体制を整えてくるのは目に見えています。
分割するとなると、OSとアプリケーション、あるいはブラウザの定義がきっと問題になるでしょう。もはや、あいまいになりつつあるこうしたソフトウエアなのですから、分割しようがしまいが、OSにはブラウザは統合されていると見ることができるわけで、分割したはずのOSでも、Webブラウズはできるという状況になると思います。あるいは、ほんとに分割したとしても、ブラウザ会社はOS会社のOSでもっとも効果的に機能するブラウザを開発することになり、パソコンメーカーは結局、OS会社とブラウザ会社の製品をカップリングすることになるでしょう。あるいはユーザの手元でそういうことをやるように結局はなると思います。OSだけだとほんとにOSだけですから、結局何かと組み合わせないといけないわけで、ブラウザ会社のブラウザは当たり前ですが先行している有利さがあり、それをくつがえすのは大変なことです。裁判の結果はどうなろうが、すでにマイクロソフトは勝っているのですから。
思うに、手を打つのが遅かったと思います。90年代前半に、規制をかけて、OSとアプリケーションを同じメーカーで開発できなくしておくようにしておけば、その段階で別々の会社になっていたかもしれません。自由を尊ぶ点から規制は問題ありとしているのでしょうけど、結局は分割しようとしています。OSメーカーがアプリケーションをやると状況的に有利なのは自明なことですから。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
開発ソフトのREALbasicのVer.2.1.2がリリースされた。生成したWindows向けアプリケーションで、リストボックスにおいて末尾までスクロールしているときに行の削除を行うとクラッシュするというバグを修正したものだ。
なお、日本語版のREALbasicについては、2.1移行の修正を反映させるために、正式リリースが5月末に延期されている。それまでの間は、リファレンスなどが英語のままの暫定版の公開は続ける。
関連リンク:REAL Software
カテゴリ:開発ツール, REALbasic
Late Night Softwareより、Script Debuggerのアップデート版Ver.2.0がリリースされている。編集ウインドウの分割や、長い行を折り返して表示することに加え、AppleScript以外のOSA言語に対応した。また、さまざまなパレットが追加された他、スクリプト実行中のローカル変数の参照にも対応している。変数の値の変更を取得したブレークや、Script Debuggerの外部で稼動するAppleScriptソフトウエアのデバッグにも対応した。用語辞書の表示についても改良が行われている。価格は$189で、Ver.1.0からのアップデートは$79となっている。日本語版を販売しているフォーサイトのWebサイトでは、Script Debuggerの日本語版についての情報はなかった。
関連リンク:Script Debugger 2.0
カテゴリ:開発ツール, AppleScript
MindVidionはインストーラ作成ソフトの「Installer VISE for Mac OS」のアップデート版であるVer.7.0をリリースした。オンラインでソフトウエアの販売を行うサービスである「eSellerate」も同時に発表したが、Installer VISE 7.0では、eSellerateと連動して、ソフトウエアの販売プロセスもインストーラに組み込むことができる。また、新しいバージョンでは、Mac OS XのCarbon対応のアプリケーションのインストーラを生成できるようになっており、Mac OS X向けのインストーラの作成もできるようになった。Installer VISEは作成したインストーラの配付数によってライセンス料金が違うが、フリーウエアやシェアウエアでは費用はかからない。
関連リンク:MindVision
カテゴリ:開発ツール
UNIXでのエディタとなると、一言言いたい方は多いかも知れない。自分好みのエディタ環境を整えるというのが使いこなしているという証しでもあったりする。Darwinでのエディタ環境をざっと見てみることにしよう。
当然ながら、viが組み込まれていて、コマンドラインに「vi ファイル名」とコマンドを入れればエディタが起動される。筆者の環境では17インチのディスプレイを接続しているのだが、起動した状態では画面一杯を使ったコンソールとして機能している。しかしながら、いったんviを起動すると、80桁×24行のコンソールとして機能してしまう。つまり、画面の左上の領域だけを使ってのコンソールに切り替わってしまうのだ。
◇viは起動するが、80×24行になってしまう
