Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年6月30日発行号 - いちおう直ったMRJのセキュリティホール



忘れていたのですが、ラジオに出演したときに、記念写真を撮影しておいたのでした。以下のアドレスです。2人のうちどっちが私かは注釈はいらないでしょうけど(笑)、もう1人が篠田潤子さんです。ブースの外からガラス越しで撮影したので、ちょっと不鮮明ですが、ブース内はせまいので、アングル的には仕方ないでしょう。
figs/photos/DSC00032.jpg

Nisus Mailがリリースされました。あえて記事には書かなかったですが、「エディタで参照する」という枠組みのメールソフトは、私の方ですでに作り、公開しています。「Mac OSメール環境(OME)」と名付けていますが、以下のアドレスにあります。いちおう、フリーです。
http://msyk.locus.co.jp/macos/ome/
記事に書いたように、Nisus Mailはうまく機能しないのですが、日本語関連の処理のような気がします。電子メール自体のメッセージはインターナショナル対応ですが、それゆえに言語ごとのローカルルールに加えて、メーラごとのローカルルールもあります。たぶん、あらゆる言語に対応したメールソフトというのはそう簡単には作ることはできないと思います。OMEはとにかく日本語で稼動するようにしていますし、メール自体をテキストファイルにしているというあたりをメインのコンセプトとしています。ただ、ファイル添付についてはNisus Mailにちょっと負けているかもしれません(稼動させていないので分からないですけど)。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


MRJ 2.2.2でIE5.0との組み合わせで生じるセキュリティホールが解決

MRJ2.2とInternet Exploler5.0の組み合わせで生じるセキュリティホールについて、Java Security Report(JSR)ではこれまで何度がお伝えしてきた。これは、MRJ 2.2(Mac OS Runtime for Java 2.2)における実装上のバグが原因であったが、日本時間の2000/6/28に公開されたMRJ 2.2.2において、このバグが解消した。

Javaのセキュリティ仕様では、ネットワーク経由でダウンロードされたJavaアプレットは、ダウンロード元以外のネットワーク機器とは通信ができない。しかし、このバグによって、それが可能になってしまう。その結果、このバグを利用すると、手元のコンピュータの情報だけでなく、任意のWebサーバ、例えば外部からはアクセスできないIntranet上の社内Webサーバの情報を、自由に読みとることが可能になる。また、任意のコンピュータを、不正アクセスの踏み台することが可能になる。そのため、このバグはネットワークに接続しているマシンで
Javaを使う上で、致命的なものであり、Javaの著名なメーリングリストである、JavaHouse Brewersでもバグ状況の確認と、セキュリティホールに関する警告が行われていた(2000/5/18、2000/6/2付けのJSRの記事を参照)。このバグは2種類あり、単純に任意のホストへの接続をブロックしていないというものと、HTTP-redirectによって、ホストがアプレットに再接続を要求する際に、その再接続先アドレスが、アプレットのダウンロード元かどうかをチェックしないために任意のホストへアクセスをブロックできないというものである。これらのバグが、今回解消した。

この新しいMRJについて筆者の環境(Mac OS J1-9.0.4、MRJ 2.2.2、Internet Exploler日本語版5.0)で確認をしてみた。確認には、このセキュリティホールが存在することを確認できるアプレットを掲載しているURL(以下の部分を参照)にアクセスしてみた。この結果、JavaHouse Brewersで警告されている2種類のセキュリティホールが無くなっていることが確認できた。
MRJ2.2.2に付属しているドキュメントには、このセキュリティホールについての対処を行ったと記述されているが、その他にIE5.0との組み合わせでネットワーク上の問題が存在するとも記述されている。この残された問題については、今のところ明らかになっておらず、わかり次第続報をお届けする。

現在MRJ2.2.2は英語版だけが存在し、日本語版は公開されていない。日本語環境での使用は問題ないと考えられるが、不具合が発生する可能性も否定できないので、使用する際には注意したほうがよいだろう。
なお、MRJ2.2より前のMRJ(MRJ 2.1.4、MRJ 2.1.1、MRJ 2.1)には、明確に実装上のバグが存在し、どの組み合わせでもセキュリティホールが発生するので使用してはいけない。つまり、現状では、


が安全な組み合わせである。MacでJavaアプレットを使う可能性があるユーザは、必ず上記の環境にするべきである。

◇JavaHouseによる警告文
 http://java-house.etl.go.jp/ml/archive/j-h-b/033152.html

◇Javaのネットワーク接続におけるセキュリティホールのテスト
 http://java-house.etl.go.jp/~takagi/java/test/urlconnection-http-redirect/Test.html
 http://java-house.etl.go.jp/~takagi/java/test/urlconnection-direct/Test.html

[阪倉 一/Java Security Report]

関連リンク:MRJ 2.2.2のダウンロード
カテゴリ:ブラウザ, Java, ブラウザ


Sherlock 2のプラグインのオン/オフ状態を保存するには別のチャネルを選ぶ

Tech Info LibraryにSherlock 2の利用方法についての文書が掲載された。Sherlock 2では、インターネット検索やあるいはファイル検索などで、プラグインや検索対象を、チェックボックスで指定することができる。つまり、すべてのプラグインを使用しないで選択して利用できるのである。しかしながら、チェックボックスをオン/オフした結果は、次にSherlock 2を起動したときには元に戻ってしまうことがあった。チェックボックスのオン/オフの結果を記録するには、Sherlock 2の上部にあるチャネルのアイコンをクリックして、別のチャネルに変更する必要がある。いきなり終了すると、設定は記録されないので注意が必要である。

