Macintosh Developer Online (MDOnline)


2000年8月11日発行号 - 本日はTIL-Jがたくさん



今日は小池さんの日記以外は、TIL-Jの記事だけになってしまいました。世間は完全に夏休みモードでしょうか。今月にIntel Developer Forum(IDF)というのがあるらしいのですが、そのグリーティングサイトがあって、なかなかのできばえのSheckwaveムービーがありました。アドレスは以下の通りです。ちなみにIDFは、8/22-24でおなじみのサンノゼコンベンションセンターです。
http://www.egreetings.com/idf

先週あたり、サーバーハウジングでなんだかんだでお騒がせしましたが、SRS Sakuraインターネットというところのレンタルサーバサービスを利用することとなりました。
http://www.sakura.ad.jp/
初期費用39800円、毎月9800円です。マシンは選ぶことができず、また、アップグレードもできないのですが、Celeron 400、64K、6Gという構成なので、基本的には問題はありません。なお、レンタルサーバという名前ですが、1台のサーバを専有できます。レンタルサーバと言えば、一般的には1台のサーバを切り売りするのが多いのですが、ここでは専有と共有のサービスがあるという具合です。価格、マシンのスペックなどの技術的なことはさておき、ここに決めた要因の1つは対応の良さです。メールで、おおむね1日以内に返事をきちんとよこし、時間がかかる問い合わせはその旨をきちんとメールで知らせてくれました。それから、本社は大阪ですが、東京支社はサンシャインシティにあるのです。だとしたら、それなりの審査を経てサンシャインに入っていることが考えられるので、会社組織的にも安定している点も期待できます。ほんとはもっとすごい構成のマシンにしたかったということもあるのですけど、自由なマシンでのホスティングは一般にはすごく費用がかかるので、とりあえず妥協ですね。
次の発行は8/15に行う予定です。この土日月での発行はお休みさせていただきます。よろしくお願いします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


WebObjectsの日本語環境での問題点や解決策を記した文書が公開

日本語での技術情報を提供するTech Info Library-Jに、WebObjectsの日本語環境での問題点や解決策を記した文書が以下のように公開されている。アドレスと要約は次の通りだ。

◇100401J0:WebObjects 4: 日付に関する日本語文字列の取り扱いについて
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100401
ロケール情報ファイルに誤りがあるために、日本語の日付文字列が正しく取得できない。解決するために必要なロケール情報の書き換えについての説明がある。

◇100402JO:WebObjects 4: WOFileUpload 利用時の日本語を含むパス名の取り扱いについて
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100402
WOFileUploadを使って利用者にファイルのアップロードをさせる場合、ファイルパス名に日本語が含まれる場合、ブラウザごとに異なる挙動になり、エラーになる場合もある。基本的にはパスには日本語を含ませないようにする。

◇100403JO:WebObjects 4: WOMailDelivery の問題について
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100403
WOMailDeliveryは日本語のメール送信はサポートしていない。文字化けてしてしまうので、メール送信ではこのコンポーネントは使わないようにする。

◇100404JO:WebObjects 4: HP-UX へのインストールで設定される wotaskd、machd の起動スクリプトの不具合
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100404
HP-UXにWebObjects 4.5をインストールした場合、起動スクリプトが停止するという問題がある。対処するためのスクリプトの修正方法が記されている。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, WebObjects


【小池邦人のプログラミング日記】2000/8/10<Mac OS Xへの道 Carbon対応の実際(4)>

既存のソースコードをCarbon APIに対応させ、Mac OS X環境でも起動できるアプリを作るための工程のうち、今回は(6)のScrap Managerの書き換えの工程について解説します。

