Macintosh Developer Online (MDOnline)


2001年12月4日発行号 - Javaのプロパティ



今日、配信するはずの記事があり、取材をしたのですが、明日にならないと配信できないということで、思ったより短くなってしまいました。
先週はJavaOneがあって、横浜では盛り上がっていたわけですが、あるニュースでは6000人の来場があったとしていました。ただ、以前のJavaOneといえば、Sun Microsystemsが、今後のロードマップを華々しく発表した点でも話題を独占していましたけど、ここ数年はまさに開発者向けの勉強会といったところでしょうか。知り合いに会って話をし、新しい友人を作る場という側面も強いでしょう。私は参加できませんでしたけど、BOFあたりはそうしたことには貢献する場になったとも聞いています。ただ、いかにもといったトピックがなかっただけに、ニュースも静かに進行しているというところでしょうか。その中で、AppleからはJDK 1.4のスケジュールが具体的に出ただけでも、ある意味では情報は多かったと言えるわけです。セッションのいくつかに出てみましたけど、たまたまかもしれませんが、あまり深入りするセッションという感じのものはありませんでした。Sunのサイトをしっかり見ている人とか、雑誌の記事をちゃんとフォローしているような人だと知っている話が多かったかもしれません。横浜に行く気力がでなかったという人もいたりして(笑)。別の媒体の知り合いは、セッションよりパビリオンの方が取材してネタになるとも言っていました。プレスルームはいついってもガラガラで、その意味では快適に仕事ができたのではありますが、露出度という点ではそういう感じでしょうね。いずれにしても、携帯Javaがクローズアップされたイベントであったことは否定できません。プラチナスポンサーの6社のうち、半分が電話会社ですからね。しかしながら、何かと話題のJavaとは言え、毎年の大きな変化はある意味では日和見的でもあります。たぶん、携帯機器ではよほどのことがない限りJavaは覆すことはできないでしょうし、サーバ系でも地位は確保されたでしょう。だけど、いずれもJavaであることはアピールしても、Javaそのものにタッチするのは開発者だけで、利用者にはあまり関係ない話でもあるわけです。その意味ではどんどんと地味な存在に年々なっていると言っていいかもしれません。Javaを起源にもっていても、Javaをキーワードとして使わない方が、かえって存在感を発揮できるようになるのじゃないかとも思ったりします。

というわけで、鶴薗さんの「Cocoaはやっぱり!」の当選者は以下の通りです。敬称略とさせていただきました。水曜日に、郵便で発送します。よろしくお願いします。なんと、44名の応募がありました。

Cocoaはやっぱり!当選者:あつし@大阪、いし、綱丸、立川幸男、enu
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS XのJavaアプリケーションで実行時に有効となるプロパティについて

Mac OS XでのJavaアプリケーションを実行する場合に有効なプロパティについての文書がTechnical Noteに掲載された。Java VMのプラットフォームに関わらず利用できるプロパティではなく、Mac OS Xでの動作上で利用できる様々なプロパティが紹介されている。プロパティは、パッケージ内ではMRJApp.propertiesないしはInfo.plistファイルで記述される。プロパティとしては、メインクラスを指定する必須のものに加えて、アンチエイリアスやハードウエアアクセラレーションといったグラフィックス、ライブリサイズなどのアプリケーションのさまざまな動作を指定するものが用意されていて、それらが一覧表となっている。実際にプロパティを指定する方法が記載されているが、Project Builderでのアプリケーション設定として指定する方法が、Ver.10.1ではいちばんメジャーな方法となるだろう。

関連リンク:TN2031: Java Runtime Properties for Mac OS X
カテゴリ:Technote, Java


【MacWIRE配信予定】Inside Mac OS XシリーズやQuickTime APIリファレンスなどが書籍として発売

fatbrain.comから、Mac OS Xのプログラミング関連の書籍が発売されている。すでに発売が開始されているものである。いずれも、AppleのサイトからはPDFやHTMLで参照はできるものであるが、書籍になったものを手にとって見たいという場合には、きちんと製本されたものが手に入るため、購入する意味はあるだろう。

◇Inside Mac OS X: I/O Kit Fundamentals
 http://www1.fatbrain.com/asp/bookinfo/bookinfo.asp?theisbn=1400531276
Mac OS Xでの周辺機器とのやりとりを行う部分であるI/O Kitに関する基本から説明されたドキュメントである。動作原理や、ドライバをプログラミングするのに必要な情報などがまとめられており、224ページのボリュームで、$23.50である。2001年10月に発行されている。

◇Inside Mac OS X: Aqua Human Interface Guidelines
 http://www1.fatbrain.com/asp/bookinfo/bookinfo.asp?theisbn=1400531284
Mac OS XのユーザインタフェースコンセプトであるAquaに基づいた、ユーザインタフェース設計のためのガイドラインを集めた書籍である。284ページで、$28.50となっている。

