Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年7月4日発行号 - X Serverのアップデート



Cubeの生産が休止になりました。少し長めの記事で分析しましたけど、これについてはいろいろな意見があるでしょう。ダメだったら理由ってけっこうはっきりするのですが、鳴かず飛ばずの場合ってなかなか理由は明確には言えないというところですね。
さて、電話工事ネタの第2弾ですが(笑)、またローカルネタになりますけど、今年になって埼玉高速鉄道っての開通し、地下鉄南北線が浦和というか、もうちょっとで岩槻みたいなところまで延長しました。その終点が浦和美園駅で、たまに使いますがあいからずだだっぴろい駅に数人が乗り降りするだけというとんでもない状況です。そこから1kmほどでワールドカップの会場となる新しいサッカー場があるのです。そのときにはすごい人出でしょうけど、そのうちJリーグとかでも使うのかな? で、その浦和美園駅周辺はさすがに道路整備がきちんと始まったのですけど、原野の中に道路が走っている状態です。それでも、当然信号機はありまして、信号ってのはじつは電話線で結ばれていてコントロールされているそうです。ところが、浦和美園駅前あたりの交差点はいちばん近いところからも、800mほどの距離があって、わざわざ1km近く電話ケーブルを引いてきたそうです。つまり、電話線も来ていないようなところに駅を作ったということなのだそうです。NTTの下請け工事の会社って、こういうときでも、そのへんの住宅に引くのでも同じ金額しか払われない契約になっているそうで、そういう工事は大赤字だと言っておりました。まだまだ、電話線すら引かれていないという地域がしかもこんな身近にあったとは驚きです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


TIL》Mac OS X Serverのサーバソフトウエアを10.0.4にアップデート

Mac OS X 10.0.4のアップデータが、2001年6月の後半にリリースされたが、Mac OS X ServerもOSについては同様のアップデートを、ソフトウエア・アップデートを使って行う。それに加えて、サーバ特有の機能のアップデートとして、別途「Mac OS X Server 10.0.4 Server Update」というアップデータが公開された。つまり、Mac OS X 10.0.4アップデート以外に、このServer Updateについても、Mac OS X Serverでは行う必要がある。Server Updateは、pkgファイル形式のアップデータとして配付されており、ソフトウエア・アップデートを使ってのアップデートではない。以下のページからファイルをダウンロードしてアップデート作業を行う。
アップデートにより、Apple File Protocolの接続や、プリンタ共有、FTP、メール、ディレクトリサービスについて改良されるとしている。また、MySQLとSambaについてもアップデートされる。ちなみに、Sambaは、Ver.10.0.3ではVer.2.0.8が組み込まれていたが、Server UpdateによりVer.2.0.9にアップデートされる。また、Server Updateでは移行ツールやServer Adminについてもアップデートされる。Mac OS XでServer Adminを使っているのであれば、Mac OS X Serverに組み込まれたServer Admin 10.0.4をファイル共有の機能を使うなどして、Mac OS X側にもアップデートされたServer Adminをセットアップする必要がある。

関連リンク:10.0.4 Server Update: Document and Software
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X Server


