Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年8月30日発行号 - CarbonLib 1.4.5



前にもお知らせしましたが、明日はお休みをいただきます。もしかすると、もう1回発行するかも知れませんが、一応の予定では次は月曜日の発行となります。で、実は実家からの戻りが月曜なので、月曜は遅い時間の発行になるかも知れません。なお、8月いっぱいで購読期限が切れる方のうち、郵便振り替えを御利用される場合には、必ず明日の31日までお手続きをお願いしますが、念のため、メールをください。郵便振り替えは到着日が読めないもので…。カードなどを使う方は、週明けまでにお手続きを済ませていただければ助かります。よろしくお願いします。

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MatroxのRT Macのファームウエアがアップデート、Mac OS Xでの問題を解消
 
Final Cut Pro 2のVer.2.0.2へのアップデータが公開。不具合の修正などが行われる
 
WebObjects 5をとりあえず使ってみたい人は無償の「トライアルCD」をどうぞ!
 まで、送り先を記載してメールをください。
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次の発行はとりあえず9月だとして、MDOnlineは9月中旬に2周年を迎えます。まあ、よく持ったものです。収支的には相変わらず苦しいですけど、当初にくらべると良くなってきていますから、今時の不況の中ではいい方なんでしょう。ただ、先月から外部ライターの方々による連載を増やすなどしているので、しばらくは少し収支的には悪くなりますが、それを足掛かりにより収入を増やす考えです。ただし、広告費とかあるいは配信とかの系統ではいろいろお願いしたけど目一杯みたいなので、秋から冬にかけては個人購読者獲得キャンペーン(個人的に〜笑)を行います。第一弾は、すでに始まっているMDOnlineオンリーのコンテンツの充実で、すでにMDOnlineのトップページでお知らせさせていただいています。さて、第二弾ですが、すみません、来月の前半にお話できるかと思います。ヒントは、BitCash対応です。時期などはちょっと待って下さい。いずれにしても、ステップアップを目指しますので、御支援の方をよろしくお願いします。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CarbonLibのリリースはVer.1.4.5へ、デベロッパー向けにSDKが公開

CarbonLib 1.4がリリースされたばかりだが、開発者向けには「CarbonLib 1.4.5d3 SDK」が配付され始めた。バージョン番号から判断すると、「d3」なのでまだ初期段階だとは思われるが、いずれにしても、Ver.1.4.5としてのリリース準備がすすめられているということになる。Mac OS 8.6以降で利用できるとなっている。なお、このSDK自体はADC(Apple Developer Connection)のメンバーのみが入手できるため、内容自体は機密情報であり、存在すること以上の内容はお届けできない。CarbonLibはどこまでバージョンアップするのだろうか? もちろん、バージョンアップして機能アップは歓迎されるところではあるが、Ver.1.3.1が出るまでの日本語入力の不具合により、Carbonの互換性はあてにならないという見方も一般的になりつつある。バージョンアップして不具合をなくすことに加えて、そろそろ、しっかりとしたロードマップを見せてデベロッパーの対応をしやすくし、計画的にアップデートを行うようにしてはどうだろうか。

関連リンク:Carbon
カテゴリ:アップルからの開発資料, Carbon/CF


KBase》Mac OS Xで利用されているTCPとUDPのポート一覧

Mac OS Xで利用されているTCPとUDPのポート一覧が、Knowledge Baseに掲載された。ネットワーク管理やあるいはファイアウォールの設定などで参考になるだろう。

関連リンク:CP and UDP Ports Used By Mac OS X Services
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク管理, ネットワーク


Mac OS Xでログイン時に自動的に環境変数を設定する方法

Mac OS Xで、環境変数を設定する方法についての説明が、Technical Q&Aに掲載されている。Mac OS Xではログイン時に、環境変数を設定するメカニズムが組み込まれている。ログインをする時に、~/.MacOSX/environmentといファイルにある情報をもとに、環境変数を設定する。このファイルは、XML/plistファイル形式であり、Developer ToolsのアプリケーションにあるPropertyListEditor.appで編集が可能だが、ファイル名の末尾を.plistにしてはいけない。ユーザのルートディレクトリに、.MacOSXというディレクトリを作り、environmentファイルを作成する必要がある。いずれも初期状態では作成されていない。なお、Mac OS 10.0.1以前は~/.OpenStep/environmentというファイル名でなければならない。環境変数が設定されたかどうかは、setenvコマンドで確認できる。(「環境変数」とは、OSが管理する変数であり、アプリケーションの動作に必要な情報を記録させておくことなどに利用する。アプリケーションでその変数値を利用するが、値の設定はアプリケーション外で行っておくのが一般的。たとえば、Objective-CのCocoaではNSProcessInfoやNSTaskクラス、Cocoa-JavaではNSSystemクラスに環境変数を取り出すメソッドがある。)

関連リンク:QA1067:Setting environment variables for user processes
カテゴリ:Technical Q&A, Mac OS X Server, Mac OS X


