Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年4月17日発行号 - スクリプトを実行するアプリケーション



この前の土曜日、与野にある書楽という大きな書店に行きました。できたときは売り場面積日本で2番目というのがうたい文句だったのですけど、最近は言っていないし、当時から嘘だ説はよく言われていたのですが、まあ、埼玉地区ではかなりたくさん書籍があります。コンピュータ関係でも、長い裏表の棚が4列ほどなので、かなりのものです。もちろん、書泉とかにはかないませんが…。いつぞやの「インターネット事件と犯罪をめぐる法律」を買いに行ったのですが、それはないのに4年前のインターネットの法律の本があるあたりでだいたい業界の方は品揃えを想像できるとは思います。まあ、それはいいのですが、当然、棚の半分ほどの片面だけですが、Macintoshコーナがあります。なんとそこでは誰も立ち読みしていないのです。人が多かったのはUNIX関連、Visual Basic関連、それから雑誌コーナです。アプリケーションはまばらでしたけど、Macのコーナは「大丈夫か!」と思うくらい人が集まっていません。ただ、安心したのは、Windowsのコーナも同じように人が集まっていないのです。安心していいかどうかは別にして、書籍へのニーズという点では確かに今のMacの状況だと厳しいのかもしれません。だけど、実際のところどうなんでしょうか。Macintosh関連書籍もMac OS Xを睨んで出版を控えているところもあるかとは思いますが、現時点で読者が欲しい情報の書籍が提供できていないというのは確かにあるかと思います。自省も含めて、何とかしたいと思っています。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


シェルスクリプトやPerlのスクリプトをそのままFinderで使えるアプリケーションに

Wilfredo Sanchez氏は、シェルスクリプトやPerlのプログラムなど、コマンドラインで起動するようなスクリプトから、Mac OS XのFinder上で利用できるアプリケーションを作成するツール「DropScript 0.3」公開した。1つの使い方としては、次のような感じになる。
まず、たとえばTextEditなどを使って、シェルスクリプトやPerlのプログラムを作成しておく。シェルスクリプトは、1行目に「#!/bin/sh」が必要だ。スクリプトのファイルは、たとえばtest.shのようなファイル名で保存しておく。.shが一般に使われるが拡張子はなんでもかまわない。そして、そのスクリプトのファイルをDropScriptにドラッグ&ドロップする。すると、スクリプトと同じフォルダ位置に、たとえばDroptestのように元ファイル名の前にDropをつけた名前のアプリケーションができる。そのアプリケーションに、テキストファイルなどをドラッグ&ドロップすると、もとのファイル(ここではtest.sh)のスクリプトを実行する。元ファイルは特に実行権限などはつけなくもかまわない。スクリプト内の$0、$1などの位置パラメータは、作成したアプリケーションにドラッグ&ドロップしたファイルへのフルパス名が代入されている。たとえば、ドラッグ&ドロップしてきたファイルを、特定のディレクトリにあるファイルにアーカイブするといったアプリケーションは、シェルスクリプトを利用することで比較的簡単に作成できる。DropScriptはアプリケーションだけでなく、Project Builderのプロジェクトを含むソースコードも含まれている。アプリケーションはCocoaベースだ。
なお、作成したアプリケーションへファイルをドラッグ&ドロップしないで、単にアプリケーションをダブルクリックした場合には、スクリプトは実行されない。その代わり、メニューからファイルを開くと、そのファイルへのパスを引数に取ってスクリプトが実行される。単に引数のないスクリプトを実行するという場合には、ソースコードを少し修正することで対処できそうだ。オリジナルと違う形式のスクリプト実行アプリケーションを作成する場合には、ソースをコピーし、プログラムを修正する。ソースに含まれるScriptというファイルに、実際に実行するスクリプトを記述すれば良いだろう。もちろん、アプリケーション名やアイコンなども自由に差し換えることができる。そしてビルドをすると、スクリプトを単に実行できるアプリケーションができる。(実際に動くものをは筆者の手元ではあるのだが、中途半端なできでテストも不十分だと思うので、ここでは紹介を控えさせていただく。知りたい方は、筆者まで連絡していただければお伝えしよう。)また、ドラッグ&ドロップで稼動させるアプリケーションを作る場合でも、アイコンやアプリケーション名を独自のものにしたいのなら、やはりソースから作業をするのがやりやすいだろう。

