Macintosh Developer Online (MDOnline)


2002年2月13日発行号 - QuickTime6発表されるもリリースされず



風邪を引いている方が多いようです。お体にお気をつけ下さい。私も花粉症の症状が出始めていましてあまり調子は良くないですが…。梅の木がほころびはじめているのですが、梅花粉だろうか?(そんなことはないか…)。
J-COMのインターネットサービスではルータが使えないことに辟易してADSLに切り替えましたが、つい先日、ルータの利用はOKとなったようです。自分たちのサービスが顧客の満足度を損なっていることにやっと気づいたのでしょうか。それにしても、遅すぎるというか、今時に無意味なガードをしていることで多くの顧客を失うことをやっと身をもって知ったのでしょう。つまり、競争原理が働くとどうなるかということがなかなか分からなかったのでしょうね。それもそのはず、いまだにケーブルテレビのサービスは寡占状態です。うちのあたりはJ-COMしか選択できません。そういうケーブルテレビの殿様商売にどっぷりつかっているとなかなか理解できないこともあるのかもしれません。また、ルータ利用不可という点については明示しないで会員を募集するなど、問題がある点はありました。それを指摘されていたのかもしれません。それでも、J-COMのインターネットの価格は高いですからやっぱり厳しいでしょうね。SpeedNetも値下げをし、ADSLがやっぱり価格の基準となっています。ただ、相当にあせっているのか、J-COMのインターネットに再加入すると、先着300人に10,000円のキャッシュバックアンケートをしています。まあ、だけど、Yahoo!BBとの差額は4か月ほどで10,000円を消費しますから、あまり魅力はないですね。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【MacWIRE配信予定】MPEG-4対応を発表するもライセンスに異議を唱えリリースは行わず

Appleは、MPEG-4に対応したQuickTime 6のリリースをアナウンスしたが、実際のリリースはMPEG-4に関するライセンスの修正を待つとしている。また、β版がリリースされていた、QuickTime Streaming Server 4の正式リリースも発表された。また、リアルタイムのストリーミング放送を実現するQuickTime Broadcasterについても発表された。
QuickTime 6はクライアントで利用できるマルチメディアシステムで、各種の動画やサウンドのコーデックに対応し、プレイヤを使って再生やあるいは編集が行える。Mac OS X版はリリースされるものと思われるが、対応OSについてはアナウンスは今のところはない。OSに付属され、フリーで配付されるものと思われる。
QuickTime Streaming Server 4はすでにフリーでダウンロードが可能である。MPEG-4やMP3のストリームに対応している。Mac OS X Server対応となっている。なお、Darwin Streaming Serverも同時にリリースされており、Mac OS Xをはじめ、LinuxなどいくつかのOSで利用できる。
MPEG-4は、ストリーミング放送に適した画像や音声の圧縮形式で、ISO規格の一部でもあるが、MPEG-4の策定においてはQuickTimeフォーマットの採用もアナウンスされており、Appleの肩入れは強かった。MPEG-4は、転送レートもある程度自由に設定可能で、圧縮率を数十分の1から数千分の1にできるというのが特徴である。MPEG-4をシステムに組み込むなど製品に利用する場合のライセンスについては、Appleは妥当としている。しかしながら、MPEG-4については、このフォーマットを使ってコンテンツを配信する側からもライセンス料を徴集するというライセンスとなっている点は、Appleは反対をしている。Appleとしては、QuickTime Streaming Serverを事実上オープンソースでフリーで配付するなど、コンテンツ提供者からの集金を行わないモデルでのストリーミングの上流展開をしているだけに、MEPG-4のライセンス料金が普及のネックになることを懸念しているのだろう。

◇Apple Previews QuickTime 6 with MPEG-4
 http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt6.html

QuickTime Broadcasterはライブでのストリーミングが可能であり、つまりは生中継のストリーミングを行うためのソフトウエアだ。MPEG-4をはじめ、すべてのQuickTimeのコーデックに対応しており、AppleScriptにも対応している。ハードディスクへのレコーディングに加えて、サーバへのTCP/IPでの送信にも対応している。QuickTime Broadcasterは、QuickTime 6とMac OS X 10.1以降で利用でき、フリーでダウンロードできるようにする予定である。

◇Apple Previews New QuickTime Broadcaster Software
 http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt_broadcaster.html

いずれにしても、ムービーのシェア争いは、完全にインターネットのストリーミングがベースになった。MEPG-4というスタンダードを盾にするAppleと、先行の利を生かしてきたReal Networks、そしてOSにプレイヤをバンドルすることでシェアを一気にのばしたWindows Mediaが争うことになる。