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とりあえず、このまま作業を少しして見た。キーボードの矢印キーを使ってみたが、カーソルはキーの方向に移動する。control+Fやcontro+Bでのページスクロールもできるようだ。iコマンドやaコマンドも使える。いずれにしても、基本的な編集作業は問題なくできそうだ。キーボードが英語キーの配列になっているので、JISキーボードだとコロンの位置が違っているなどちょっと迷うけど、それを気を付けていれば普通にviは使える。ちなみに、viはUNIX系OSの場合、たいがいの状況で使えるので、基本的なコマンドはできれば知っておきたいところだ。
しかしながら、viを使い、終了させても、コンソールは80桁×24行のままである。画面一杯に使うコンソールの状態には戻らない。戻す方法としては再起動意外には、emacsを起動して終了するという手段があるようだ。
一方、emacsもある。/usr/binに、emacsとemacs-20.3という実行可能な属性の付いたファイルがありサイズは同一だ。ファイル検索では20.3のソースがあるので、おそらくはemacsコマンドで20.3が起動されるものと思われる。emacsも、起動するとやはり80×24行となり、画面の左上だけで使える状態になる。
◇emacsもやはり80×24行で起動される
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emacsはviと違って、コンソールの行列数を変えてしまうようなことはなく、終了後は前画面のコンソールに戻る。
ここで、viについて簡単に説明しておこう。viは画面にあるようにコンソールで稼動するテキストエディタだ。カーソルがあり、Mac OSで使われているようなエディタのように一見使えると思うかも知れないが、根本的な概念が大きく違い、その点を理解していないとわけがわからない。基本として、viは「コマンドモード」と「インサートモード」の2つの状態があり、起動直後はコマンドモードとなっている。コマンドモードでは、キータイプした文字が、コマンドとして解釈される。一方、インサートモードは、キータイプした文字がカーソルのところに挿入される。つまりテキストとしてインプットされるのである。この2つの状態があり、今どちらなのかを意識して使わなければならない。しかも、今どちらなのかは画面で判断できないのがちょっと取っ付きにくいところだ。
コマンドモードからインサートモードに移行するには「a」ないし「i」コマンドを入力する。これらのコマンドは、単にキーを1文字分押すだけよくreturnは必要ない。aコマンドはカーソルの文字の後、iコマンドカーソルの文字の前に挿入を始める。つまり、カーソルを挿入したい位置に移動して、aかiを押し、その後にキータイプすれば良い。なお、インサートモードの時にも、矢印キーでカーソルの移動はできる。
一方、コマンドモードに戻るには、escキーを押す。escキーは“無害”なので、モードが分からなくなったときやパニックになった時には、escキーを押しまくる。escはコマンドのキャンセルにもなる。ビープ音が鳴ると、コマンドモードでescキーを押したことを意味し、それによって確実にコマンドモードになり、最初からコマンド入力できる状態になったことが分かる。
修正した結果をファイルに書き戻したくない場合など、現状はそのままでviを終了させたいときには、コマンドモードで「:q!」とコマンド入力し、これはreturnキーを最後に押す。すると、何も変化なくviが終了する。安全策としてこれは覚えておきたい。一方、編集した結果をファイルに書き戻しさらにviを終了するときには「:wq」とコマンドを入力してreturnキーを押す。
カーソルの位置にある1文字を消したい場合には、コマンドモードで、xキーを押す。これはreturnは不要で、カーソル位置にある1文字を削除して後ろからつめる。また、「dd」コマンドにより、カーソルのある行すべてを削除して、後ろからつめる。文字列を検索したいときには「/」に続いて検索文字列を指定するが、正規表現で文字を指定してreturnキーを押す。次々に探す時には「n」コマンドを使う。
他にもコマンドがあるのだが、以上のコマンドを知っておけば、とにかく何とかなる。正直なところ、筆者もこれ以上のコマンドとなると、解説書を開いて作業している。複雑な編集となると、いっそのことviは使わないで、Mac OSにテキストファイルを持ってきて、編集後に戻すようなことをやってしまう。
emacsについては実は筆者はほとんどなじみがない。終了の方法として、control+X、control+Cを連続して行えばいいということしか知らなかったりする。詳細は、解説書などを御覧いただきたい。
ところで、JISキーボードでDarwinを使っていると、チルダの入力ができないことになっていることに気が付いた。JISキーボードには1のキーの左にはキーがない。何かいい方法はないか、思案中であるが、とりあえずはいい方法が分からない。御存じの方には教えていただければ大変ありがたい。
カテゴリ:Darwin, Darwin 1.0