Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年6月20日発行号 - REALbasicでコントロールバー



今日も光化学スモッグ注意報が出ています。けっこうな暑さもそこそこ慣れてきたと言えるぐらいになってきたでしょうか。別に意味はないのですが、部屋の模様替えをちょっとやりました。今まで、デスクトップパソコン中心で生活していたので、ディスプレイを中心にした配置だったわけです。しかしながら、今はPowerBookを使うことがほとんどです。机のど真ん中にPowerBookを置くようにしました。一方、ディスプレイの位置はそのままで手前に置いてあった机の向きを変えたので、ディスプレイは通常の座り位置からすると、横向けなりました。向きを変えるというよりも、別の机に近い位置です。そっち側では、ファンのうるさいWindowsマシンと、Mac OS Xなどを入れた実験用Blue & WhiteのG3です。もう1台、サーバがあるのですが、その3台ともファンがうるさいですね。
MDOnlineの記事のカテゴリの一部を変えました。今まで「Mac OS X(Client)」としていたカテゴリを、そのまま「Mac OS X」に変更しました。それから、気になっていた方はいらっしゃったかもしれませんが、「Power Book」となっていたのを、正しく「PowerBook」と直しました。MDOnlineを始めて9カ月経過しますけど、当時はMac OS X Serverと、Mac OS Xは世間的にはあまり区別されていないと考え、あえて (Client) という記述を入れました。しかしながら、冬が来て、春が来て、次世代システムの大枠も固まったかと思います。今後は、Mac OS X関連の情報がもっと多くなると思うので、「Mac OS X」という1つのくくりではなく、目的ごとに適切なカテゴリを随時増やして行くつもりです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


WebObjectsを利用したWebサイト構築と顧客対応ソフトがリリース

WebObjects向けのアプリケーションソフトが登場した。フレームワークソフトウエアは、Webサイトの更新を効率的に行う「WebRelease」と、顧客との電子メールでのやりとりを管理する「MailCenter」を出荷する。Mac OS X ServerとSolarisが対応環境となっており、WebObjects 4.5を利用する。Mac OS X Serverでは10ユーザに限定されるが、Solarisではユーザ数は限定されない。MailCenterはOracleなどのデータベースサーバも必要となる。Windows NTやHP-UX版については未定だ。
WebReleaseはWebページのテンプレートを作成しておき、それに必要な項目を記入する感覚で新しいWebページを作成するというもの。ページの入力や管理はWebブラウザから行える。定型的なページや、あるいは即時に公開を要求されるようなページの管理に適しているもので、CSVファイルを利用して複数のページを構築することも可能になっている。Mac OS X Server版は598,000円、Solaris版は2,998,000円だ。
MailCenterは顧客からの問い合わせが電子メールでやってきた場合に、複数の担当者で対応をするような作業を支援するソフトウエアだ。カスタマ・リレーション・マネージメント(CRM)と位置付けている。問い合わせの参照や返信の管理などを、やはりクライアントはWebブラウザでこなすようになっている。過去の問い合わせと回答の記録などをスレッドで参照できるなど、顧客対応をデータベース化できる。Mac OS X Server版は598,000円、Solaris版は2,998,000円だ。
フレームワークスソフトウェア社は、日産自動車のWebサイトを構築をしていた人たちが母体となって始められたソフトウエアメーカだ。3月に行われたWebObjectsのセミナーでも、それぞれの製品は紹介されていた。

関連リンク:フレームワークスソフトウェア
カテゴリ:WebObjects


【Darwinシリーズ】UNIXシステムのシンボリックリンク

Mac OSでのエイリアスについては馴染みが深いと思う。あるファイルの別名を、同じあるいは異なるフォルダに作成することができる。そして、オリジナルのファイルを改名したり移動させたりしても、エイリアスから元のファイルを探し出すことができる。よく利用するアプリケーションのエイリアスを集めるなど、システムのカスタマイズの高さを演出する重要な機能だ。Windowsでもショートカットという同様な機能をサポートしているが、オリジナルのフォルダを移動すると検索に時間がかかるなど、使い勝手はMac OSが勝っているとも言える。そのエイリアスの機能はSystem 7で導入され、そのときに「UNIXシステムにもある機能だが…」と紹介された。それがシンボリックリンクという機能であるのだが、実は様子がそこそこ違うのである。もちろん、BSD
をベースにしたDarwinでは、シンボリックリンクとつきあう必要がある。それは、Mac OS Xでも同様なのである。