(6)Scrap Manager関連のAPIを変更

前回、CarbonLibでAPIが完全に書き換えられているManagerがふたつ存在すると話しました。そのうちのひとつがPrint Managerでしたが、もうひとつが、今回解説する「Scrap Manager」です。Scrap Managerは、編集メニューのカット(コピー)&ペーストを実行した時に、複数アプリケーション間で、指定タイプのデータをクリップボード経由で受け渡すために用いられます。Scrap ManagerもPrint Manager同様に、ToolBoxの中で変更されることがなかった古い古いManagerです。よって、Appleがこの機会に改造を決めたのは当然かもしれません。ただ、このManagerに定義されているAPIの数はそんなに多くはありませんので、変更による一般アプリケーションへの影響は最小限だと思われます。

Scrap Managerに関するヘッダーファイルは「Scrap.h」です。このヘッダーファイルには、Scrap Managerの新APIに関する詳しい解説がコメント行として追加されています。ひょっとするとCarbon SDKに含まれている「CarbonScrapMgr.pdf」よりも、こちらの内容の方が詳しいかもしれません(笑)。よって、これらの新APIを使用される前に、まずヘッダーファイルを一読されることをお薦めします。また、Carbon Scrap Managerにはデータの受け渡しに役に立つ若干の新機能も追加されています。

例えば、任意のデータタイプ(PICTとかTEXTとか)のデータハンドラを渡し、それをクリップボードに保存するルーチンは、旧APIを使うと以下のように記載できました。


short oldPutClipbord(Handle hd, OSType type)
{
  long  len;

  len=GetHandleSize( hd );
  ZeroScrap();
  HLock( hd );
  if( PutScrap( len,type,*hd ) )
  {
    HUnlock( hd );
    return( 1 );
  }
  HUnlock( hd );
  UnloadScrap();
  return( 0 );
}

これとまったく同じ機能を持ったルーチンをCaroboLibの新APIで記述すると、以下のようになります。これを見ると、新たに「ScrapRef」という識別子(構造体へのポインタ)が導入されたことが分かります。

short newPutClipbord(Handle hd, ScrapFlavorType type)
{
  ScrapRef      sref;
  Size        len;
  short        ret;

  HLock( hd );
  len=GetHandleSize( hd );
  ClearCurrentScrap();
  GetCurrentScrap( &sref );
  ret=PutScrapFlavor( sref,type,kScrapFlavorMaskNone,len,*hd ); 
  HUnlock( hd );
  return( ret );
}

次は、旧APIを利用したのクリップボードから指定タイプデータを抽出するルーチンです。Carbon Scrap Managerのドキュメントを読むと、Mac OS 8でCarbonアプリケーションを使う場合には、今まで通りLoadScrap()やUnloadScrap()を用いる必要があると記載されています。しかし残念ながら、この件については未確認のままです。

short oldGetClipbord(Handle *hd, OSType type)
{
  long len;

  if( *hd=NewHandle( 0L ) )
  {
    if( ! LoadScrap() )
    {
      if( GetScrap( *hd,type,&len ) > 0L )
      {
        UnloadScrap();
        return( 0 );
      }
    }
    DisposeHandle( *hd );
  }
  return( 1 );
}

以下が、新APIを使った同じ機能のルーチンです。とりあえずMac OS 9.04上で動作させている分には、まったく問題ないようです。指定タイプのデータを読み込む前に、その容量(サイズ)をチェックしなければいけないところが旧APIと異なります。また、GetScrapFlavorData()に渡すデータ読み込み場所(バッファ)もハンドラではなくポインタとなっていますので注意してください。

short newGetClipbord(Handle *hd, ScrapFlavorType type)
{
  Size    len,size;
  ScrapRef  sref;

  GetCurrentScrap( &sref );
  GetScrapFlavorSize( sref,type,&size );
  if( size )
  {
    if( *hd=NewHandle( size ) )
    {
HLock( *hd );
      if( ! GetScrapFlavorData( sref,type,&len,**hd ) )
      {
        HUnlock( *hd );
        return( 0 );
      }
      DisposeHandle( *hd );
    }
  }
  return( 1 );
}

