Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年1月23日発行号 - Carbon 1.2.5が出ている



音楽が好きな方も多いかと思いますが、最近の音楽にはついていけないという方もいらっしゃるでしょう。でも、御安心ください。発達心理学の研究だったかと思うのですが、音楽をもっとも感受性高く受け入れることができるのは10代後半から20代前半にかけてだそうです。人間の精神の発達上、そうした変化があって当然なのだということですね。逆に言えば、その時期に聞き込んだ音楽が、自分の中でお気に入りとなって一生離れられないということになります。私も比較的いろいろ聞く方だとは思いますが、その感受性の高い頃にプログレを一生懸命聞いていたこともあって、時々そっち系のCDを出して聞いていたりします。まあ、だけど今さら音源が手に入らないようになりつつありますし、昔死ぬ程ビニール盤レコードを買ったこともあって今さら買う気になりにくいというのもあります。ですが、密かにインターネットラジオに期待をしていました。ところが、Windows Media Playerで出てくるリストには、1つだけプログレというタイトルのついたものがあるのですけど、プログレというか、70年前後のアングラって感じで、ユーロ系が好きな私にとってはちょっと違うのです。でも、ありました、iTunesに! Classic RockのジャンルにあるRFKというチャンネルで、2つあります。他にもあるのですが、聞けるのはこれだけみたいです。“クラシック”に分類されてしまうあたり泣けてしまいますが…、まあ、懐かしい音が聞けます。初期のシンセ系のバンドとか、変拍子とか…。昨日の夜中は延々とイエスの「危機」をやっていたりとかです。知っている曲も多いのですけど、知らない曲もけっこうあります。そういうとき、曲名がパネルにテキストで出てくれればいいのにと思うのですけど、iTunesのラジオには曲名を出す機能はないみたいで残念です。ちなみに、Windows Media Playerでも、曲名は出たり出なかったりですね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CarbonはVer.1.2.5へ、開発者向けにSDKの配付が開始

CarbonのSDKで、Ver.1.2.5というバージョンのものがADC(Apple Developer Connection)のメンバーに対して配付が開始された。内容については機密事項となっている。なお、Carbon 1.1以降さまざまな問題が出ていることはMDOnlineで既報の通りだ。Mac OS Xでのマルチタスクをスムーズに稼動させるためにはCarbon Event Managerを使う必要があるのだが、それはVer.1.1以降でしか使えない。Mac OS X向けに作成しても、Mac OS 8/9での稼動に問題があるとなると、Carbonの本来の目的である互換性は保てない。バージョンを重ねているということは改良が続いていることは想像できるのではあるが、安定したバージョンを一般ユーザに一刻も早く供給されることを望みたい。

関連リンク:Develop Great Products
カテゴリ:Carbon/CF


Digital AudioタイプのPower Mac G4のハードウエアを解説した文書が公開

2001年1月に発表された、Digital AudioタイプのPower Mac G4のハードウエアに関する開発者向け文書が公開されている。ハードウエアの構成やブロックダイアグラム、入出力端子に関する説明、メモリやカードの拡張などについてまとめられている。ハードディスクはUltra DMA/66でマスター側に接続されているが、オプションでUltra SCSI 160を利用できる。リムーバブルメディアはEIDEで接続される。CD-RWドライブは、CD-Rが8倍、CD-RWが4倍、CD-ROMが32倍で、ATAPI仕様のドライブでマスター側に設定されている。DVD-R/CD-RWについての情報もある。zipドライブはスレーブに接続される。入出力関係は、KeyLargoというカスタムICでほとんどがまかなわれている。

関連リンク:Power Mac G4 Developer Note
カテゴリ:アップルからの開発資料, Power Mac


PowerBook G4のハードウエアを解説した文書が公開

2001年1月に発表されたPowerBook G4のハードウエアに関する技術文書が公開されている。CPUがG4に変更されたが、L2キャッシュのスピード比が2:1になっている。スロットイン方式のDVD-ROMは、DVDディスクの場合6倍速、CDの場合は24倍速である。読み込み可能なDVD-RAMの形式などもまとめられている。PowerBook G3が2.8kgだったのに対して2.4kgに軽量化されている。FireWireポートも1つだけになっている。また、拡張ベイもなくなった。バッテリも1つだけしか搭載されなくなっている。

関連リンク:PowerBook G4 Developer Note
カテゴリ:アップルからの開発資料, PowerBook


WebObjectsの今後に関する文書が公開、WebObjects 5 for JavaはX発売後

少し時期的に遅れてしまったが、Macworld Expo/SFで公開されたWebObjectsに関する発表がまとめられたページがあるので、その内容をお伝えしておこう。
まず、WebObjectsの次期バージョン「WebObjects 5 for Java」が、2001年前半のMac OS X発売後にリリースされる。「for Java」が示すように、完全にJavaで書き直されており、Ver.4.5のようにObjective-CのクラスをJavaでラップしたものではない。また、Ver.5ではVer.4.5のすべての機能が組み込まれる。その点ではAPIの変化はないため、現状のVer.4.5で作成されたアプリケーションはスムーズにVer.5に移行できるとしている。また、発売までにプレビュー版などをリリースする予定もない。
一方、Objective-CベースのアプリケーションをMac OS Xでも稼動させるためのWebObjects 4.5.1をリリースする。また、現在と同じくMac OS X Server 1.2、Windows NT/2000、Solaris、HP-UXでの稼動が可能なWebObjects 4.5のアップデートは継続して行う。
また、新版のMac OS X Serverが公開されたが、そこでは無制限のトランザクションをサポートするWebObjectsのデプロイメントが組み込まれている。この点については明記はされていないが、WebObjects 5 for Javaのデプロイメント環境だと思われる。Ver.4.5.1に対応したデプロイメントであるとは明記されていない。
WebObjects 4.5.1および5 for Javaでは、Cocoaのクライアントアプリケーションを作成できるが、再配布のライセンスが定義されている。
以上のような文書の内容だが、WebObjects 5 for Javaの稼動環境としては、Mac OS Xは記載されているが、その他のOSについては明記はされていない。以前はRedhat Linux 6.2での稼動が伝えられていたが、Mac OS X/Server以外はあえて明記はしない方針になったのではないだろうか。「Javaだからクロスプラットフォームのはず」ということで、済まされるようになるのかもしれない。Linuxで動くという保証が得られないのなら、保証されているMac OS X Serverを使う…という選択を誘導するのかもしれない。その意味では、WindowsやSolarisなどMac OS以外のプラットフォームでも使えるWebObjectsという特徴は、Ver.5ではやや薄れる(曖昧になる?)と言えるかもしれない。

