Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年10月4日発行号 - MDOnline-FutureBasicのサポート



大学の講議で1時限でコンピュータの歴史を教える必要があって、バベッジやENIACから最近の話までをコンパクトにまとめるということをやりました。パソコンの歴史では、もちろんアップル社設立、Apple IIというあたりはもちろんですが、GUIというものを世の中に広めたということで、1984年のMacintosh登場、80年代後半のDTPというムーブメント、そしてQuickTimeから始まるマルチメディアというムーブメントなどを説明しました。もちろん、MS-DOSやWindowsというのも重要なトピックですが、歴史的に見てどうかという点については、これらは「売れた」というのがいちばんのトピックではないかと考えました。IBM PCの登場で本格的にビジネス利用が進んだわけですが、それはロータス1-2-3なんかの影響が大きいでしょう。Windows 95だってインターネットが牽引しているわけです。80年代はアップルが時代の中心になっていたけど、ビジネス的な勝者はマイクロソフトということを改めて確認した次第です。歴史の最後のトピックは「iMac登場」にしました。コンピュータの進歩は技術革新主導できたけど、iMacは違った力が作用した点でトピックと言えるでしょう。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


FutureBasicのサポートサイトfuturebasic.orgが開設

Basic言語での開発ツールであるFutureBasicのサポートサイト「futurebasic.org」が開設された。このサイトはFutureBasicの開発元であるStaz Softwareとは独立した団体として運用されている。サイトは無償で参照できるが、$20の登録料でサイトの中身やサンプルプログラムなどを含んだCD-ROMを入手することができる。また、費用を払ったメンバーにはメールによる情報提供やメンバーだけが参照できるWebサイトの利用などの特典が得られる。Webページのサポートエリアには、メーリングリストの情報やFAQ、サンプルプログラム、新バージョンのFutureBasic情報、AOLで公開された開発者向けの情報などが参照できるようになっている。英語に加えて、フランス語、スペイン語、ドイツ語のサイトも用意されている。開発者やあるいは開発元のオフィスが写真入りで紹介されているなど、ファンクラブ的な色彩もあるサイトだ。

FutureBasic IIは、98年初頭にリリースされているが、futurebasic.orgのサイトによれば、「FB^3」と表現する新しいバージョンが限定的に配付されているということだ。ただし、次期バージョンのFutureBasicについてはStaz Softwareのサイトには何も情報がない。最近はREALbasicに押され気味ではあるものの、futurebasic.orgの存在はFutureBasicユーザーが健在であることを強くアピールすることになるだろう。

関連リンク:futurebasic.org
カテゴリ:開発ツール, 開発ツールその他


起動しているアプリケーションをまとめて終了するフリーソフト

テキストエディタのJeditなどで知られるまつもとは、起動しているアプリケーションをまとめて終了するユーティリティ「QuitThem1.0」をリリースした。フリーウエアで、以下のページからダウンロードして利用できる。起動しているアプリケーションをリストに一覧し、終了させたいアプリケーションを選択してまとめて終了することができる。作業をしているといろいろなソフトを同時に起動するが、違う作業に移る時にまとめて終了したいこともある。そのような場合に便利なユーティリティだ。Mac OS 8.0以降で動作し、68kでもPowerPCでもOKだ。すべてのアプリケーションを終了するQuitAllも含まれている。QuitThemはAppleScriptベースのアプリケーション開発ツールであるFaceSpan3.0で作られたものだ。

関連リンク:一括クイット・ユーティリティ QuitThem1.0
カテゴリ:ユーティリティ


QuickTimeイベントが11月に開催、プログラムなどが公開

アップルが主催するQuickTimeのイベント「QuickTime Live!」が、1999年11月8〜11日に、ロサンゼルスのコンベンションセンターで開催されることがすでに8月に発表されているが、ワークショップやセッションの内容が明らかになっている。8日にはワークショップが開催されるが、デジタルビデオの初歩的なセッションや、あるいはPremierなど各社ごとの製品にフォーカスしたセッションなどが用意されていて、いずれかを1日がかりで受講する。9〜11日にはキーノートやセッションが開催されるが、セッションもQuickTimeの基本からストリーミングに至まで広範囲に渡っている。展示会は10、11日に開催されるが、無償で入場できるのは11日のみとなっている。

QuickTime分野の開発者や、あるいはデジタルビデオ分野の人を対象にした展示会という位置付けで、開発に関連するような内容のセッションも行われるようだ。QuickTime4でストリーミングという新しい枠組みを加えたQuickTimeは、もはやMacintoshという枠組みだけではカバーしきれない広がりを見せている。そうした状況を踏まえ、ある意味ではWWDCに匹敵するQuickTimeにフォーカスしたデジタルビデオ関連のイベントを目指しているものと考えられる。すべてのイベントに参加できるPlatinum Passが$1390、カンファレンスのみのチケットが$995、ワークショップのみのチケットが$395、展示会のみは無料で入場できる。

