Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年7月19日発行号 - 暗号化の輸出規制が撤廃



Windows Media Player 7がリリースされました。QuickTimeじゃないので興味がないとは言わずに、チェックしておきましょう。いろんな機能がありますが、今回は、携帯プレイヤ各社がWindows Mediaのフォーマットに対応したプレイヤを発売することをアナウンスしました。この種のフォーマットとしては、MP3がメジャーですが、おそらく各社とも、今後はWindows Mediaのフォーマットもサポートすると思われます。Windows Mediaフォーマットが普及する理由があるとすれば、その著作権管理の機能に注目されるかどうかでしょう。圧縮率や音質とか言った技術的な点はもちろんですが、それ以上にビジネスフィールドになるかどうかということの方が大きいわけです。音楽を配信する側としては、お金を払った人にしか聞いてもらいたくないというのは本音ですから、コピーフリーなMP3フォーマットはできれば避けたいところでしょう。Windows MediaもWeb経由で認証を確認する場合もあるなど必ずしも使い勝手のいい環境ではありません。プレイヤに携帯する場合にどうなるのかなど注目したいところではあるのですが、きちんとしたものが稼働するなら、コンテンツ業界は一気にWindows Mediaに流れ込むでしょう。その世界では、QuickTimeはすでに遅れを取っていると言えます。QuickTimeでもその種の機能があるような、ないような…実はよく分からないのですが、実際に使われているのを見た事がありません。いずれにしても、今後は携帯プレイヤなどOSつまりパソコンを離れたところでの再生に大きな市場があります。そこでフォーマットを握っていれば、開発や制作環境としてのOS搭載パソコンに注目が集まります。Windowsは積極的に仕掛けてきたというところでしょうか。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


米国の日本向け暗号輸出規制が撤廃、暗号化製品がより利用しやすく

米国政府は、米国時間2000年7月17日に、EUおよびオーストラリア、チェコ、ノルウェー、ハンガリー、ポーランド、日本、ニュージーランド、スイス向けの暗号の輸出規制を事実上撤廃した。これまで、米国政府は、暗号技術(および実装したソフトウエア、ハードウエア)を武器とみなし、強度の弱いもののみを輸出可能としたり、輸出に許可が必要にするなど、輸出を厳しく規制していた。今回の政策の変更に伴い、前記の国への輸出は、届け出だけで良く、事実上自由化されたと言って良い。これまで米国では自由に使えていた強度の強い暗号ライブラリが日本国内で使えるようになるため、Internet向けの商用システムを構築する際の暗号利用が容易になる。
現在、日本で情報システムで暗号技術を利用する場合、RSAやDESのような業界標準のアルゴリズムを使うことなる。この場合、暗号強度が弱められたものしか使えない場合がほとんどである。Javaにおける標準の暗号環境であるJCE(Java Cryptography Extension)は、最近まで米国、カナダ以外では利用できなかった。最近登場したものも、輸出可能バージョンは別製品になっている。Java用のRSAライブラリであるJ/SAFEも、日本向け製品は暗号強度が限られている。今回の規制撤廃によって、日本で利用可能な商用暗号ライブラリが格段に増えることが期待できる。JCEのフルバージョンが日本で使えるようになる日も近いだろう。
今回の規制撤廃は、アメリカ以外の暗号の輸出規制がない国からの暗号製品の輸出により、米国内の暗号製品ベンダの市場が奪われることを懸念するための措置である。かねてより米国の暗号製品ベンダは暗号規制の撤廃を求めていたが、これでより自由な暗号製品の流通が図られることになる。
[阪倉 一/Java Security Report]

関連リンク:Administration Updates Encryption Export Policy
カテゴリ:ライブラリ, 暗合化


Mac OS Xで動くWebブラウザのOmniWebがβ4に、Flashの再生機能を統合

Mac OS Xで利用できるWebブラウザのOmniWeb 4.0のβ4がリリースされた。さまざまなバグフィックスなどに加えて、Flashのコンテンツの再生ができるようになった。マクロメディアが配付しているFlash 4.0のオープンソースをOmniWebに統合したものということだ。また、利用者がカスタマイズできるFavorites Barが組み込まれ、アドレスなどの項目をドラッグ&ドロップしてリンクボタンを作成できる。また、OmniWebをデフォルトのブラウザにする機能も組み込んだ。OmniWebはOPENSTEP向けもあるなど、Cocoaネイティブで利用できるWebブラウザである。

関連リンク:Mac OS X Developer Preview 4: OmniWeb 4.0 beta 4
カテゴリ:ブラウザ, Mac OS X


日本語のTech ExchangeにWebObjectsのフォーラムが登場

Appleが提供しているディスカッションボード形式のユーザサポート「Tech Exchange」で、WebObjectsのコーナーが作成された。Tech Exchangeでは技術的な内容の疑問点を利用者がポストし、アップルの担当者あるいは他の利用者からの情報も受け付けるというもの。つまり、ディスカッションボード形式でユーザサポートが受けられるサービスだ。Mac OS X ServerやQuickTimeのコーナーもあるが、開発ツールが主テーマのコーナーができたのははじめてだ。