関連リンク:WebObjects News from MacWorld
カテゴリ:Mac OSテクノロジー, WebObjects


Mac OS 9.1のOpen Transport 2.7.4に動作変更、動作不良になるソフトもある

Tech Info Libraryによると、Mac OS 9.1に搭載されたOpen Transportの新版であるVer.2.7.4では割り込み時に呼び出すことはできないようになったという大きな変化があると記載されている。そのために、既存のネットワーク対応アプリケーションでエラーが出る場合がある。そうしたエラーも再現性がないような感じで出るとしている。Appleはデベロッパーに対してこうした変更があることをすでに通知しており、不具合のもあるものは修正されるはずだとしている。なお、USB Printer SharingもOpen Transportの変化に応じて修正されたとしている。
ただし、Mac OS 9.1のTechnoteにはこのことは記載されていない。また、「割り込み時」というのが具体的に示されていないが、Open Transportを使っているソフトウエアを作成している開発者は、Mac OS 9.1での動作に注意を払う必要がありそうだ。

関連リンク:Mac OS 9.1: Open Transport 2.7.4 Cannot Be Called at Interrupt Time
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, Mac OS 9


「ファイルメーカーMobile」でPalmOS上で開発しなくてもPalmを業務応用へ

ファイルメーカー社は、ファイルメーカーProのデータベースを、PalmOS搭載の携帯端末で利用できるようにする「ファイルメーカーMobile」を、2001年3月下旬に8900円で発売する予定であることを発表した。ファイルメーカーPro 5.0v3が必要である。データベースのフィールドを選択して、そのデータをPalmOS搭載機に送付し、PalmOS側でデータの入力や参照、更新などができ、その結果をファイルメーカーPro側に反映させるということができる。基本的には何の開発作業も必要がないと言う点が大きいだろう。既存のデータベースをそのままPalmOSに持ち込み、同期ができる。競合があった場合の対応機能も組み込まれている。Mac OSおよびWindowsで利用できる。
業務分野でのPDA利用は昔から盛んでもあったが、基幹システムに加えて端末システムも開発が必要であり、大量導入などでの大形プロジェクトが一般的でもあった。しかしながら、「ファイルメーカーMobile」は小規模な業務システムでも低コストでPDAの利用を組み込むことができる点が注目できるだろう。PalmOS上での開発も注目はされているものの、他のプラットフォームの開発者にとっては1からPalmOSをマスターしなければならないということも必要になる。「ファイルメーカーMobile」ベースでの開発はPalmOS側はあまり気にすることなく、ファイルメーカーProのデータベースを工夫するということで対処できるという点も、小規模な業務開発に向くと言えるだろう。

関連リンク:ファイルメーカー Mobile を発売
カテゴリ:Palm & PDA, データベース


ファイルメーカーProのスクリプトをネットワーク越しに実行できるプラグイン

Troi Automatisering社は、ネットワークの先で起動しているファイルメーカーProのデータベースにあるスクリプトを実行できるようにするプラグイン「Activator Plug-in 1.1b1」をリリースした。ベータ版がリリースされておりダウンロード可能だが、正式リリース後は$89で販売される。実行要求はLANはもちろん、インターネット経由でも出すことができる。セキュリティを確保する機能も含まれている。また、リクエストには番号や長いテキストを送ることもできる。ファイルメーカーProをベースにした分散システムを構築すると言ったようなことが可能になるだろう。

関連リンク:Troi Activator Plug-in 1.1b1
カテゴリ:データベース


Mac OS Xで動くREALbasicの日本語版Ver.3.0b2が公開

Mac OS XのCarbonに対応するREALbasic 3.0の日本語版のベータ版が公開された。また、アスキーのサイトでは、Ver.3.0に関する情報も掲載された。公開されたベータ版は、Ver.3.0b2相当のものである。
また、REAL softwareは、REALbasic 3.0b4、すなわちベータ版のリリース4を公開した。修正点はバグを直したことなどとなっているが、ベータ版になってリリース間隔が短くなってきた。

関連リンク:REALbasic日本語版
カテゴリ:REALbasic


USBケーブルでパソコン間を接続してファイル転送

IOGEAR社は、USBケーブルでMacintoshあるいはPC間を接続して、ファイルの送受信ができるケーブルとソフトウエアのセット「SmartLink」を発売した(転送作業を行うソフトウエアについては情報がない)。Mac同士、PC同士、そしてMacとPCの間でのファイル転送をUSBケーブルでつなぐだけででき、6kbpsという10BASE-Tのフルスピードと比べてもそん色のないスピードでやりとりができる。価格は$44.95。Windows は95 OSR2.1以降のWindows 98/Me/2000で利用できる。Mac OSは8.6以降に対応している。

関連リンク:IOGEAR
カテゴリ:周辺機器