会場で、出版されたばかりの書籍Learning CarbonないしはLearning Cocoaのどちらかがもらえるのですが、もう1つはDepotで買おうと思ったのですけど、在庫がないと言われました。タダでもらったCarbonの方だけ紹介記事を書きますが、もし、WWDC 2001に来ている方で、どなたかLearning Cocoaを30分ほど貸していただければ大変助かります。よろしくお願いします。おっと、そろそろ始まりますので、それでは。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
O’Reillyから、「Learning Carbon」という書籍が出版された。US価格は$34.96で、筆者はApple Computer, Incとなっている。文字通り、Carbonをフレームワークとしたプログラミングの解説書だ。350ページ弱の体裁で、Moon Travel Plannerというアプリケーション作成を例題にしながら、Carbonのプログラミングのポイントを解説するといったものだ。ツールとしてはProject Builderを使ったもので、言語はCで記述されている。また、Interface Builderのnibファイルを利用したダイアログボックスの作成も解説されている。つまり、Mac OS Xを使って、Mac OS Xネイティブなアプリケーションを作成しようといったのが全体的なテーマである。ツールの使い方やCarbon Eventの利用方法、ダイアログボックスの設計などが中心になっているが、プロパティやスレッド、ファイル処理、ヘルプの作成、アイコンの作成など、主要な話題に加えてポイントになることはうまく網羅された内容になっているだろう。Carbonフレームワーク全体のリファレンス的な機能は持ち合わせていないが、Carbon Eventや主要なイベントに関するリファレンスもあり、ポイントが押さえられた書籍だと言えるだろう。表紙に登場する動物は2匹の犬である(種類は分からない)。
なお、2001年5月21日から開始されたWWDC 2001では、このLearning CarbonあるいはLearning Cocoaのうち希望する1冊を参加者に無償で配布されている。
関連リンク:O’Reilly
カテゴリ:雑誌、書籍, Carbon/CF
いよいよ、Darwin系列の新しいMac OS X Server 10.0が本日から発売である。今回は、続いているセットアップのシリーズを中断して、新しいMac OS X Server 10.0について書いてみよう。
WebObjects的にいえば、今まではMac OS X Serverを買っただけではダメで、WebObjectsのパッケージを購入しなくては何もできなかったのが、新しいMac OS X Server 10.0では、無制限のWebObjects運用環境が価格を上乗せされることなくついてくるという、誠にありがたいサーバパッケージとなっている。WebObjectsの開発はできないけれども、運用環境を手に入れるために追加の支出をしなくて済むのは、本当に嬉しい。
で、ビンボーな私がもっとも気になるの価格だけど、10クライアント版は59,800円(税別)、Umlimitedクライアント版は98,000円(税別)ということになっている。ただしここで制限されているクライアント数は、Macintoshのファイル共有、Macintosh Manager、NetBootなどでのクライアントのことで、WWWやFTP、QuickTime Streamingなどのいわゆる通常のインターネット上でサービスを提供するサーバとしては、接続制限は行われていない。Sambaを使ったWindowsなファイル共有や、NFSを使ったUNIXなファイル共有もまた制限されない。Mailサーバとして利用する時にも制限されない。つまり、他のMacをLANでつなぐ場合の制限であって、Mac OS X Server自体にユーザを10人までしか登録できないというわけでは全くない。
これは、WebObjectsの運用環境についてもそうで、10クライアント版であっても、WebObjectsの運用環境としては無制限版として利用できるのである。学校やMacが大量にある会社などでなく、インターネットで各種サービスを稼動させたいという人は、10クライアント版で充分だろう。
実物はまだ手に入っていないので、これがどのようになるのか分からない部分もいくつかある。
Mailサーバは、sendmailやqmailという一般にインターネット上で良く使われているSMTPサーバとは違って、Apple独自のものらしい。現在私のところでは、sendmailにsmtpfeedをかませて、fmlを使ったメーリングリストを使っているのだけれど、このあたりの構築をどうして行ったら良いのかがちょっとまだ不明だ。
