Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年7月21日発行号 - オープンソースのディストリビューション



Macworldでは噂通りには製品発表はされてはいませんけど、勝手に液晶ディスプレイのiMacが出ると決めつけ、それが出ないことでがっかりした…なんていう論調もけっこうありますが、それはあまりに品のない決めつけじゃないかと思いますね。草の根サイトで口の悪いやつが言っているのならともかく、メジャーどころまでそういった論調です。確かに読者の代弁者としてのマスコミってのはあるのですが、なにか根本的に間違っていると思います。ジャンク情報を「確定情報」として扱うってのは基本をはずした行為だということは、私が新人の記者だった時には先輩からうるさく言われたものですけどねぇ。
ただ、今回の新製品ハードウエアは、根本的には従来製品と変化がないみたいですね。いつもなら、Tech Info Libraryの文書がどかどか出てきますが、全然でてきません。iMacに変化はなく、G4にいてもデザインは変わりましたが、内部的にはスペックの数字的な変化はあるけども、細かい点は変わっていないのだと思われます。もちろん、ルックスはけっこう変わりましたけどね。
Mac OS X 10.1へのアップグレードが有償なのか無償なのか? という問題があって、実は今現在はっきり言えない感じです。基調講演では「free」と書かれたパネルがあったのですが、会場では有償のみだと言われたという話を聞きました。MacWIREでそのあたりの記事が出るかと思って待っているのですが…(もう出ている?)。来週に、日本でもプレス向けの説明会がありますので、そのときにしっかり問い合わせるつもりです。
MDOnlineの次の発行は24日の火曜日の予定ですが、セミナーの取材が入るので、もしかすると、時間的には内容はそれだけになってしまうかもしれません。ディ・ストームさんからのプレゼント品の締め切りは今日いっぱいです。何となく当たる確率が高そうですよ〜(なんて言っちゃた〜)。18日の配信号に案内があります。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


オープンソースのソフトウエアをMac OS X向けに簡単にインストールできるディストリビューション

Mac OS X向けにオープンソースのディストリビューションを行うサービスが登場した。OpenOSX.comでは、いくつかのCD-ROMを販売している。「Database for Mac OS X CD」($30)は、MySQL 3.23.39、unixODBC 2.0.7、BerkeleyDB、InnoDB、PHP 4.0.6、phpMyAdmin 2.2.0rc1といったソフトウエアを、UNIXコマンドをたたかなくてインストールできるとしている。「The GNU Image Manipulation Program for Mac OS X CD」($30)は、レタッチソフトのGimp 1.2.1を簡単にインストールできるディストリビューションCDだ。GISのGrass 5.0 pre1に加えてXFree86 4.1.99などを簡単にインストールできる「Grass Geographic Information System for Mac OS X CD」($30)も販売されている。ApacheやPHP 4.0.6、phpShop 0.9.3などを含むWebサーバ向けのソフトウエアのセットが「OpenWeb for Mac OS X CD」($30)だ。X WindowシステムのXfree86 4.1.99をインストールできるのが「XFree86 for Mac OS X CD」($30)である。いずれも、オープンソースとしてソースコードなどが公開され、あるいはバイナリなども存在するが、インストールの段階からUNIXの知識は必要になる。また、知識があってもソースからのビルドでは微調整も必要で手間がかかることも多い。手軽にオープンソースのソフトウエアを利用するには、こうしたディストリビューションの利用も検討に値するだろう。一部の製品は、6ヶ月の配付ライセンスが$80で購入できるため、継続利用を行う場合でも、それほどの高い値段ではないと言えるかも知れない。

関連リンク:OpenOSX.com
カテゴリ:オープンソース, サービス


TIL》Mac OS 9.2は、Power Mac G4専用としてリリース

2001年7月、Power Mac G4は、QuickSilverモデルとしてラインナップを一新した。そのモデルには、Mac OS XとMac OS 9の両方がインストールされているが、Mac OS 9.2が搭載されている。このMac OS 9.2はTIL文書によると新しいPower Mac G4のみのバージョンとなっている。また、別のTIL文書によると、Mac OS X 10.0.4がインストールされているものの、通常の配付されている10.0.4と異なりビルドが進んだものとなっている。

◇Mac OS 9.2: Availability
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n58840

◇Mac OS X: About This Mac "Build" Information
 http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n106176

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Power Mac, Mac OS 9


WebObjects リリース 5 Update 1の案内が日本語でも公開

「WebObjects リリース 5 Update 1」の案内が、日本語のページにも掲載された。ただし、アップデートプログラム自体は各国語版があるわけではなく、すでに公開されたものである。また、アップデートの詳細についても、英語の文書だけとなっている。クライアントで利用するclassファイルやjarファイルもアップデートされるので、それらを利用している運用環境では、サーバーディレクトリにある項目のアップデートも行われる。

関連リンク:WebObjects 5 Update 1
カテゴリ:開発ツール, WebObjects


TIL-J》WODisplayGroupのDelegateメソッドには状況によっては呼び出されないものもある

Tech Info Library-Jに、WODisplayGroupのDelegateメソッドである「displayGroupDidSetValue」が動作しない点についての文書が掲載されている。DisplayGroupは、エンタープライズオブジェクトと、ユーザインタフェースオブジェクトの間での値の移動に対して利用される。このメソッドは、EOFアプリケーションのためだけに実装されているため、EOAssociationの実装に基づいている。WebObjectsでは対応する機能が組み込まれていないために、メソッドの呼び出しは行われない