UNIXではファイルの実体、すなわちファイルが存在を、複数の項目で示す手法として「リンク」がある。1つのファイルを異なる項目から参照できるための機能だ。平たく言えば、1つのファイルを複数の異なるファイル名から参照したり、あるディレクトリをまったく別のディレクトリから名前1つで参照したりするのがリンクである。そのリンクにも「ハードリンク」「シンボリックリンク」の2種類がある。ハードリンクはファイルに対して作成できるもので、作成したハードリンクは元のものと区別がつかない同等なものとなる。一方、シンボリックリンクは、元のファイルのありかのパスを記録した、文字通りの単なるリンクであり、Mac OSのエイリアスに似ている。
ハードリンクとシンボリックリンクは動作の上ではあまり違いはないと思うかもしれない。大きな違いはオリジナルのファイルを消した時に出る。ハードリンクで作成した新しいリンクは、その意味ではファイルそのものであり、ファイルの情報を見ても、「ハードリンクで作った」ということはどこにも記されない。「ln -l」コマンドでファイル一覧を見た時に、アクセス権の次に数字が記載されいているが、それはハードリンクをいくつ作ったかを記載するものだ。そこでハードリンクが作られていることは分からなくはないが、どっちがオリジナルかは作った本人しか分からない。オリジナルを削除しても、ハードリンクはやはりファイルとして残っているため、ファイルの中身は消えないわけだ。
一方、シンボリックリンクは、ファイルやディレクトリのありかを、パスで記録する。そのため、オリジナルのファイルやディレクトリを削除すると、何もないと判断する。また、ファイルの移動に対しても、絶対パスを記録しているため、移動先を参照するということはできなくなる。その意味ではMac OSのエイリアスの方が高機能だが、その違いについては、「Inside Mac OSシリーズ」の別掲の記事で論じることにしよう。

さて、リンクを作成するには、lnというコマンドを作るが、引数の与える順序がどうしても覚えられない類いのコマンドだ。ハードリンクを作る時には、

 ln 元ファイル 作成するリンク

のようにコマンドを与える。一方、シンボリックリンクを作成するときには、

 ln -s 元ファイルないしはディレクトリ 作成するリンク

のように、パラメータのsを与える。先に、オリジナルを指定して、後から作成するリンクのファイル名を与えるというあたりが、どうもいつも逆に思えてしまう。逆だと思い込みすぎるとさらにその逆をやってしまう。いずれにしても、「man ln」でいつもチェックしてしまうものである。他にもスイッチや引数の指定方法はあるが、とりあえずこれだけ知っていれば大丈夫だろう。
シンボリックリンクは、「ls -l」コマンドで参照した時、一覧の中の、行の最初の文字が「l」になる。ファイルだと「-」、ディレクトリだと「d」となる部分が、シンボリックリンクでは「l」になるというわけだ。ハードリンクは元ファイルと何ら変わることはないが、シンボリックリンクでは「ls -l」コマンドの結果でファイル名の後に「-> 元ファイルないしはディレクトリ」という記述が追加され、どこにリンクしているかは一覧から参照できる。

いずれの方法でも、リンクは元となっているファイルやディレクトリと、リンクは同じに扱える。たとえば、メールのログは、/var/log/mail.logというファイルに溜め込まれる。そこで、そのファイルをすぐに参照したいと言う場合、自分のホームディレクトリがカレントのときに「ln -s /var/log/mail.log maillog」のようにコマンドを入力して、maillogというシンボリックリンクを作る。そして、カレントがホームディレクトリの時に、「cat maillog」とか「tail maillog」でメールのログを参照することに利用できる。あるいは、Webサーバで公開ディレクトリの外部にあるディレクトリも公開するような場合に使われる手法だが、その場合はWebサーバのさまざまな設定も必要になるので、詳しくはここでは紹介しないでおこう。

