日本語のTech Info Libraryに、新しく登場するPower Mac G4関連の文書がいくつか追加されています。新製品情報が必要な方には要チェックな情報でしょう。MacWIREで、Mac OS 9の次のOSに関する情報が報道され驚きましたが、この件にからめて今後のOS戦略がどうなるかということを少し考えてみました。こうした解説記事も折に触れて書いて行くつもりです。
【おわび】9月21日に配信したメールに「●1999/9/20付けの更新されたTech Info Library」という記事がありましたが、メールの記事は途中で欠けたものでした。大変申し訳ありません。全文はWebサイトでご覧いただけます様、お願いします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
Tech Info Library-Jに「58418JC:Power Mac G4 : モデルを区別する方法」という文書が追加された。PowerBook G4には、AGPグラフィックス機能を搭載した新アーキテクチャのタイプと、従来のPCI接続だけのグラフィックスカードを使うタイプの2種類がある。外見はそっくりだが、その区別の方法が文書に記載されている。サウンドポートの配置が若干違うとのことで、その違いは文書に写真入りで説明されている。
また、それぞれのG4の違いについてもまとめられている。AGPの搭載はもちろん、ワイアレスネットワークがAGPタイプでは利用できるが従来タイプでは利用できないこと、DVDのデコードがAGPタイプはソフトウエアなのに対して従来タイプはハードウエアであること。モデムに違いがあることなどが一覧から分かる。なお、デジタルビデオはAGPタイプがサポートされているのに対して従来タイプはなしとなっているが、これはなんらかのビデオカードを使った場合ということだ。Power Mac G4にはこのように、大きく2つのタイプに別れ、価格もそれなりに違っている。どちらのモデルを買うかという検討材料になる文書と言える。
Power Mac G4 : モデルを区別する方法
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=58418JC&wosid=eV10008l800RX600Kt
関連リンク:Tech Info Library-J
カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac
Tech Info Library-Jに「58427JC:Power Mac G4 : Velocity Engine について」という文書が追加された。Velocity Engineは従来はAltiVecと呼ばれていた技術で、モトローラ社のCPUに搭載された高速処理の技術である。モトローラ社ではAltiVecと称している。Velocity Engineは、PowerPC G4に搭載され、ベクトルデータ処理というまとめて大量のデータ処理をするような用途に高い能力を発揮する。この技術が、ビデオ処理やサウンド、グラフィックス処理に有効なことなどが説明されているが、内容はどちらかというと概説的なものだ。モトローラ社の技術文書へのリンクが張られているので、詳しくはその先にある英文ドキュメントを参照してもらいたいということ。Velocity Engineがどんな用途に威力を発揮するのかを手短に知りたいのであれば、一読するとよい。
Power Mac G4 : Velocity Engine について
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=58427JC&wosid=eV10008l800RX600Kt
関連リンク:Tech Info Library-J
カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac
Tech Info Library-Jに「58431JN:Power Mac G4 (AGP Graphics) : Ethernet とワイヤレスネットワークの仕様について」という文書が追加された。新しい、AGP搭載のG4のEthernet機能は、規格のうえでは、100/10BASE-Tと従来と変わらないが、コントローラチップが変更されており、Ethernetドライバは専用のものを使う必要がある。つまり、従来のシステムのEthernetドライバは使えないのである。Ethernet関連の仕様に加えて、ワイアレスネットワーク関連の情報も仕様などとともに掲載されている。AGP搭載のG4にはすでにアンテナが内蔵されていることや、AirPortのカードスロットがあること。また、Ethernetなどのネットワークに接続するためにスタンドアロンの接続アダプタであるベースステーションを利用するか、あるいはAirPort対応のコンピュータでAirPort Software Access Pointを稼動させる方法があることが記載されている。G4でAirPortを使いたいユーザーや、関連情報を知りたいユーザーは、このドキュメントを読んでおく必要があるだろう。
Power Mac G4 (AGP Graphics) : Ethernet とワイヤレスネットワークの仕様について
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=58431JN&wosid=eV10008l800RX600Kt
