Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年10月6日発行号 - MDOnline-iMac DVモデルが新登場



日本での深夜のイベント中継は、おおむね予想通りのiMacの新モデルでした。他には、Mac OS 9が米国では10月23日に出荷されることが正式に発表されました。iMacがハイエンドに広がるというのが総括になるでしょうけど、Power Mac G4の市場を食うのではないかと若干心配もしてしまいます。従来タイプのiMacも性能アップして$999というのもかなり意欲的ですが、ファンがなくなったことやCD-ROMがローディングタイプになるなど細かな改良は随所にあります。アップルのクリスマス商戦はiBookと新iMac/DVで備えができたというところでしょうか。日本での発売時期などはまだ公表されていません。

読者の方より、メールで配信する記事中にあるURLアドレスが長い場合に途中で改行されてしまうのを何とかしてほしいと御要望が寄せられました。おっしゃる通りです。ただ実はメールソフトを使って送信しているのではないため、設定等で改善できるものではなく、プログラムを修正する必要があります。今日、明日というわけにはいきませんが、なるべく早く改善いたしますので、大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


DV端子搭載のiMacと低価格iMacが新登場

「iMac DV」と、低価格化したiMacの2種類のiMacが、アップルの製品系列に加わった。日本時間で10月6日の未明に行われたイベントで、アップルのiCEOであるステーブジョブズ氏は新しいiMac製品群を発表した。350MHzのG3、64MBのメモリ、そしてRage128を搭載した高速グラフィックス、メモリ増設がやりやすい構造、ローディング方式のCD-ROMドライブを搭載した新iMacはさらに、ファンが存在しない静かなマシンでもある。価格も$999という意欲的なものだ。

さらに、iMac DVとして、FireWire端子が付属したiMacが発表された。4000MHzのG3を搭載しており、ローディング方式のDVD-ROMを搭載し、外部ディスプレイ端子を備えたいわばハイエンド向けiMacである。iMovieとして、ビデオ編集のソフトウエアも付属されるようだ。カラーも含めてデザイン的には従来と大きく変わるものではないが、Special EditionとしてPower Mac G4と同じグラファイトカラーのモデルも発売される。価格は示されなかった。

iMacはコンシューマ向けデスクトップという位置付けだが、FireWireはやはりデジタルビデオ編集という方向性を強く持ったハードウエアだけに、コンシューマ向けにこうした用途を想定した製品を投入することで、よりアップルらしい特徴を出すことが目的として感じられる。一方、低価格化は、エントリー向けの市場での競争力をより高めるという意欲を感じさせるものだ。iMacが登場して1年少しが経過したが、DVという新しい特徴を備えた製品が加わった。iMac DVはPower Mac G4の低価格機と微妙に競合しそうなスペックでもある。今まではDVビデオや大形ディスプレイを使いたいユーザーがPower Macintosh G3やPower Mac G4へと目が向いていたのが、こうしたユーザーはiMac DVへも注目するようにもなるだろう。iMacがいくらかハイエンドに伸びたものと、新しい製品系列は評価できるだろう。

関連リンク:Apple Unveils All-New Family of iMacs Featuring Desktop Video
カテゴリ:Macintosh本体, iMac


アップルがWebObjects 4のセミナーを開催

アップルは10月12(火)と、10月25日(月)に、WebObjects 4のセミナーを開催する。内容はWebシステムの現状、WebObjectsの製品概要、利用環境、競合製品との比較などについて、デモンストレーションとスライドを用いたセミナー形式で行われる。10:00〜16:00とほぼ1日がかりで行われるため、基本的なことから機能や可能性までを含めて、Web開発でWebObjectsが実際に使えるかを判断するには十分な情報量になるだろう。受講料は20,000円(消費税別)で、先着25名までとなっている。場所はアップル本社(東京・初台)48階セミナールームだ。以下のページにアクセスすると、セミナー受講申し込み用紙があるので、それに記入して、ファクスで事務局に送付する。電話は03-5334-2310、ファクスは03-5334-2871となっている。また、デベロッパー向けのトレーニングの情報や、11月以降のトレーニングやセミナーの予定も以下のページで参照できる。

関連リンク:Apple Enterprise-トレーニング
カテゴリ:開発ツールその他, WebObjects


クライアントでもダイナミックにドメイン名を割り当てるサービス

Webサーバーに接続するときなどのドメイン名は、ネットワーク管理者が決めたものを教えてもらって使うだけ・・・というのが常識だが、「Dynamic DNS Network Services」を利用すれば、IPアドレスの変化する自分の手元のパソコンに対しても、ドメイン名を割り振ることができる。また、社内のネットワーク管理者をわずらわさなくても、ドメイン名を持つことができるとも言える。しかも、このサービスはボランティア/アドバイタイズベースで運営されていてサービスの利用は無料だ。ドメイン名は、「XXXX.dyndns.org」(XXXXの部分を任意に指定できる)が代表的だが、他にいくつかのトップドメインが用意されている。その意味では「サブドメインを任意に取得できるサービス」と言うのが適切かもしれない。ただ単にドメインが得られるだけでなく、任意のIPアドレスに割り当てることができるのである。さらに、ドメイン名の登録ではMXレコードの登録までできるので、メールの受付までもできてしまう。

ある登録した一定のドメイン名を、そのつど変わるIPアドレスに対応させるのがこのサービスのポイントとなる。IPアドレスの通知にはいろいろな方法があるが、いちばん手軽なのは専用のクライアントソフトを起動時に立ち上げることだ。クライアントは各種プラットフォームのものが作られており、以下のアドレスに一覧がある。Mac版のものとしては「Mac DynDNS Client」や「Dynamo」がリストからみつかる。
http://www.dyndns.org/freedyn/clients.shtml
なお、これらのクライアントでは、マシンのIPアドレスを取得して、それをDynamic DNS Network Servicesのサーバーにある規定のCGIを呼び出して登録情報を更新するということを行っているようだ。

たとえば、ダイアルアップユーザーがてれほーだい時間帯だけ、自分のうちのサーバーをWebサーバーにして公開したいような場合、このサービスを利用すればドメイン名を持つことができる。社内ネットワークでも、自分の使っているパソコンにカメラをつなげて仕事中の自分の顔をWebキャストしたいというような場合にも、やはり一定のドメイン名を告げてアクセスしてもらうことが可能だ。DNSはこのサービスにたよって内部ではもういらないとしてしまうこともできるかもしれない。サーバーにはドメイン名があってもクライアントにはドメイン名がないという常識を覆すサービスとしてちょっと気になるサービスだ。Web共有を使って自分のパソコンで情報提供したいユーザーは触手が動くのではないだろうか。

関連リンク:Dynamic DNS Network Services
カテゴリ:サービス