iMac、Mac OS 9と大きな発表が今週はありました。また、Mac OS 9関連の情報がアップルから大量に出始めています。積み残しの情報は、追って記事としてお届けするようにします。新iMacの情報については、おそらく多くの読者の方がMacWIREなどの他のニュースレターなどをご覧になっていると思うので、それほど詳しい記事は作成しませんでした。MDOnline独自の視点での記事を予定しています。
10月7日の木曜日には日本で記者会見が開かれ、iMacやMac OS 9が正式発表されました。その記者会見では、糸井重里さんがゲストに招かれ、アップルの原田社長とのトークセッションが開かれました。いろいろ面白い話になったのですが、うなずかされたのは、いい映画が売れない理由です。映画の良さを理解できるような人は、たいがいは忙しく「いい映画が売れないのは困った状況だ」などと口走りながらも自分は年に1、2本くらいしか映画を見に行っていない。一方で、映画のビジネスを左右するようなしょっちゅう映画を見に行くような人はどちらかというと暇な人たちで、概してクリエイティブな世界とは無縁だというのです。これはある意味での「マス」な「メディア」では避けて通れない問題で、ビジネス面を考えればある種の媚びや落としを意図的にやらざるを得ないとも言えますが、それはクオリティを落とすということではありません。いずれにしても、現象としては理解できたのですが、どう解決をつけるかはあいかわらず課題のままですね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
CやC++などで開発するアプリケーションなどで、システムの機能を利用するために必要になる「Universal Interfaces 3.3a1」がリリースされた。Mac OS向けソフトウエアの開発に必要なヘッダやライブラリを含んでいる。CodeWarrior Pro5ではVer.3.2が組み込まれている。Ver.3.3a1をCodeWarrior Pro5で使うには、MacOS Supportフォルダ内にあるUniversalフォルダを、以下のリンクからダウンロードしたフォルダに置き換えるだけでよい。
Mac OS 9の新しい機能を使うソフトウエアや、あるいはCarbonに対応するアプリケーションを作成するには、Universal Interfaces Ver.3.3を利用する必要がある。このファイル群には、CarbonやCore Foundation向けのヘッダファイル、キーチェインなどの新機能に対応したヘッダファイルなども含まれる。ライブラリには「CarbonLib」も含まれている。また、ファイル名が変更されたヘッダもある。変更点や、あるいはCarbonやCore Foundationを使う方法については、リリースノートに記載されているので、まずはそれを参照すると良いだろう。
また、MPWのツールも、Mac OS 9に対応したものとして、Ver.3.5b2が配付され始めた(CodeWarroir Proに含まれるのはVer.3.4.3)。ダウンロードは以下のアドレスからできるようになっている。
http://developer.apple.com/tools/mpw-tools/
関連リンク:Universal Interfaces 3.3a1
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9
Mac OS 9の変更点や新しい機能について記載されたTechnoteの日本語版がいちはやく公開された。内容的には英語で公開された内容とおおむね同じだが、Palm Desktopの記述が削られているなど、日本向けにそれなりに修正はなされている。しかしながら、日本語版での留意点などを調べるには、もちろんこの文書で十分だろう。
関連リンク:Technote 1176:Mac OS 9
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米国時間の10月5日に発表されたiMacの新モデルは、日本では10月16日に出荷開始されることになった。同時にiBookも出荷され、iBookの出荷日がはじめて明らかにもされた。新iMacの価格は、iMacが\118,000、iMac DVが\148,000、iMac DV special editionが\178,000となっている。また、10月15日から31日まで有楽町西武でイベント「iWeek in SEIBU」が開催される。16日と17日にはハンズオンも開催されるので、ともかく早く触ってみたいという人は、足を運ぶと良いかも知れない。
関連リンク:アップル、新しいiMac 3モデルを発表
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Mac OS 9は、日本では10月30日に出荷されることが正式に発表された。日本語版だけでなく、英語版も出荷される。価格はいずれも\12,800で、10ユーザーパッケージは\121,600。なお、10月7日以降にMac OS 9以前のシステムがインストールされたMacintoshを購入したユーザー、あるいは10月7日以降にMac OS 9以前のシステムを購入したユーザーには、\2,500でMac OS 9を入手できる。従来ユーザーに対するアップグレードはアナウンスされていない。
以下のページで、Mac OS 9の新しい機能の概要が分かる。MDOnlineでは詳細を記事化できるようになった段階で、各機能の詳しいレビューをする予定だ。
関連リンク:製品&テクノロジーMac OS 9
カテゴリ:Mac OS 9
先日、CodeWarrior Pro5.2のアップデータが公開されたが、ダウンロードに時間がかかったり、途中でストップするなどうまくダウンロードできなかったユーザーも多いことだろう。このほど、株式会社ビー・ユー・ジーのftpサーバーでミラーリングを行い、そこからダウンロードできるようにもなった。日本国内でのインターネット利用者の場合、こちらのサーバーからダウンロードした方がスムーズにダウンロードできるだろう。以下のページ
関連リンク:CodeWarrior Professional Release 5