関連リンク:WebObjects: WODisplayGroup の delegate メソッドが動作しない
カテゴリ:Tech Info Library-J, WebObjects


2001年7月のMacworldで発表された新機種にかんする技術文書が狡獪

2001年7月に発表された、QuickSilverのPower Mac G4と、モデルチェンジしたiMacについてのハードウエアのデベロッパー向け文書が公開されている。技術的な仕様等については詳しく記載されているのであるが、いずれのマシンもテクニカルな意味では既存のマシンのマイナーチェンジであり、細かい点を除けば大きな変更はないと言えるだろう。

◇iMac Developer Note
 http://devworld.apple.com/techpubs/hardware/Developer_Notes/Macintosh_CPUs-G3/iMac/0Preface/index.html

◇Power Mac G4 Developer Note
 http://devworld.apple.com/techpubs/hardware/Developer_Notes/Macintosh_CPUs-G4/PowerMacG4/0Preface/index.html

カテゴリ:Power Mac, iMac


TIL-J》Mac OS XのAppleWorksで大きなサイズのヒラギノフォントの文字が印刷できない

AppleWorks 6.2をMac OS Xで使用して印刷をする場合、ヒラギノフォントなど日本語のOpenTypeあるいはCIDフォントのサイズを18ポイント以上にすると、印刷が途中で止まってしまうという不具合があることが、Tech Info Library-Jに掲載されている。フォントサイズを小さくするかあるいは別のフォントを使うという対処しか示されていない。将来のバージョンのMac OS Xでこの問題は解決する予定だとしている。

関連リンク:AppleWorks 6.2: 印刷を行うと、途中で印刷が止まる
カテゴリ:Tech Info Library-J, テキスト/フォント, Mac OS X


TIL》旧タイプのPower Macintosh G3とBTOのグラフィックカードはMac OS Xでは利用できない

Tech Info Libraryに掲載された文書によると、Power Macintosh G3 All-In-Oneなど旧タイプのPower Macintosh G3の時代にBTOのオプションとして選択できた「 128-Bit 2D/3D Graphics Accelerator Card」は、Mac OS Xとの互換性はないとのことである。このカードを利用していると、起動時にカーネルパニックになってしまう。Mac OS X 10.0.xではこのカードは使用しないようにする。

関連リンク:Mac OS X 10.0: 128-Bit 2D/3D Professional Graphics Card Causes Kernel Panic
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X, Power Mac


Carbon EventとThread Managerを両立させる方法

Technical Q&Aに、Carbon EventとThread Managerベースでのマルチスレッドを使う点についての質問と答えが掲載された。RunApplicationEventLoopを利用すると、YieldToAnyThreadを呼び出す機会がなくなってしまうため、タイマーイベントなどを使う必要があるのかといった問である。そうした手法ではなく、自前のRunApplicationEventLoopに相当したイベントループを組み込み、その中でYieldToAnyThreadを利用する方がいいと説明されている。また、そのプログラム例も示されている。また、マルチスレッドとイベントループに関連することも解説されているため、マルチスレッドをCarbonで利用する場合には、目を通しておくのが良さそうな文書である。

関連リンク:QA1061:RunApplicationEventLoop and Thread Manager
カテゴリ:Technical Q&A, Carbon/CF


QuickTimeで利用できるYUVピクセルフォーマットについて

Technical Q&Aに、QuickTimeでのYUVフォーマットについての文書が掲載されている。ImageCompression.hにはYUVピクセルフォーマットについてたくさんの定義が記載されているが、これらすべてが実装されているわけではない。利用できる形式は状況によって異なる。いくつかの状況によって使える形式などについての解説がこの文書で行われている。

関連リンク:QA1060:QuickTime Supported YUV Pixel Formats
カテゴリ:Technical Q&A, QuickTime


ファイルメーカーProでカスタムダイアログボックスを簡単に作成できるプラグイン

24U s.r.o.は、FileMaker Pro用のプラグインでダイアログボックスを手軽に表示できる「24U SimpleDialog Plug-In 1.0」をリリースした。シェアウエアで$24である。テキストフィールドやボタン、チェックボックス、ラジオボタンといったカスタムダイアログボックスを設計して表示することができる。Mac OSおよびMac OS Xの両方で利用できる。FileMaker Pro 4.0が対応環境となっているが、Windowsは対応環境に入っていない。

関連リンク:24U SimpleDialog Plug-In 1.0
カテゴリ:データベース


TIL》Macintosh Manager 2.0は認証を行うためにMac OS X Server 10.0が必要

Macintosh Manager 2.0は認証の機能の都合上、Mac OS X Server 10.0を利用する必要があることがTech Info Libraryの文書で掲載されている。ファイルサーバとして、従来のAppleShare IPを使うような状況では、クライアントはMacintosh Manager 1.4.xを使うようにする必要がある。こうした状況での注意点などがこの文書にまとめられている。

関連リンク:Using Macintosh Manager 2.0 With Mac OS X Server 10.0, 1.x, and AppleShare IP
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ユーザ管理