カテゴリ:Darwin, Darwin 1.0


REALbasicでコントロールバー書類を作るためのキットがリリース

Intelli Innovations社は、REALbasicで、コントロールバー書類を作成するキット「REAL Control Strip 1.0」をリリースした。コントロールバーのモジュール作成のために必要なクラスやリソース生成のためのテンプレート、それを利用したサンプルコードなどが含まれる。フリーウエア向けには無償で、シェアウエアには$20、そして商品ソフトウエアにはその都度ライセンス契約をするという形態になっている。すでにこのキットを利用していくつかのソフトウエアが作られている。

関連リンク:REAL Control Strip 1.0
カテゴリ:ライブラリ, REALbasic


WebSTARでメールやデータベース利用、POPアクセスに対応

PagePlanet Software社は、WebSTARプラグインでデータベースや電子メール処理を追加する「Modular Gateway Interface (MGI)」のVer.1.6をリリースした。MGIを利用することで、Webページ内に特別なタグを記述することができる。データベースのアクセスや電子メールの送信に加えて、Webページにパスワードをかけることやゲストブックの作成などさまざまな機能を利用できる。Ver.1.6ではPOPサーバへのアクセス機能を追加した。機能の限定されたものも含めて3タイプの製品が用意されており、価格は$149〜$899となっている。

関連リンク:Page Planet Software
カテゴリ:データベース, サーバー関連


AppleWorks 6でテンプレートを独自にインターネットに公開する方法

Tech Info Library-Jに、AppleWorks 6のヘルプの修正が掲載された。ユーザが独自にインターネットを通じてテンプレートを配付する方法の具体例が記載されているが、その利用方法をヘルプの記述から訂正している。テンプレートに、.cwkという拡張子のファイル名を付けて保存し、サーバにアップロードしておく。そのファイルへのインターネットロケーションファイルを作成し、それを「スタートポイント」フォルダに入れておけば、インターネットを通じてテンプレートを利用できるようになる。AppleWorksのワープロ文書などから、URLをデスクトップにドラッグ&ドロップすることで、インターネットロケーションファイルを作成することができる。

関連リンク:AppleWorks 6: ヘルプの内容に関する修正点
カテゴリ:アプリケーション, Tech Info Library-J


MacAppが新しいリリースを開始、CarbonLib対応へ

AppleがリリースしているアプリケーションフレームワークのMacApp Release 14a1がリリースされいている。まだ、アルファ版の段階だということだ。CarbonLibに対応した他、Windowsのサポートを改良し、バグも修正した。CodeWarrior Pro5でアプリケーションなどの生成ができるが、Mac OS Xでの稼動も機能として含まれるようになっている。スレッド関連のクラスも置き換わっている。
また、「Pipeline 1.0d1」という新しいネットワーク処理向けのフレームワークもリリースされている。C++で利用する。MacApp Release 14a1の新しいクラスを使っているため、このリリースと一緒に使う必要がある。

関連リンク:Download MacApp Source
カテゴリ:ライブラリ


マクロメディアのDirector開発者向けカンファレンスが開催

Macromedia Director Shockwave Studioのデベロッパ向けイベント「Director Summit 2000」が開催される。2000年9月27〜29日に、フロリダ州のオーランドで開かれる。マクロメディアのCTOであるKevin Lynch氏の講演も予定されている。開発者向けのイベントで、コンファレンスのスケジュールの参考のためのアンケートも取られている。

関連リンク:Director Summit 2000
カテゴリ:オーサリング系, イベント


FireWire 2.3.3の日本語版が公開

日本語版のFireWire 2.3.3がリリースされているが、このバージョンは、Mac OS 9.0.4に含まれているバージョンと同じものだ。Mac OS 8.6を使っているユーザ向けだと思われる。英語版はすでにリリースされているが、日本語版や国際対応版がこのほどダウンロードできるようになった。ReadMeファイルはTech Info Library-Jで公開されている。
◇FireWire 2.3.3: Read Me
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=86020JC

関連リンク:FireWire 2.3.3
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, 周辺機器