次回は(7)以降の工程についてお話しする予定です。Mac OS Xに対応したメニュー構築の話しです。

関連リンク:オッティモ
カテゴリ:Carbon/CF, 小池邦人のプログラミング日記


TIL-JにiBookに関する文書が公開

日本語での技術情報を提供しているTech Info Library-Jで、iBookに関する文書が以下のように公開された。

◇58448JC:iBook: 録音方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58448
iBookにはマイクはなく、USB機器のマイクを利用するしかない。

◇58454JN:iBook: 640 x 480 の解像度では表示が鮮明ではありません
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58454
640×480ドットの表示の時には、補間あるいはアンチエイリアスの処理で、画面いっぱいに表示される。そのため、鮮明さには欠けるが、このサイズの画面で動作するゲームなどは臨場感が高い。

◇58455JN:iBook: ディスプレイのヒンジ部分にある金属の突起について
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58455
iBookの蝶番の部分はロックされるような仕組みが組み込まれており、金属の突起はそのためのもの。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, iBook


TIL-Jにネットワーク関連の文書が公開、スパニングツリーとAppleTalkの関係

日本語での技術情報を提供するTech Info Library-Jに、ネットワーク関連の文書が以下のように掲載された。

◇86036JN:USB プリンタ共有: インターネット・ロケーション・ファイルの使用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=86036
共有プリンタの指定方法で、インターネット・ロケーションファイルを利用する方法が説明されている。

◇88023JN:Macintosh Manager: 使用できないデータベースの修復
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=88023
Macintosh Managerで使用しているデータベースの修復方法を細かく説明している。

◇60146JN:Mac OS X Server: Macintosh マネージャは“初期設定”ファイルを追加できない
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60146
機能を呼び出すのにボタンは使えないが、ドラッグ&ドロップならできるようになっている。

◇30922JN:スパニングツリー・プロトコル: AppleTalk の問題
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30922
Ethernetブリッジなどで使われるスパニングツリープロトコルを使用していると、AppleTalkの処理がうまくいかなくなる。TCP/IPは機能する。その場合の症状が詳しく説明されているが、スパニングツリーを利用する理由なども含めてかなり詳しい文書である。ネットワークのルーティングに興味がある場合には一読してはどうだろうか。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, ネットワーク


TIL-JにFinal Cut Pro関連の文書が掲載、トラブルシューティングなど

日本語での技術情報を提供するTech Info Library-Jにおいて、以下のようにFinal Cut Proに関する文書が掲載された。アドレスと要約を示すが、トラブルシューティング関連の文書が目立つ。

◇58636JN:Final Cut Pro: どの種類のハードディスクを購入すれば良いでしょうか?
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58636
Final Cut Proを使う場合にどんなハードディスクを購入すればいいかを詳しく説明している。どの程度の性能のものが必要なのかをディスクの種類ごとに説明している。

◇58632JN:Final Cut Pro: Command 修飾キーを使って微妙なキーフレームの修正を行う
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58632
Commandキーを利用して編集作業をすることで、フレームやオーディオレベルなどの設定を細かくできる。その方法と効果の説明。

◇58633JN:Final Cut Pro: オーディオトラックをデジタルオーディオワークステーションに書き出す
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58633
オーディオトラックをファイルに書き出し、別のアプリケーションで編集する方法が記載されている。

◇58634JN:Final Cut Pro: 優先フィールドについて
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58634
インターレースに関連した優先フィールドの機能の原理と使い方が説明されている。

◇58638JN:Final Cut Pro: 「シーケンスの設定」の正しい設定
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58638
クリップの再生ができない場合、シーケンスの設定が間違っていることがある。シーケンスの設定に関して詳しく説明されている。

◇58640JN:Final Cut Pro: フレーム落ちとオーディオ同期が失われること
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58640
フレーム落ちや同期ミスが起こるさまざまな原因について、その対処方法が論じられ得ている。かなり詳しい文書となっている。

