Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年6月15日発行号 - Final Cut Pro2の説明会



明日はMOSAのセミナーがあります。準備を後少ししないといけないけど、なんとかなりそうです(苦笑)。きっとまだ席がありそうですから、今からでもいかがでしょうか? そのうち記事に書こうと思っていた「まとまったアプリケーションを作る」というテーマでCocoa-Javaのデモをします。Cocoaってはっきり言ってデモは楽しいですぜ〜。
http://www.mosa.gr.jp/topics/ts4-macosx.html

それから、特に詳しく説明はしませんでしたが、すでにお気づきのように、Tech Info Libraryの記事は、TIL》TIL-J》とタイトルに付けています。TILはアップルからリリースされる技術文書で、システムの動作やトラブルシューティングなど目を離せない情報が出てきます。一般には、英語版が出てから日本語訳されますが、一部には日本独自の文書も出ることもありますね。英語版の文書は、ほぼ、文書ごとに1つの記事として大きく取り上げていますが、日本語版の内容はすでにお届けした内容が多く、まとめてお届けするような形式になっています。それで、日本語版については更新された文書についても、アドレスとリンクだけはお知らせしていましたが、英語版は更新文書については記事としてはお届けしていませんでした。どうしようか考えていたのですが、とりあえず、しばらくは、更新文書は、日米ともお届けしないという方針で臨みたいと思います。もし、ご意見があれば、遠慮なくお知らせください。英語版の更新文書をお届けしても、かなり古いものが多く、また、数的にもすごい場合もあるので、メールが見づらくなるだけです。日本語版はそこそこの数なのですけど、日米とも同じ基準にしようと思います。
そうそう、PowerBook G4/500を買ってしまいました。あはは、どんなに悩んだか!でも、買いました。やっぱり、Mac OS Xを使うには少しでもスピードのあるマシンが欲しいですからね。画面サイズはいいのだけど、パワーの問題です。うーん、7月に出るのかなぁ? CD-RWドライブ搭載だったらまだあきらめることができるかな。クロックがどーんと速くなったら泣きそう…。え? なんで今時買うのかって? それは内緒ですよ(笑〜内緒と言えば…)。
次は日曜日か月曜日かに発行します。明日のMOSAセミナーの内容は、出番の方が多いため、ちょっと記事にはしづらいですが、私の部分のデモなどはいずれ記事にします。ですが、セミナー全体の記事は期待しないでください。すみません。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Final Cut Proの新版Ver.2の説明会を開催、現場のソリューションを強調