関連リンク:Tech Exchange: WebObjectsフォーラム
カテゴリ:トラブルシューティング, WebObjects


REALbasicでXMLのパースを行うプラグインがリリース

Doug Holton氏はによに、REALbasic用XMLパースプラグイン「Expat Plugin for Realbasic」がリリースされている。もとになっているのは、James Clark氏がC言語で作成したExpatエンジンであり、サポートされているエンコードは、utf-8、utf-16、iso-8859-1、us-asciiとなっている。Expat Pluginはオープンソースでありフリーで利用できる。現在はアルファ版と位置付けている。

関連リンク:REALbasic PLUGINS
カテゴリ:REALbasic, ライブラリ


TCPポートに直接通信するSocket Sifterがバージョンアップ

Ekim Softwareは、TCPのポートを使って直接通信ができるソフト「Socket Sifter」のVer.1.6をリリースした。新しいバージョンでは、SOCKS4 Proxyをサポートした。フリーのLite版とAppleScriptをサポートした$10のプロ版がある。Socket Sifterはリスナになったり、あるいはポートに接続することができる。ネットワークからみのプログラムのデバッグなどに利用できる。

関連リンク:Socket Sifter
カテゴリ:その他のインターネット, ユーティリティ


パスワードの自動生成ソフト、アカウント作成時の初期パスワード作成に利用

MaskedMan Servicesは、パスワードの自動生成ソフト「Password Generator 2.2」をリリースしている。大文字、小文字、数字、その他のキャラクタのチェックボックスの設定と、長さを指定すれば、それらの文字からランダムに作成したパスワード(“Bx?*1a?”や“I4$c6GR”といったもの)を指定した数だけ生成し、ファイルに保存したり、あるいはクリップボードに入れることができる。ダウンロード版は2つのパスワード生成に限定されているが、$25で購入することにより、大量のパスワードの一括生成などに利用できる。たくさんのアカウントを発行する時などには便利かもしれない。Mac OSで稼動する。

関連リンク:MaskedMan Services
カテゴリ:ユーティリティ


Helix RADEのVer.5のベータ版がリリース、処理速度の向上など

データベースアクセスを含む開発ツールの「Helix RADE」がVer.5にアップデートするのを控え、ベータバージョンが公開されている。Helix Ver.5ではTCP/IP通信の処理が高速化される。Helix RADEは、アイコンを配置するといった操作を含み、スクリプト作成やユーザインタフェースの作成ができる開発ソフトである。古くからのユーザにはDouble Helixとして知られていた製品があるが、それが現在でも販売されている。開発ツールはフリーで配付されており、クライアント/サーバの2ライセンスの稼動キットが$300などとなっている。ランタイムも販売されており、開発はフリーでできるが、稼動で費用がかかる形態のライセンスとなっている。

関連リンク:Helix Public Beta Download
カテゴリ:開発ツール


テキスト編集コンポーネントのWASTEのVer.2がベータへ、パラグラフ書式も可能に

Mac OSで使えるテキスト編集コンポーネントの「WASTE(WorldScript-Aware Styled Text Engine)」がVer.2.0のベータ版のリリースに入った。WASTEは、32KBを越えるテキストを扱え、文字通り日本語テキストもインライン入力を含めて処理することができる。また、ドラッグ&ドロップもできることもあって、多くのソフトでToolboxのTextEditの代わりに利用されている。また、フリーウエアではフリーで使えることもあり、これを利用したテキストエディタもよく見られる。バイナリ形式のライブラリを利用する上ではフリーである。ソースコードを利用する場合、商品ソフトは$100となっており、$10までのシェアウエアは$10のライセンス、それ以上は商品ソフトと同様にみなすというライセンス形態だ。PowerPlantやMacAppからも利用でき、REALbasicのプラグインもリリースされている。Ver.2.0では、パラグラフ単位の書式設定や、複数回のアンドゥ、UNICODE変換、Carbon対応となっている。

関連リンク:merzwaren.com
カテゴリ:ライブラリ


2000年7月度のユーザグループ懇親会の開催をアナウンス

ユーザグループ懇親会が2000年7月29日(土)に行われる。13:00〜18:00の予定で、場所はアップルコンピュータのセミナールームだ。サードパーティのデモとしては、株式会社ラーニングシステムの「MINDSTORMS/ROBOLAB」、アドビシステムズ株式会社の「Adobe Illustrator 9.0」「Adobe LiveMotion 1.0」、メディアドライブ株式会社の「CrossMediator for Video Macintosh」について行われる。ユーザグループの会員が参加できるが、参加費は必要ない。

関連リンク:7/29ユーザグループ懇親会
カテゴリ:イベント