今日は午後からずっと会社のネットワークに接続しているプロバイダでトラブっていたので、落ち着いた環境で発行作業ができません(今出先です)。午後からずっと接続ができず、6時くらいもだめでした。今、つないでみて、接続できるようになったという次第です。というわけで、ショートな前文でお届けします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
2000年10月21日にリリースされたMac OS X Public Betaの日本語版で、Pure Javaのアプレットを稼動させてみた。appletviewerで稼動する簡単なアプレットだ。英語版と同様、Java2 SDK相当のコンパイラなどが通常のMac OS X Public Betaの日本語版にも付属している。英語版と同様、AWTのコンポーネントでもボタンやスクロールバーなどはAquaのものが表示された。だが、日本語の文字化けが見られる点も残念ながら同様であった。Windows版のJava2 SDKでコンパイルした結果を、まず実行させてみたが、テキストフィールドやポップアップメニューは日本語が正しく表示されるものの、文字列の描画やボタン系では文字化け状態であった。また、Mac OS X Public Betaにあるjavacで再コンパイルを試みたが、そうなると、テキストフィールドも文字化けになった。SJISなどをエンコードを指定してみたがやはり同様であった。
Mac OS Xでは、/System/Library/Frameworks/JavaVM.Frameworkに、Java関連のファイルが入っていると理解しているが、ここには、国際化に関わるクラスや、あるいはフォント設定などのファイルが見つからない。詳細については未調査ではあるが、ざっと見たところでは英語版のMac OS Xと同じになっており、完全にJava VMがセットアップされている状態ではないのではないかと考えられる。
なお、Java版のワープロソフト「一太郎Ark」についても、Mac OS X Public Betaでは例外を出力して動作しないことは確認されている。AppleはJava2を稼動させるための最高のOSであることをMac OS Xの特徴とした。いくらPublic Betaであるとは言え、日本語が簡単に扱えないようではPure Javaの実行環境としては魅力は大きくそがれる。Java2になかなか対応しなかったMac OSのMRJの時のように、また、Java利用者に待ちぼうけを食わせるのだろうか? この件については、追加の調査などで続報があれば、またお届けしたい。
カテゴリ:Java, Mac OS X
バージョンアップを予約しておいたMetrowerks CodeWarrior 6.0が、10月の中旬にやっと届きました。10月20日に行われた、WORLD PC EXPOとMOSAの両セッションでは、このバージョンを利用してCarbonアプリケーションの開発に関するデモを行いました。
Metrowerks CodeWarriorは、今回のバージョンから付属のIDE 4.1やConstructorなどの開発ツール、それからフレームワークのPowerPlant、MSL CやMSL SIOUXといったスタンダードライブラリなど、開発環境とそれに付随するライブラリがすべてCarbon化されました。
よって、Mac OS Xパブリックβ上では、Classic環境ではなくMac OS X Native環境で利用することができます。また、ライブラリやフレームワークがCarbon化されたおかげで、安心してCarbonアプリケーションを開発できるようになりました。特にPowerPlantのCarbon化は大きな意義があります。これのおかげで、サードパーティーやシェアウエア作家の数多くのClassicアプリケーションが、続々とCarbon化されるのではないでしょうか。Project StationeryにもCarbon用が追加され、CodeWarrior Pro5ではCarbon SDKから持ってきたり自作していたCarbonLib用のPrecompiled Headerもちゃんと用意されています。
ただし、CodeWarrior自体はCarbonLib 1.04での動作環境を推奨しており、付属のUnversal Interfacesのバージョンも3.3.2となっています。
CarbonLib 1.1の環境を利用したい人は、StubLibraryをCarbonLib 1.1に、Unversal Interfacesを3.4に交換し、Precompiled Headerも作り直して使う必要がありますので注意してください。
今回のバージョンから、日本語版をダイレクトにインストールできるようになりました。英語版を使いたいユーザは、後から「English Tools Installer」で英語版のモジュールに差し替えるという方法を取ります。以前とは逆となりましたが「日本語版」であるという点を考えれば、こちらの方が正常なわけです(笑)。フォルダのアイコンもMac OS Xを意識して逆向きになっており、Mac OS 9上で使うのにはかなり違和感があります(笑)。ちなみに英語版のパブリックβ版上で起動しても、日本語の文字化けはほとんど起こりません。というわけで、最近発表された日本語版パブリックβでもまったく問題ないだろうと推測されます。いくつかの新機能も追加されたようですが、使い勝手はPro5からほとんど変わっていません。私としては、ソースコードの検索がローカルとグローバルに分離された点が納得いかないのですが、そっちの方が良いという意見が多かったのでしょう(涙)。また、Mac OS 9上で、コマンドキーを押しながらソースコード内のAPI名をダブルクリックすると「QuickView」等を起動して、その内容を検索できた機能が動かなくなりました。環境設定には残っているので、これはバグだと思ったら、どうもオプションキーに変更になったようです。ところが何故だか私の環境では起動しません?どうしてなんでしょうか?