関連リンク:QuickTime Live!
カテゴリ:QuickTime


iBookのヒンジにある金属部品は、折り畳んだ時のロックのため

Tech Info Libraryに「58455:iBook: Description of Metal Tabs in Display Hinge Area」という文書が追加された。iBookのヒンジ(ディスプレイとキーボード部分の接続部分)に金属製の部品が見えているが、これが何をするものなのかを写真入りで解説されている。これにより、折り畳んだディスプレイを機械的にロックする機構を付けなくてもいいようになっている。この金属部品によってディスプレイを折り畳んだ時に、折り畳まれた状態でロックされるようになっているとのことだ。

関連リンク:iBook: Description of Metal Tabs in Display Hinge Area
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook


iBookの添付CD-ROMに印刷されたバージョン番号は間違い

Tech Info Libraryに「58464:iBook: Incorrect Version Number Printed on Restore and Install CD」という文書が追加された。iBookに同梱されたCD-ROMにはバージョン番号が1.2となっているが、中身は1.3であるということ。ただし、この文書は米国向けのものなので、日本に出荷されたバージョンにも同様な間違いがあるのかどうかは不明だ。

関連リンク:iBook: Incorrect Version Number Printed on Restore and Install CD
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook


QuickTimeのFAQに関する日本語の技術情報文書が公開

Tech Info Library-Jに、QuickTimeに関する文書が5つまとめて公開された。それぞれ、以下のようになっている。

◇36506JN:QuickTime Discussion Board : よくお問い合わせいただく質問と解答(FAQ)
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=36506JN
米国で運用されているディスカッションボードでよくなされる質問をまとめてある。Windows版のNetscapeでmovとaviでプラグインを使い分ける方法、再生できないAVIファイルへの対処、WindowsでのQuickTimeのバージョン、MIDI楽器でMIDIデータを演奏させる方法などが記載されている。多くは他の文書にリンクし、そちらで詳しく説明している。以下の文書は、いずれもこの文書からリンクされているものである。

◇22210JN:QuickTime 3 : MIDI 情報をやりとりするには
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=22210JN
QuickTimeに内蔵されたミュージックシンセではなく、MIDIインタフェースなどで外部のMIDI機器を使ってサウンドを鳴らしたい場合にどうすればいいかが記載されている。そのためには、OMSやFreeMIDIなどのMIDIデータ処理を行うシステム機能拡張を追加して、設定を行って外部機器で音を出ことができることが記載されている。これらの機能拡張の入手先についても、リンクが設定されている。Windows版はそれができないと書かれているが、QuickTime 3での状況のため、内容的には最新の情報が反映されたものではない。

◇30398JN:QuickTime : プラグインからの保存
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=30398JN
ブラウザで表示されたムービーを保存する方法が説明されている。QuickTime Pro版でないと保存できないというのがまず基本だ。そして、ムービーコントローラーのいちばん右の部分をクリックすると、ムービーをファイルに保存するメニュー項目が現れる。保存には2種類あり、ムービーのデータをファイルに保存するものと、ムービーデータのありかを保存する形式になっている。また、場合によってはPro版でもムービーとしての保存ができないようにWebサイトが作られている可能性もある。

◇30506JN:QuickTime : 必要なコンプレッサが見つからない (Required Compressor Could Not Be Found)
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=30506JN
QuickTimeでAVIファイルを再生するときに、必要なコンプレッサが見つからないとうエラーが出る時がある。これはAVIに限らず、コーデックの機能で組み込まれていないものがあるとこうしたエラーが出る。あるいはWindowsの場合レジストリでコーデックがアクティブになっていない場合もエラーを出す。Intel Indeo Videoのコーデックが含まれていないが、その入手方法について説明されている。

◇30544JN:QuickTime 3 for Windows : Netscape 設定の要点(TIPS)
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=30544JN
Windows版のNetscapeで、movファイルはQuickTime、aviなどは別のプラグインを使うように設定する方法が、手順入りで詳しく説明されている。また、Navigator/Communicatorのプラグインの動作メカニズムに関しても説明されているので、その情報源としても読む価値はあるかもしれない。

カテゴリ:Tech Info Library-J, QuickTime


ファイルやフォルダ名が31バイトまでというのはMac OS 9も同様

Tech Info Libraryに「25010:Mac OS: File, Folder And Volume Name Limitations」という文書が追加された。内容はファイル名やボリューム名の長さの制約についてで、ファイルやフォルダ名は31バイト、ボリューム名は27バイトまでというよく知られている制約事項が記述されている。なお、この制約は、Mac OS 9でも同様であることが明記されている。Finderでファイル名などを修正するときに、パス名のセパレータであるコロンをキータイプしても、自動的にハイフンに置き換わることも説明されている。さらに、場合によってはボリューム名を27バイトをこえるものに設定できることもあるが、ファイル共有などが正しく機能させるためには27バイト以内にしておく必要があることも説明されている。