カテゴリ:メディア制作, QuickTime, 業界動向


REALbasic 4.0の日本語版のダウンロードとライセンス販売を開始

アスキーは、REALbasic 4.0日本語版の公開とアップグレードについてのアナウンスを行った。日本語版は2002年2月12日より公開が開始されている。Ver.4.0.2の日本語版が公開されているが、ドキュメント類は英語のものとなっている。Ver.4.0からは68kのサポートがなくなり、Mac OS 8.1移行のMac OS(8.6以降推奨)ないしは、Mac OS Xが搭載されたPowerPCマシンが対応機種となる。Ver.4.0ではListBoxやEditFieldの改良などがなされている。オンライン購入できるライセンスは、Standard版が17,500円、データベース機能やWindows版の実行アプリケーションを生成できるPro版が48,000円となっている。マニュアルやCD-ROM等を含むユーザライセンスパックは、2,000円増となっているが2002年4月中旬からの出荷予定となっている。
バージョンアップについては、直前のバージョンからのアップデートしかこのところは対応しなかったが、Ver.4.0では、2.0以降のバージョンからのアップデートに対応した。バージョンアップ料金は、サイトで確認していただきたい。日本語版のVer.3.5から4.0へのアップデートは、Standard版は4,500円、Pro版は10,000円となっている。2002年2月1日から2002年2月26日までに「日本語版Ver.3.0から3.5へのライセンスアップグレード」を申し込むと、Ver.4.0への無償アップグレードとなる。

関連リンク:REALbasic
カテゴリ:REALbasic


Around the System and Development》0と1

コンピュータは0と1で動くとか言われる。嘘ではないのだけど、そうした分かりやすい言葉だけが一人歩きするのが関の山で、○と×のどちらかでないと判断できない人を「コンピュータのよう」だとか、さらに転じて石頭だとか01思考とか、まあそうなるものだ。いずれにしても、コンピュータが思った通りに動かないで、「もう少し融通聞かせろよ」なんていうと、したり顔で「コンピュータは0と1だけだからね」という人がでてくるしまつ。でもそれで何となく納得してしまう? ってのはよくない! 今回は0と1というのがどういう意味を持つのかをちょっとじっくり説明したい。いちおう、理系以外でも分かってもらえるように書くつもりだ。

コンピュータに電源が必要なのはよく御存じだろう。つまり、電気で動く機械なのだ。一般に電子回路などと言われているものが中につまっている。これを言って分かりやすくなるかどうかは定かではないが、電子回路は「トランジスタ」という部品を中心にそれがたくさん集まって構成されている(もっと昔は真空管が主流)。テレビもやっぱりトランジスタが基本要素だ。トランジスタを使えば、たとえば、レコード針でピックアップしたレコード盤上の波、つまり音のもとになるものを、スピーカーを鳴らすほどの大きな電力に増幅するというようなことができる。この増幅というのは「結果的にそのようになる」という意味での動作であり、正確にはもう少し違うのだけど、実際に電子回路を設計するときには、例えば、レコードのピックアップが取り出す数ミリボルトの交流電圧を、数ボルト程度に大きくすることで大きな音として鳴るのは確かなので、「増幅器」などと呼ばれているのである。
もともとはこうした正確に何倍、何十倍という増幅を行うことに使われていたのがトランジスタなのであるが、このトランジスタをスイッチ代わりに使うということを行うことになる。実は正しくは、こうしたことをやりはじめたのは真空管の時代である。だから、当初は真空管を使ってスイッチを作ろうとしたのである。(誰がいつというのは諸説あるが1930年代に確立されており、代表的な研究者がツーゼやアタナソフである。)それ以前には、電磁石で接点をつけたり離したりといった部品(リレー)があったのだが、それを電子回路を構成する部品でやろうとしたのである。機械部品よりより高速に信頼性が高いというところを見ていたわけだ。
ところで、スイッチとは? これはよく御存じのように、オンとオフの2通りの状態しかないものである。ここでは仮にオンを1、オフを0という数字で記述するとしよう。その方が簡便だからだ。そうすると、スイッチを入れたり切ったりを表現すると、101010101…みたいなことになる。ここで、スイッチを入れたり切ったりとかいった物理的な現象を数字に置き換えるという「抽象化」をしたところに大きな意味がある。
ところで電灯のスイッチは、オンにしたらオンになりっぱなしである。もちろん手で押さえておく必要のあるものもあるが、電灯のスイッチを思い浮かべていただきたい。実はこの電灯のスイッチは、オン/オフのコントロールだけではなく、その状態を保持するという機能も備えている。同じような機能を、電子回路のスイッチで実現する方法を考案した人がいる。その回路は「フリップフロップ」と呼ばれているが、現在のコンピュータでも、このフリップフロップという原理は重要である。つまり、メモリの1つの重要な動作原理なのである。こうして電子回路で、スイッチからさらにオン/オフの状態を保持するというところまでできるようになったわけだ。(フリップフロップは1919年EcclesとJordanが考案したので、電子回路で2進数を扱うより以前に発明されている。)

