Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年7月20日発行号 - G4が安くなった!



ジョブズ氏の講演は残念ながら全然みられなかったのですが、見られた方も多かったようで、こちらの状態が悪かったのでしょうか? もしかして、HTTPでのストリーミング受信はあまり良くないとか?(後でこっちの設定になっているのに気付いたのですが…)。いずれにしても、今回は私は日本にいますので、現地報道は特には行いません。いろいろな媒体やWebサイトで活発に情報が流れていますから、そちらを御覧ください。
そうこうしているうちに、日本の価格もアナウンスされたので、今日のところはこれで発行を行います。マウスやキーボードを単体で売るとどうしてもこういう値段になるのでしょうか? まあ、ものは違うとは言っても、秋葉原でマウスやキーボードは\1000で買えるわけですから、気持ち的には手がでないというところです。
ところで、ExpoではMac OS Xのベータは9月になったとか、正式リリースが2001年1月から、2001年の早い時期になったなどの話があったそうですが、もしかして、これはまたもやスケジュールが遅れる前触れではないかと思います。9月に配付するにしては、やけに静かです。配付方法もなんのアナウンスもないというのはほんとにその時期にやるつもりかどうかというところです。もっとも、ダウンロードのみ…という手もあることはあるでしょうけど。それに、デュアルプロセッサマシンを、Mac OS 9ベースでリリースするといったところにも、やや苦しい事情が見えかくれするといったところでしょうか。言った通りに出てこないのは当たり前とは言っても、年単位で遅れている時期Mac OSだけに、そろそろ決着をしないと示しがつかないでしょう。最悪なのは、待たされるだけ待たされて、完成度が低いという結果になることです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


新製品の日本での価格と発売時期がアナウンス

2000/7/19にNew YorkのMacworld Expoで発表された新製品の日本での価格や発売日が正式にアナウンスされた。iMacは10万を切った。興味あるところは、Power Mac G4 Cube が\198,000や\278,000というあたりだ。これまでは、G4 450/500MHzは\298,000/\428,000だったが、同価格でデュアルプロセッサとなっている。日本語版のiMovieについてはアナウンスはまだない。

商品名:AppleStore価格(発売予定日)

iMac(350Mhz, Indigo):\98,000(9月)
iMac DV(400Mhz, Indigo/Ruby):\118,000(7/28)
iMac DV+(450Mhz, Indigo/Ruby/Sage):\148,000(7/28)
iMac DV Special Edition(500Mhz, Graphite/Snow):\178,000(7/28)

Power Mac G4 Cube 450MHz:\198,000(8/中旬)
Power Mac G4 Cube 500MHz:\278,000(8/中旬)
Power Mac G4 400MHz:\198,000(8/5)
Power Mac G4 450MHzデュアルプロセッサ:\298,000(8/5)
Power Mac G4 500MHzデュアルプロセッサ:\428,000(8/5)

Apple Studio Display 17インチCRTモデル:\58,000(8/5)
Apple Studio Display 15インチフラットパネルモデル:\98,000(8/5)
Apple Cinema Display 22インチフラットパネルモデル:\498,000(8/下旬)

Apple Pro Mouse:\7,500(9月)
Apple Pro Keyboard:\7,500(9月)

カテゴリ:Macintosh本体


New YorkのExpoで発表されたハード製品、無難な線でのまとまり

19日の夜、Macworld Expo/New Yorkの基調講演が始まったが、実は筆者のところではストリーミングの具合が非常に悪く、ほとんど聞き取れないで、さらに画像も抽象画のような状況で、残念ながら、今回はリアルタイムで見ることができなかった。また、各媒体が現地取材をして、詳細をすでにレポートしているだけに、MDOnlineからインプレッションを中心にレポートする。

今回の一連の新製品は、デスクトップラインの引きなおしと一言で言えるだろう。今までは、iMac、G4というのがおおまかなものだったが、iMac、G4 Cube、G4と大きく3つに分けた。iMacの販売が伸び悩んでいるというが、需要が一巡した感はやはりぬぐえない。また、鮮やかなカラーで目を引くとは言え、やや飽きられてきている状況だけに、セールスにつながるのはiMacではなく、より高性能な実質的なハイパワーを求めたユーザ想ということになる。そこで、今までのG4をCubeとマルチプロセッサに分けた。Cubeは省スペース、スピーカー内蔵ということからも、クライアントとして手軽に使える線を狙っているのだろう。一方、マルチプロセッサのG4はハイパワーで、ハイエンドのグラフィックスなどの制作環境やサーバ需要を狙うと見ることができる。
iMacについては、順当な線でのパワーアップだが、カラーにSnowの白が入ることや鮮やかさを押さえたあたり、目先の違いはとりあえずは見せている。いずれにしても、おもしろいデザインに飛びつく層には一通り売ったと見たのではないだろうか。今後もエントリー機は必要だが、DVによるビデオ編集など特徴はあるにしても、“無難な線”を狙ったマシンとなった。だが、低価格機の値段設定によっては、激安Windowsマシンと価格競争力も付く。模倣マシンを完全排除した今、やはりデザインを売り物にすることはできると言えるだろう。
一方、本格的に売りたいのは、G4 CubeとマルチプロセッサG4と考えられる。iMacの次が欲しい層にはG4 Cubeは最適だと言えるし、グラフィックス制作でハイパワーが必要ならマルチプロセッサということになるだろう。G4 Cubeの方はAppleのサイトでは、拡張カードの装着については何も述べられていないが、今どきはすでに必要な周辺機器は、FireWireやUSBでそろえることができるので、カードを追加するというニーズは非常に低い状況になったと言える。
ただ、マルチプロセッサの能力を最大限に引き出すソフトウエアとなると、まだまだ限られている。なんでも早くなるわけではないだけに、そうした情報が今後は購買予定層や利用者は欲しいと感じるだろう。ソフトメーカそしてアップルからも情報を積極的に出すことを期待したい。ただ、いずれのマシンもMac OS 9で稼働する。特にマルチプロセッサマシンは、Mac OS Xであることが期待されていたが、OSのリリースには合わなかったようだ。やや想像を含むが、Mac OS 9のシステム機能はほとんどがマルチプロセッサ対応ではないと思われる。たとえば、ネットワーク処理がマルチプロセッサでできるなどのメリットがあればいいのだが、そういう話はないようだ。Mac OS XのMachカーネル自体がマルチプロセッサに対応しているだけに、本格的なマルチプロセッサの恩恵を得られるのはMac OS Xになってからのような気がする。

マウス、キーボード、ディスプレイも一新された。昔は周辺機器のデザインをむしろ固持すると言うこだわりがあったことに比べれば、柔軟になったものだと考える。円形マウスはiMac登場時には一押しだったが、今回はあっさりと不評をあきらめた。光学マウスによる可動部の排除や、マウスボタンがないことで、メンテナンスは不要になり、おそらくより長もちするだろう。また、昔の光学マウスのような特別なパッドはいらないそうなので、その点も期待はできる。キーボードではファンクションキーがフルに揃った。サウンド調整なども別キーになるなど、ファンクションキーがやっと本格的に使える状態になったと言えるだろう。ただ、昔の流れでMac OSはファンクションキーを否定してきた時代が長いだけに、ファンクションキーをWindows並みに使うようになるかどうかは疑問だと言える。いずれにしても、現在のデベロッパーはファンクションキーを有効に使うということにも目を向けてもいいのではないだろうか。ディスプレイに関しても、iMac本体と同様“無難な線のデザイン”でまとまったっというところだろうか。

今後を占うという意味では、G4にギガビットEthernet、1000BASE-Tを搭載したことには注目したい。思えば、100BASE-Tの搭載もMacintoshは早かったし、無線LANも同様だ。ただ、テクニカルスペックに、1000BASE-Tの端子が何を使ったものなのかといった情報がない。TILあたりで詳しい情報が出て来るのを待つとしよう。
日本のAppleStoreも、新しい製品に変わっているのだが、値段などはComing Soonとなっている。もはや旧製品は購入できない状態となっている。

カテゴリ:Macintosh本体


iMovieがバージョンアップ、iToolsもムービ公開対応へ

iMovieの新しいバージョン「iMovie 2」がリリースされた。新型のPower Mac G4、PowerMac G4 Cube、新型のiMac DVにはバンドルされるが、2000年9月よりAppleStoreでダウンロード販売を行う予定だ。つまり、フリーダウンロードソフトではなくなった。iMove 2では、エフェクトの種類が増えたり、テキストのサイズ変更ができたり、編集の自由度が高くなるなどの機能が増えている。画面デザインには大きな変化はなく、プレビュー、素材、タイムラインの3つの表示があるのが基本となっている。
また、Mac OSユーザ向けのインターネットサービスiToolsでは、iMovie向けの機能アップが計られている。まず、ディスク領域の容量は20MBなら無料だが、50MB、100MB、200MB、400MBのサイズまでを有料で利用できる。年間料金は容量をドルと読み替えればよいが、レンタルスペースとしても低料金だと言えるだろう。また、ホームページ作成サービスでも、iMovie用のテンプレートが追加されており、ムービーを、iToolsを利用してインターネットで公開するという使い方ができるようになっている。

関連リンク:Apple Indroduces iMovie 2
カテゴリ:ビデオ編集


【Darwinシリーズ】ネットワークの設定:ネームサーバの指定

IPアドレスの設定、そしてルータの設定となれば、残るはネームサーバの設定だ。ルータまでの設定だと、IPアドレスを指定してネットワーク外部との通信はできたのだが、ドメイン名を指定しての通信ができないのである。そのドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みは、Domain Name ServiceつまりDNSという仕組みになっていることはよく知られているが、トップドメインからツリー上にサーバ同士が連係して、ドメイン名の解決を行うわけだ(詳細は省略する)。その、ツリー上に連なるDNSサーバの1つとして加わるというのが1つのDNS対応である。そしてもう1つが、手近にあるDNSサーバに問い合わせを行って、とりあえずドメイン名からIPアドレスへの解決ができるという状態である。前者はDNSサーバ、後者はクライアントだと言える。DNSサーバを運用するには、BINDという有名なソフトを使うことになる。一方、クライアントとなるにはリゾルバという機能を利用する。さまざまなインターネットソフトは、いちばん根底ではリゾルバを使って問い合わせを行い、IPアドレスを得るということになっている。DNSサーバ化も興味あるところではあるのだが、まずはクライアント、つまりリゾルバを動かすところまでをやってみた。

もちろん、初期状態では、「nslookup www.apple.co.jp」のようなコマンドを入れても、エラーが出てきてIPアドレスの問い合わせはできない。つまり、初期状態では、使えるDNSサーバは知らないのである。それをどこかで教えてやらなければならない。たぶん、Mac OS Xのレベルだと、Darwinより上位のレベルでリゾルバの機能を実現しているのではないかと想像できるが、ここではDarwinだけでとにかく動かすことにする。そこで、他のUNIXでの一般的な事項をあてはめてみた。/etc/resolv.confというファイルに、利用するDNSサーバの情報を記述する。このファイルはもともとは存在しないので、viで新規に作成してみた。プライベートなネットワーク環境で、ルータマシンである192.168.0.1がDNSサーバの機能も持っている。そこで、/etc/resolv.confファイルに、