また、今日発売ということだが、直前にBINDは8.2.4にバージョンアップしたし、Apachは1.3.20が出た。CD-ROMをパッケージ化する手間を考えると、この部分はたぶん以前のものをつかったままになっているはずだが、これらのアップデートはどの程度のフォローになってくるのだろうか。Mac OS X Server 1.2では、ついぞそういった部分のアップデートがアップルから提供されることはなかった。自分で組み込むのもまた楽しいし、そのおかげでいろいろと勉強ができたわけであるが、できうれば、新しいMac OS X Server 10.0では、コンスタントにフォローしていただけるとうれしいのである。
Mac OS X Server 1.2からのアップデートに際しては、ユーザの情報などを継続できるツールが付属しているようだ。Mac OS X Server1.2では、BlueBoxとよばれるMacOS環境が付属していたが、Mac OS X Server 10.0では、いわゆるクラシック環境となるMac OS 9.1は、パッケージに付属しないようだ。ただし、別途購入すればクラシック環境の利用も不可能ではないらしい。まあ、サーバとして利用しているマシンでクラシックを稼動させてはたしてパフォーマンス的に間に合うのかという点がはなはだ疑問なんだけど、それは触ってみないと分からない。少なくともMac OS X Server 1.2ではかなり無理があったのだがどうだろうか。
ともかく、通信環境が飛躍的に向上して行くだろう今後、SOHOや小規模なNPOなどがインターネットを使ったサービスを提供したいというニーズも高まっていくだろう。普通の人がサーバ管理者を兼務しなくてはならないという場面が増えるとしたら、そ]のような人たちには、最適なパッケージだと言えるのではないだろうか。
[森下克徳]
カテゴリ:Mac OS X Server, 崖っぷちからWebObjects
Mac OS X Server 10.0に付属するマニュアルがPDFファイルで参照することができる。以下のアドレスに、「管理者ガイド」「Migration Guide」のPDFが公開されている。管理者ガイドは日本語になっており、管理ツールの使い方を中心にしたマニュアルだ。Migration Guideは、AppleShare IPやMac OS X Server 1.2からの移行の仕方を説明したマニュアルである。
◇Mac OS X Server Admin Guide
http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n12241
◇Mac OS X Server MigrationGuide
http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n12242
Mac OS X Server 10.0の販売方法についても公表された。Apple Storeないしは正規代理店(NTTアドバンステクノロジ株式会社、株式会社サイバーラボ、株式会社ステラクラフト、株式会社大塚商会、株式会社Too、大日本スクリーン製造株式会社)からの販売になり、6月上旬より出荷される。価格は10クライアント版が59,800円、無制限版が98,000円となっている。10クライアントから無制限版へのアップグレードは59,800円となっている。
また、Mac OS X Server 10.0を標準で組み込んだMacintosh Server G4については、Apple Storeないしは株式会社大塚商会、株式会社Tooからの販売となり、シングルCPUが348,000円、デュアルCPU版が468,000円となっている。2001年6月上旬に販売が開始される。これらのサーバ機には無制限版のMac OS X Serverが組み込まれる。
日本でのMac OS X Serverの販売は2001年6月からになるが、どんな様子なのかは、これらのマニュアルを見ることである程度は判断できるだろう。アクセス権についての設定は、Mac OS XのFinder上では、たとえば書き込み可や読み込みのみなどの設定はできるものの、オーナーやグループの設定の変更はFinderからはできない。Mac OS X Serverでは管理ツール上で、公開するフォルダを指定し、そこでオーナーやグループの指定ができるようになっている。管理ツールは日本語での表示が行われている模様だ。DNSについての設定はGUIでは行うことができず、/etc/named.confファイルやあるいは/var/namedディレクトリへのドメインごとに設定ファイルを書き込むといったことが必要になるといったことも読みとれる。
カテゴリ:Mac OS X Server
QuickTime Streaming Server 3.0.1が公開されている。対応環境は、Mac OS X Serverとなっているため、おそらくは2001年5月に出荷されたMac OS X Server 10.0には、QTSS Ver.3.0が組み込まれており、それをアップデートするものとして公開されたものと思われる。また、利用マニュアルである「QuickTimeについて」というPDFファイルも公開された。
◇QuickTime Streaming Server 3.0.1
http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n12238
