Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年10月9日発行号 - MDOnline-iMac DVはネタになる?



今週は土曜日にもMDOnlineを発行しますが、振り替え休日の10月11日は休刊日とさせていただきます。今日は、新iMacのDV機能が、デベロッパーやサービス提供者にどんなネタを提供してくれるのかを少し考えてみました。

土曜日に近所のパソコンショップに行ったのですが、さすがにまだ旧版のiMacが展示されていました。だけども値段については何も表示されていなく、単に展示しているだけでした。ジェフゴールドブラムが登場するビデオが延々と流されていました。「iBook予約受付中」のはり紙はありましたけど、さすがに16日まではショップはマック販売に関しては開店休業なのかもしれません。もっとも、予約の入金処理はあるでしょうけど・・・。


(新居雅行 msyk@mdonline.jp


iMac DVは“ネタ”を提供してくれるのか?

新しいiMacの製品系列になり、CPUや内部バスなどの基本部分をはじめ、全体的に性能アップが図られた。しかしながら、やはりいちばん目立つのはDV端子を装備し、デジタルビデオ編集という利用が明確にできるようになったという点だ。もちろん、エンドユーザーがより手軽にDV編集ができるようになるということは明白だが、デベロッパーあるいはサービス提供者にとって、DV対応がどのようなネタを提供してくれているのかを考察してみた。

まずはiMovieが標準で搭載されている点を軸に考えてみよう。iMovieはムービー編集を簡単な操作でできる。DVカメラを接続して、クリック1つで映像をムービーとして取り込める。それをドラッグ&ドロップでトラックに配置し、映像的なエフェクトも簡単に設定できる。編集結果をムービーとして保存することはもちろん、DVカメラに書き戻すこともできる。つまり、「簡単映像編集ソフト」はすでにiMac DVに組み込まれている。言い換えれば、デベロッパーからiMac DVユーザー向けに簡単映像編集ソフトを開発して売り込むという余地は非常に少ない。その種のコンセプトの製品は相当なアイデアが求められるだろう。
一方、より高度な編集をしたいユーザーが出てくるのももちろんだ。この分野では、AdobeのPremier、After Effectsという巨大な勢力がいるので、一般にはこうしたソフトに目が向くことになる。しかし、高い。そこで、そこそこの編集機能を持った比較的安価な映像編集ソフトというのは、iMac DVユーザーに訴求する可能性は持っている。ただし、オーサリングソフトでDirectorが君臨し、ミドルレンジの製品がある時期一気に市場から姿を消したことを考えれば、かなりリスキーな市場であることは間違いない。それに、Premierが高いとは言え、DVビデオ自体がけっこう高いので、購買層が必ずしも割高感を持つとは限らないと思う。そうなるとPremierとの比較で安いことで売り込むには難しい面もある。

それでは、iMac DVのデジタルビデオジャンルにデベロッパーが入り込む余地はないのかというと、そうでもないと思われる。Premierまでは手が届かないというユーザー層を想定した一般的な編集ソフトをQuickTimeベースで開発するという正攻法では、価格や何か魅力的なちょっとした機能などをうまく折り込めば訴求力は出てくる可能性がある。別の方向性もある。ビデオからみの編集以外の用途をソフトウエアとして供給するという路線だ。たとえば、デジカメブームを見れば、レタッチの需要もなくはないが、もっと高い需要はデジカメ写真の整理ソフトだ。デジタルビデオも、作成したムービーやあるいは素材を整理するというソフトが、ニーズとして出てくることも十分に考えられる。
さらに考えれば、DVビデオで撮影したテープ自体の整理ソフトも作れないだろうか。DVビデオのデータをスキャンして、一定時間ごと、あるいは場面が大きく変わるタイミングで、つまりはDVテープのサムネールを作るようなソフトだと、需要があるかと思われる。あるいは発想を変えてDVカメラから静止画ファイルを作るソフトというのはどうだろうか。もちろん、ビデオ編集ソフトを使えば作れなくはないが、DVカメラで撮影した映像を簡単にショットできるというのは、WebページではムービーではなくJPEGファイルをアップするのが常套手段と考えれば、用途としての需要はそこそこあると思われる。
こうした、ビデオ編集という直接的ではなく、補助作業、あるいは関連した作業にかかわるソフトウエアはいくらでも参入余地があると言えるだろう。

一方でサービス系はどうだろうか? たとえば、iMac DVを見たパソコン系出版社の編集者なら、誰でも「iMac DVでデジタルビデオ三昧」みたいな書籍の企画は思い付く。出版界的に言えば、あとは誰がいちばん早く書いてくれるか・・・みたいな世界に入って行く。筆者になりたい人にとっては今こそ出版社への売り込み機会でもあるのだ。
ホームページではどうだろうか。「iMac DVでデジタルビデオ」というテーマのWebページを画策している方ももういらっしゃるだろう。いずれにしても、サービス提供相手は、プロの映像制作者よりも、家庭ビデオ編集者が多くなることが予想されるため、たとえば有償サポートサービス的なビジネスは成り立ちにくいと思われる。ただ、Webページを作り、ニュースやチップス、ノウハウなどを充実して提供して購読者がついた場合には、広告というのものが比較的取りやすい世界ではないだろうか。というのは、DV機器メーカーの数も多く、またショップ系も見込むことができる。そこまでを目指してWebページ展開するというのも、もちろん大変ではあるし、絶対にスポンサーがつくとは限らないものの、現在での有力なネタであることは間違いないだろう。もちろん、メーリングマガジンのネタとしても有力になるだろう。

