Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年11月14日発行号 - 10.1.1にAirMac2.0に…



今日、SpeedNetの工事の人が来たのですが、大変悲しいことに、電波強度が十分でなく、インターネット接続はできませんってことなのです…。基地局から500mまでならOKなんだけど、たぶん、途中に森(というか神社)あるいはマンションなどがあるためダメなんでしょうということでした。屋根上でも電波強度は足りないそうです。今月からサービス地域に入っているのに、工事に来るまでダメなことが分からないとはなんか準備不足な気もしますが、まあ、仕方ありません。ただ、工事に来た2人のおにーさんは、とっても感じが良く、きちんとこちらを向いて、はきはきと敬語で話し、その内容がきちんと日本語になっているので、そこで嫌な思いをすることはありませんでした。というかむしろプラス点で、「じゃあ電波が強くなるのをまとうじゃないの」と思わせるものですね。株主などお金の出るところにばかりいい顔をしておいて、サポートは無茶苦茶ということで、強引にビジネスをすすめている人たちは、こういう現場の人の態度や対応でいかにイメージが変わるかということをもっと認識すべきでしょう。で、ケーブルテレビは当然まだ解約していないので、しばらくはこれを使うことになります。もちろん、SpeedNetにはうちの近所に中継局を作ってくれとさっそくメールしましたけど。あぁ、だったら光ケーブルという声も…。
昨日は体調をちょっと崩しましたけど、夜中頃にはすっかり直っています。ご心配をおかけしました。サン電子からやっとMac OS XでPHSを接続できるアダプタが出ますけど、PCカードを外付けしないといけないというのはほんとになんか妙ですね。なんとかPCカードモデムをMac OS Xでサポートしてほしいところです。ちなみに、内蔵モデムで、「みなし接続」をやってみたのですけど、どうやってもダメでした。もっとも、昔もみなし接続ってなんかけっこうテクニックが必要だったと思うのですが、そういうノウハウはすっかり過去のものとなっていて…。実は、秋葉原でみなし接続のためのケーブル(一方がPHSのイヤホン、一方がモジュラ)のケーブルってまだ売っています。神田幼稚園の下のちょっとヤバそうなCDなんぞも売っているあの界隈です。どなたかうまく行った方がいらっしゃったら教えて下さい。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


KBase》Mac OS X 10.1.1へのアップデートが公開

Mac OS X 10.1.1がリリースされた。ソフトウエア・アップデートを使ってダウンロードができるようになっている。USBやFireWireサポートの向上、デジカメサポートやDVD、CD作成の向上、プリントやネットワーク機能のサポートの向上、FinderやMailなどのアプリケーションのアップデート、最新のPowerBook G4でのミラーリングの問題の解消などが変更点となっているが、詳細については公開されていない。Mac OS X 10.0に加えてSecurity Update 10-19-01とInstaller Updateを適用した上で、アップデートができるということになっている。ファイルの日付けなどを見る限りでは、DV関連やQuickTimeなどに更新されたか追加されたと思われるファイルなどがあるが、通常、使う上での変更点はほとんどなさそうである。Dockを右にしたとき、ドライブアイコンとDockとの距離が広くなったような気がするが、これはちょっと広くなり過ぎかもしれない。つまり、細かなバグ修正やあるいは動作を安定させるためのアップデートとなっているようである。ちなみにビルド番号は5M28となっている。

関連リンク:Mac OS X Update v 10.1.1: Information and Download
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X, OS関連ソフトウエア


AirMacが128ビット暗号化に対応、ベースステーションはEthernetを2ポート装備しブロードバンドISPに対応

AirMacがVer.2.0となり、ビット長の長い暗号化の対応や、いわゆる「ブロードバンド対応」を行った。AirMacは、Macintoshでワイアレスネットワークを構築するためのハードウエアとソフトウエアを総称するものである。1999年に出荷が開始された初期のiBookとともに登場し、その後はPowerBookシリーズはもちろん、Power Mac G4やiMacでも利用できるようになっている。転送速度が11Mbpsと、10BASE-T相当の転送速度を確保しながら、ケーブルがなくてもネットワーク接続ができるのが大きなメリットだ。今ではWindowsでも利用できるようになっているが、最初に一般ユーザが手の届く範囲で一連の製品を出荷したのはApple社である。Apple社から提供されているのは、AirMacカードという専用のスロットに接続するPCカードサイズのクライアント用アダプタと、AirMacベースステーションというワイアレスLANのハブに相当する中継機器である。ベースステーションからプロバイダに接続することができ、ワイアレスLAN内の複数のパソコンからインターネット接続を共有するといったことも可能だ。また、ベースステーションのデザインも、宇宙船を思わせるユニークなデザインであることも話題となった。また、AirMacカードを搭載可能な本体は単に接続できるだけでなくアンテナ機能をもとから組み込むなど、効果的にワイアレスLANを利用できる配慮も見のがせない。