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Mac OS 9のLaserWriter8は、Ver.8.7となっている。そのLaserWriter8.7の変更点については、3つのTechnoteがリリースされている。それぞれの概要は以下の通りだ。
◇TN1177: Introducing the LaserWriter 8 Driver version 8.7
http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1177.html
LaserWriter 8.7の変更点の概要で、スクリプトと出力フィルタについては別のTechnoteがあるので、そちらを参照した方が詳しい。他に、フォアグランド印刷をさせる方法や、ColorSyncの出力プロファイルを選択できるようになったことなどが記載されている。
◇TN1178: LaserWriter 8.7: Scriptable Printing
http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1178.html
AppleScriptで印刷が可能なアプリケーションは多いが、いずれも、現状の設定での印刷はできるものの、用紙設定などの印刷ダイアログでの設定を、スクリプト側で指定することはほとんどできなかった。つまり、これらの設定を変更するAPIなどが用意されていないために、アプリケーションはユーザーの設定を記録するくらいしかできず、スクリプトコントロール外の世界だったのである。しかしながら、LaserWriter 8.7では、印刷枚数、開始ページなどの印刷ダイアログボックスで設定する内容をスクリプトプログラムで指定して印刷を行わせるということができるようになった。印刷ダイアログを表示しないでもできる。ただし、用紙設定ダイアログボックスにかかわる設定はスクリプト処理が定義されていないため、用紙を選ぶことはできないようだ。
ただ、この機能に対応するには、アプリケーションの改良が必要になる。AppleScriptのprint命令にパラメータが増え、そのパラメータにprint settingsクラスの値を指定する。したがって、aeteの修正に加え、printイベントの処理プログラムで、増えたパラメータを取得して、それらを正しく設定する処理を組み込まなければならない。AppleEventから設定に必要なプリントレコードの取得については、プログラム例や関連したTechnoteへのリンクが用意されている。
◇TN1179: PostScript Output Filters For LaserWriter 8.7
http://devworld.apple.com/technotes/tn/tn1179.html
LaserWriterドライバからプリンタへ送られるデータに対するフィルタを、ソフトウエアとして作成することができるようになった。プリンタへ送るデータを追加したり、変更したりということができる。システムフォルダの規定のフォルダにインストールすることで使えるプラグインとして、ソフトウエアを作ることができる。プラグインをインストールすると、それを使うかどうかを印刷ダイアログボックスで選択できる。実際の画面が示されている。また、文書の大半はプラグインを作る時に必要なAPIの解説である。プリンタに送るデータの取り込みや書き出し、印刷ダイアログボックスでの動作を行うAPIなどが用意されている。
カテゴリ:周辺機器, Mac OS 9, Technote
Tech Info Libraryに「58479:iBook: Where to Find Nanosaur」という文書が公開された。恐竜が卵を集めるゲームで、滑らかでリアルな動きで人気のあるNanosaurがiBookにはインストールされていない。しかしながら、インストールCD-ROMのApplicationフォルダに、Nanosaurのフォルダがあるので、自分でインストールすると使えるようになるとのことだ。
関連リンク:iBook: Where to Find Nanosaur
カテゴリ:iBook, Knowledge Base(旧TIL)
Tech Info Libraryに「25018:PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): Serial Device On S-Video Port」という文書が公開された。PowerBook G3にはシリアル端子はないものの、S-Video端子に間違えてプリンターやLocalTalkアダプタを接続してしまうこともありうる。その場合、起動時にS-Video端子に機器が接続されているものと認識して、液晶画面表示がおかしくなってしまう。つまり、S-Video端子にディスプレイがつながれているものとして起動してしまう。端子からコネクタをはずしていったんスリープさせて復帰させると、液晶画面表示は元に戻る。
関連リンク:PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): Serial Device On S-Video Port
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook
Tech Info Libraryに「31105:Mac OS X Server: Groups Cannot Be The Owner of Share Points」という文書が公開された。Mac OS X ServerのAppleShareサーバー機能において、共有するフォルダの所有者を、既存のグループ名に設定しようとしたが、できないとエラーがでる。これは、機能的な制約でできない。DSDに由来する制約である。ファイルのアクセス権ではそうした設定ができるが、AppleShareサーバーはファイルに対するアクセス権の設定には対応していない。
関連リンク:Mac OS X Server: Groups Cannot Be The Owner of Share Points
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X Server
