WWDC 2000では御存じの通りハードウエア関連の発表はなかったのですが、昨年WWDC 1999のときには、PowerBookの新製品が発表されました。キーノートが終わると、廊下(といってもけっこう広い)でアップルの人が何台か手で持ってきて、とにかく実物を目にできるようにはするのですが、とてつもない人だかりで写真を撮影するのはかなり苦労するのです。もっとも、1999年はその後にマスコミ向けに写真を撮影する機会がもらえたのですが、ただ何日も後だったので、写真を送ってもボツってしまいましたけど。
今年のWWDC前にはFireWire搭載のPowerBookがモデルチェンジされるという噂が広がりました。Macお宝鑑定団のページで、ヨドバシに買いに行ったら製造中止だと言われたという記載がもとになっているのですが、今となってはガセだと言えるものの、WWDC前にはまことしやかに語られたものです。私は8〜9割はガセだと思っていましたよ、ほんとに。というのは、量販店は自分のところに入荷がないと、「製造中止」という言い訳をよく使うのだと言うことを、あるメーカーの販売担当の人から聞いたことがありました。販売担当の人は、そうした噂が出るたびに払拭するのが大変だとおっしゃっていました。製造中止と言えば、他店で買うということを阻止できる可能性がありますからね。しかし、今後はこうした言い訳は通用しないでしょう。というか、通用させてはいけないのです。
問題点は、噂として掲載されたことが事実として世の中に流通してしまったことでしょう。情報の内容の信ぴょう性という点では、Macお宝鑑定団などのいわゆる「噂系サイト」と、MacWIREなどをはじめとするマスコミとの違いは大きくあるとは思うのですが、そのことはまだまだ浸透していないのではないかと感じました。お宝を批判するつもりはありません。私も情報源として活用させてもらっていて感謝しています。ですが、お宝に掲載される情報は自分の責任で利用し解釈する必要があるのです。一般マスコミから流される情報に比べてより強く情報の受け手の自己責任が要求されるわけです。マスコミの取材現場ではオリジナルの情報で裏を取るというのが当たり前なので、事実かどうかを明確に言えるし言わないといけないのです。だけど、噂系サイトは「○○によれば」という表現で情報提供もととしての責任を回避しているのはよく見られることです。いすれにしても、PowerBook製造中止事件でこのことが認知される契機になればと思います。もちろん、MDOnlineも確度の高い情報を御提供し、また、状況によっては確度を判断する基準もしっかりと含めた情報にするという点は肝に命じています。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
「マルチメディア・アップデート J-1.0」が、ソフトウエア・アップデートを通じて、日本語版のMac OS 9.0.xでもアップデートが可能になっている。アップデート時の説明では、仮想記憶利用時のサウンド性能の向上や、USBサウンドのサポート追加となっている。Apple Audio Exteinsion(1.0.5), ATI 3D Accelerator(4.9.8), ATI Graphics Accelerator(4.9.9), ATI Rage 128 3D Accelerator(5.8.5), ATI Resource Manager(2.5.1)が実際に組み込まれる機能拡張で、ATIのグラフィックボード関連のスピード向上も行われているものと思われる。英語版の配付では、3D機能であるOpenGLの機能向上や、ビデオ編集ソフトのFinal Cut Proでの表示性能の向上が行われている点が説明されている。また、Tech Info Libraryの文書では、特定のシステムで組み込まれるサウンドマネージャがゲームやDVDサウンドの遅れをなくすための措置がなされているものの、そのバージョンで仮想メモリの処理にエラーが発生してオーディオCDの音飛びが発生することが説明されている。そうした不具合はマルチメディア・アップデートによって解消されることが説明されている。
関連リンク:Mac OS 9: Audio CD Skipping
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), OS関連ソフトウエア, グラフィックス, Mac OS 9
昨日配信したMDOnlineの【Darwinシリーズ】において、チルダの入力方法が分からないと記載していたが、さっそく読者の古川さんから情報をいただいた。shift+escでチルダを入力できるそうで、実際に確認も行った。古川さんに感謝します。キーボード一覧表をWebページにしておいた。
関連リンク:DarwinでのJISキーボード利用
カテゴリ:
Tech Info Libraryに公開された文書に寄ると、Mac OS 9.0.xにおいて、ハードディスクの断片化が進みさらに空き容量が少ない状態になると、起動できなくなることがある。起動時にハッピーマックのアイコンが出るものの、それより先に進まなくなる。たとえば、Macintosh Managerが稼動しているAppleShare IPサーバ機でこうした症状が見られることがある。対処としては、サードパーティの断片化を修復するツールを使うか、ファイルのバックアップをとってハードディスクのフォーマットやパーティション設定をやりなおすなどの方法が示されている。
関連リンク:Mac OS 9: Stops Responding During Startup
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9
サンマイクロシステムズの発表によると、Mac OS Xには、Java2 SE(Standard Edition)のVer.1.3が搭載されることになりそうだ。アップルの発表では、Java2 SEとしか記載されておらず、Ver.1.2.2という可能性もあり得た。Ver.1.3は、Ver.1.2に比べて、より高速化している点が大きな特徴で、起動時には40%の高速化、そしてメモリ利用量の25%の減少というメリットがあるとしている。その他細かい点でもかなりの機能改良がなされている。
◇JavaTM 2 SDK, Standard Edition, version 1.3 Summary of New Features and Enhancements
http://java.sun.com/j2se/1.3/docs/relnotes/features.html
関連リンク:Apple Among First Licensees of Java[tm] 2 Platform, Standard Edition v 1.3
カテゴリ:Java, Mac OS X
QuickTime for Javaに関する紹介文書がAppleのサイトに公開されている。QuickTime for Javaを使うためのコンパイラ等開発環境の設定に加え、動物のムービーを表示するサンプルと通して、基本的な初期化やウインドウの用意、ムービーの表示の方法を紹介するというもの。サンプルコードを示しながらの具体的なQuickTime for Javaの利用方法を紹介している。
QuickTime for Javaは、JavaのアプリケーションなどからQuickTimeの機能を利用できるもので、Mac OSだけでなくWindowsでも利用可能だ。ムービーを表示するライブラリというよりもアプリケーションフレームワークまで提供されるかなり機能の高いパッケージであるとも言える。また、Mac OS Xでもサポートされる。
関連リンク:An Introduction to QuickTime for Java
カテゴリ:Java, アップルからの開発資料, QuickTime