JBuilderがMac OS X対応を正式に発表しました。Pure Javaのアプリケーションなので当たり前…とみれなくもないですが、きちんと対応するということは使い始めが非常に楽になることでもあり、本来の作業に注力できるということに他なりません。これはもう言っていいことだと思いますが、WWDC 2000ですでにJBuilderが動くところを見せていました。まさかJBuilderが出てくるとは思わなかったこともあるのでしょうか。けっこうインパクトがあり、喝采を浴びていました。しかしながら、まだ他にもPure Javaの開発ツールがあります。以前のNetBeansで、現在はSun MicrosystemsからリリースされているForte for Javaです。WWDC 1999のときには、NetBeans社の社長は壇上に呼ばれていましたが、この1年でNetBeans社の状況は変わるとともに、Java2対応だったtめ、Mac OSの世界から遠ざかっていました。Forte for Javaの動向も気になるところではあります。
いずれにしても、SwingをベースにしたJavaの共通のライブラリを使うことで、AquaなどMac OS Xの機能をふんだんに使ったアプリケーションを作成できることは間違いがありません。もちろん、Carbonも移行という意味で重要ですし、Cocoaの高性能な面も理解できます。しかしながら、RADを使ってSwingベースの開発を行うというのは、REALbasic的な開発環境にかなり近くなります。Cocoaで提供されている機能は魅力はあるのですが、必ずしもすべてのアプリケーションがそこまでの機能を要求することはありません。また、Swingをベースにしていても部分的にCocoaのフレームワークを使うことは可能だと考えられます。Mac OS Xの中心的な開発プラットフォームはCocoaになるかと思っていましたが、どっちにしてもJavaなのだったら、Pure Javaの世界の方が情報も多く、また機能的には劣るところはあったとしてシンプルで分かりやすい面もあり、そちらの比重もそれなりに高くなるような気もしてきました。Appleとしてはどう転んでもいいようにうまく立ち振る舞っているというところでしょうか。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
Inprise/Bolandは、同社のJava開発ツール「JBulider」を、Mac OS X向けにも出荷することを発表した。JBuilderはPure Javaの開発ツールで、Windows、Linux、Solaris向けにすでに出荷されている。Mac OS X向けには2001年初頭の正式リリースと連動してリリースする予定となっている。JBuilderで作ったアプリケーションはAquaユーザーインタフェースを利用したソフトウエアとなりうる。
JBuilderはプログラミングやデバッグに加えて、RADツールとしてビジュアルにユーザインタフェースを設計したり、JavaBeans作成をはじめとするさまざまなウィザードが組み込まれている本格的な開発ツールだ。また、データベース利用やServlet開発に対応するなど、Javaの各種のソフトウエアコンポーネントに対応している。数多くのJavaBeansがソフトウエア部品として添付されている。分散オブジェクトの開発にも対応している。現在は、Ver.3.5がリリースされている。Enterprise、Professional、Foundationの3ランクの製品に分かているが、機能的にいちばん低いFoundationはフリーで配付されており、Mac OS X向けにも同様にフリー版として登場することが期待できる。データベースやコンポーネントなど、エンタープライズ向けの開発機能はフリー版では利用できない。しかしながら、RADツールなどの主要な開発ツールはFoundation版でも利用できる。
Mac OS Xサポートがどの範囲までなのかは今現在では想像となるが、JBuilderの現在の機能を考えれば、Swing/AWTをコアとしてJavaの基本ライブラリを利用したソフトウエアをRADレベルで対応することは間違いないだろう。こうしたPure Javaで作ったアプリケーションがMac OS XのAquaを利用したものとなる模様だ。一方、WebObjects向け、あるいはCocoa向けなど、AppKitやEOFなどのApple独自のフレームワークを使った開発にまで対応できるかどうかは未知数である。Javaで作る限りは基本的には対応できるものと思われるが、最初からそうしたプロジェクトを組み立てる機能は、当初は組み込まれないのではないだろうか。すると、近い将来のMac OS Xでのデベロッパのデスクトップは、Pure Javaでの開発ではJBuilderを使い、Cocoaベースの開発はProjectBuilderを使い、Carbonベースの開発ではCodeWarriorを使うという図式が描ける。いずれにしても、JBuilderはJava開発者の多大な支持を集めているツールであることは間違いなく、それがMac OS Xでも利用できるのである。Mac OS Xでの開発モデルとして、Pure Javaを採用するということがより現実味を帯びてきた。
関連リンク:INPRISE/BORLAND ANNOUNCES JBUILDER SUPPORT FOR APPLE’S MAC OS X
カテゴリ:開発ツール, Java, 開発ツールその他
2000年7月19日からニューヨークで開催されるMacworld Expoのビッグイベント、iCEOのスティーブジョブズ氏のキーノートセッションが、ストリーミング中継される。QuickTime Playerを使って視聴することができる。現地時間で19日9時からであり、日本時間では19日の22時からとなる。Mac OS Xのベータ版出荷を「夏」と明言しているだけに、出荷時期に関する具体的なアナウンスはせざるを得ない状況だろう。また、新機種の登場があるとすれば、このキーノートセッションでお目見えということになると考えられ、その点でも要チェックだ。
関連リンク:Macworld Expo 2000
カテゴリ:イベント
データベースソフト4Dで、インターネット通信を行うプラグイン「Internet ToolKit 2.0.4b8」(ITK)がリリースされた。ITKを使うことで、ftpやWebサーバに接続したり、電子メールのやり取りができる。つまり、TCP/IPの通信機能が組み込まれる。画像変換や、あるいはbase64などを含むエンコードの変換などのユーティリティ機能もある。たとえば、独自にWebサーバ機能を作り、データベース処理に最適化したWebサーバの構築などができる。K’s Roomが日本のディストリビュータとなっている。Macintosh版とWindows版があり、価格は\21,000から(会員は\20,000から)となっている。
関連リンク:K’s Room
カテゴリ:データベース
AppleShare IP向けのMacintosh Management Server 1.2.2の英語版国際版がリリースされている。なお、日本語版は5月にすでにリリースされている。さらに、ネットワークを利用して、Mac OSのクライアント環境を集中管理するMacintosh Manager 1.3(クライアント向け)の日本語版がSoftware Updatesにリリースされた。ただし、こちらについても日本語版はすでに5月の段階で日本ではリリースされている。Ver.1.3では初期設定の管理方法が大きく変わり、初期設定の初期状態を規定したり、強制的に起動の度に初期設定を戻すようなことができるようになっている。またリストアップした以外のアプリケーションを起動させるようなスペシャルフォルダも利用できるようになっている。
◇Macintosh Manager 1.3
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=11762
◇Macintosh Manager 1.3: Read Me
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60675
関連リンク:Macintosh Management Server 1.2.2
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク