Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年8月1日発行号 - FileMaker Developer 5をレビュー



週明けからまたまたネットワークがとても重い状態です。何とかしないといけないとは言うものの、テレビを置き換えるようにはいかないのがネットワークですよね。会社でがんがんネットワークを使ってというわけではなく、プロバイダ側のルータでかなり悪いレスポンスが出ているのです。会社は千代田区なんですが、意外に不便です。というのは、ADSLもケーブルテレビもまだダメなんです。ADSLは例によってまだまだNTTの対応がごく一部の局ですし、東京ケーブルネットワーク社も千代田区の認可がおりないとかでサービスを始めていません。道路の向こうは文京区なのにあっさりダメだと言われてしまった…。今はDA128を引いていますが、もう1本、別のプロバイダから引くというのも考えました。だけど、これだと何となく同じになるような気がしたりもします。だったら、フレッツアイを何本か引こうかなとも思っています(もっと悪いかも?)。
一方、サーバはどこか太いところに移動させることも考えていて、いろいろ探していると、1ヶ月あたり9,800円というサーバーハウジングをやるところがありました。マシンを持ち込みなら初期費用は\10,000です。なんか安すぎて恐い(っていったら怒られる〜笑)くらいの値段ですね。
http://www.cats.ne.jp/
ハウジングは高いところだと、月に10万くらいもかかるのに…。それに、ラックマウントでないと割高になるところが多いのですが、上記の会社はミニタワーでいいそうです。虎穴に入らずんば…ですから、自分のサーバを試しにそっちに置いてみようかなと真剣に検討してます。ほかにどこかいいお勧めのプロバイダとかあったら、教えて下さいね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


FileMaker Developer 5を使う:概要とアプリケーション作成

ファイルメーカーPro Ver.5のリリースに伴い、製品群も4つのパッケージに分割されるようになった。今回を含めてそのうちの、FileMaker Developer 5を4回に渡って製品紹介をしていくことにする。1回目は、概要と単独で動くアプリケーションの作成、2回目にはXML、3回目にはプラグイン関数の作成、4回目にはJavaからの利用をテーマとしたい。
ファイルメーカーProは、ある意味ではもっともマックらしいアプリケーションとして常に注目されてきたデータベースソフトだ。初期の頃から、データベースを設計しフォームで入力や印刷結果を得るという手法を取り入れ、GUIがマックにしかない時代では使いやすいデータベースの代表格だった。その後、Windowsが台頭し、各種アプリケーションのGUI化に伴い、むしろリレーショナルデータベースではない形式のファイルメーカーProのデメリットが露呈してきたが、現在ではリレーショナル処理も可能となり、また、スクリプト機能の強化やAppleScript対応などプログラミングを必要とするソリューションにも適用できる能力を備えている。さらに、Webをベースにしたデータベース利用においても、標準機能として備え、さらにUnlimited版として大規模なデータベース処理にも対応するなど、Webコンピューティング対応も本格的に行われてきている。また、Windowsにおいては、開発ツール化が著しくなったAccessを横目に、気軽に使えるデータベースとして、Word/ExcelそしてファイルメーカーProというポジションニングを狙うなど、従来の優位点が再度発揮できる環境になっている点も見のがせない。マーケティング的には「日経ビジネス」誌に広告を掲載している点からも、グローバルなソリューションの中核を狙っている意図も見のがせないものがある。
そのファイルメーカーProのデベロッパー版「FileMaker Developer 5」であるが、いくつかの機能がファイルメーカーProに加わることになる。名前から明らかなように、一般ユーザではなく、デベロッパが対象のソフトである。価格はMacintosh版、Windows版それぞれが\79,000となっている。Developer版は従来からあるが、ファイルメーカーProで作ったデータベースを、スタンドアロンのアプリケーションとして利用できるようにするという機能がメインとなるだろう。ランタイム版の配付はフリーなので、たとえばファイルメーカーProで作った家計簿データベースをもとにアプリケーション化し、それをフリーソフトとして配付してもかまわないのである。
そして、Developer版の特徴としては、プラグイン関数を開発するための素材、Javaベースでの開発のためのクラス群あるいはJDBCドライバなども含まれる。XMLについてはソフトがあるというよりもドキュメントやサンプルなどが含まれている。これらは回を改めることにしよう。なお、Developer版には通常のファイルメーカーProのCD-ROMもライセンスとともに含まれていて、それとは別にDeveloper版CD-ROMが入っている。マニュアルについては通常版にある「入門ガイド」「ユーザーズガイド」に加えて、「デベロッパーズガイド」が追加されている。

<スタンドアロンアプリケーションを作成する>
ファイルメーカーProで実用的なデータベースを構築しても、ファイルメーカーProがなければ動かすことができない。ビジネス現場なら、結果的に人数分のライセンスを購入することになるかもしれない。しかしながら、Developer版では、データベースを自由に配付できるライセンスが付属する。つまり、データベースの実行専用のランタイムを自由に配付できる権利が付属する。そのため、作ったデータベースをフリーソフトとして配付して使ってもらうということも可能になる。だとすると、社内で使っているファイルメーカーProのライセンスは不要になるのかと言えば、それは違う。ランタイム版は設計ができないのはもちろんだが、作成時に指定したデータベース以外は開くことができないため、ネットワークで共有しているデータベースや、あるいはサーバに接続してデータベースを開くということができないのである。つまり、ランタイム版のアプリケーションでのデータ共有は大幅に制限されていると言って良く、ワークグループ利用の基本となるネットワーク共有は利用できない。結果的には、スタンドアロンのアプリケーション作成や、あるいはバッチ処理と組み合わせたようなソリューションに利用できるということになる。

スタンドアロンのアプリケーションは、対話式に作成できるようになっているので、作成作業自体は大して難しくはない。むしろ、こうしたランタイム上でも問題なく利用できるように、データベース自体を作り込んでおくことの方が面倒と言えば面倒だろう。
アプリケーション作成には、「ファイルメーカー Developer Tool」というアプリケーションを利用する。以下、そこで出てくる画面をかいつまで説明しよう。まずは2画面目になるが、何を作成するのかを指定するダイアログボックスが出てくる。「スタンドアロン形式」というのは、雰囲気としては専用のアプリケーションを作ると思えば良いが、アプリケーション+データベースファイルの形式になる。データベースファイルはファイルメーカーProで開くことができるので、つまりはライタイムのアプリケーションを用意するといったものになる。なお、「スタンドアロン形式」のチェックを入れなければ、単にデータベースファイルがコピーされるだけだが、ファイル名の処置などを行いたい場合には利用するかもしれない。

◇ファイルメーカー Developer Toolで作成するものの設定
 

その後、ラインタイムで利用するデータベースのファイルを選択して指定を行う。ランタイム実行時には、アップルメニューからの情報表示や、カスタムのヘルプにも対応している。これらの機能を利用するには、要はフォームを作っておき、そのフォームを呼び出すマクロを定義しておく。そうすれば、Developer Toolでそれらの呼び出しマクロを指定する場面が出てくるので、そこで適切なものを指定する。通常のデータベースではなく、こうした情報表示やヘルプを作成しておくことで、よりアプリケーションらしく仕上がると言えるだろう。さらに「スクリプト」メニューを違うメニュー名にする機能がある。つまり、マクロを独自名称のメニューから呼び出すことができる。
さらに「バインドキー」として後からデータベースを追加するような場合に必要なキーコードの指定もあるが、ここで適当に指定したものは、Developer Toolのフォルダにテキストファイルとして残るので、いちいちメモをしなくても基本的には大丈夫だろう。
最終的に、データベースのコピーやランタイム用のアプリケーションを含んだフォルダが新たに作成される。「ソリューション」という名前が付加されたファイルをダブルクリックすると、実際にそのデータベースが利用できる。

◇Developer Toolで作った最終的な結果
 

途中に「キオスクモード」というものがあった。キオスクという概念は欧米人にはなじみがあるようだが、日本人的にはちょっとピンと来ない。このキオスクモードは、そのアプリケーションのウインドウ以外真っ黒にしてしまうモードで、つまりはそのアプリケーションしか使えない状態にすることだ。ウインドウのタイトルや外枠すら黒く塗られてマウスで作業することができない。スクロールバーは見えている。つまり、FileMaker Developer的に言えば、アプリケーションのウインドウの中身だけが見えているモードということだ。作成するアプリケーションの種類や実行環境によっては有効だろう。ただし、この場合、メニュー処理は一切だめでCommand+Qすら効かない。終了ボタンを付け忘れたら、強制終了させるかAppleScriptのプログラムで終了させるしか手はないようだ。

アプリケーション化はファイルメーカーProの機能を限定するとは言え、やはり通常パッケージだけでは適用できないような世界への利用が考えられる。個人向けあるいはSOHO向けの家計簿や名刺管理などを作って商品として販売することも可能だろう。クライアントが大量にある場合、ライセンスを考えてランタイムで配付し、バッチ処理で集積するなども考えられる。また、さまざまなデータの専用ブラウザを作ることも考えられる。なお、Macintosh版のDevelper版では、Mac OS向けのアプリケーションしか作成はできない。

関連リンク:ファイルメーカー社
カテゴリ:データベース


データベースサーバのPrimebaseをREALbasicで利用するプラグイン

Snap社のデータベースソフトPrimebaseをREALbasicで利用するためのプラグイン「Primebase for REALbasic」を、Essence Software社がリリースした。プラグインとは別に、Primebaseデータベースサーバはもちろんだが、クライアントライブラリも必要になる。Primebase for REALbasicの価格は、商用ソフト利用が$150、非商用が$50となっている。PrimebaseはドイツのSnap社が開発するリレーショナルデータベースで、Mac OS、Windows、UNIXで稼働する。68K版もある。トランザクションまでをサポートする本格的なもので、さらにはアプリケーションサーバもある。価格については問い合わせでのみ知らせるとなっており、ページには記載されていない。
◇Primebase
 http://www.snap.de/indexe.html

関連リンク:Essence Software
カテゴリ:データベース, ライブラリ


REALbasicでXMLデータを処理するクラスがリリース

Theodore H.Smith氏は、REALbasicでXMLを処理するクラス群「XML Engine 1.1」をリリースした。ロイヤリティはフリーだが、商品では$125、非商用ソフトでは$50で販売されている。非商用から商品向けのアップグレードは$80となっている。XMLあるいはHTMLのレンダリングやパースを行うことができ、展開したオブジェクトに対する処理もソートなどを含むさまざまなものが用意されている。Well-formedのチェックや、展開結果を木構造で表示する機能なども含まれている。また、将来的にはXMLスキーマのサポートも検討している。

関連リンク:Classes for Sale
カテゴリ:ライブラリ, XML


LinuxWorldが秋にも開催

IDGジャパンは、5月に続いてLinuxの展示会「LinuxWorld」を、2000年10月31日(火)〜11月1日(水)にも開催する。場所は東京ファッションタウンで、「LinuxWorld Conference&Demo/Tokyo 2000」というのが正式名称、5月の展示会のフォローアップと新製品発表を中心とした内容になる。Linuxのカーネルは2.4が秋にリリースされることが期待されているが、その話題も盛り込まれる予定となっている。WINDOWS WORLDが延期として開催されない一方で、Linuxのイベントを年間2回も開催される。それだけ、Linuxへの注目が高まっていると見て良いだろう。また、来年以降は秋に開催されることになった。出展目標は70社で、来場者は18,000人を見込んでいる。

関連リンク:IDG:展示会
カテゴリ:UNIX, イベント