今日はWebObjects 5.1の発表会でした。WO5.1の新機能などはドキュメントをまだしっかり読み込んでいなかったのでどういう感じなのかを知りたかったのですが、その意味ではよく分かったというところです。ただ、WebObjectsはいろいろな工夫で最小限のコーディングで利用できる点が1つの魅力です。しかしながら、当たり前といえばそれまでですけど、EJBと言っても実態はJavaのクラスでJavaのソースを書かないといけません。ソースのひな形はProject Builderで作ってくれるとは言え、EOFのときのようにEOModelerで作ったモデルファイルを元に、データベースの中身が自動的にオブジェクトされるというわけではなく、カラムに対応する変数も手入力する必要があるみたいです。一方、EJB化してしまったものについては、WebObjects BuilderでWOComponentとリンクができるようです。今回のデモはともかくスクラッチで作ったというところでしょうけど、むしろ実用的なのは、すでにEJBが作られている上でのWebObjects利用なのかなと思いました。ただ、その辺りは、他のツールでも得意とするところですが、Java系の開発ツールと違ってユーザインタフェースの作り込みはWebObjects独自の方法だけど、HTML生成という意味ではかなり高性能ですから、アピールするポイントはあるでしょう。
というわけで、今日は出かけて打ち合わせやらなんやらで戻ってくるのが遅くなりまして、積み残し記事(KBaseやTech Q&A)がいっぱいあります。土曜に発行をしますので、そちらで記事を御覧下さい。それでまた、PostgreSQLが不可解な動きをしてくれて…解決はしましたけど、インデックスを消さないと追加で書き込みができなくなっていました。気付くのにちょっと時間がかかりました。早くサーバを移動させたい…。
それから、土曜の次の発行は火曜日ですが、火曜日も出かける時間が長くなるので、遅くなる可能性があります。大学の講義は実はMDOnlineを出さない確率が高い月曜にしてもらっているのですが、月曜日ってなんだかんだで休日になる確率が高いですから、22日の火曜日も月曜と同じスケジュールで授業を行って、来週の中頃から試験という日程なんです。だから、学校にとっては月曜が2日続く日があって講義にいかないといけません…。もっとも、早慶戦、もとい慶早戦というしきたりでさらに1度休講がありました。これ、説明するのが長くなるので、またそのうち(笑)。身近に早慶出身者がいたらたずねてみて下さい。そんなしきたりがまだあるのか!と思うようなものですけど、いちおう学校ぐるみでしきたりは残しているんですよね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp)
2001年1月18日、アップルコンピュータは、今月に新たに発売されたWebObjects 5.1に関するプレス説明会を開催した。マーケティング本部長の大宮哲夫氏よりの話から始まった。2000年6月にリリースしたWebObjects 5.0をリリースして好調にビジネスが推移している。昨年はJavaOneに出展するなど、Javaコミュニティへのアピールしてきた。顧客の要望としてあったEJB対応を達成しての5.1のリリースである。バージョンは0.1の違いだがそれ以上に大きな変化がある。
続いて、プロダクトマーケティングの鷲滝薫氏からの話に移った。WebObjects 5.1の概要についての説明が行われた。WebObjects 5.1は「階層型アプリケーションを開発運用するためのすべてのコンポーネントを提供」するものと説明し、今回のアップデートによりJava2 Enterprise Editionへの対応を果たした。従来はWebObjectsだけですべてできるものだったが、新たに開発はWebObjectsを使い、稼働環境は異なるアプリケーションサーバでもできるようになった。また、Project BuilderでBeansの開発ができるようにもなっている。WebObjectsのアドバンテージとしては、首尾一貫したアプリケーションデザインによりWebサイトを随時更新できることや、実績あるフレームワークを使っての高度な開発作業ができること、コンポーネントの再利用や最小限のコード作成によりトータルコストの削減が挙げられる。WebObjectsのアプリケーションにはいくつか形態があるが、1つはWebブラウザを使うものである。これだと、クライアントサイドのアプリケーションは不要となり、クライアントのメンテナンスは必要なくなる。不特定ユーザを対象とした比較的負荷の軽いシステムに向いている。もう1つは、Javaクライアントであり、クライアントにアプリケーションを配置するもので、より表現力のあるユーザインタフェースが提供可能となっている。また、クライアントとサーバでの負荷分散も可能である。業務システムなどの特定ユーザ向けに向いている。WebObjectsはユーザインタフェースとビジネスロジック、データアクセスが分離独立している。GoLiveやDreamweaverでユーザインタフェースを使うことも可能だし、既存のJavaコードの利用も可能である。
