Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年10月16日発行号 - Mac OS X 10.1のTechnote



MDOnlineの休刊期間の充当について、継続の料金を下げるというふうにしようと思っていましたが、それをするといろいろ矛盾が出ることに気付きましたので、2001年10月現在で購読されている方は、一律に1か月延長するというように対処させていただきたいと思っています。いろいろと変更があって申し訳ありません。よろしくお願いします。従って、今月、10月に購読期限切れになる方はいらっしゃいません。今月いっぱいと思っていらした方は、来月にご案内のメールを送ることになりますので、よろしくお願いします。
また、価格の改定を近々行います。WebMoneyとかBitCash(近日対応)つまりマネーカードで、ちょうどいい切りのいい価格にしようと思います。従って、若干安くなりますので、期間延長をされる場合にはそれからの方がいいかと思います。ただ、8月や9月に更新をされた方はちょっと残念に思われるかもしれませんが、大変申し訳ありませんが、お許しいただきたく存じます。また、支払い方法による手数料の違いがありますので、それを反映した価格にしますので、QQQシステムでの支払いは若干高い値段にさせていただきます。だったら、郵便振り替えはぐーんと安くなるのかという話もあるでしょうけど、マネーカード価格から振り込みの手数料を引いた金額をいちおうの定価とさせていただきます。具体的には、1年間の継続は、郵便振替は7880円、WebMoneyとBitCashが8000円、QQQシステムが8240円とさせていただき、これらはいずれも消費税込みの価格とさせていただきます。
それから、1か月購読についても可能にします。1000円の購読料にします。もっとも、月の最初に申し込むと、事実上2か月近くなりますから、まあそれも含めての1000円です。これは、郵便振替以外の入金方法を使っていただく感じになります。で、こうした購読期間を定めた場合のいろいろな矛盾が出てくることを考え、新規購読は1年を9000円、半年を6000円を基準価格として、購読期間を13か月、7か月にするつもりです。そうしないと、1000円でお試し購読した方がちょっと不利になるということがありますが、いずれにしても、ある意味では値上げです。新規購読を若干の値上げ、更新を若干の値下げとして価格改定を行います。
…てなことを9月中にはじめようと思っていましたけど、残念ながら寝込んでしまったので、後手に回ってしまいました。今日から再開ですが、実のところ、さすがにいきなり復活はできない感じで、休み休み記事を書いていました。だけど、寝込むほどではないので、やっぱり体と頭を使った方がいいような気もします。いずれにしても、いろいろご心配をおかけしました。励ましやお見舞いのメールもたくさんいただき、ほんとうに有り難く思っています。これからもご期待にそえられるように、がんばりたいと思います。ただし、倒れない程度にですね(苦笑)。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS X 10.1の変更点の詳細を記載した技術文書が公開

Mac OS X 10.1に関するTechnical Noteがリリースされた。細かな修正点が書き込まれているので、開発者やシステムについて詳しく知りたい人は必読の文書だろう。AppleScriptはVer.1.7となったが、インターネット上のアプリケーションに対してURLを指定してtellステートメントの指定ができたり、あるいは不具合点の解消などの解説が見られる。また、ファイルの種類ごとの拡張子についても一覧が示されており、スクリプト機能追加やスクリプト編集プログラムでのバグ修正点についても細かく記載されている。オーディオ関連機能については、APIのバグ修正やきちんと機能する点についてなどの説明が中心に記載されている。コマンド類では、wgetがcrulに置き換わったり、fetchmail、procmail、telnetdなどのコマンドがアップデートされるなどの変更点がある。そして、Carbonフレームワークの各マネージャや、Classic環境での改良点、Cocoaフレームワークでの改良点などが細かく記載されている。Core FoundationやFile Systemについても記載されており、HFS+は255文字のUnicode文字をファイル名として使用でき、ファイルサイズは2^63バイトが上限となることが明記されている。グラフィックス関連についてもまとめられており、QuartzやOpenGLなどの修正点が記載されている。印刷関連では、Dockに表示されるPrint Centerのアプリケーションアイコンが作業の状態を表示したり、PostScriptファイルへの保存ができるようになったことが記載されている。デバイスドライバ関連の記述では、ディスク名を10文字以上の日本語文字列に変更できなかった点などの解消などが見られる。ほかにはJavaの修正点やKernel、Network、開発ツール関連の変更点についても説明されている。