Cubeの生産休止を発表、低シェア下では製品絞り込みは不可避

Power Mac G4 Cubeの生産が休止されることが発表された。発売から1年足らずでの幕引きである。事実上、Cube系ラインナップの凍結となった。2000年7月のMacworld Expo/New Yorkで華々しく登場し、当初は多くの注目を集めた。それまでは、製品系列を4つにわけたマトリックスで、コンシューマ/プロシューマ、デスクトップ/ノートという切り分けをしていた。これは、スティーブ・ジョブズ氏がAppleのトップとして働きはじめてそれまでの製品系列をシンプルにまとめたものだった。しかしながら、Cubeの登場により、5つ目の枠が登場したのである。デスクトップで、iMacとPower Mac G4の中間的な存在である。また、スタイルもほとんど立方体だとか、透明のケースで浮いた感じになるなど、ユニークなものだった。もっとも、キューブとなると、古くはNeXT社のワークステーション、あるいはCobalt Cubeなどもあったわけだが、Macintoshの歴史の中では目新しいデザインであることが目を引いた。そうした突飛なデザインは敬遠される向きもあったのだが、発売直後は例によって高い評判を獲得した。また、ハードウエアデザイン的なユニークさは、ファンが組み込まれていないで静かであるとか、コンパクトということ以上にケーブルを底面から出すなど配線がすっきりできるといった特徴もあった。CD-ROMの出し入れも天面から上下に行うなど、さながら“トースター”を思わせるものでもあった。いろいろな意味で常識破りがあちこちにあって、話題に事欠かないマシンであった。また、Power Mac G4とは微妙に低い目のCPUクロック設定ではあるが、価格的に安価であり、しかもG4を搭載しているということもあって、コンパクトでハイパワーという点でも注目が集まった。
しかしながら、ある程度製品が出回った段階で、逆風が吹きはじめる。不良品がそこそこの数あった模様だ。いちばんよく聞いたのは、勝手に電源が入ったり、切れてしまったりするというトラブルである。発売当初の好評はなかったかのように、ブーイングが吹き荒れる。折しも、2000年後半は、アップルにとっては売り上げが伸び悩んだ時期でもあったが、不良品騒ぎでやはり「避ける」マシンとして定着してしまった感がある。2001年2月のMacworld Expo/Tokyoでは、CD-RWドライブ搭載マシンとしてリニューアルを図ったが、やはり世の中の注目は買うか買わないかは別にして、Power Mac G4のDVD-R搭載マシンに移っていた。Cubeは最初の注目を取り戻すことはできなかったのである。
安定してコンピュータを利用したい業務ユーザは、結果的にPower Mac G4を買うことになっただろう。今どきなので、特別な目的もないのであれば、拡張性ということは重要視されてはいないと思われる。むしろ、不良品に当たる可能性が高いのであれば避けたいと思うのだろう。また、ハードディスク交換やメモリ増設は当たり前に行われるのであるが、Cubeがそれらに対応していないわけではない。だが、不良品騒ぎと連動して、中身の密集度の高いハードウエアは「下手に触るとまずいかも」と思わせてしまい、やはり安心して中身をあけられるPower Mac G4という選択肢に落ち着くということも考えられる。
2000年後半からの落ち込みで、2001年度の第一四半期の業績はあまり振るわなかったのだが、さまざまな理由があるとしても、やはりMac OS Xの影響はぬぐい去れなかっただろう。その時期にMac OS 9で業務ベースで利用するユーザに取っては関係のないはなしであるが、Mac OS Xを積極的に使いたいユーザにとっては、Mac OS Xが正式発売するまでハードの買い控えが発生した。Xが出てみないと実際どうなるか分からないということがあっただけに、Cubeの伸び悩みもそうしたことも理由の1つとも考えられる。もちろん、今現在ならG4で500MHzなら十分Mac OS Xは使えると言えるのだが、そのことは2000年の寒い時期に明確に分かっていたかと言うとそうではなかった。
一方、コンパクトなデスクトップということはメリットにならなかったのかということは興味深い点である。仮に、コンパクトなものを欲しいと考えれば、やはりPowerBookやiBookを購入するだろう。その意味ではデスクトップでのコンパクトさというのは、現状のMacintoshのラインナップではあまり大きなメリットを見出せないというところである。もっとも、ごく一部のユーザ、特に家庭でサーバを運用したいユーザにとっては、静かでコンパクトと言う絶好のスペックであることもあって注目はされているが、そうしたユーザは売り上げに貢献するほどの数がいないことは明白である。
5つの製品系列をとりあえず、以前の4つの製品系列に整理をした。図らずも、当初の基本路線であった「ラインナップを絞り込む」という方向に落ち着いたと言える。もっとも、今後別の新しい製品が出てくる可能性もあるのだが、収益が厳しい状態では、やはり基本に忠実になるのだろう。今月の中盤に行われるMacworld Expo/New Yorkでの新しい製品についてはさまざまな予想が行われているが、ここでCubeの休止を発表したということは、4系列の製品群を継承するというメッセージである可能性が高いと思われる。Apple製品がそれなりのシェアがある状況では、Cubeのような存在も許されたかも知れない。しかしながら、ある意味ではぎりぎりのシェアで効率的に展開をしなければならない状況下、Cubeの食い込めるマーケットは製品を維持するほどの規模ではなかったと言えるだろう。