ユーザーの操作等に反応するムービーをスプライト機能で生成するサンプル

Sample Codeとして公開された「WiredSprites」は、ムービー中に独自の小さな画像を重ね書きし動かすなどの動作を行えるスプライトの機能をデモするものだ。QuickTimeにはスプライトに対応する機能が組み込まれている。このデモはスプライト描画を行うものであるが、さらにWired Spriteとしてユーザの操作によって反応をするようなスプライトの組み込み方法も説明するものだ。そして、プログラムはピクチャーの素材をもとに、スプライト機能を組み込んだムービーを生成する。生成したムービーはQuickTime Playerなどで再生ができる。再生してみると、地球の映像が画面をゆっくりと横切るが、これがWired Spriteの1つで、アイドルイベントによって回転を行っている。また、左下から3分の1くらいのところなどにマウスポインタが入ると、星のグラフィックスが出てくる。マウスを移動させると消える(場所が狭いのでちょっと分かりにくいが)。これもマウス位置に応じたイベントに対応したWired Spriteである。ソースはすべてJavaで書かれており、Mac OSあるいはWindowsでJavaが稼動しQuickTimeそしてQuickTime for Javaが稼動する環境で利用できる。Windows向けにJarファイルとバッチファイルも用意されている。ただし、ソースファイルのみの提供でプロジェクトファイルは含まれていないので、適当な開発ツールで自分でプロジェクトを組む必要がある。

関連リンク:QuickTime: QuickTime for Java: WiredSprites
カテゴリ:アップルからの開発資料, QuickTime, Java


CocoaでOpenGLの描画を行うサンプルプログラム

CocoaでOpenGLの描画を行うサンプルが「Cocoa InitGL」である。Interface Builderのnibファイルでは、ウインドウにNSOpenGLViewを継承したクラスを利用するCustomViewがオブジェクトとして配置されている。そして、継承したクラスのソースをProject Builderで参照できる。このカスタムビューにOpenGLの描画行うのであるが、クラスの継承によって独自のスペックのOpenGL表示ビューを定義することができるということである。Objective-Cでのサンプルプログラムであり、Project Builderでのプロジェクトが付属している。OpenGL対応のアプリケーションを作成する人は、まずこのサンプルからチェックするといいかもしれない。

関連リンク:Graphics 3D: Cocoa InitGL
カテゴリ:アップルからの開発資料, グラフィックス, Cocoa


KBase》Mac OS X Serverでユーザ情報を外部から得ている場合のユーザ検索

Knowledge Baseに、Mac OS X Serverにおいて、NetInfoのペアレントに接続したり、LDAPなど外部のディレクトリサービスを利用してユーザ管理をしているとき、ユーザを参照する方法についての文書が掲載された。Server Adminの「U&G」のアイコンでの検索において、検索対象に「検索パス」を指定したり、あるいは検索条件を詳しく指定する方法が手順で示されている。

関連リンク:Mac OS X Server 10.0: Accessing Users Stored in a Remote Directory via Server Admin
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X Server


KBase》マスターが存在せずスレーブだけに接続したドライブはMac OS Xのインストール時に認識しない

Mac OS Xのインストーラがスレーブのハードディスクを正しく認識しない場合についての対処がKnowledge Baseに掲載された。これは、ATAバスにマスターのデバイスを接続しないで、スレーブとしてのみハードディスクを接続したときに発生する問題である。マスター、スレーブの両方のデバイスを接続していればインストーラは正しく認識する。なお、接続されているドライブがマスターなのかスレーブなのかは、Apple System Profileで確認ができるが、Mac OS X 10.0.4に付属しているものはその情報は表示されないので、Mac OS 9で起動してAppleシステムプロフィールを利用する。デバイス情報に表示される「ID=0」はマスター、「ID=1」がスレーブを示す。

関連リンク:Mac OS X 10.0: Installer Does Not Display Hard Disk
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X Server, Mac OS X


医療用画像DICOMをQuickTime対応アプリケーションで読み込める機能拡張

K’s Roomでは、医療用画像フォーマットとして利用されているDICOM形式の画像ファイルをQuickTimeで読み込めるようにする機能拡張「DICOM Import v1.3」をリリースした。QuickTimeのインポート機能での利用フォーマットを追加するもので、QuickTimeに対応したワープロやデータベースなど数多くのアプリケーションでDICOMファイルを利用できるようになる。価格は1ライセンスが18,900円、3ライセンスが48,300円、10ライセンスが139,300円となっている。Mac OSないしはWindowsで利用できる。Mac OS X向けのものは開発中となっている。

関連リンク:medical imaging for QuickTime
カテゴリ:ライブラリ, QuickTime


文字コードの変換や変換テーブルを作成するユーティリティ

Trinfinity Softwareは、文字のASCIIコードを求めたり、逆にコードから文字を求めるユーティリティ「ASCII Tools Ver.1.0」をリリースした。フリーソフトであり、REALbasicで作られている。68k、PowerPC、Carbon対応の各バージョンがあって、Mac OS XでのCarbonアプリケーションとしても稼動する。コード変換だけでなく、文字とコードの一覧表を表示し、同じ内容のテキストファイルを生成することも可能だ。プログラムをしていて、文字のコードを10進数あるいは16進数で知りたいときは時々ある。そういうときにこうしたツールは確かに便利だが、ASCII Toolsは残念ながら漢字コードには対応しておらず、名前通りである。やはり漢字に対応するものは日本人で作らないといけないのかもしれないが、こうしたシンプルなツールでもそれなりのニーズがある問いうことは言えるのではないだろうか。

関連リンク:ASCII Tools
カテゴリ:ユーティリティ