Ver.5.1では運用環境が柔軟になり、Java2EE/Java2SEベースのサーバで運用できるようになった。J2EEでは、OpenEJB、Tyrex、OpenORB、Servlet 2.2 & JSP 1.1、JNDIといったテクノロジーに対応している。TomcatやWebLogicでの運用やJBuilderでの開発にも対応している。J2EEアプリケーションサーバとしては、ServletやJSPと同じレベルでWebObjectsアプリケーションを併用できる。ただし、WebObjectsのフレームワークも必要となるので、稼働のためのライセンスは必要になる。一方、WebObjectsのアプリケーションサーバにおいても、EJBをコンポーネントとして使うことができる。
WebObjectsビジネスの展開として、プロマーケットソリューションの拡張を行っている。ビデオやメディカル、DTPというソリューションをインターネットに対応させ、ストリーミング、電子カルテ、Webパブリッシングなどのソリューションを実現する。今後はこうしたアップルが強いマーケットに対してWebObjectsのソリューションを提供する考えだ。また、WebObjectsを使うことでのデベロッパーのビジネスチャンス拡大も訴えた。既存のMac市場のパッケージデベロッパーや、あるいはJavaデベロッパーにも参入を促したいと考えている。最後にWebObjects 5.1の販売情報を示し、Ver.5.1からはWindowsとMac OS Xの両方向けにトライアル版を制作したことを紹介した。また、Ver.5.1からはパッケージの表記が日本語になり、マニュアルが日本語化されたものが含まれている。
続いて、ソリューションサポートの野村さやか氏よりテクニカルオーバービューとして、WebObjects 5.1のデモが行われた。機能構成の概要説明の後、まずは実際に作成されるアプリケーションがどのようなものかを示した。そして、実際の開発のデモが行われた。まず、Project BuilderでEnterprise JavaBeansのプロジェクトをテンプレートから作成する。BeanはCMPのものを選択して、プロジェクトを構成した。必要となるXMLの定義ファイルがMETA-INFディレクトリに自動的に作成される。classファイルとしても、BeanやHomeという名前が付加されたものが自動的に作成される。まずは、*Bean.javaクラスに、データベースのカラムに対応した変数をクラス変数としてキー入力で定義をする。そして、レコードの生成や、カラムに対応した変数のget/setメソッドなど、いくつかのメソッドを加えた。さらに*Home.javaでレコード生成のメソッドを整え、全文検索のためのメソッドを加えた。さらに、*.javaファイルにビジネスロジックをメソッドとして追加した。いずれも、こうした作業はプログラムソースの修正と言うことで行われた。続いて、XMLファイルに対して、主キーやCMPフィールドの記述を加える。そしてビルドする。スタブを作るためのシェルスクリプト実行で、少し時間がかかる。そして、ビルドスタイルをDeploymentにして正しい位置(システムにあるフレームワークのフォルダ)にインストールした。結果的にjarファイルを含むフレームワークが出来上がった。/System/Library/WebObjects/JavaApplicationsフォルダにOpenEJBToolsというツールがあって、それを使ってテストができる(Terminalで稼働させていた)。