関連リンク:Mac OS: File, Folder And Volume Name Limitations
カテゴリ:Mac OS 8, Knowledge Base(旧TIL)


プログラムソースからデザインモデルを生成するツールがJavaにも対応

ソフトウエアの解析やデザインツールである「Mac A&D」などを販売するExcel Softwareは、ソースコードからモデルを生成するツール「Mac Translator 2.0」をリリースした。同社のMac A&Dと併用することで、JavaやC++、Object PascalのコードからUMLに基づくダイアグラムなどを生成することができる。また、CやPascal、Basic、FORTRANのソースコードから構造チャートをつくり出すこともできる。Ver.1.0に比べて高速化され、Java対応やスクリプト処理、リエンジニアリング機能が追加された。Javaの内部クラスにも対応している。コマンドを書き並べるスクリプト処理にも対応しており、規模の大きなソース群に対しての自動処理にも対応している。価格は$495となっている。

関連リンク:MacTranslator 2.0 Software Reengineering Tool
カテゴリ:開発ツール, 開発ツール


Font First Aidのエラーに関する文書が日本語に翻訳

Tech Info Library-Jに「25008JN:Font First Aid : 検証中にエラーが発生する」という文書が追加された。米国では10/30に公開されたFont First Aidに関する文書を日本語に翻訳したものだ。Font First Aidの検査中にエラーがでる場合、アピアランスのサウンドをオフにすることでエラーが出なくなることがあることを報告されている。それでもエラーが出る時には、機能拡張マネージャで“Mac OS 8.6 すべて(FMUpdate)”に設定して再起動することも記載されている。いずれにしても、いちはやく翻訳が行われた。

関連リンク:Font First Aid : 検証中にエラーが発生する
カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS 8


PowerBook G3 DVD-ROM Update 1.0の日本語の解説が公開

Tech Info Library-Jに「60491JC:PowerBook G3 DVD-ROM Update 1.0 : Read Me」という文書が追加された。米国では10/29に公開されたPowerBook G3のDVD-ROMの問題を修正するアップデータに関する文書を日本語化したものだ。DVD-ROM搭載のPowerBook G3で、ドライブのトレイにディスクを挿入しない状態でトレイを閉じていると、起動できなくなる問題が生じる場合がある。その不具合を解消するアップデータが配付されており、そのアップデータの適用方法などを日本語の文書で読むことができる。なお、この文書からリンクされているファイルのダウンロードのページは英語だ。

関連リンク:PowerBook G3 DVD-ROM Update 1.0 : Read Me
カテゴリ:PowerBook, Tech Info Library-J


インターネット設定アシスタントで以前に使った名前を付けられない場合

Tech Info Libraryに「31103:Internet Setup Assistant: Reusing Configuration Names」という文書が追加された。インターネット設定アシスタントでの設定において、設定に付ける名前を、以前に使用していたもののすでに削除したはずのものを利用しようとしても、その名前を利用できなくなってしまう。名前は、モデムやTCP/IP、リモートアクセスといった関連するコントロールパネルのいずれでも削除したのに、そのような症状になる場合の対処法が記載されている。使用した名前の完全な削除には、システムフォルダないの初期設定フォルダにあるInternet Preferencesファイルの削除も必要になる。ただし、これにより、インターネット設定の設定内容もクリアされてしまう。ただ、ここでインターネット設定アシスタントで設定を行おうとしているので、複数のインターネット設定を利用するのでなければ、Internet Preferencesを削除することは問題にはならない場合が多いだろう。Internet Preferencesを削除したくないのであれば、違う名前で設定を作り、あとで削除や名前の付け替えをおこなうという方法もあるということだ。

関連リンク:Internet Setup Assistant: Reusing Configuration Names
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 8


1999/10/1付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年10月1日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

25011:AppleWorks 5: "View Document in Browser" Opens Wrong Browser
31104:Mac OS 8.6: What to Do When an Item Is Not Updated
7941:Display Monitors and Geometric Distortion
24815:iMac: Troubleshooting Address and Illegal Instruction Errors During Startup

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)


Carbonアプリケーションへの移植サービスを提供

インドの西海岸沿いにあるMangaloreに本拠を持つRobosoft Technologiesは、アプリケーションをCarbon対応に移植するサービスを提供している。同社はソフトウエア関連のコンサルティングを中心としており、Mac OSだけでなく、WindowsやJavaについてもサービスを行っている。移植作業やクロスプラットフォーム向けの開発、あるいはMac OS向けの開発などのサービスを提供している。Carbonへの移植サービスについては、ADC(Apple Developer Connection)会員は割り引きが設定されている。

CarbonはMac OS XおよびMac OS 9に搭載される共通のAPIセットで、従来のMac OSのAPIに多くの部分が共通するため、従来のアプリケーションのMac OS X対応を早期に実現するための重要なテクノロジーとなっている。既存のアプリケーションのMac OS X対応は、まずCarbon対応からなされるのが一般的な順序となるだろう。

関連リンク:Robosoft Technologies
カテゴリ:業界動向