関連リンク:Tech Info Library-J
カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac
1999年9月21日に公表されたMacWIRE Onlineの記事によると、コードネームが「Fortissimo」として、Mac OS 9.5、つまり、Mac OS 9の次期メジャーアップグレードの準備に取りかかったとのことだ。これについてはアップルからの正式な発表はコメントはなく、記事にもあるように情報筋から得られたものとしている。また、Mac OS 9についてもマイナーアップグレードを行う予定もあるとしている。Mac OS 9は、10月にリリースが予定されている次期Mac OSのメジャーアップデート版である。なお、いくつかの噂系Webサイトではこうした情報は今のところ公開されておらず、MacWeek.comのスクープであると言えるだろう。公式な情報ではないが、この情報から読み取れるOS戦略について考えてみた。
Mac OS Xのクライアント版のリリース時期が近付いて来てはいるものの、数年がかりのOSの世代交代の間に、コンピュータあるいは特にMacの市場と言うものが大きく様変わりした。iMacやiBookが高く評価されて受け入れられ、ブラウザとメーラさえ動けばいいようなユーザーが増えて来たのである。こうした層は、Mac OS Xの想定ユーザーとはギャップを感じる。折しも、Thinクライアントの進展と、サーバーへの集中化が進む中でMac OS Xは登場するのである。こうした市場の変化は、以前よりも増してMac OS Xへのシフトに時間がかかり、またより大きな困難が予想される。おそらく、現在のOSロードマップを作成した時に考えていた程、Mac OS Xへの移行は行われないと見て、iマーケットで使われることになる従来系列のMac OSへのてこ入れを続けるという新たなロードマップを作りつつあるのではないだろうか。
一方で、Windowsもアップデートの繰り返しと言うジレンマに近い状態だ。少なくとも、Windows 98系列のコンシューマ向けWindowsは2000年にメジャーアップグレードを行うものの、おそらくはその後毎年OSRなどの形式でアップグレードを行うことになるだろう。こちらの世界もNTカーネルへの移行を表明しながらも現実にはレガシーな部分を引きずるOSをマス市場に向けて出さざるを得ない状況が続いている。WindowsとMac OSという戦いは過去には終わったとされているが、それは背後に隠れたに過ぎない。iMacをとりまく訴訟も根底にあるのは、Windows vs Mac OSという世界観の争いでもある。とにかく、iMac、iBookで、価格的にはWindowsマシンと競り合う関係ができてきた。そうなると、OSとしてのWindowsの動向に対する措置も必要になる。それはすなわち、Mac OSのてこ入れを今後も続けるという方策である。
「Fortissimo」というのは、単にアップルの会議室での思い付きであって、実はプロジェクトが動いていないのかもしれない。そのあたりは、噂報道だけに全面的に正しいかどうかは判断できない。しかしながら、数年前に作ったOSロードマップの右端にそろそろ近付きつつある中、次のロードマップを示さざるを得ない時期でもある。そう考えると、Mac OS Xが目処がつくであろう2000年1月のMacworld ExpoではOSに関わる大きな発表があってもおかしくはないと思われる。
関連リンク:MacWIRE Online:Fortissimoで「クラシック」Mac OSは存続
カテゴリ:Mac OS 9, Mac OSテクノロジー
Tech Info Libraryに「70086:WebObjects 4: Finding Memory Leaks in Java Applications」という文書が公開された。WebObjects4でのJavaアプリケーションで発生するメモリーリークに関する情報とその対処方法が記載されている。メモリーリークにはガベージコレクション時に発生するものと、Javaで一般的に発生するものとに分類されており、それぞれの発生原因と対処法について書かれている。WebObjects4ベースで開発しているアプリケーションでの安定度を確保したいような場合には、この文書の内容を検討する必要があるだろう。
関連リンク:WebObjects 4: Finding Memory Leaks in Java Applications
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), WebObjects
Tech Info Libraryに「24998:Mac OS X Server: Macintosh Manager Warning Messages Modifying Users」という文書が追加された。Mac OS X ServerでNetBootによる起動を管理するMacintosh Managerにおいて、AtEaseのユーザーやグループ情報を読み込ませた時に、-29312あるいは-29310のエラーを出すことがある。これについては、ユーザーをMacintosh Managerが管理するデータベースに追加はしているものの、同時に設定されるNetInfoのデータベースへの書き込みが失敗していることが原因だとしている。対処法としては、手作業でのユーザー登録を行うことが書かれている。また、ユーザー情報の更新においても、Macintosh Manager自身のデータベースに加え、NetInfoの情報も書き換える。ただ、文書によると、NetInfoの登録データは、利便性のため(as a convenience)のもので、本来のデータは別のデータベースで管理しているものが使われると読み取れる。