続いて作成したEJBのフレームワークを利用するアプリケーションのプロジェクトを作成する。従来のWebObjectsアプリケーションの形態に加えてXMLファイルが加わる。そこで、データベースからのマッピングやJNDIネームの定義などがあり、いくつかを修正した。また、ソースコードについても追加や修正を行う。そして、新しいComponentを作成し、ページの設計を行う。ソースコードを追加するとともに抽象クラスとして定義しておく。さらに、作成したComponentをサブクラスとしてページを作り、それをメインページとして、レコードをすべて検索して表示されるようにする。さらに、個別のレコードの詳細ページを作成する。続いて、WebObjects Builderでの作業に入る。Mainページでは別のコンポーネントの埋め込み、そちらのページで、WOComponentを配置して、一覧表示されるようにするが、ドラッグしてコンポーネントとカラムを結合する。まだ、個別のレコードを表示するページでは、ムービーが表示されるように、WebObjects Builderで編集を行った。さらに、XMLデータを修正してビルドを行った。XMLファイルの編集はどうしてもやらないといけないということだ。従来の方法に加えて、こうしたEJBを使った開発手法も使えるようになった。
(続く)
関連リンク:WebObjects
カテゴリ:Java, WebObjects
続いて、ソリューションパートナーとして、オブジェクトビジョンの代表取締役である石井竜一氏からの話になった。同社より、WebObjects 5.1対応のECサイト・マーケットプレイス構築ソフトウエアのリリースが行われる。すでに同製品は導入実績がある。同社は、WebObjectsの初期のリリース時から開発に利用しており、40以上のプロジェクトに関わってきた。サーバが50台以上という大規模なシステムの開発運用実績もある。ECサイト・マーケットプレイス構築ソフトウエアはそうしたアプリケーションに必要なビジネスロジックをJavaで構築している。さらに、言語リソースの追加で多言語表示を可能にする機能や、J2EEでのデータベース接続にも対応している。導入事例として、OSIN Netという台湾の会社が運用している中古半導体製造装置のマーケットプレイスが紹介され、2001年10月から複数サーバで運用しているものである。言語選択のポップアップメニューで言語が選択できるが、1つのアプリケーションで複数の言語に対応している。機材の分類が一覧され、そこから、詳細な一覧が出てきて、オークションや購買などができるといったページが紹介された。機能的にはさまざまな拡張が可能で、認証だけをVeriSignを使うとか、物流には運送会社のサーバと連動させるとかいったことも可能である。システムは、Mac OS X ServerやSolarisだけでなく、RedHat Linux 7.2もサポートする。データベースもOracleだけでなく、Sybaseもサポートしている。
さらに、テクニカル・ピットの倉橋浩一氏からの話に移った。WebObjectsによるソリューションビジネスを展開していると紹介された。今回のAppleよりのデモンストレーションについては、EJBだとたくさんの作業が必要になるが、WebObjects本来の機能を使えばもっと簡単に開発ができると補足した。WebObjectsの受託開発に加え教育教材開発を業務として行い、2000年には「WebObjects実践ガイドブック」を刊行している。2002年からセミナーを中上級者向けにセミナーを行う。セミナーでは、JavaやHTMLをより深く知り、WebObjectsを使った場合の生産性を高め、エンタープライズ向けアプリケーションに向けた巨大データベース構築などの知識を紹介する。そして、Q&A形式で問題点の解決もセミナーの中で行われる。一方、初心者向けのトレーニングも行うが、Appleのセミナーが地方では行われていないことに注目した。短期間で実践的なWebObjectsを修得することを目的としており、セミナー後にはメーリングリストでフォローするといった方式をとる。中上級向けセミナーは、2002年1月22日からと、初級向けには京都で1/29と2/2から行う。また、3月のMacworldでは特別セミナーを行う。その後は具体的なテーマを設定したセミナーも行う。また、京都での初心者向けセミナーでは身体障害者向けに各回先着2名までプログラマを招待する。また、2001年9月のテロ事件の被災救援募金した人に対して、WebObjects初心者向け教材の無償提供も行っている。WebObjectsを生み出した国であるアメリカに対する思いから、こうしたことも行っているという。
引き続いて、Q&Aが行われた。トライアル版の配付については、イベントなどで配付を行う。ADCのサイトからのダウンロードも可能となる。対応WebサーバのApacheのバージョン指定がある点については、テスティングでの検証を行ったバージョンを明記しているのである。他のバージョンでも問題が出たことはない。OpenBaseは付属をしなくなった点については、特に大きな理由はないとのことである。
