Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年3月2日発行号 - CodeWarriorでnibファイル



昨日の夜中はけっこうな雨なのに、今はすっかり快晴になっており、天気の移り変わりの速さからも春がそこまでやってきていることが伺えます。…なんて季節の御挨拶をするくらい、実はあまりネタがありません(笑)。なぜか、ニュースが少ない気がします。Apple社内はそろそろMac OS X発売に向けてのチャージ期間に入っているのでしょうか。Mac OS向けソフトも、Mac OS Xの動向を見てからの動きとなるため、やはり待ちに入っているのでしょうか。3月はトピックがないかもしれませんが、だとしたら、少し、じっくり書く記事でもやろうかなと思っています。いろいろ途中になっている連載もあるのですが(苦笑)、REALbasic 3の日本語版の正式版が出れば、Valentina for RBを使ったデータベースアプリケーションの作成方法といった感じのシリーズをお届けしようかと思っています。
Appleのサンプルコードでいくつか新しいものが出ています。少しずつ紹介しますが、今日のURLAccessSampleはURL Accessに興味がない人もちょっと記事をチェックして下さい。CodeWarriorなのにnibファイルを使っています。
それから、WebObjectsデモCDは在庫がなくなりました。よろしくお願いします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【TIL】PowerBook G4の電源プラグはしっかり差し込まないと電源は供給できない

Tech Info Libraryによると、PowerBook G4では、電源プラグの差し込みを注意していないとしっかり行われず、差し込んだにも関わらずバッテリが使用されると言う状況になるとしている。文書に写真入りで解説されているが、確認した時には写真は埋め込まれてはおらず、文書にタグが見えている状態だった。それでも、写真のアドレスは分かるので写真は確認できる。電源アダプタのコンピュータ側に接続するプラグは、アダプタを格納するときのためにプラグを引っ掛ける突起がある。まず、その突起が、PowerBook G4のディスプレイと本体を結合する部分に引っ掛かるため、引っ掛かりがないようにプラグを差し込む。さらに、電源プラグの金属部分がほとんど本体内に入り込むくらいのところまでしっかり差し込む必要があるということだ。

関連リンク:PowerBook G4: Battery Fails to Charge
カテゴリ:PowerBook, Knowledge Base(旧TIL)


URL Accessのサンプルは、nibファイルを使ったCFMで、Mac OSとXの互換パッケージ

サンプルコードに「URLAccessSample 1.0」が掲載された。URL Accessは、FTPやWebのプロトコルを使って、インターネット経由でファイルのアップロードやダウンロードを簡単に行うことができるシステム機能である。URLを指定してGETメソッドを使うだけでなく、POSTメソッドの利用もでき、それらのサンプルとなっている。主要なAPIは非同期に処理を行うURLDownloadと、呼び出し後すぐに制御が戻されて同期処理を行うURLOpenがある。いくつかの設定を行ってこれらのAPIを呼び出すのだが、そうした処理が詳しいコメントとともに記載されているので、分かりやすいだろう。このサンプルは、URL Accessのことを知りたい人にはもちろんお勧めできるが、Carbonの開発を行っている人はURL Accessに関係なく御覧になっていただきたい。
まず、Carbon 1.2対応であることから、実際に稼動させるには使用システムのCarbonLibを適切なバージョンにしなければならない。Mac OS 9だと、CarbonLib 1.2.5などを使えばいいのだが、Mac OS X Public BetaはCarbonLib 1.1.0なので、実はこのサンプルを稼動させることすらできないのである。とは言っても、この点についてはあと少しの辛抱なのだろうと楽観視するしかないようだ。
プロジェクトはCodeWarriorのものになっているため、Mac OSでもMac OS Xでもコンパイルはできるが、Mac OSの場合には、Carbon Supportフォルダを自分で追加でインストールする必要がある。そして、注目すべきは、nibファイルを使ってダイアログボックスなどを定義している点だ。当然ながら、CodeWarriorにはnibファイルのエディタはないため、Interface Builderを使って作成したことになるのだろう。また、Carbon Event Managerを使っている。生成しているバイナリはCFMだが、nibファイルもあることからパッケージ化されている。たとえば、同期呼び出しのURLOpenを呼び出した後に、タイマーイベントを呼び出すなどのCarbon Eventの使い方についても参考になる部分がある。いずれにしても、Interface BuilderとCodeWarriorというAppleとMetrowerksのハイブリッドなプロジェクトなのだ。
ここで、まず、nibファイルによってダイアログボックスやウインドウを表示する形態ものもでも、Mac OS Xだけでなく、Mac OS 8/9などのCarbonLib上では機能するということが確認できる。もちろん、Mach-Oだとダメだが、CFMであれば、nibファイルを利用できるのである。
そして、CodeWarrior側では、Release 6から追加されたMac OSパッケージャの機能を使って、パッケージ化されたアプリケーションを生成している。CFMによるMac OSとMac OS Xの両方で起動可能なパッケージを作るという場合の1つの指針になるような設定となっている。