関連リンク:Mac OS X Server: Macintosh Manager Warning Messages Modifying Us
カテゴリ:Mac OS X Server, Knowledge Base(旧TIL)
Tech Info Library-JにAppleShare IPのメールサーバーに関する文書が合計3つ新たに追加された。DNSについての基本、アドレスにIP番号が記載されるトラブル、そしてネットワーク変換ルータの内部での運用について、記載されている。
「24689JN:AppleShare IP メールサーバ : DNS 名の代わりに IP アドレスが表示される」には、メールのやり取りを行ったとき、メールアドレスの@以降にドメイン名ではなく、IPアドレスが直接記載されてしまうというトラブルに対処する方法が説明されている。こうしたトラブルがどういった原因で発生し、そのための対処としてどうすればいいのかということがまとめられている。TCP/IPコントロールパネルの設定や、DNSサーバーの設定などを確認することになる。こうしたトラブルが解決できない場合には、この文書を読むと良いだろう。
「24693JN:AppleShare IP メールサーバ : DNS の設定」には、DNSについての基本的な情報や、メールサーバーとのかかわりなどが解説されている。メールサーバーは一般にはDNSと連携して機能することで、メールの配送や受け取りができるが、こうした原理の説明から始まり、DNSでの実際の設定などについて記載されている。メールサーバー管理者でDNSについてあまり詳しくないという人は一読すると参考になるだろう。
「24962JN:AppleShare IP 6.x メールサーバ : ネットワークアドレス変換(NAT)環境用の設定」という文書には、NATあるいはIPマスカレードによるネットワークアドレス変換機能を持つルータの内側でAppleShare IPのメールサーバーを運用する時の設定方法について記載されている。ネットワークアドレス変換を行ってプロバイダに接続しているサイトなどでのAppleShare IPを利用する場合の手順や準備などが詳細に記載されている。こうした状況で使うユーザーは必見の文書だろう。
AppleShare IP メールサーバ : DNS 名の代わりに IP アドレスが表示される
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=24689JN&wosid=eV10008l800RX600Kt
24693JN:AppleShare IP メールサーバ : DNS の設定
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=24693JN&wosid=eV10008l800RX600Kt
AppleShare IP 6.x メールサーバ : ネットワークアドレス変換(NAT)環境用の設定
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=24962JN&wosid=eV10008l800RX600Kt
関連リンク:Tech Info Library-J
カテゴリ:Tech Info Library-J, サーバー製品
Tech Info Library-Jに「100331JO:Netscspe Navigator/Communicator で、日本語が文字化けする」という文書が追加された。Netscape NavigatorあるいはCommunicatorで、文字コードの設定などが正しく行われているにも関わらず、日本語のページでの文字化けが発生することがある。その場合、まず基本的な設定として、「表示」メニューの「文字コードセット」が日本語に対応するものを選択しているかをチェックする。それでもだめな場合、「編集」メニューの「設定」でフォントの設定を変更する方法が、図入りで解説されている。また、Internet Explorerでの文字化けについても簡単に書かれているが、フォントの指定をすることや、Ver.3では文字化けが直らない場合もあることが記載されている。
Netscspe Navigator/Communicator で、日本語が文字化けする
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=100331JO&wosid=eV10008l800RX600Kt
関連リンク:Tech Info Library-J
カテゴリ:ブラウザ, Tech Info Library-J
シマンテックは、「ノートン・ユーティリティーズ5.0 Mac版」と「ノートン・アンチウィルス 6.0 Mac版」を1999年10月8日より販売開始する。価格はそれぞれ\19,800と\9,800だが、発売日までにバージョンアップ前の製品を購入したユーザーにはいずれも\2500でアップグレードに応じる。既存ユーザーのアップデートはそれぞれ\9,500と\5,500となっている。いずれのソフトもMac OS 9には対応しておらず、対応版が準備でき次第アナウンスを行って、アップデートCDを\2500で提供する予定だ。