ただ、私は使わないので気づかなかったのですが、Mac OS X上ではディバグ関係で問題が出るそうです。まあ、CodeWarrior 6.0自体の開発がMac OS X DP4を対象に行われていたのだろうと想像されますので、こうした不具合は少なからずあるでしょう。パブリックβ版に会わせて早急に改善してほしいものです。続いて、OSの違いでコンパイルやリンクのスピードに変化があるかどうか簡単にチェックしてみました。8万行ぐらいのソースコードをオプティマイズ・レベル4でコンパイル&リンクしてみたところ、Mac OS 9.04上ではPro 5もv6.0も23秒前後で終了しました。同じソースコードをMac OS Xパブリックβ上でコンパイル&リンクすると、26秒程度かかりました。時計的にはちょっと遅いのですが、OS自体がβ版であることを考えれば、ほとんど変化無しといったところではないでしょうか。
というわけで、一週間ぐらい継続してMac OS X上でCarbonアプリの開発に利用してみました。
自作のアプリがクラッシュしてもまったくOS側が影響を受けないのは最大のメリットです。また、メモリープロテクトのおかげで、イレギュラルなメモリアクセスをすると、すぐにアプリケーションが落ちます。Mac OS 9上ではバグがあっても「偶然」そのまま動き続けているといった状況が多々発生していましたが、今回はそうしたことは起こり難くなりました。また、別アプリケーションのメモリーリークなどのバグの影響が、開発中のアプリケーションに及ぶということも無くなりますから、バグを特定することも用意になります。他の環境に左右されずにメモリーアクセスが原因であるバグを見つけることができるわけです。こうした点から、Mac OS X上での開発はアプリケーションの「質」を向上させるのに大いに貢献するだろうと思われます。例えば、Mac OS XではCGrafPtr、WindowPtr、DialogPtrをきっちり区別して処理しなければなりません。Carbonアプリケーションであっても、Mac OS 9上で開発している状況では、今まで通りアバウトな区別であっても問題なく動いてしまいます。しかし、Mac OS X上ではこの区別を間違えると必ず何らかの問題が現れます。逆にMac OS X上で問題がなければ、Mac OS 9上で問題がでることはほとんど無いと考えられますので、そう言う意味でも、CarboアプリケーションはMac OS X上で開発した方が高品質になるでしょう。
まだまだ制限付きですが、Mac OS X Nativeのソフト開発環境が整備されてきたわけです。後は、旧石器時代のプログラマーとしては、誰かがResEditやResorcererをCarbon化してくれると嬉しいのですが(笑)。それはさておき、Mac OS Xパブリックβ日本語版は誰でも入手できますので、まずはMetrowerks CodeWarrior 6.0とMac OS Xパブリックβという環境でアプリケーション開発を体験してみてはいかがでしょうか?Carbon化が思ったより楽だということを実感できるかもしれません。
[小池邦人/オッティモ]
関連リンク:オッティモ
カテゴリ:Carbon/CF, 小池邦人のプログラミング日記
http://mac.nikkeibp.co.jp/mac/index.shtml
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Macintosh専門雑誌の1つ、「日経MAC」が休刊する。発行部数は5万3000部で、直接販売以外に書店での販売も行っていた。ビジネスユーザ向けの誌面作りや、「いんさいどまっきんとっしゅ」のコーナをはじめとして技術的に深い内容の記事もあり、他誌にない切り口も多く、ハイエンドユーザを中心に根強い人気を持っていた。ビジネスソフトの利用方法に加えて、医療関係やデザイン分野が中心にはなったものの、業務でMacintoshを利用しているユーザの情報やあるいはそこから得られたノウハウを継続的に記事にしていた点は、Macintoshをビジネスとしている人たちの貴重な情報源ともなっていた。また、アップルに対しても直言する点でも読者の支持を得ていた。最近は、編集長の交代が頻繁に起こるなどの動きが見られたが、11月18日発売の2000年12月号を持って休刊となった。(ちなみに、休刊となって復刊した雑誌は過去にはほとんどない。)Mac OS Xのリリースに伴い、Macintosh市場がよりハイエンドなユーザ層に広まることや、技術的な情報を必要とするユーザが増えることを考えれば、純粋に読者的な立場からは残念な決定であると言える。なお、日経MACのWebサイトには休刊に関することは記載されていないが、広告案内のページには記載がある。また、購読者に対して休刊のお知らせが届くと共に、返金に関する案内が送付された模様だ。