Tech Info Libraryに「58472:iMac (Slot Loading): Read Me」という文書が公開された。10月に新発売された、CDドライブがスロットロード式の新iMacに入っているRead Me文書がそのまま読むことができる。基本的な内容ではあるが、製品についての概要を知ることができる。気がついたところでは、新iMacを、Mac OS X ServerのNetBootによって起動するには、Mac OS X Server側のMac OSシステムの更新が必要になるということだ。
関連リンク:iMac (Slot Loading): Read Me
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iMac
Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年10月6日および7日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。
31100:Mac OS X Server: Resetting AFP, and QTSS Defaults Stored in NetInfo
25000:Apple DVD Player: "Disc may be dirty or scratched" Error Message
25014:AppleShare IP 6.2: Setting Up Home Directory Folders
31106:WorldScript: 1-byte and 2-byte Script Systems Explained
8300:Desktop Macintosh Computers: How Much Mass (Weight) Can They Support?
11882:Macintosh: Specifications of Metal Enclosures
12917:VGA Monitors: Which Macintosh Models Are Compatible
4815:Macintosh: Scan Rates for Monitors
16386:PowerBook: Cable Compatibility
2532:Macintosh Computers: ROM Version Numbers
17121:Power Macintosh: Bus Speeds
22167:Apple Hard Disk Driver Matrix
14117:Modular Macintosh: Power, Reset & Interrupt Buttons
11762:Macintosh: VRAM Chart
16385:Macintosh: Cable Compatibility
11497:Apple Color Monitors: Cause of Thin Horizontal Line(s)
12345:Energy Star: Registered Apple Products
58477:Using Startup Manager to Select Startup Device
58478:iBook: Embossed Image on Battery Cover
20434:Memory Configurations: Power Macintosh
24532:iMac: How To Force a Restart
58470:iMac (Slot Loading): Different Functionality for Power Button
58015:iMac: Apple USB Mouse and Keyboard
58029:Mac OS: Startup Key Combinations For Troubleshooting
58016:iMac: Power Light Indicates Status
58280:About Your Dual Channel Ultra2 LVD SCSI Card
58245:About Your Ultra SCSI PCI Card
58204:Power Macintosh G3 (Blue and White): SCSI FAQ
58256:Power Macintosh G3 and G4: Differentiating Between Available SCSI Cards
18731:System 7.5.3 and Physical Ethernet Address Change
43032:Troubleshooting Handbook: Contacting Apple for Help
31011:PowerBook, iBook: Using with Mobile Cellular Phones
58474:iMac (Slot Loading): Technical Specifications
72624:Porting WebObjects Applications to Unix Deployment Platforms
70037:WebObjects Current Patch List
70100:WebObjects 3.5.1 Patch 4 Overview
70090:EOF 2.2 User Patch 3 Overview
43015:Transferring Information Between Computers With Ethernet
58164:iMac: CD Not Recognized
58173:iMac: CD Firmware Update Required For Some M6709LL/B
11751:Macintosh Family: Batteries and Part Numbers
43022:Creating a Small Ethernet Network in Your Home or Office
58444:Tech Info Library: Advanced Search Techniques
43080:Tech Info Library Archive: Contents
18095:Drive Setup: Compatible with Which Computers?