「ノートン・ユーティリティーズ5.0 Mac版」は、ハードディスクの修復などを行うシステム管理ユーティリティで、新版では、CD-ROMで起動しなくてもハードディスクにインストールしたアプリケーションからすべてのハードディスクを管理できるようになった。FireWireへの対応や、ソフト自体をオンラインで更新できるようになったことなどが新しい機能だ。「ノートン・アンチウィルス 6.0 Mac版」はメディアやメールなどさまざまな経路でやってくるウィルスを撃退するソフトだ。新版となってパフォーマンスすが向上し、AutoStartワームの除去をCD-ROMからの起動した場合だけでなく、普通に使っている状態でもできるようになった。以上の2つのソフトを併用する時には、メニューが統合されるなど、2つのソフトが統合管理ユーティリティとして1つの環境で動くようになる。
関連リンク:マック用のトラブル解決ソフトとウィルス対策ソフトを一新し,同時発
カテゴリ:ユーティリティ
Technical Q&AのJavaの分類に含まれる文書として「Inputting characters using InputMethod」が追加された。Netscape Navigatorで、MRJ Plug-Inを用いている場合に、TextFieldにインプットメソッドを使って日本語入力ができない問題ある点について説明されている。この問題は、MRJ 2.1.Xで発生するが、MRJ 2.2EA1では修正されているとのこと。以前のバージョンのMRJをどうしても使う必要があるのであれば、AWTではなくSwingのコンポーネントを使うことを検討してほしいという内容である。なお、アプリケーションなどではこうした問題は最初から発生せず、AWTのTextFieldにインプットメソッドを利用して漢字入力は可能である。
関連リンク:JAVA 18 - Inputting characters using InputMethod
カテゴリ:Technical Q&A, Java
Tech Info Libraryに、「58453:QuickTime Pro: How to Get Key Resent if Lost」という記事が追加された。QuickTime Pro 3.Xあるいは4.Xのプロキーを購入したものの、キーが分からなくなってしまった場合の措置が記載されている。文書では問い合わせの電話番号が記載されているが、米国とカナダのユーザーのみとなっている。
関連リンク:QuickTime Pro: How to Get Key Resent if Lost
カテゴリ:QuickTime, Knowledge Base(旧TIL)
Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年9月21日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。
8348:Biomation
8346:System 7: Features and Benefits
18220:PowerBook Software: Frequently Asked Questions
60302:Password Security: May Not Accept Password If Keyboard Layout Changes
8343:System 7: Novell’s Notify Extension is Incompatible
8342:OITC, Inc.
59009:Apple Software Updates and America Online
58349:Extended Startup Time After Memory Upgrade
15987:Macintosh Monitor Sense Codes: Technical Description
10342:Macintosh Quadra 950: Video Characteristics
58385:PowerBook and iBook: Troubleshooting a Dead Unit
8334:Shiva EtherGate: Supports Remote TCP/IP
8333:LaserWriter Driver: Missing BoundingBox Parameters
8338:Ethernet: Minimum Packet Lengths and Cisco Routers
8341:InBox: Using with Macintosh System Software 7.0
58388:PowerBook and iBook: Trackpad Button Does Not Respond
58384:PowerBook and iBook: Troubleshooting Won’t Run From AC Power
58390:PowerBook and iBook: Troubleshooting Stuck or Non-responsive Keys
70051:WebObjects 4: Troubleshooting Error Messages and the WebOBjects URL
関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)