関連リンク:Sherlock 2: How to Save Changes to Volumes and Search Engines
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


エディタでメールを読み書きするタイプの電子メールソフトが登場

Nisus Softwareは、従来にないタイプの電子メールクライアント「Nusus Email 1.0.4」をリリースした。メールの読み書きをエディタやワープロを使ってできるというもので、Nusus Email自体にはテキスト編集の機能は持っていない。また、テキストをドラッグ&ドロップすることでメールを送信するなど、従来にないインタフェースを持っている。価格は$29.95だが、試用版が利用できる。だが、試してみたものの、エンコードができないというエラーで強制終了してしまう。想像ではあるが、日本語に関連するエンコードに関係があるのかもしれない。ソフトウエア自体はREALbasicで作成されていて、メールの送受信の機能が統合されたアプリケーションで稼動する。複数のPOPアカウントや一定時間ごとのダウンロードなどに対応している。

関連リンク:Nusus Mail
カテゴリ:電子メールソフト


FireWire搭載PowerBookのキーボードを英語版に交換サービス

Appleは、2000年2月に発売されたFireWire搭載PowerBookのJISキーボードを、英語版のキーボードに交換するサービスを開始した。費用は15000円で、正規サービスプロバイダのPFU、日本NCR、ビット・システム・サービスを通じて受けることになる。本体を持ち込めば、その場で交換をしてもらえる。日本語版キーボードはユーザに返され、ユーザが保存しておく。従来機のPowerBook G3シリーズ、iBookですでに英語版キーボードへの交換サービスが開始されており、根強い英語版キーボードへの交換需要がFireWire搭載PowerBookにもあった。その声に答えた形となっている。
◇株式会社PFU
 http://www.pfu.co.jp/service/
◇日本NCR株式会社
 http://www3.ncr.com/ncr_japan/doc/service/multib/garage.html
◇ビット・システム・サービス株式会社
 http://www.bitsystem.co.jp/

カテゴリ:サービス


簡単な修理は自分で行える修理サービスを開始

自分で修理を行えるサービスが開始された。アップルは、ドライブユニット交換やアダプタの交換のように、特に高い技術を必要としないような修理に関しては、パーツを送付し、ユーザの手でできるサービスを開始した。修理を行うとき、場合によっては本体を長期間に渡ってユーザの手から離れる結果になっていたが、ユーザの手元で修理ができることで、修理品が利用できない期間は最小限に食い止められることになる。また、修理窓口も一元化され、電話番号「0070-800-APPLE-1」となった。引き取っての修理が必要な場合でも、全製品保証期間内外に問わず、配送料をアップルが負担するピックアップ&デリバリー修理サービスとなった。

関連リンク:アップル、簡単な交換修理を自宅でも行える「在宅自己交換修理サービス」を開始
カテゴリ:サービス


MRJ 2.2.2のReadMe文書がTILで公開

Tech Info Libraryに、先日公開されたMRJの最新版2.2.2のReadMe文書が掲載された。MRJ 2.2の文書の冒頭に、変更点が簡単に記載されちている。Internet Explorer 5とのセキュリティの問題が解決されたが、解決されない点があることが記載されている。また、MRJ SDKは2.2で配付されたものを継続して利用する点も記載されている。

関連リンク:Mac OS Runtime for Java 2.2.2: Read Me
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Java


データベースエンジンのOpenBaseのベータがアップデート、期間限定で特価販売

Mac OS Xで稼動するデータベースエンジン、OpenBase 6.5がBeta5というバージョンになった。Mac OS X ServerやWindows NT/2000でも稼動する。Solaris版は2000年秋に出荷予定だ。OpenBaseの開発版はフリーだが、Web Deployment版が148,000、無制限のネットワーク接続が可能なDeployment版が298,000円となっている。ただし、7/14までは後者は148,000円の特価で販売を行う。Ver.6.5の英語版は2000年夏に出荷され、日本語版が秋に出荷される予定だが、今購入すれば、これらに無償でアップグレードできる。さらに、OpenBaseの次期アップデートは2001年冬を予定している。

関連リンク:K’s Room
カテゴリ:データベース


Macintosh Manager使用環境でのコントロールバーの利用について

Tech Info Libraryに、Macintosh Manager環境でのコントロールバーについての文書が公開された。Macintosh Managerでログインする時には通常環境の外であるために、コントロールバーは表示されない。その結果、ログイン後にもコントロールバーが表示されれないということになることもある。コントロールバーを表示するためには、非表示から表示に切り替えるホットキーを利用するように、ユーザにガイダンスしておくとよいだろう。ホットキーは「コントロールバー」コントロールパネルで設定でき、初期状態では、Command+control+Sに設定されている。コントロールバーを使わせないようにするには、管理者が「コントロールバー」コントロールパネルを組み込まないという設定にしておけばよい。

関連リンク:Macintosh Manager: Access to the Control Strip
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, Mac OS 9