58466:iMac (Slot Loading): Upgrading Memory
58412:iMac: How to Resolve Intermittent Pause During Usage
22104:Tech Info Library: Basic Search Techniques
58143:iMac: CD Firmware Update Disables CD Access Light
16473:Mac OS: Troubleshooting Startup Issues
30713:iMac: Changing Internet Setup Assistant Configurations
43040:Emergency Handbook: Problems with Hard Disks, CDs and Other Storage Media
22230:iMac: Where is the PPP Control Panel?
14870:Memory Configurations: Portables & PowerBook
20435:Memory Configurations: Servers
6784:Memory Configurations: Other Desktop Macintosh
9095:Macintosh Computers: Gestalt ID Codes
24661:Mac OS: Flag In Menu Bar
14750:Power Macintosh: L1 and L2 Cache Explained
9687:LW Driver and System SW: Recommended Combinations
15881:Macintosh: Monitor and Video Chart (4 of 4)
11131:Macintosh: Monitor and Video Chart (1 of 4)
15879:Macintosh: Monitor and Video Chart (3 of 4)
17055:Macintosh Family: Upgrade History
15878:Macintosh: Monitor and Video Chart (2 of 4)
8647:Macintosh: File System Specifications & Terms
また、以下のTech Info Libraryは新規に公開されたものだが、表記のメーカーへの連絡先が記載されているだけのものだ。
25015:Ericsson
25016:Nokia
関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)
MacsBugのバージョンアップ版が登場した。バージョン番号はVer.6.6f2c2で、Ver.6.5.4a6であった。新バージョンはMac OS 9に対応しているが、Mac OS 9では旧版ではなくこのVer.6.6を利用しないと使えないものと思われる。また、MacsBugは従来はキーボードからコマンドを打ち込む形式であったが、マウス操作も可能となとなっている。MacsBugに入って「set menubar on」とコマンド入力するとメニューバーが登場し、マウス操作でデバッグ作業ができるようになっている。AltiVecにも対応している。なお、以下のページのリリースノートは、この原稿の執筆段階ではまだ公開されていなかった。
関連リンク:MacsBug 6.6f2c1
カテゴリ:開発ツールその他, Mac OS 9
Mac OS 9には、HFS+APIという新しいファイル処理のシステム機能が加わっている。この機能を使うと、HFS+の特徴を十分に出すことができ、UNICODEで255バイトまでのファイル名で処理することができる。ただし、既存のアプリケーションは従来のファイル処理機能を使うため、31バイトまでの制約は残る。Finderも同様で、通常使う上では31バイトの制約は今後も残ることだろう。
しかしながら、もう少し待てばHFS+APIを使うアプリケーションが登場する。Mac OS Runtime for Java(MRJ)の次期バージョン、Ver.2.2のJavaコンパイラ(javac)などが、HFS+APIを利用するようになっていることが、MRJのメーリングリストで明らかになった。Javaのソースファイルやコンパイル結果のファイルは内部クラスのサポートを機に、31バイトを超える長さになるものが一般的になっていたため、Javaのプログラム開発はMac OSではいろいろと制約があった。その制約をHFS+APIを使って解決するというのが、MRJ 2.2での「ロングファイル名対応」の実態だったわけだ。なお、現在MRJ 2.2ea2が配付されているが、Mac OS 9では使わないようにとの指示がある。たぶん、次のEA版くらいで実際に利用できるようになるものだと思われる。
ただし、こうして31バイト名を超えるコンパイル結果のファイル名も、Finder上では31バイトに切り詰められて表示されることになる。また、開発ツールのCodeWarrior自体がHFS+APIに対応しないと、CodeWarriorでの処理結果ファイルは31バイトまでのファイル名の制約にひっかかることになる。MRJのコンパイラ(MRJ SDK)だけがロングファイル名に対応しても、それほど大きなメリットではないかもしれないが、Mac OSの最大の弱点が克服される瞬間を体験したいのでれば、MRJ SDK 2.2を使ってみよう。おそらく作業的には、ロングファイル名のコンパイル結果を、31バイトまでの長さのJARファイルにまとめるという風にできるものと期待できる。従って、MRJ SDKでの開発作業が今までに比べていくらかスムーズになることも確かである。
なお、FinderがHFS+APIに対応する可能性については、かなり否定的なようだ。AppleはMac OS Xに忙しく、Mac OS 9系列のFinderに大幅に手を入れる気配はない模様だ。
カテゴリ:Java, Mac OS 9, Mac OSテクノロジー