◇About QuickTimeStreaming Server 3.0.1
http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n12239
Mac OS X Serverの発売は2001年6月からとなるため、それまでにQTSSの動作方法などを確認したいのであれば、マニュアルを参照すればよいだろう。日本で販売されるMac OS X Serverに、QTSS 3.0.1が搭載されるかどうかは不明だ。
カテゴリ:サーバー製品, QuickTime
アップルコンピュータは、発売されたばかりのWebObjects 5に関するセミナーを、東京と大阪で開催する。「WebObjects 5 アドバンテージセミナー」と題されたセミナーで、WebObjects 5の概要から導入時などを紹介する。また、WebObjectsパートナー企業によるソリューション展示も同じ開場で行われる。2001年6月28日(木)に大阪MIDシアター、2001年7月6日(金)に東京国際フォーラムで開催される。セミナーは13:00〜16:30で、展示は12:00〜17:00に行われる。プログラムは両会場とも共通で、第一部が「WebObjects5のアドバンテージとアップルの戦略」として、「WebObjects5 戦略及び概要説明」「WebObjects5デモ・技術解説」がいずれもアップルコンピュータの担当者によって講演される。第二部の「サードパーティソリューションによる事例解説」では、オブジェクトビジョン代表取締役社長石井竜一氏による「WebObjects コミュニティーサイト構築ツールの紹介」、フレームワークスソフトウエア代表取締役社長桝室裕史氏による「WebObjectsによるeCRMソリューション事例のご紹介」、サイバー・ラボ代表取締役社長加藤康之氏による「MacOS XによるWebObjectsを用いた次世代開発環境(CyberFramework)」が講演される。いずれのセミナーも事前登録が必要だが、料金は無料だ。
関連リンク:「WebObjects 5 アドバンテージセミナー」開催
カテゴリ:WebObjects, イベント
2001年5月に出荷が開始された17インチのStudio Displayに関する文書が、Tech Info Libraryに掲載された。以下は文書とその要約だ。
◇Apple Studio Display 17 (LCD): Technical Specifications
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58823
技術仕様書。TFTアクティブマトリックス液晶、で視野角が160度、最大解像度が1280×1024ドット、重さは6.6kgで、Apple Display Connector(ADC)を搭載したPower Mac G4で利用できることなど。
◇Apple Studio Display 17 (LCD): Compatibility
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58767
ディスプレイを使うには、ADCコネクタを装備したPower Mac G4が必要になる。
◇Apple Studio Display 17 (LCD): Install Display Software for Best Performance
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58761
Apple Studio Display 17 (LCD)向けのソフトウエアがMac OS 9およびMac OS X向けに用意されている。それをインストールして再起動することで、最適なパフォーマンスが得られる。インストールをしないとスリープからの復帰をしないとか、解像度の切り替えうまく行かないなどのトラブルが発生する。
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器
以下のTechnical Notesが更新されている。更新箇所についての記述はない。文書の概要を示しておく。
◇TN2002:Compatibility between JDirect 2 and JDirect 3
http://developer.apple.com/technotes/tn/tn2002.html
Mac OS Xで、Pure Javaのプログラムから、C言語などによるライブラリやシステムコールを呼び出すのがJDirect 3。Mac OS 9までのJDirect 2のコードをJDirect 3に対応させる方法や、1つのソースを両方に対応させる方法が説明されている。
◇TN2013:The ’plst’ Resource
http://developer.apple.com/technotes/tn/tn2013.html
シングルバイナリのCarbonアプリケーションで、Mac OS Xでの実行に必要な情報を保存するplstリソースについての説明。
カテゴリ:Technote