2001年6月15日、すでに発売されたFinal Cut Pro 2.0についてのプレス向け説明会が、アップルの本社で開催された。そこでの説明の内容などをお届けしよう。Final Cut Proは、プロ向けの本格的なビデオ編集ツールだ。コンシューマ向けのiMovieに対して、映像のプロフェッショナルでも使える機能の編集ツールとしてFinal Cut Proを提供している。価格は98,000円であり、6月8日から発売されている。説明は、プロダクトマーケティングの古村秀幸氏が行った。
まずは、アップルのビデオソリューションの説明が行われた。製品系列として、コンシューマ向け、プロ向けとしてさまざまなものを発売しているが、ビデオ製品も同様である。プロ向けのビデオ編集ツールとしてFinal Cut Pro、DVDオーサリングツールとしてDVD Studio Proが発売されている。「Apple is Video」として、ビデオ業界に対してMacintoshの利用を勧めているが、スケーラブルでフレキシブルなソリューションを、低価格で提供し、安定性や機能拡張性を提供するものとし、プロに納得してもらえるソリューションを提供している。Final Cut Proは編集、合成、エフェクト、サウンドを1本で可能にするすべての機能が含まれたソフトであり、DVからHD、ストリーミングなどスケーラビリティが高いことが特徴である。そして、使いやすいユーザインタフェースを持ち、安定した環境を提供できている。ハイエンドのシステムに比べてのコストパフォーマンスの高さも特徴であり、さらにPowerBookでも制作が可能なことがある。調査の結果、12%ほどのユーザがPowerBookを使って編集を行っている。製品のポジションとしては、ハイエンドとエントリーレベルの中間を中心的に狙っており、ポストプロダクションや放送局、テレビ局、制作会社、デザイン会社、教育機関などで使われている。日本では、医療関係者が学会のプレゼンテーションなどで使うといったケースが見られる。岩井俊二監督の新作でも利用されスタジオ代の削減などに寄与したと話をしている。タイムワープ社の「シネマ通信」という番組制作でも使われている。ユーザからのフィードバックとして、リアルタイム、スピード向上、タイトル機能の向上などがあったが、それを受けたのがFinal Cut Pro 2である。Ver.2では、QuickTimeのアップデートともにサードパーティのビデオカードを使ったリアルタイム合成に対応した。タイトルを作成するテキストジェネレータを機能アップした、縁取りなどの機能を組み込んだ。また、パフォーマンスを約30%、デュアルプロセッサマシンでは79%の向上を実現した。そして、1440ページという膨大なマニュアルも付属させた。使い方だけでなく、ビデオ関連の技術的な情報も織り込んだ。メディアマネージャを改良し、ハードディスクの節約に寄与している。OMFオーディオの出力もサポートした。リアルタイム処理は、MatroxのRTMacを使う。3Dレイヤーをリアルタイムで編集ができる。コンテンツを圧縮するCleaner EZ5、オーディオ編集ソフトのPeak DVなど、いくつかのアプリケーションソフトも付属する。
続いてデモが行われた。米国で実際に放映されているコマーシャルを、実際に編集しているところをプレゼンテーションした。まずは、全体的な機能として、画面構成の説明が行われた。コンテンツを時間軸上に配置したが、オーディオレベルメータが新たに搭載されたことが説明された。オーディオ編集メニューも新たに追加され、片チャンネルのサウンドを中央に位置するように編集を行った。コンテンツの一覧上でもビデオをスクラブ再生して内容を確認できるところが示され、QuickTimeのサポート機能も紹介された。DVビデオの開始や停止を検出する機能が追加され、シーンの移り変わりに自動的にマーカーが付けられるようになった。また、トランジションはRTMacを使うとリアルタイムでできるようになる。従来はレンダリングが必要なマークが示され、すぐにはプレビューができなかったが、リアルタイム処理によりすぐにプレビューができる。一部のトランジションはリアルタイムできないが、そうした動作になることが分かるように色分けがされている。続いて、グラフィックスの素材をタイムライン上に配置し、透明度を時間軸上で変化させたり、グラフィクスを動かすということをリアルタイムで処理できることを示した。さらに、テキストを配置した。OMFへの書き出しや、DVD Studio Proをインストールしていれば、MPEG2への書き出しができるようになる。各社のFinal Cut Proのソリューションについても紹介し、ハイエンド向けのユーザも増えてきていることが紹介された。また、DVDのオーサリングツールDVD Studio Proとの連携も可能なことが紹介された。

続いて、サードパーティのソリューション実例の紹介に入った。紹介は各社の担当者より行われた。まず、イメージワンのChineWave RT(Pinnacle Systems)の紹介が行われた。HDの圧縮ができる高機能な点がいちばんの売り物となっている。非圧縮のシステムで、ボードと外部のボックスを接続する。アナログビデオ信号の扱いもできる。パソコンでHDのポストプロができる唯一のシステムではないかと紹介された。QuickTimeに完全互換となっており、各種形式のハイクオリティの画像をHDとして編集ができる。ハイビジョンの編集システムは従来は数千万していたが、ChineWaveを使えば500万円ほどでできてしまう。松下電器産業のAVCデジタルソフトラボでの納入実績があり、スタジオでの利用が行われている。対応フォーマットや、他のグラフィックスソフトとの連動、標準的な構成のRAIDで実用になる、価格などが導入の理由としている。さらに、Commotion ProとDVについても説明があった。機能限定版のDVがFinal Cut Proがついているが、Proへのアップグレードを受け付けている。(ChineWaveにはProが付属する。)数十台の出荷は行っているが、多くはHD編集を目的にして購入している。
続いて、フォーカルポイントコンピュータから導入事例を中心とした説明が行われた。Final Cut Proの導入事例として、映画や番組制作などを行っているガルエンタープライズでは、Aurora Igniter Film導入した。作成した映画をビデオとして配布する必要があったために利用した。次の導入事例として、10ビット非圧縮ビデオを利用したものを紹介した。テレビ局の番組制作やプロモーション映像などを制作しているタイムワープという会社で利用している。Final Cut Proに加えてD1 Desktop 64AVを利用しており、AVID系システムよりも高画質であると高く評価しているとのことだ。続いての導入事例として、電通テックでは、ブロードバンド向けのコンテンツを、D1 Desktop 64AVを使ったシステムで構築している。フジテレビのCG制作でも導入されており、D1 Desktop 64AVを使ったシステムではクオリティの高さが評価できるとの声が聞かれる。米国のテレビ番組制作会社でエミー賞を受賞した実績もあるWestwind Mediaでは、D1 Desktop カードを使っており、Final Cut Proは業界標準になりつつあると評価している。また、現場でのビデオ編集ができるポータブルマシン(中身はMacintosh)も紹介した。