関連リンク:DropScript 0.3
カテゴリ:開発情報


Browsing Mac OS X》StickiesファイルのありかとGraphicConverter再考

Mac OS XでのStickiesのデータを納めている場所が分からないと昨日配信した記事で書いたが、読者のlavandeさん、所河さん、masyさんよりメールをいただいた。ちゃんとファイルに保存されている。ホームディレクトリの下のLibraryフォルダに、.StickiesDatabaseという名前で保存されている。.ファイルの名の頭にあると、Finderでは表示されなくなってしまう。したがって、Sherlockでも検索されないというわけだ。不覚を取ってしまったが、実はいちおう、ホームディレクトリまではls -aで見た。Libraryには見えるファイルで、Stickiesでのファイルを開くダイアログボックスのパスがあったりして、そのあたりで見えないファイルであることが頭からすっかり抜け落ちてしまったという次第だ。お知らせいただいたみなさんにお礼を申し上げたい。

これだけだと記事としては寂しいので、もうちょっと書こう。以前、GraphicConverterがCarbon化したけど、動作不良が多く使いづらいと書いたことがある。もちろん、バグがない状態が望ましいのではあるが、GraphicConverterがダメだとは思っていない。やはり、いちはやくCarbon化している点は高く評価したい。一括変換などは使い物にならないが、いちおう他の機能も使ってみた。TIFFファイルを開いてトリミングするというあたりの作業は問題なく利用できるので、実際に使ってみた。Mac OS 9.1まででも同じように使っていたが、アプリケーションメモリを多大に取って作業するしかなかった。いくつかの画面ショットを見比べながら原稿を書くと言うのがルーチンワークとしてやならないといけないからだ。しかしながら、Carbon版をMac OS Xで使う限りは、そうしたメモリの上限はほとんど意識しなくてすむ。もっとも、今までならディスクの空き容量を気にしなければならなかったが、ディスクへの再インストールでその必要がなくなったのは昨日の記事の通りだ。そうした画像のトリミング作業は問題なくCarbon版でできるだけでもやはり大きくメリットはあると言える。だが、PICTデータの扱いに問題がある。PICTファイルを開くと白黒2値になるのだが、QuickDrawの扱いがやはりMac OS Xで微妙な違いがあることにひっかかっているのかもしれない。また、画像のコピー&ペーストもPICTベースで行っているためか白黒2値になる。そのあたりの機能は使えないが、いずれにしても一定の作業はできるようになった。もちろん、Classic版のGraphicConverterも併用して使うという具合ではある。

カテゴリ:Browsing Mac OS X


ADC Select会員のディスカウントは4月20日まで

Appleは、開発者向け会員組織ADC(Apple Developer Connection)のSelectの会費を$400にディスカウントしている。ただし、2001年4月20日までの特典である。ADCには、Premier、Select、Online、Milling、Studentの会員があるが、いずれも機密保持を含む契約書に同意する必要がある。会員の権利は1年間となっている。Selectの特典はまずはSoftware Seedingというサービスで、リリース前の各種のソフトウエアを試用することができる点だ。また、さまざまなソフトウエアを割り引き購入できるが、たとえばWebObjectsの開発版を$399で購入することができる。ほかには、Mac OS X Server、WWDC 2000のセッションを納めたDVDなどがある。また、技術的な質問に答えるサービスを2回受ける権利もある。WWDCの割り引き特典もあるが、4/20までは通常の価格が$1595のところを$1395となっている。なお、WWDC 2001のチケットと、Select会員の入会を同時に行えば、$1795となり、同時申し込みも受け付けている。
Premierは年会費$3500と高価だが、Selectの内容以外に、WWDCのチケットの提供や、ハードウエアの割り引き購入、8回までのサポート、WebObjectsの提供などのサービスも含まれる。WWDCへ必ず行き、技術サポートもたくさん受ける必要があるのなら、決して割高ではない。一方、Selectはそこまでの費用はかけられないけど、十分な情報収集がしたいという場合には、決して高い金額ではないだろう。日本で言えば、新聞の年間の購読料とそれほど変わらない値段である。