関連リンク:Mac OS X 10.1
カテゴリ:Technote, Mac OS X


クロスプラットフォーム対応のインストーラ作成ソフトがMac OS Xもフルにサポート

Zero G Softwareは、アプリケーションなどのインストーラを作成するツール「 InstallAnywhere 4.5」をMac OS Xに対応させた。InstallAnywhereは、WindowsやMac OSなどを含むクロスプラットフォームで稼働することや、さまざまな形態のソフトウエアのインストールに対応していることが特徴で、数多くの言語にも対応している。Mac OS対応として、リソースフォークにも対応する。また、Aquaのユーザインタフェースを利用することができ、Dockへの登録や管理アカウント権限でのインストール作業など、Mac OS X特有の機能も折り込まれている。InstallAnywhereは3つのタイプがあり、フリーで利用できるInstallAnywhere Now!、アプリケーションのインストーラや9言語に対応したInstallAnywhere Standard Editionが$995、29の言語やクライアントサーバ機能あるいはフルに利用できるカスタマイズ機能を備えたInstallAnywhere Enterprise Editionが$2,495となっている。

関連リンク:InstallAnywhere
カテゴリ:開発ツール, Mac OS X


Mac OS XにMySQLやPostgreSQLをインストールするCDがMac OS X 10.1に対応

OpenOSXは、Mac OS X 10.0.4〜10.1に対応した、オープンソース系のデータベースシステムをインストールできるCD「OpenOSX Database 2.0」をリリースした。MySQL 3.23.41とPostgreSQL 7.1.2を中心として、Apache Web Server 1.3.20、PHP 4.0.6、phpMyAdmin 2.20.0、MyODBC 2.50.38、iODBC 3.0.5、pdf_lib 4.0.1(デモモード)、phpPGAdmin 2.3もインストールされる。つまり、Webアプリケーションに必要なソフトウエアをまとめてインストールすることが可能になるということだ。価格は$30となっている。

関連リンク:OpenOSX Database 2.0
カテゴリ:データベース, データベース


KBase》WebObjects 5で配列オブジェクトをエンタープライズオブジェクトに保存

WebObjects 5で、NSArrayあるいはNSMutableArrayをカスタムバリューとして、エンタープライズオブジェクトに保存しようとした場合、例外が発生する問題について、Knowledge Baseに記事が公開された。WebObjects 4.5までは、NSObjectに変換するarchiveDataというメソッドが用意されていたが、WebObjects 5ではそれは利用できないようになっている。そこで、NSArrayやNSMutableArrayでも同じようなことができるようにするには、NSMutableArrayを継承したカスタムクラスを自分で定義して、そこでarchiveDataを新たに定義する必要がある。この文書にメソッドのサンプルプログラムが掲載されているので、とりあえずはそのまま自分のプログラムとして組み込むことで対処できるだろう。

関連リンク:WebObjects 5: Saving an Enterprise Object with NSArray or NSMutableArray as a Custom Value Class Causes Expection
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), WebObjects


CocoaアプリケーションでのNSStatusItemによって必ずフロントに出てくる問題について

Technical Q&AにCocoaアプリケーションで、NSStatusItemをクリックした場合、バックグランドオンリーのアプリケーションであってもフロントに出てきてしまう点についての解説が掲載された。これは、Mac OS X 10.1のバグであり、今後のバージョンで修正される予定となっている。とりあえずの対処法となるObjective-Cでのプログラムも掲載されている。

関連リンク:QA1081:Background-only apps with NSStatusItems become active in 10.1 on NSStatusItem clicks
カテゴリ:Technical Q&A, Cocoa