関連リンク:URLAccessSample
カテゴリ:アップルからの開発資料, ネットワーク, Carbon/CF


iBuildの正式発売間近、Site版としてソフト本体やスタックをマルチユーザ利用も

Acrux Softwareが開発しているHyperCardライクなオーサリングツール「iBuild preview 0.9.5」がリリースされた。MDOnlineでは、2000年9月12日に“HyperCardライクなオーサリングツール、オブジェクトの配置も可能”として、Ver.0.9の記事をお届けした(MacWIREにも掲載されている)。今回もプレビュー版ではあるが、1ヶ月以内の正式リリースを行うともアナウンスされており、いよいよ正式にリリースされるようだ。iBuildは、たくさんのカードが集まったスタックという考え方でオーサリングを進める。カード上にはテキストやボタンはもちろん、QuickTimeムービーなどを含めたいろいろな種類のオブジェクトを配置できる。そのコントロールのためのスクリプトをAppleScriptで作成することができる。Mac OSのみで稼動するが、実行アプリケーションの生成も可能だ。Lite、Pro、Siteの3つのバージョンがあり、Ver.0.9以降にSite版が加わった。Liteはフリーながら、開発機能も備えており、シンプルな用途にはそこそこ使える。カードの作成が25枚までに制約されている。Pro版は機能制約はなく、$49.95だが、今現在は正式版へのフリーアップデートを含めて$19.95で販売されている。Lite版はダウンロード可能で、さらにシリアルナンバーをオンラインで購入することで、Lite版をPro版にアップデートできる。Pro版の購入者には正式版へのアップデートと1年間の無償更新ができる予定だ。さらに、Site版は、iBuildのアプリケーションおよび作成したスタックを、ファイル共有サーバを利用して、複数のユーザで利用できることが可能だ。1つのアプリケーションを複数のクライアントで同時に起動することができる。また、1つのスタックを複数のクライアントから開くことができるというものである。5、10、30ユーザ版があり、それぞれ$199.95、$299.95、$499.95となっているが、やはりこれも現在はそれぞれ$99.95、$149.95、$199.95で販売されており、正式版へのアップデートと1年間のアップデートサービスが受けられる予定だ。また、Site版は生成したアプリケーションをロイヤリティフリーで自由に配付できる権利も付属する。

関連リンク:Acrux Software Web Site
カテゴリ:オーサリング系


ファイルタイプやクリエイタを変換するソフトを生成するユーティリティなどをリリース

The Macintosh Developer Center(TMDC)は、ファイルタイプやクリエイタを変換するプログラムを簡単に生成可能なアプリケーション「TMDC Droplet Builder」をリリースした。フリーで利用できる。ファイルタイプやクリエイタ、そしてリソースを削除するなどの処理を組み込んだアプリケーションを作成できる。たとえば、画像ファイルのファイルタイプやクリエイタを一括変更し、リソースを削除してプレビュー画像を取り除くといった処理を行うアプリケーションを、作成できるツールである。
また、「TMDC SysMenu」は、Finderやアプリケーションにメニューを追加し、そのメニュー項目を自由にカスタマイズできるといったユーティリティだ。$15のシェアウエアで、メニュー項目にはアプリケーションの起動やドキュメントを開くといった項目を追加できる。また、プラグインによりメニュー選択で行える機能を拡張でき、MP3プレイヤのAudionのコントローラや、プリンタを選択するといったものがすでに用意されている。

関連リンク:The Macintosh Developer Center
カテゴリ:ユーティリティ