◇Inside QuickTime: API Reference
 http://www1.fatbrain.com/asp/bookinfo/bookinfo.asp?theisbn=1400531012
QuickTimeのAPIリファレンスで、全5巻、3118ページという大きな書籍だ。$317.50となっている。アルファベット順にAPIコールを解説するのに3巻、データ構造などに1巻、そしてクロスリファレンスやプログラミングの概要に1巻といった構造になっている。

◇Inside QuickTime: QuickTime API Reference CD
 http://www1.fatbrain.com/asp/bookinfo/bookinfo.asp?theisbn=1400531020
QuickTimeのAPIリファレンスが、HTMLとPDFの両方のフォーマットで供給されるCD-ROMである。価格は$48.50である。

カテゴリ:開発情報, 雑誌、書籍


Unicodeやロケールに関するAPIリファレンスが公開

Carbonフレームワークに含まれる、Unicode関連のシステム機能に関するAPIリファレンスが新たに公開されている。

◇Unicode Utilities Reference
 http://developer.apple.com/techpubs/macosx/Carbon/text/UnicodeUtilities/unicodeutil.html
Mac OS 9およびMac OS Xで使えるUnicode Utilitiesのリファレンス。キー操作とUnicodeへの変換処理や、文字列の区切り処理、あるいはUnicode文字の比較といったAPIが提供されている。

◇Locale Utilities Reference
 http://developer.apple.com/techpubs/macosx/Carbon/text/LocaleUtilities/Locale_Utilities/index.html
Unicodeの処理に必要なロケールの管理を行うAPIの解説である。

カテゴリ:アップルからの開発資料, テキスト/フォント


QuartzのAPIリファレンスが公開

Mac OS Xの2次元グラフィックス処理を行っているQuartzのAPIリファレンスがリリースされた。関数や定数などが一覧されているので、特定のAPIコールだけの情報を探すには便利だろう。Quartzについてはプログラマ向けのドキュメントとしては、「Drawing With Quartz 2D」や「Quartz Primer」といった解説文書がすでにリリースされている。Mac OS Xの大きな特徴であるQuartzではあるが、Mac OS Xリリース時にはドキュメントも不足していたものの、リファレンスも公開されたことで、本格的にプログラミングに利用できる下地も揃ってきたと言えるだろう。

関連リンク:Quartz 2D Reference
カテゴリ:アップルからの開発資料, グラフィックス


アプリケーションのデバッグをリアルタイムでできるツール

AustinSoftは、Mac OS 9およびMac OS Xで利用できるリアルタイムのデバッグツール、「DTerm」を2001年12月に出荷する予定だ。DTermを起動すると監視対象のアプリケーションの動作をリアルタイムで見ることができる。ライブラリをアプリケーションに含める必要があるが、ライブラリ自体はアプリケーションの動作には影響しないとしている。価格は$64で、ボリュームディスカウントもある。

関連リンク:DTerm
カテゴリ:開発ツール


KBase》Mac OS XのPrint Centerの使い方、すべてのキューやリストの削除方法

Knowledge Baseに、Mac OS Xのプリントキューを管理するユーティリティであるPrint Centerの使用方法が掲載された。印刷の処理をアプリケーションで行うと、プリントキューとして、印刷作業がシステムに登録され、Print Centerでそれを管理できる。選択して削除などすることで、印刷待ちの段階でキューを削除できるのは見ての通りのユーティリティであるが、optionキーを押したままPrint Centerを終了すると、すべてのキューと、すべてのプリンタリストが削除される。キューを含めてプリンタ設定もまとめて削除したいときには便利な機能だろう。

関連リンク:Mac OS X: How to Delete Printers and Print Job Lists in the Print Center
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器利用, Mac OS X


KBase》Mac OS XではDVD-RAMのUDFフォーマットへは書き込みができない

Mac OS XでDVD-RAMを使う場合に、UDFフォーマットされたものの場合、エラーメッセージが出てきてしまうことが、Knowledge Baseで紹介された。DVD-RAMディスクからのコピーなどは行えるが書き込みはできない。Mac OS Xでは、UDFフォーマットでなく、Mac OS拡張フォーマットやUFSフォーマットでDVD-RAMを使うようにする。Disk Utilityを使ったフォーマットのやり方が説明されているが、もちろん、そうするとディスクは消去される。UDFとして使いたいのなら、Mac OS 9で使うようにと記載されている。

関連リンク:Mac OS X: "The disc ’Ram’ could not be modified" Alert
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


KBase》AppleWorks 6.2.2ではウインドウの表示の問題を解消

Mac OS X 10.1とAppleWorks 6.2.1で発生していた、ウインドウやパレットが小さくなったり表示されないという問題は、Ver.6.2.2で解消されている。

関連リンク:Mac OS X 10.1, AppleWorks 6: Windows Appear Small or Off Screen
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 文書作成アプリケーション