◇31197JN:Final Cut Pro: 初期設定ファイルを削除する方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=31197
トラブル解決がうまく行かない場合、初期設定ファイルを削除するという方法がある。このファイルは、「初期設定」フォルダの「Final Cut Pro Data」フォルダに「Final Cut Pro初期設定」という名前で存在する。

◇58630JN:Final Cut Pro: メモリの割り当て
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58630
ヘビーユーザーには256MBのメモリ割り当てを推奨している。

◇25151JN:Final Cut Pro: Multimedia Update 1.0 がディスプレイの処理性能を改良する
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25151
Multimedia Updateを入れることで、画像処理の性能を高める(文書では、Cinema Displayなどのユーザということなっているが、ATIのビデオカードを使っている機種で一般的に言えるものと思われる)。

◇60324JN:Final Cut Pro: RT-11 フォーマットディスクの EDL Access
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60324
RT-11フォーマットのディスクの読み書きができるユーティリティがEDL Access。ソニーの編集システムはDOSフォーマットなのでそのまま読み書きができる。

◇25155JN:Final Cut Pro: タイムコードエラーを解決する
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25155
タイムコードエラーに関して、FireWireデバイスの場合とシリアルでバイスを使う場合で、それぞれ対処方法を説明している。

◇60279JN:Final Cut Pro: オフラインファイルを再リンクする
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60279
メディアを使用したあとに移動したとき、再リンクを設定する方法が説明されている。

◇25154JN:Final Cut Pro: シリアルタイムコードを調整する方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25154
シリアル機器によって同期を行う場合には、適切なオフセットの設定が必要になる。その方法が説明されている。

◇60267JN:Final Cut Pro: ステレオペアを使う
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60267
2つのオーディオトラックをリンクして、ステレオペアを作成することができる。その方法が説明されている。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, ビデオ編集


TIL-JでMac OSに関する文書が公開

日本語での技術情報を提供するTech Info Library-Jにおいて、Mac OSに関連する文書が以下のように公開されている。

◇31222JN:Mac OS 9.0.4: 使用できないディスプレイ解像度があります
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=31222
NuBus搭載機、非PCIマシンで、設定できない解像度があるが、修正する機能拡張がリリースされている。

◇88025JN:Sherlock 2:「ボリューム」や「検索エンジン」の変更を保存する方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=88025
各チャネルでのプラグインの使用・不使用の設定は、チャネルのアイコンを切り替えたときに書き込んで記録される。

◇86059JN:Mac OS: “ランチャー”ウインドウが画面の下で切れて表示される
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=86059
ランチャーのウインドウの下が切れて表示された場合の対処法が、手順とともに細かく記載されている。

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS 9


TIL-Jに2000年8月10日に公開されたその他の文書

別掲の記事以外に、Tech Info Library-Jに以下の文書が2000年8月10日に公開されている。

◇30245JN:Power Macintosh G3: フロントパネルの LED 点滅について
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30245
スリープ状態になると、LEDが点滅する。

◇58275JC:Power Macintosh G3 (Blue and White): ATI RAGE 128 アップデートについて
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58275
99年2月にリリースされているアップデータの話題。

◇100405JO:iMovie 1.0.x: 対応製品リスト
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=100405
2000年7月現在の、iMovieが対応するビデオカメラのリスト。

◇30608JN:Mac OS X Server: UNIX と互換性があるのは?
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=30608
MkLinux、MachTen、LinuxPPCを紹介している。つまり、Mac OS X Server非対応機でUNIXを使いたい場合の簡単なガイド。

◇31223JN:AppleWorks: “用紙設定”で“ページ間隔なし”を選択したことを確認してください
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=31223
タイトルのようなメッセージが出ても、無視すればよい。

◇58042JC:Macintoch: 起動時に“?”マークが点滅する(修正)
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=58042

関連リンク:Tech Info Library - Japan
カテゴリ:Tech Info Library-J