(この項、以上)
関連リンク:WebObjects
カテゴリ:Java, WebObjects
オブジェクトビジョンは、「ECサイト・マーケットプレイス構築サービス」の提供を開始する。システムの特徴は、まず、複数の言語に対応したページを作成できることで、言語ごとのリソースを用意すれば、同一のレイアウトで複数の言語に対応することができる。また、会員や顧客管理、販売や購入、オークション、物品の分類、マッチングといった、ECサイトやさらにはマーケットプレイスといったアプリケーションを構築するのに必要なロジックをあらかじめ用意されている。これらはWebObjects 5.1をベースにJavaの機能を利用して構築している。同社ではこうした仕組みを利用して、アプリケーション開発やシステム開発、さらには運用のサービスを提供するとしている。実際に、日本語と英語、中国語に対応した中古半導体装置のマーケットプレイスOsin Netで稼働している。EJBを用いての認証サービスとの連動や外部の決済サービスの利用、あるいは流通関連サービスとの連動も、Javaをベースにできるようになっている。サーバOSには、Mac OS X Server、Solaris 8、RedHat Linux 7.2を利用できる。価格については個別に見積もる。データベースはOracle 8i、Sybase ASE 12.5に対応している。同社では、2002年2月6日から幕張メッセで開催されるNET&COM2002で出展を行う。
◇オブジェクトビジョン
http://www.object-vision.co.jp/
◇Osin Net
http://www.osin.net/
カテゴリ:ライブラリ, WebObjects
AirMac 2.0.1がリリースされた。ソフトウエア・アップデートで更新することができる。AirMacカード用のソフトウエアに加えて、旧タイプのGraphiteタイプのベースステーション用の新しいファームウエアも含まれる。パスワード保護されたコンピュータ間ネットワークにおけるパフォーマンスなどが向上されている。ベースステーションのアップデートはPPPoE接続について改良され、対応プロバイダが増えている。ファームウエアのアップデートは「AirMac 管理ユーティリティ」ないしは「AirPort Admin Utility」を利用する。
関連リンク:AirMac
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, ネットワーク
ソフトウエア・アップデートで各種言語に対応するリソースの配付が始まっている。バージョンとしては10.1.2となっているが、ブラジルのポルトガル語、デンマーク語、フィンランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、韓国語、中国語(繁体および簡体)が増えている。北欧系とアジア系ということになるだろうか。アジア系言語は非常にサイズが大きい。システム環境設定の「地域情報」を呼び出し、「言語」のパネルで「言語」の領域にある「編集」ボタンをクリックすると、新たに言語を追加することができる。また、同じく「地域情報」で「キーボードメニュー」でチェックを入れれば、キーボードメニューにことえりなど日本語インプットメソッド以外に、各国のインプットメソッドも出てくる。すでに一部のMac OS X 10.1では各国語の言語リソースは入っている模様だが、いずれにしても、ソフトウエア・アップデートですべてのユーザに配付されたということになる。
関連リンク:Mac OS X
カテゴリ:テキスト/フォント, Mac OS X
Mac OS X Serverの10.1.2へのアップデートが公開されている。ソフトウエア・アップデートを使って更新ができる。Mac OS X 10.1.2はビルド番号は5P48であるが、Mac OS X Serverの10.1.2は5P68となる。高負荷時でのApple File ServiceやApache、Mailサービスのパフォーマンス湖上、FTPやBSDラインプリンタデーモンのセキュリティ修正、サーバ管理やSMBプリンタ共有、WINS登録、システムクロックの正確さといった項目が向上点に挙げられている。10.1.1に比べてカーネルのビルド日付や、Samba、Apacheのバージョンについては特に変化は見られない。
関連リンク:Mac OS X Server 10.1.2 Update: Information and Download
カテゴリ:Mac OS X Server