それじゃあ、こうした回路をたくさんつなぎあわせて複雑な計算を…と考えるのは簡単だが、いろいろな機能を追加する毎にトランジスタやフリップフロップをこうつないで、ああつないで…とやってはいられない。いちいち電流の計算をしながら、4桁の足し算の回路を作るなんてことは不可能ではないだろうけど、もっといい方法を考えた人がいる。
それは、スイッチの状態や、あるいはフリップフロップの状態を1と0の数字に置き換えて、設計ができないだろうかということである。すでにそうした現象を記述する道具、つまり数学の理論体系は19世紀にすでに出来上がっていた。ブール代数と言われるもので、そうした数学を適用することで、電流がどう流れて…とか、トランジスタと抵抗をどうつなげて…といった物理的なことをまったく考えなくても、全体の動作を設計できるようになったのである。つまり、0と1というごくシンプルな体系で仕切り線を引く、そして0と1の世界では、0と1の世界の考え方だけで進めればいいだけになる。(基本的な考え方は1937年のシャノンの論文による。)もちろん、その背後でトランジスタをつないで電流を流す人はいるのだが、それは、0と1の世界で作り上げた設計図に従って置き換えればいいということになる。こうして、電子回路が「デジタル回路」へと変ぼうを遂げ、電子工学は「情報工学」という新たな分野を生み出すのである。
一方、こうした0と1の状態を保持できれば、それを何桁か集めれば、数字や文字などを記憶できるということになる。これについては別のテーマとして取り上げるが、さらにこうした記憶したものを、あるステップを経て、変換する、つまり、2つの数値を加えるとか引くとかいったことができることは、実は電子回路以前の機械式の計算機の時代にある程度は技術が開発されていた。おそらくそうした技術的な背景に電子回路というテクノロジーが合流して現在の形のコンピュータになってきたのだろう。機械式計算機では手回ししてステップを進めるのだが、それと同じように、電子回路上でステップを進めるということで、記憶した状態を変化させるということが組み込まれるようになる。
いずれにしても、0と1という単純化のおかげで、極端に言えば電子回路の動作は何も知らなくても、計算処理を行う機械を設計できるようになった。「電子工学」から切り離されて「情報工学」という世界が広がったのである。そして、いきなりジャンプするが、今日のコンピュータの発展があるわけである。

カテゴリ:Around the System and Development


Cocoa APIの専用ブラウザで、Objective-CとJavaのAPIを手早く参照

Cocoa APIの専用ブラウザ「Cocoa Browser 0.2」がリリースされている。Hoshi Takanori氏によるフリーウエアである。ウインドウの上部がカラムタイプのブラウザとなっており、クラス名からそのメソッドやあるいは解説文書などへとたどっていき、下側の表示領域にAPI解説の文書が表示される。文書中のリンクをたどることもできる。Objective-C版とJava版の両方が用意されている。APIの解説文書はあちらこちらをたどることが多く、Webブラウザ等での参照では、ナビゲートばかりしていることになりがちであるが、Cocoa Browserを使うと、参照する作業が手軽になるだろう。

関連リンク:Cocoa Browser
カテゴリ:サードパーティの開発資料, Cocoa


KBase》Applicationsフォルダが修正できないときの対処ユーティリティ

Mac OS Xでは時折、Applicationsフォルダの変更ができなくなり、ファイルの削除や移動などができなくなってしまうときがある。原因はアクセス権の設定の問題ではあるのだが、この文書で配付している「KB106609」というアプリケーションを利用することで、アクセス権の修正をかけて既定値に戻し、Applicationsフォルダの変更ができるようになる。(アプリケーション名は、本来はFixApplicationsFolderPreferencesとしたかったようであるが、ビルドミスか?)

関連リンク:Mac OS X 10.1: Applications Folder Locked or Cannot Be Modified
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


KBase》ログイン時にファイルサーバを自動的にマウントさせる方法

Mac OS Xにログインしたときに、ファイルサーバを自動的にマウントする方法が解説されている。ファイルサーバのボリュームを一度「よく使う項目(Favorites)」に登録し、そこに作られたエイリアスを、システム環境設定の「ログイン」で、「ログイン項目」に登録するという方法を示している。なお、この方法では、AppleShareサーバはマウント可能だが、SMBサーバやNFSサーバはマウントできない。

関連リンク:Mac OS X 10.1: How to Connect to a Server When You Log In
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ネットワーク管理


KBase》マウントしているイメージファイルは削除できない

Mac OS Xのディスクイメージファイルは、そのイメージをマウントしているときには削除できないようになっている。イメージファイルを削除したいのなら、まずマウントしているドライブを取り出してから、ファイルを削除する。

関連リンク:Mac OS X: Disk Image File Cannot Be Deleted While the Image Is Available
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X


KBase》Mac OS XのインストールはスレーブのCDドライブからはできない

Mac OS XのCD-ROMは、ATAのスレーブとして動作しているドライブでのインストールはできない。Appleの通常のセッティングでは、CDドライブはATAのマスターとなっているはずである。スレーブにしていると、Mac OS Xのインストールができないようになってしまうので、CDドライブはマスターとなるようにしなければならない。

関連リンク:Mac OS X: Cannot Install From ATA ID 1 (Slave) Disc Drive
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X