さて、DVビデオは別にMacintoshだけの特徴ではない。VAIOはさすがにソニー製品だけあって早くから対応していたし、DVを軸にしたパソコンがどんどんと新発売されている。そのような中、iMac DVは、やはりMacintoshそしてQuickTimeのこれまでのデザイン分野での実績がものを言うため、存在感は高いし、なんと言っても価格競争力がある。「デジタルビデオはiMac」という定評が定着するくらいになると、デベロッパーやサービス提供者としての活動のベースにもなる。そうした状況を期待したいが、十分ありうる話ではないかと考える。

カテゴリ:業界動向, iMac


iMovieはDV専用、高解像度向けに作られている、など

Tech Info Libraryに、iMac DV/special editionに組み込まれるムービー編集ソフト、iMovieについての文書がさっそく4つも追加された。iMovieの制約事項が紹介されており、iMovieの限界を知るには必須の情報だろう。

60561:iMovie: Can’t Import Non-DV QuickTime Movies
iMovieはDVビデオ専用のため、DVではないムービーは読み込むことができない。他のアプリケーションなどで作ったムービーを利用したい場合、QuickTime Pro上でQuickTime Playerなどを使い、ムービーを開きそれをDVストリームとしてExportして新たなムービーを作る。この方法については手順が閉められている。そうして作ったムービーは、iMovieに取り込むことができる。

60562:iMovie: Files Split At 1.9 GB When Capturing Clips
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60562
Mac OS 8.Xでは、ファイルのサイズは2GBまでという制約があるため、一度に録画できるムービーの長さもこれに依存する。従って、1つのファイルへの取り込みは約9分までしかできない。ただし、iMovieはそれより長く取り込みをした場合でも、ファイルを分けて続けて取り込みを行うようになっている。

60563:iMovie: Shelf Spaces Available With Different Monitor Resolutions
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60563
iMovieは画面の解像度に依存した動作をする。基本的には1024×768ドットの画面で使うことを想定しているが、800×600でも利用できなくはない。640×480ではiMovieは起動しない。800×600の場合には、ムービーをストックするスペースが少なくなるが、高解像度で取り込んだムービーを利用する時にエラーが出る。こうした動作を避ける設定についても記載されている。

60565:iMovie: Transition and Title Clip Progress Bars
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60565
トランジション効果やタイトルクリップのムービー生成時のプログレスバー(作業の進行状況を表示するバー)は、ダイアログボックスで表示されない。Clip Viewerのトランジションなどを示すボックスの中に、赤いバーのプログレスバーが表示される。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), QuickTime, iMac


Sherlockでの索引削除、非表示ファイルの検索

Sherlockでの索引作成に対するトラブル対処、そしてファイル検索機能で非表示ファイルやカスタムアイコンを持つものを検索する方法に関する文書が公開されている。同様な機能の漢字Talk 7.5でも利用できるので、そのことも記載されている。なお、ここでのSherlockの操作方法は、Mac OS 8.6までのもののようだ。

24976JC:Sherlock :「内容で検索」の索引作成に関する問題
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=24976JC
Sherlockでの内容で検索の処理が、索引ファイルが正しく作成されていないためにうまく動作しないことがある。まず、Disk First Aidなどを使って、ドライブ自体の内容の整合性が正しく取れているかをチェックする必要がある。さらに、場合によっては索引ファイルを削除して、再度作成しなおす必要がある場合もある。索引ファイルの削除方法が手順で詳しく説明されている。索引ファイルはボリュームに非表示のフォルダを作って保存されているので、Sherlockで探し出すことはできるが、設定は工夫が必要となるので、この文書を見てやり方をチェックしてほしい。

24986JC:Sherlock のファイル検索 : 目に見えないファイルやフォルダを検索する
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=24986JC
Sherlockでファイル名の検索を行うとき、optionキーを押しながら「名前が」などの検索条件のいちばん左のポップアップメニューをクリックして表示すると、名前やアイコンがロックされたもの、非表示のもの、カスタムアイコンを持つものを選択することができる。

16989JC:漢字Talk 7.5 : ファイル検索の特別な検索条件について
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=16989JC
漢字Talk 7.5でのファイル検索機能において、非表示ファイルやカスタムアイコンを持つファイル、あるいはファイルの内容に対する検索ができるようになっている。optionキーを押しながら「名前が」などの検索条件のいちばん左のポップアップメニューをクリックして表示するとこれらを条件として指定できるようになっているのだが、マニュアルなどには記載していない機能である。

カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS 8


Power Mac G4でのドライブとモデムについて

Tech Info Library-Jに、Power Mac G4に関する以下の文書が公開された。技術的なスペックに関するものだ。

58429JN:Power Mac G4 (PCI Graphics) : CD-ROM、ハードディスク、ATA バスに関する情報
PCIグラフィックスタイプのPower Mac G4の、CD-ROMやハードディスクの技術仕様がまとめられている。転送レートや、Ultra-ATA/33による33MHzのバススピードであることなどは参考になるかも知れない。

58432JN:Power Mac G4 (PCI Graphics) : 内蔵モデムの仕様
http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/WebObjects/TechInfo.woa/wa/showTIL?id=58432JN
AGPグラフィックスのPower Mac G4では、オプションでモデムを接続できる。V90およびk56flex対応であるが、モデムボードは本体に接続するものと背面に取り付けられるものの2つに別れている。モデムボードは、DSP(Digtal Signal Processor)とDAC(Digital Analog Converter)で構成されている。なお、タイトルではPCIグラフィックスモデルとしてあるが、これは誤訳である。

カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac


Mac OS 8.6でFirstClassを使うには

Tech Info Library-Jに「24996JN:Mac OS 8.6 : FirstClass Client には Font Update が必要です」という文書が公開された。SoftArc社のグループウエアソフトFirstClassのクライアント版をMac OS 8.6で起動するとタイプ2のエラーが出る。これを回避するためには、Font Manager Update 1.0をシステムに適用する必要があることが書かれている。Font Manager Update 1.0のダウンロードページへのリンクなども設定されている。

関連リンク:Mac OS 8.6 : FirstClass Client には Font Update が必要です
カテゴリ:Tech Info Library-J, Mac OS 8


PowerBook G3シリーズでデジタルオーディオ処理は要注意

Tech Info Library-Jに「24985JN:PowerBook G3 Series : オーディオ CD 読み込み時にデータが壊れる問題について」という文書が公開された。PowerBook G3シリーズで、QuickTime Playerを使いCDオーディオのデータを読み込んでいる時に、別のアプリケーションがハードディスクにデータを書き込むと、ハードディスクに書き込まれるはずのデータが壊れているとうことが報告されているとのことだ。ブロンズキーボードタイプのPowerBook G3では発生しない。原因は究明中であるとのこと。デジタルオーディオ関連のアプリケーションの使用が関係している可能性があるということで、この種のソフトを使うときには別の作業をしない方がいいかもしれない。

関連リンク:PowerBook G3 Series : オーディオ CD 読み込み時にデータが壊れる問題について
カテゴリ:Tech Info Library-J, PowerBook


Apple プリンタユーティリティでAppleShare IPの管理

Tech Info Library-Jに「24978JN:Apple プリンタユーティリティ : AppleShare IP のプリントキューにアクセスする方法」という文書が公開された。Appleプリンタユーティリティを使って、AppleShare IPで管理しているプリントキューにアクセスすることができるが、機能は制約されることがあること。また、場合によってはセキュリティが設定されているために、キューを利用することもできないということが書かれている。

関連リンク:AppleShare IP のプリントキューにアクセスする方法
カテゴリ:Tech Info Library-J, サーバー製品


1999/10/8付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年10月8日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

70067:WebObjects 4: Using OptimizeIt! With WebObjects
58472:iMac (Slot Loading): Read Me
58055:iMac: Hole in I/O Door Not For Cables
58042:Macintosh: Blinking Question Mark at Startup
31086:Apple Software Install and Apple Software Restore: Differences
58182:Power Macintosh G3 (Blue and White): RAM Specifications and Maximum Configuration
70048:WebObjects and OPENSTEP Year 2000 Technical Tips
25017:Power Macintosh G4 (PCI Graphics): 10.2GB Hard Drive Issue

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)


iBookで起動時にEscキーを押した場合の動作

Tech Info Libraryに「58480:iBook: When to Use the Escape Key During Startup」という文書が追加された。iBookのEnegy Server(省エネルギー設定のこととと思われる)では、スリープ時にRAMの中身をファイルに保存しておくオプションを設定できる。これにより、バッテリを使い切った場合でも、作業中の状態を保存できる。次に再起動するときに、保存されているファイルの内容をRAMに書き戻して、スリープ前の状態に戻すようになっている。ただし、起動直後にEscキーを押しておけば、ファイルからの取り込みはキャンセルされる。RAMの中身を保存ファイルがあるために正しく動作しない場合などでは、起動時にEscを押せばよい。ただし、ファイル自体が消去されるので、保存されたRAMの状態も消えることになる。

関連リンク:iBook: When to Use the Escape Key During Startup
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook


内蔵Zipは必ず電源を接続する必要がある

Tech Info Library-Jに「58440JN:Power Macintosh G3/G4 : ATA Zip ドライブを設置すると画面が黒くなる」という文書が公開された。Power Macintosh G3/G4にZipドライブを内蔵したとき、電源ケーブルを接続しないでデータのケーブルだけを接続すると、起動直後に真っ黒の画面になってしまう。正しく電源ケーブルを接続して、起動しなければならないことが記載されている。

関連リンク:Power Macintosh G3/G4 : ATA Zip ドライブを設置すると画面が黒くなる
カテゴリ:Tech Info Library-J, Power Mac