97年頃のMacintosh業界の冷え込みで、米国ではMACWORLD誌とMacUser誌がまとまるなど大きな再編があったものの、日本では市場規模に比べて数多くの雑誌がひしめくという状況は変わらなかった。雑誌を購入するような層は崩れなかったという点が言えるだろう。ただし、その時期以降、また景気の冷え込みなどもあって、広告が順調にのびないという事情はあったものと思われる。休刊への決定へのいきさつについての詳細は分からないが、Macintoshの冷え込みよりもむしろインターネットの普及という点が大きいのではないかと考えられる。特に、ハイエンド層あるいはコア層のユーザとなると、基本的な情報はインターネット経由で仕入れることは今や常識となっている。Macintoshの開発者向け雑誌が99年を境目に2誌とも休刊となり、米国で発売されているMacTechも破格の高価格で維持している点からもそうした傾向は推測できる。また、日経MACは、日経BP社の他の雑誌に比べて異質な面もあり、同系統の雑誌を他にかかえていなかったといった事情もあるものと考えられる。その他のMac雑誌あるいは、Mac関連メディアにとっては、ライバルが減ったといった意味でプラスになるとは考えない方がよいだろう。購読者層の変化を休刊といった事実から読み取り、先手を打つことが必要だと考えられる。
カテゴリ:雑誌、書籍, 業界動向
Appleによって公開されているサンプルコードに、Mac OS XのIOKitを利用したものが公開された。Mac OS Xでは、デバイスドライバについては従来のMac OSとは互換性がほとんどなく、IOKitと呼ばれるフレームワークをベースに1から開発する必要がある。しかしながら、情報が不足していることが言われていたが、少しずつながら情報公開がされている。CD-ROM Sampleの動作は、ProjectBuilder上で稼動させてConsoleを使って結果を表示するといったものでGUIの組み込まれたものではない。利用可能なCD-ROMを検知し、セクタの読み書きなどができるといった至ってシンプルなものだ。しかしながら、アプリケーションがどうやってデバイスドライバを利用するのかと言ったことの基本的なサンプルとなるだろう。
関連リンク:CD-ROM Sample 1.1
カテゴリ:Mac OS X, 周辺機器
ファイルメーカー社は、ファイルメーカーProで使えるソリューション事例を無償でダウンロードできるようにした。「見積書発行からe-commerceまで一気に可能にする、5つのソリューション」として、ダウンロードしてすぐに使えるデータベースファイルを提供している。簡単なアンケートに答えれば、誰でもダウンロードできる。そのまま使えるものとして設計はされているが、もちろん、ファイルメーカーProを使って修正を加えて利用してもかまわない。ダウンロードできる5つのソリューションは、「見積書作成ツール・顧客住所録」「営業部/販売システム」「LAN/ネットワーク共有システム」「データベース・ポータル」「e-commerce Web サイト」で、最初の2つは業務関連、次の2つはネットワーク活用、最後の1つはコマースサイトを作るといったものだ。使い勝手に配慮した設計にしたとしている。また、PDF形式のガイドブックも付属する。実際に業務に使うことも考えられるが、ファイルメーカーProで実現するソリューションをプレゼンテーションする場合の素材としても使えるものと考えられれる。
関連リンク:FileMaker Solution 1
カテゴリ:データベース
Tech Info Library-Jに、QuickTime 5 Public Previewをインストールした後、再起動時に「QuickTimeソフトウエアの一部を読み込めませんでした…。」といった内容のダイアログボックスが毎回表示されてしまう問題に付いての説明が表示された。これを回避するには、QuickTime 5を再度インストールする。インストール時に「カスタムインストール」を選択すると、選択項目を選ぶウインドウになる。そこで「すべて選択」のボタンをクリックしてインストール作業を行うことで、この問題を回避できる。
関連リンク:100424JO :QuickTime 5 Public Preview: インストール後、コンピュータ起動時に毎回エラーメッセージが表示される
カテゴリ:Tech Info Library-J, QuickTime
日本語での技術情報を提供しているTech Info Library-Jに公開された文書では、Mac OS X Public BetaにQuickTime Streaming Server 3 Public Previewをインストールする場合の注意点が記載されている。使用する言語が日本語になっていると、QTSS3PPがインストールできないというもので、使用言語を英語にすることでインストールできるようになるというものだ。なお、インストール後は、言語を日本語に戻しても問題なく稼動する。使用する言語は、「システム環境設定」アプリケーションの「地域」の項目で、「言語」のタブを選択して行う。
関連リンク:100425JO :QuickTime Streaming Server 3 Public Preview: 日本語の環境ではインストールできません
カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS X, QuickTime