最後に、価格や動作環境などの説明が行われた。なお、Final Cut Pro 2は、Mac OS Xには対応していない。Mac OS 9で稼働するものであるが、Mac OS XのClassicの動作にも対応していないということだ。Mac OS X対応は鋭意進めているが、現時点ではいつになるということは明言できないとのことである。

関連リンク:Final Cut Pro
カテゴリ:ビデオ編集, ビデオ編集, イベント


FrontBaseをWebObjects 5で利用するためのアダプタをリリース

FrontBase社は、データベースエンジンのFrontBase向けのWebObjects 5用アダプタをリリースした。ベータリリースが行われており、2001年6月中にも正式版をリリースする。アダプタは、FrontBaseに含まれる。EOModelerのすべての機能をサポートしている。動作機種についての記載はないが、JDBCドライバを経由し、JDBCのアダプタを利用するようになっている模様だ(EOModelerで新規にモデルを作る場合にFrontBaseのアダプタが追加されてはいない)。インストーラは、JDBCドライバ以外にEOMpluginファイルと、フレームワークを追加する。

関連リンク:FrontBase
カテゴリ:データベース, WebObjects


TIL》Mac OS X/Serverでの管理者ユーザとrootについての解説文書

◇Mac OS X 10.0, Mac OS X Server 10.0: Setup Assistant Creates Two Administrative Users - Admin and root
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n106363
Mac OS XおよびMac OS X Serverを最初に起動したときのセットアップアシスタントでは、管理者ユーザとrootの2つのユーザに対して同一のパスワードを割り当てる。一方を変更しても、もう一方のパスワードは変更されない。管理者のパスワードとrootのパスワードについては利用する場面が異なっているため、注意が必要である。

◇Mac OS X 10.0, Mac OS X Server 10.0: Password Does Not Work As Expected After a Change
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n106361
管理者ユーザとrootの違いについて表にまとめられている。rootのホームディレクトリは、/Private/var/rootだが、rootでログインしたときにだけ、このディレクトリはFinderで参照できる。また、rootのパスワードの変更は、rootでログインをして、システム環境設定のユーザでSystem Administratorのパスワードを変更すれば良いとしている。

(なお、以上のTILは、Mac OS X 10.0についても適用されるとなっているが、Mac OS Xではrootでのログインは既定値はできないはずなので、Mac OS X Serverでの管理方法として見ておくのがよいと思われる。)

カテゴリ:ユーザ管理


TIL-J》WebObjects 4.5.1でアダプタソースのコンパイルができない場合の対処

WebObjects 4.5.1をMac OS X Server 1.2で使うときに、アダプタのソースがコンパイルできないという点に関する解説文書が公開された。以前のバージョンのファイルが残っているためにコンパイルに失敗する。ディレクトリの削除と、アダプタソースの再インストールを行う必要があり、その手順が以下の文書に記載されている。

関連リンク:WebObjects 4.5.1: Mac OS X Server 1.2 上でアダプタソースがコンパイルできない
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), WebObjects


TIL-J》Mac OS Xのトラブルシューティングに関することなどの文書が公開

Tech Info Library-Jに、以下の文書が新規に公開された。基本的には英語版の文書で公開された内容なので、まとめて紹介しておこう。

◇Mac OS X Server 10.0.3: Mac OS 拡張および UFS フォーマットボリュームへのインストール
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=31360JN
Mac OS X Serverは、UFSではなく、Mac OS拡張フォーマットのディスクにシステムをインストールしなければならない。

◇106305JN:Mac OS X 10.0: Internet Explorer 5.1 Preview Update と「インストールする前に」
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106305
Internet Explorer 5.1.1のアップデートに関するさまざまな情報がまとめられている。

◇106317JN:Mac OS X 10.0: PC-DOS フォーマットの Zip ディスクが Classic アプリケーションで動作しない
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106317
Finderでハードディスクにファイルをコピーしてから編集する。保存はハードディスクに行い、Finderでそのファイルを移動させるという手順を踏む。