関連リンク:Get Mac OS X and Go
カテゴリ:サービス


Mac OS Xのシステムの整理を手動で行うユーティリティや、ファイル管理のユーティリティ

Brian Hill氏によるMac OS Xのユーティリティをいくつか紹介しよう。

◇MacJanitor
http://personalpages.tds.net/~brian_hill/macjanitor.html
Mac OS Xのコアシステムでは、さまざまなシステムログなどをテキストファイルに残しているが、それらは未明の時刻に実行されるスクリプトによって古い情報などを削除している。そうしないと、ログが非常に大きいファイルとなってしまう可能性もある。たとえば、毎日3:15にそうしたスクリプトが実行する。しかしながら、通常はその時間帯はMacを起動していないことが多く、スクリプトが実行されない。フリーウエアのMacJanitorは、こうしたスクリプトを手作業で稼動させるユーティリティだ。また、アプリケーション起動時に自動的に実行させることもできる。

◇xFiles
http://personalpages.tds.net/~brian_hill/xfiles.html
ファイルタイプやクリエイタなどのファイル属性を表示し、変更できるユーティリティだ。その意味では、Mac OSでのFileBuddyを思わせるユーティリティでもある。また、ファイルのビューア機能もあり、分割ウインドウでファイル一覧とファイルの内容が参照できる。$20のシェアウエアで、Kagi.comで支払いができる。

◇Pseudo
http://personalpages.tds.net/~brian_hill/pseudo.html
アプリケーションを実行すると、通常はログインしているユーザとして実行されるが、Pseudoを使えば、システム管理者すなわちルートの権限でアプリケーションを実行することができる。$15のシェアウエアだ。通常の利用では必要性はあまりないと思われるが、システム管理をするような場合、今後こうしたユーティリティを使うと手軽に作業ができるようになるのかもしれない。

他に、ファイルの暗号化ツールのPuzzlePalace、ファイアーウォールを構築するBrickHouse、Mac OSのランチャーのようなLauncherも、現在公開中である。

関連リンク:Mac OS X Software
カテゴリ:ユーティリティ


Adobe Photoshop Elementsは2001年5月に発売、これで十分なユーザも多いかも

アドビシズテムズは、Photoshop LEの後継版である「Adobe Photoshop Elements」を2001年5月18日より発売する。価格は9,800円で、Photoshop LEやPhotoDeluxユーザは7,800円の優待販売が可能だ。Web作成やデジカメ写真といった使いこなしレベルの高いユーザに対する商品として売り込む。プロ向けのPhotoshop、ビジネスユーザやプロシューマのElementsといった切り分けが想定できそうだ。ちなみに、Photoshopでないと利用できない機能としては、CMYK分解やアクションがある。これらの機能を必要としないようなユーザはElementsでも十分だと言えるだろう。
利用者に対するガイダンスの機能を強化し、より使いやすくなるような機能もElementsには存在する。また、複数の画像を1つにまとめてパノラマ写真を作成するPanomergeの機能や、ファイルブラウザ、フィルタブラウザ、iモード用画像作成といったElementsにしかない機能もある。ドロップシャドウを簡単に作ったり、シェイプツールでまとまったグラフィックスを簡単に作ったり、レイヤを使ってアニメーションGIFを作るなど、Web画像作成機能としても、ImageReadyを補完する部分もある。また、Elementsを開発するにあたって、Photoshop LEのユーザを対象に調査をしたところ、複数回の繰り返しややり直し、印刷プレビュー、印刷時のレイアウトを設定できる機能にニーズが高かったことから、これらの機能も組み込んである。印刷レイアウトはマージンなどをドラッグ&ドロップで設定できるなど、使い勝手にも配慮したものとなっている。

関連リンク:アドビ システムズ 株式会社がプロシューマ向けにAdobe(R) Photoshop(R) Elements日本語版を発表
カテゴリ:グラフィックスアプリケーション