今回のアップデートは、AirMacのクライアント用ソフトがVer.2.0になったことと、ベースステーションが新しくなったことだ。従来から販売されているAirMacカードを使っているユーザも、クライアントソフトウエアをVer.2.0にアップデートすることで、新しい機能が利用できるようになる。そのクライアントソフトウエアVer.2.0は、128ビットの暗号化に対応した。これまでは40ビットであったが、セキュリティをより強固にすべきだという声に応えたものだ。ただし、従来版のベースステーションとの接続では40ビットの暗号化にしか対応しない。また、ユーザ認証システムの1つであるRADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)のクライアントのサポートも追加された。従って、これまででは、ネットワークパスワードという共通利用パスワードでの認証しかできなかったのが、個人ごとに割り当てた認証情報をもとにして、ネットワーク接続の許可あるいは不許可の制御ができるようになったということである。また、Cisco社の製品で使われている認証システムのLEAP(Lightweight Extensible Authentication Protocol)対応のクライアント機能もサポートする。AirMacくらいアントソフトウエアのVer.2.0は、Mac OS 9.0.4およびMac OS X 10.1以降で利用でき、従来からのユーザはフリーでダウンロードできる。ソフトウエア・アップデートの機能を利用すると手軽にインターネットからインストールできる。Mac OS X版のソフトウエアの名称は「AirPort」となっている。なお、AOLとの接続の問題を解消したとしており、「America Online Extras for AirPort」というソフトウエアも英語版として配付が開始されている。AirMac Ver.2.0は、Knowledge BaseのページだとAirMacカードだけでなく、Lucent WaveLANないしはOrinoco PC Cardでも利用できると記載されている。

一方、新しくなったAirMacベースステーション(名称の変更がなく、バージョン番号も付けないのでややこしいが、以後は新版のベースステーションのことを示す)であるが、まずはEthernetポートが2つになったことが大きな変化だろう。これまで通り、56kbps対応のモデム端子もある。従って、モデムを通じた電話回線のダイアルアップ接続、Ethernet端子からのケーブルモデムやADSLモデムを通じたブロードバンドプロバイダへの接続もできるようになった(PPPoEやDHCP IDには以前からすでに対応済み)。ただし、相性の問題も可能性としてはあるので、絶対に全てのプロバイダに接続できるとは言えないものの、仕様の上からはほとんどプロバイダに対する接続には利用できるだろう(ただし、プロバイダによってはルータ付きモデムでの接続しかできない場合もあるので、その場合はベースステーションの一方のEthernetしか必要はない)。プロバイダ接続用のEthernetは10BASE-T、内部ネットワーク用のポートは100BASE-Tである。また、1つのベースステーションで50クライアントまでの接続ができるようになった。また、128ビットの暗号化にも対応している。ベースステーションの形状はほぼ同じだが、以前のややダークなカラーから、iBookのようなホワイトのカラーに変化している。

AirMacカードの価格は\12,800と従来と変わらないが、ベースステーションは\34,800円とわずかだが値下げをした。その他の仕様は従来と基本的には変わらず、基本的な規格もIEEE 802.11b対応のものである。新しいベースステーションは2001年12月上旬に出荷予定となる。なお、ファイアウォールの機能があることが説明されているが、これはNAT機能によるものと、ポートマッピングの機能を指しているようであり、この機能は従来のベースステーションでも利用できていたものだが、Ethernetの2つのポートに対してNATによりアクセスが制限されることを示しているものと思われる。

関連リンク:AirMac
カテゴリ:ネットワーク管理, ネットワーク


サン電子から通信用PCカードをUSB端子に接続するアダプタがMac OS X対応として発売

サン電子から、PCカードタイプのモデム・通信カードをUSBポートに接続するアダプタ「Slipper X」が発売されるが、これはMac OS X対応となっている。2001年12月20日の発売を予定している。Mac OS Xでのモバイルの状況にやっと本格的な動きが出ると言えるだろう。すでにサン電子より、「U-Cable Type D3」という携帯電話とUSB端子から接続するアダプタが発売されているが、これはデータ通信速度が9600bpsであり、制約としてはあまりに大きい。FOMA等があるものの、モバイル利用者の多くは1999年の段階ですでに64KbpsをクリアしているH”、つまりPHS利用者が多いと思われるが、Slipper Xの登場でやっとのことで、Mac OS XをPHSと接続できるという状況になる。対応しているカードはDDIポケットのAir H”、Card H”、NTTドコモのP-in、P-in m@ster、アステルのAN-X1、SIIのMC-6550などとなっているが、対応カードについては以下のページを確認してもらいたい。U-Cable Type D3と同様、Slipper Xも、ソフトウエア自体をインストールするのではない。USB端子を利用したシリアルインタフェースの規格であるCommunication Device Class 1.1(CDC 1.1)に従ったハードウエアインタフェースであり、OS側はCDCに対応した入出力を行うUSBドライバがあってそれを使うということで、通信が行えるようになるということだ。
なお、筆者もいちばん最初のH”対応PHSを購入し、SIIのMC-6550を持っているが、Mac OS Xを使いはじめてからは、Mac OS 9で起動して使うしかないという状況になってしまった。それほど頻繁にモバイルする必要もないこともあって、このところはあまり外出先でモバイルすることは少なくなってしまった。Slipper Xでこれでまたモバイルできるという前向きな話でもあるが、せっかくPowerBook G4を持っていてPCカードが装着できるのにも関わらず、アダプタを購入し、それを持ち歩かないといけないというのはやはりちょっと腑に落ちないところはあるし、スマートではないとも感じる。サン電子としてはこのところはCDC対応品ということで汎用品にシフトしているためこうした製品形態となるのだろうが、USBからPHSに直接接続できるアダプタを期待していたところだ。あるいは、Mac OS Xに、PCカードモデムのドライバが装備されることも一方で期待していたが、Mac OS X 10.1.1でも組み込まれていない。いずれにしても、モバイラにとっての進歩ではあり、時間が解決したことでもあるのだが、待ち時間も長かったと言わざるを得ないだろう。また、今後のモバイルインターネット環境として、どのメーカの電話がいいのかなどとまだ頭を悩ませることになりそうだ。

関連リンク:MacOS X(V10.0〜V10.1)対応モバイルデ−タ通信カ−ド専用USB変換アダプタ:Slipper X
カテゴリ:周辺機器, インターネット全般