関連リンク:アップル、Power Mac G4 Cubeの生産を休止
カテゴリ:Macintosh本体


TIL》シアターモードのVer.2.0.3へのアップデータの日本語版が公開

シアターモードの機能拡張が2.0.3にアップデートしていたが、日本語版のアップデータについても公開された。シアターモードは、iMacやApple Studio Displayを用いたデスクトップパソコンで、QuickTime Playerなどでの映像再生のときに画面の輝度をあげるなどして、映像をより見やすく表示すると言った機能だ。アップデートにより、QuickTime Playerとの互換性の問題を解消する。Mac OSおよび、Mac OS XのClassic環境についても効果をもたらす。

関連リンク:Theater Mode 2.0.3 Document and Software
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), メディアプレイヤ, グラフィックス


TIL》Mac OS Xでメモリの利用量を確認する方法

Mac OS Xでのメモリ容量などの確認方法について説明された文書が公開された。まず、物理的に搭載されているメモリは、アップルメニューの「このMacについて」を選択して表示されるウインドウに記載されている。また、アプリケーションあるいはプロセスごとに利用しているメモリについては、UtilitiesフォルダにあるProcess Viewerを利用して参照できる。プロセスごとのメモリの利用率が「%メモリ」の列に表示される(これは、物理的なRAMの何%を利用していのかを示す数値である)。さらに、Terminalで「top」というコマンドを入力すると、さらに詳細な情報が得られる。topコマンドでは随時表示状態をアップデートするが、「Q」キーを押すと表示をストップする。このコマンドにより、物理メモリの利用状況や、仮想メモリ容量などが表示される。また、プロセスごとに割り当てられている仮想メモリや、使用している物理メモリの絶対量も参照できる(Terminalのウインドウを縦に長くして利用するとよい)。

関連リンク:Mac OS X 10.0: How to View Memory Usage and Installed RAM
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


TIL》Mac OS XでVerboseモードおよびシングルユーザモードで起動する方法

Mac OS Xを起動する時に、Command+Vキーを押しておくことで、Verboseモードとして起動することができ、コアOSの起動時のメッセージを表示することができる。また、Command+Sを押したまま起動することで、シングルユーザモードとして起動することができ、一部の機能が組み込まれない状態でコマンド入力ができる状態になる。これらの起動モードは、開発したソフトウエアのテストやあるいはトラブルシューティングで利用する。

関連リンク:Mac OS X 10.0: How to Start up in Single-User or Verbose Mode
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


Core Graphicsのカレントパスへの描画APIでは即座に描画されない

Technical Q&Aに、Core GraphicsのAPIで描画がされないことについての解答が掲載されている。CGContextAdd___というAPIは、カレントパスに描画情報を追加するだけのもので、これによって実際の描画が行われるわけではない。実際に描画をするには、CGContextStrokePathなどのAPIを呼び出す必要がある。

関連リンク:QA1049:CGContextAddLineToPoint, CGContextAddCurveToPoint, et. al.
カテゴリ:Technical Q&A, グラフィックス


Mac OS XでAppleScriptのスクリプトを一定時間ごとに起動するアプリケーション

AppleScriptのスクリプトプログラムを、一定時間ごとに起動するアプリケーション「Script Timer 1.1X」がリリースされた。Mac OS向けに開発されていたものであるが、Mac OS Xにも対応した。$10のシェアウエアである。日ごとあるいは月ごと、きめられた時間にスクリプトを起動する。ただし、起動するスクリプトや、起動タイミングの設定は、アプリケーションと同じフォルダにあるテキストファイルを編集して行う形式で、設定のためのユーザインタフェースは組み込まれていない。

関連リンク:Apps & More Software Design, Inc.
カテゴリ:AppleScript


TIL》Macintosh Manager 2.0.2の北米向け英語版が公開

Mac OSのワークステーションを集中管理可能なシステムMacintosh Managerの2.0.2へのアップデータが公開されている。北米向けのものだけが公開された。Macintosh Manager 2は、Mac OS X Server 10.0に付属しており、そのクライアントソフトウエアや管理ツールが2.0.2にアップデートされた。Mac OS X Serverは10.0.4にアップデートする必要がある。Ver.2.0.2では書類のシンクロナイズでハングする場合があった問題が解消された。また、kerberos関連の改良も行われている。

関連リンク:Macintosh Manager 2.0.1 and 2.0.2 Update Information and Software
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ユーザ管理