◇106315JC:Mac OS X 10.0: 標準テキストメール送信時の「添付書類が見つからない」メッセージ
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106315
実際には添付書類はある。メールソフトの動作によってこうなってしまう。

◇106316JN:Mac OS X 10.0: アップデート後に「起動ディスク」の再選択が必要な場合があります
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106316
Mac OS 9.1で起動して、「起動ディスク」をソフトウエア・アップデートで更新することで、タイトルの問題は解決する。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


TIL-J》QuickTime Streaming Serverに関する文書が公開、スキッププロテクションの条件など

Tech Info Library-Jに、QuickTime Streaming Server 3およびDarwin Streaming Server 3に関する文書が掲載された。

◇106313JN:Darwin/QuickTime Streaming Server 3: スキップ・プロテクションを使用するための必要条件
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106313
QTSSはVer.3、クライアントはQuickTime 5が必要になる

◇106309JN:QuickTime Streaming Server 3: メディアを「スキップ・プロテクション」対応にする方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106309
ネットワーク帯域での最大接続速度を以上の転送が可能なように「ヘッドルーム」が必要になることが説明されている。

◇106312JN:Darwin/QuickTime Streaming Server 3: 変更内容はストリーミングプロセスが再起動した後に有効になります
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106312
streamingserver.xmlの変更結果は、サーバの再起動が必要になる。サーバの停止だけでは結果は反映されない。

◇106311JN:Darwin/QuickTime Streaming Server 3:「プレイリスト」のムービーを繰り返す方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106311
繰り返しに設定する手順が記述されている。

◇106307JN:QuickTime/Darwin Streaming Server 3: 使用される TCP ポート
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106307
使用されるTCPのポート番号の一覧が掲載されている。

◇106308JN:QuickTime Streaming Server 3: 前のバージョンからプレイリストと設定ファイルを取り込む方法
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106308
タイトルに示された作業の手順と注意書き。

◇106306JN:Darwin: Streaming Proxy について(Read Me)
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106306
Proxyの使用方法や動作についての文書。

◇106314JN:Darwin/QuickTime Streaming Server 3: システム条件
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=106314
QTSS3はMac OS X Server 10.0が必要になる。

カテゴリ:Tech Info Library-J, サーバー製品, QuickTime


TIL-J》Macintosh Managerに関する文書が公開、さまざまな利用状況に関する追加情報

Tech Info Library-Jに、Macintosh Managerに関する文書が掲載された。基本的な利用方法というよりも、状況に合わせてさまざまな設定を行うためのノウハウ的な内容が中心になっている。

◇60838JN:Mac OS: サウンド初期設定と Macintosh マネージャの相互作用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=60838
サウンドの設定に関する情報が記載されている。クライアントに同一のサウンド設定を行う方法などが手順で示されている。

◇25238JN:Macintosh Manager 1.3, AppleShare IP 6.3.x: ローカルまたはサーバボリューム上のワークグループ項目を設定する
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=25238
解説文書の記述のアップデート。管理方法での選択肢を制限するような解説があった点に対する追加の情報。

◇31339JN:Macintosh Manager: RAM ディスクとマルチユーザ環境の相互作用
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=31339
マルチユーザの環境では、RAMディスクはリムーバブルメディアとして認識されるため、利用するにはユーザにリムーバブルメディアの利用の権限を与える必要がある。

カテゴリ:Tech Info Library-J, ユーザ管理, ネットワーク


TIL-J》2001年6月14日に掲載されたその他の新規文書

2001/6/14にTech Info Libraryで新規公開された文書として、別掲の記事以外に以下のものがある。ソフトウエアのアップデート情報は要約を省略した。

◇32019JN:「Software Downloards」ページのデータは MacBinary に変更されました
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=32019
米国Appleのサイトでは、2001年2月よりBinHex形式のファイルはアップロードされなくなっており、ファイル形式はMacBinaryになっている。ただし、日本のサイトはBinHexフォーマットを使っている。

◇120017JC:CarbonLib 1.3.1 に関する情報と、ソフトウェアのダウンロード
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=120017
◇75144JC:CarbonLib 1.2.5 に関する情報と、ソフトウェアのダウンロード
 http://til.info.apple.co.jp/cgi-bin/artnum?id=75144

カテゴリ:Tech Info Library-J