Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年7月2日発行号 - Core Audioのサンプルと文書



7月になりました。私の方は手術後の経過も良好とかで、とりあえず一安心です。いろいろ御心配をおかけしました。もう、普通に生活をしていいと言われています。鼻の中はすっきりなのですが、違和感があると言えばあるといったところです。そんなことより、暑さの方がたまらんという感じですね(笑)。
さて、あと、2.5ヶ月ほどで、MDOnlineは創刊2周年になります。始めた時には2年後にどうなるなんてなんのビジョンもなかったです。続くかどうかやってみないと分からない感じでした。創刊して半年くらいの頃が収入的には苦しかったかなというところです。ただ、1周年のころにMac OS X Public Betaがリリースされ、そこで購読者数がぐっと増えることや、MacWIRE独占配信等で上向きになっていました。今年の3月にもやっぱり購読申し込みのピークがありますが、最近は落ち着いています。今年の4月からはMOSA会員への配信も始めまして、その意味でも収入の安定化の効果はあると思います。おもしろいことに、2月8月って申込者数が少ないんですよね。まさに「にっぱち」ってのはあるのでしょうか。まあしかし、我慢して続けるというよりは、がむしゃらにここまで来たと言う感じです。この調子ではもちろん2年は行きますが、少なくとも3周年は目指すということでいちおう決心はして、会社側には了承を得ています。ですが、さらに上向きにするためにも、もうそろそろ少しは戦略的に動く必要も感じています。これから少しずつ小出しをしますが、いちおう、2周年に向けて、MDOnlineの内容を充実させるべく計画を着々と進めていますので、御期待ください。1つ言えることは、Macintosh Java Reportに関してです。一部の読者の方には懐かしいと思っていただけるかもしれません(笑)。以前のMJRのメールで、第2弾を臭わせるようなことを少し書きましたが、当面は出さないつもりで、近い内容をMDOnlineで展開するつもりです。Mac OS XでのJavaの世界を紹介する連載ものとして「Java Watch(仮称)」というコーナーを始めようかと思っています。これは、私が執筆をします。MJRの方には近々メールで御案内するつもりです。別媒体にしようかとずっと考えていたのですが、労力とJavaの展開を考えるとあまり有利には思えないので、MDOnlineで統合しようと思っています。もちろん、一般的なニュースなどは随時流しますが、もう少し詳しい内容を、連載記事として一定の期日に配信するという計画です。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS XのCore Audioのサンプルが公開、Audio開発の資料もすでにリリース

サンプルコードとして公開された「CASoundLab2」は、Mac OS Xのサウンド機能を使ったプログラムのサンプルだ。Project Builderのプロジェクトが含まれており、Objective-CをベースにしたCocoa対応のプログラムとなっている。アプリケーションを起動すると4つのチャンネルがグラフィカルに表示され、それぞれ、正弦波、のこぎり波、矩形波を生成する。周波数や位相、振幅を調整するといった具合のもので、ユーザインタフェースはInterface Builderで構築されている。サウンドの処理は、Mac OS Xのオーディオ機能を利用するためのCore Audioを使っている。オーディオ関連機能については、Mac OS XではQuickTimeやCarbonを除くと一新されているもので、これまでは情報がほとんど出てこなかったものだ。その意味では、Mac OS Xでのサウンド関連アプリケーションを目指している人にとっては貴重な情報となるだろう。
Audio関連の開発情報であるが、Developer Toolsのリリースノートには何も書かれていないのでがっかりしていたかもしれないが、Appleのサイトに公開が始まっている。WWDC 2001でセッションがあったのだが、それを機会に公開を始めたと言えるようだ。以下の、Audio Developerのサイトで情報がかなり公開されている。Core Audioについてのまとまった説明があると同時に、PDFで「Audio and MIDI on Mac OS X」という文書が公開されている。このPDFは正式リリースではないものの、APIの解説までも含めた説明がある。いずれにしても、オーディオやMIDI関連のアプリケーションを開発する資料はおおむね揃ったと言っていい状況ではないだろうか。

◇Audio Developer
 http://developer.apple.com/audio/

関連リンク:CASoundLab2
カテゴリ:アップルからの開発資料, Mac OS X


Project Builderでコンパイルする時に、Pascal文字列でエラーが出る場合

Technical Q&Aに、Project Builder(gcc)でのコンパイルで、\pで始まるPascal文字列で正しくないエスケープシーケンスであるというエラーが出る場合の対処が掲載されている。Carbon向けのプロジェクトの場合は通常は、Pascal文字列を適切に処理するようにされるが、なんらかの理由でエラーが出る場合には、コンパイラに対して、-fpascal-stringsというオプションを与えてコンパイルすればよい。プロジェクトの「ビルド設定」タブの「ビルド設定」の項目において、OTHER_CFLAGSの項目に-fpascal-stringsを加えておく。

関連リンク:QA1053:Using Pascal strings in Project Builder
カテゴリ:Technical Q&A, 開発情報, ProjectBuilder/Interface Builder


CarbonLib 1.4a6 SDKが公開

CarbonLib対応のアプリケーションを作成するためのデベロッパー向けのキット、「CarbonLib 1.4a6 SDK」が公開されている。現在、Mac OS 9.1向けのCarbonLibはVer.1.3.1までリリースされているが、その次期バージョンVer.1.4向けの開発キットである。a6というバージョン番号なので、アルファリリースの6番目と考えれば良い。なお、SDK自体はADC(Apple Developer Connection)の会員だけに公開されている。

関連リンク:Carbon
カテゴリ:Carbon/CF


TIL》メディアイジェクトキーは内蔵ドライブだけでなく外部ドライブのディスクも排出

メディアイジェクトキー(F12)キーの挙動についての文書がTech Info Libraryに掲載された。CD-ROMやDVD-ROMなどをイジェクトするが、内蔵ドライブだけでなく、外部接続のドライブがあった場合、そのドライブについてもイジェクトを行う。ただし、Zipなどのリムーバブルメディアのイジェクトは行わない。

関連リンク:Apple Pro Keyboard: Media Eject Key Ejects All CD/DVD Discs
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


TIL》QuickTime Streaming Serverの管理をSSLを使わないで行う方法

Mac OS X Server 10.0のQuickTime Streaming Server Adminを利用しようとすると、セキュアな接続ができなかったというエラーメッセージが出る場合の対処について、文書が公開された。QTSSの管理はWebブラウザでSSLを利用して行うが、SSLではサーバ上に独自に認証情報を追加しないといけないこともある。こうした場合に、SSLを利用しないでQTSSの管理を行うようにすることで、管理作業をできるようにするというのが1つの方法である。設定ファイルを編集することで、SSLの機能を切ることが可能で、その手順が記載されている。

関連リンク:QuickTime Streaming Server: "Unable to establish a secure connection to ’server.domain.com’" Alert
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), サーバー製品, QuickTime, Mac OS X Server


TIL》Networks Assisstantのクライアントからの接続プロトコルを限定させる方法

Network Assistantのクライアントは、AppleTalkあるいはTCP/IPを使って接続を行うことができる。優先的なプロトコルは指定できるが、どちらか一方のプロトコルで強制的に接続させるということも可能である。その方法が、Tech Info Libraryの文書で公開されており、手順で説明されている。

関連リンク:Network Assistant: Troubleshooting by Forcing a Connection Using AppleTalk or TCP/IP
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ユーザ管理