nameserver 192.168.0.1

という記述を書き加えてみた。はたして、…実はここでいろいろあるのだが…ドメイン名からIPアドレスの参照ができた。つまり、Darwin的にはこれでOKなのである。

◇ドメイン名の解決ができるようになった
 

ここからは特種事情が絡むのであるが、参考になる人もいるかもしれないので、書いておこう。前にも説明したように、筆者のネットワーク環境は、ケーブルモデムにつながったLinuxのルータマシンを経由して、プライベートネットワークを構築し、その中にDarwinマシンを稼動させている。Linuxはred hat 5.2を使っているが、インストールしたままの状態だとBINDがキャッシュサーバとしてのみ動いている。単に、Mac OSやWindowsなどがクライアントとして機能する場合には、それで何の問題もない。ルータマシンはDHCPでIPが割り振られ、適当なドメイン名が設定されているが、実はDynamic DNSサービスを使って「msyk.dyndns.org」というドメインも、ルータマシンに届くように設定している。
しかしながら、192.168.0.1から逆引きした場合に、何らドメイン名は戻ってこない。というのは、ルータマシンのDNSサーバは、キャッシュ機能しかなく、逆引きができないのである。この状態で、Darwinで、nslookupコマンドを利用すると、DNSサーバへは到達するが、そのDNSサーバの名前を逆引きできないためにエラーを出してしまい、実際の名前解決の作業に入ってくれなかった。何か設定があるのかもしれないけど、そこまでは分からなかった。そこで、ルータマシンのDNSサーバをキャッシュサーバではなく、きちんと名前解決をするように、まじめに定義ファイルを作成した。まじめにとは言っても、darwin99.msyk.dyndns.orgをDarwinを稼働しているマシンのIPアドレスと対応付けたり、192.168.0.1マシンに名前が付けられるという程度である。もちろん、目的はプライベートネットワーク内で、内部に存在するサーバを認識させるというごく簡単なものである。dyndns.orgのDNSサーバはおそらくはNSレコードまでは通していないようなので、グロバールな名前解決には利用できないが、とにかく内部ネットワークで利用できればいいという設定にしてある。
こうした処置をすれば、Darwinマシンからnslookupがきちんと稼働して、名前解決が行われるようになった。普通、サーバをまともに動かす時には、ネットワークサイトのDNSサーバに登録するのは当たり前だとは言え、やはりそのことが実感できたと言える。
より複雑のなのはsendmailだ。Darwinマシンからmailコマンドで自分宛にメールを送ってみたりするのだが、DNSサーバの設定を正しくするまでは、送り主、つまり「root@darwin99」のように認識しているのだが、それが正しくないと言ってしまう。だが、DNSマシンをきちんと設定すると、送り主は「root@darwin99.msyk.locus.co.jp」と設定されてメールが送られるようになった。

カテゴリ:ネットワーク, Darwin, Darwin 1.0


ファイルメーカーに画像を一括取り込みできるソフトがバージョンアップ

フォーサイトは、ファイルメーカーProで画像の取り込みを一括で行えるアプリケーション「ImageCapture Pro」をVer.2にアップデートした。画像取り込みとしては実データの取り込みや参照取り込み、リソースにあるサムネール画像の取り込み、あるいはWeb公開向けにパス名形式での取り込みなどに対応する。階層フォルダ内の一括取り込みなどにも対応する。ファイルメーカーProのVer.4および5に対応するが、アプリケーションの稼動はMac OSで行い、AppleScriptが機能しているMac OS 8.1以降で利用できる。価格はオープンプライスととなっている。

関連リンク:ImageCapture
カテゴリ:ライブラリ, データベース


PHPカンファレンス2000が開催、PHP4やXMLから初歩的内容まで

日本PHPユーザー会は、「PHPカンファレンス2000」を、2000年7月22日(土)に開催する。場所は大田区産業プラザで、11:00〜17:00の予定で参加費は無料で出入りも自由だ。その後に会費制の懇親会もある。PHPに対する全くの初心者向けのセミナーから、最新版PHP4やXML対応といった最新の話題、PHPとデータベース連係や、あるいは関連製品、事例紹介と幅広い内容のセッションが行われる予定だ。
PHPは、Apacheサーバと連動して利用できるスクリプト処理システムで、フリーで入手できる。HTMLファイルにスクリプトを書き加える形式のサーバサイドスクリプトだ。言語はPerlライクであり、データベース接続のライブラリが充実しているなど、データベースと連動させたダイナミックなWebページ作成では幅広く利用されている。むしろ、もっとも標準的なサーバサイドスクリプト処理系だと言ってもよいだろう。Mac OS X Serverでも利用できる。

関連リンク:『PHPカンファレンス2000』開催のご案内
カテゴリ:サーバー関連, イベント