Carbonアプリケーションでのスレッド利用を行うイベント処理について

Technical Q&Aに、CarbonアプリケーションでThread Managerを使ってマルチスレッドを行う場合に、Carbonイベント処理との兼ね合いについての文書が掲載された。RunApplicationEventLoopを使った場合、YieldToAnyThreadを呼び出す機会がなくなるが、これはタイマー等を使う必要があるのかという問いである。実際はそういった手法を使う必要はなく、イベントループを組み立てることで、スレッドに対するYieldToAnyThreadの呼び出しは可能となっている。少し長いプログラムであるが、イベントループの組み立て方がサンプルプログラムとして示されており、コメントがしっかり書き込まれているので参考になると思われる。

関連リンク:QA1061:RunApplicationEventLoop and Thread Manager
カテゴリ:Technical Q&A, Carbon/CF


KBase》Mac OS XをNISのクライアントにする方法

Mac OS Xを、NISのクライアントに設定する方法がKnowledge Baseに公開されている。通常Mac OS Xは、NetInfoというディレクトリサービス機能を使っているが、これを使わないでNISを利用して認証などを行う方法が紹介されている。hostconfigファイルやlookupdの設定を変更するため、rootとしてログインして作業をするのがやりやすいと説明されている。設定ファイルの例やコマンドの入力方法、NetInfo Managerを使った設定の確認等が詳しく紹介されているので、NISのクライアントとして利用したいユーザは大いに参考になるだろう。(NIS:Network Information Service。サン・マイクロシステムズの初期のOSで最初に導入されたディレクトリサービスで、ユーザの認証情報などを複数のマシンで共有するなどの目的で利用されている。)

関連リンク:Mac OS X 10.1: Binding Local NetInfo Database to an NIS Domain
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク, ネットワーク管理


Carbon対応したCodeWarriorのPascalコンパイラプラグインが公開

Metrowerksは、「Pascal Compiler Plugin 1.9.5 for CodeWarrior 7 for Macintosh」など、CodeWarrior 7/6/5.3向けのPascalコンパイラをリリースした。Carbonに対応したプラグインとなっている。このプラグインのリリースをもってPascal言語サポートを終了する。なお、テクニカルサポートは受け付けられず、質問等はニュースグループで行ってほしいとしている。

関連リンク:Metrowerks: Updates and Patches
カテゴリ:CodeWarrior


MacのWebサーバでBasicライクなサーバサイドスクリプトを実現するCGI

Mac OS上で稼働するWebサーバで、Basicライクなスクリプト言語を使ってプログラムを作成できるサーバサイドスクリプトシステム「MacASP 0.86」がリリースされた。開発サイドは、最初のβ版であると位置付けている。MacASPは、Mac OSあるいはMac OS Xでの稼働が可能だが、Classic版だけが現在は配付されている。各種のWebサーバで稼働するとしているが、WebStar、WebTen、QuidProQuo、Personal Web Sharingでのテスティングをしている。マルチスレッド動作に対応し、データベース接続やメールの送受信にも対応している。Microsoft WindowsのIISに組み込まれているASPとは完全な互換性はないとしている。フリーで入手できる。

関連リンク:MacASP
カテゴリ:サーバー関連


KBase》AppleWorks 6.2.1でウインドウの初期サイズが小さくなるのはDockの位置が原因

Mac OS X 10.1とこのOSに対応したAppleWorks 6.2.1において、ウインドウやパレットが異様に小さくなったりあるいは表示されなくなるという症状がある。たとえば、新規に開いたウインドウが、画面いっぱいに開かないで、横長の細いウインドウとして表示されてしまう。これは、Dockが右ないしは左に表示されているときにこうなり、Dockを下側に表示した場合には発生しない症状であることがKnowledge Baseの文書で公開された。

関連リンク:Mac OS X 10.1, AppleWorks 6: Windows Appear Small or Off Screen
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 文書作成アプリケーション