Macintosh Developer Online (MDOnline)


2002年3月7日発行号 - Flash MXを発表



某社で打ち合わせの合間(人待ち中)に発行しています。Ethernetをちょいとお借りしていますが、ありがとうございます。今日は朝から取材、セミナーで、その記事だけしかありません。JBuilder 6の日本語版については何の情報も出ませんでした。
Flashはムービー作成ツールから、アプリケーション開発ツールになろうとしています。しかも、Cold Fusion MXとなると、結果的にWebObjectsのJavaクライアントのような仕組みを狙っているのじゃないかと思われます。今度こそ、しっかりと自社製品の統合と、サーバプロダクトてこ入れをするというところじゃないでしょうか。だけども、いずれにしても、Macromedia製品群は、ある意味では、WebObjectsを始め、他のアプリケーションサーバ群との競合の世界に入るということでしょう。Webアプリケーションと言っても、形態が千差万別的なので、製品自体がすごい規模になっています。今では稼働環境はもちろん、開発環境とのセットにして、そこでのコラボレーションも当たり前になりつつあります。WebObjectsの地位が気になるところでしょうけど、新規参入はまず無理な世界になっているかと思います。現状での横にらみはもちろん必要ですが、逆に言えば抜け出す要素をうまく取り込まないといけないのかもしれません。Webページベースのアプリケーションは一段落というか、HTMLの制約上これ以上はなかなか進めないかもしれないけど、他のアプリケーションサーバとの差別化となるとむしろJavaクライアントではないのかなとも思います。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【MacWIRE配信予定】Flashの次期バージョン「Flash MX」を発表、Webアプリケーションのクライアント開発機能を強化(1)

2002年3月7日、マクロメディアは恵比寿ガーデンホールで、新製品発表会を開催した。Webでの動画やインタラクティブなコンテンツを開発・配付する環境として、スタンダートとなったFlashの久々のバージョンアップに関するアナウンスが行われた。新しいバージョンは「Flash MX」と名付けられている。
最初に代表取締役の井上基氏からの話が行われた。インターネットは社会的なインフラになってきているけども、他のインフラほど簡単に使えるものでもなく、Webページは退屈で、eコマースは複雑で購買に結びつかないと指摘した。マクロメディアはこうした状況を変えるとし、集客力や訴求力のあるeビジネスサイトを簡単に構築できるようにするとした。今後さまざまなMXシリーズを投入し、インターネットを21世紀に見合ったものに進化させる。MXはMiracle eXperienceの略である。
Macromedia社の上級副社長Stephen A.Elopにバトンタッチした。今日のインターネットは、エキサイティングではなく、多くの人はユーザ体験が貧しいため、ショッピングを最後まで行わないといったことになってしまっている。また、お金がかかり、調査によると10億ドルが無駄になっているが、それはアプリケーション自体が複雑なためである。そして、インターネットは停滞し、進化は遅くなってしまった。こうした問題を解決する新しい技術を導入し、インターネット体験を向上させる必要がある。今のブラウジングはページからページに移動すると言った方法になっているが、将来はBrowsingではなくDoingになる。そのためには、強力なアプリケーションと、リッチなコンテンツが必要になる。ここでBrowsingからDoingへと移行するとどうなるかといったことがデモされた。ホテルの予約サイトを題材にして、ページからページに移動する形式のブラウジングを示した。必要な情報を1つ1つのページで入力や選択を行うが煩雑な作業である。一方、同じアプリケーションをマクロメディアの技術で作ったリッチアプリケーションとして構築した場合、すべては1つのページで入力できる。入力はどの順番でも良く、滞在日の指定はカレンダーでできるなどより使いやすくすることができる。ユーザの行動を調査してサイトを改善した結果、5ページで行っていた入力が1ページでできるようになり、トラフィックは低減させることも実現した。こうしたページを作るのに使ったのはFlash Ver.5である。Flashは4億以上のコンピュータにインストールされており、98%のコンピュータをカバーしている。ただし、こうしたアプリケーション作成は非常に難しいものであったが、新しいFlash MXでは状況が変わる。Webデザイナ対してリッチなコンテンツが可能となり、さらにリッチなアプリケーション作成が容易になる。今後さまざまなMXシリーズのアプリケーションをリリースする。Cold Fusion MXやそれ以外のサーバプロダクトも予定されている。
Macromedia社のプロダクトマネージャJeremy Clarkからの製品説明に移った。最初にeトレードのアプリケーションを題材にしたプロモーションビデオを紹介した。Flashは数多くの有名ブランドでFlashを採用している。Ciscoはルータ設定のトレーニング、IBMはAnnual Report、Coca ColaやVolkswagenの新製品プロモーションといったところに使っている。また、動画以上にリッチアプリケーションとして使われている。GMではXMLを使ったダイナミックなコンテンツ生成、Sony ClassicではJPEGやMP3をインポートするといった使い方がされている。Flashの3つの特徴を示したが、は第一にユーザ体験をリッチにすることだ。2つ目として、パワフルなことからデザイナや開発者に対して強力な機能を提供する。3つ目として、素早く開発ができる。リッチコンテンツにおいてはFlashが広く使われているが、ベクターグラフィックスなどの特徴が知られている。新しい機能としてはビデオのサポートが行われたことが挙げられる。外部のプレイヤを使わないで、ページ内部でビデオを表示したいというニーズがあった。ビデオの表示についてもデザイナがコントロールできる。ビデオ映像をいろいろな角度で見ることができるといった例が示された。そして、アクセシブルにするテクノロジーとして、Webページの読み上げが利用されているが、今までだとFlashのコンテンツは飛ばして読み上げていた。Flash MXでは読み上げに対応しており、開発時に読み上げに対応する設定ができるようになっている。さらに、PDA内蔵の携帯電話からパソコンOSまでサポートしており、携帯電話向けのコンテンツのデモも行われた。開発環境は柔軟に作られており、開発者だけでなくWebデザイナにとってもいいものを提供する。ツールパネルをたくさん開かなくてもいいようになっており、画面の周囲に配置できるようになっている。パネルはデザイナ向けと開発者用が用意されており、最初に訪ねるようになっている。スクリプト言語はECMAScriptであり、Javaの知識が活用できる。HTML、XML、MP3をサポートし、Unicodeテキストもサポートした。さらにeラーニングのテンプレートなども付属する。さまざまなコンポーネントが付属するが、コンポーネント自体の交換もサイトを通じて活発に行われている。そして、株価を表示するようなアプリケーションでも表示に20秒かかっていたのが2秒で済むようになった。ユーザ体験だけでなく時間の節約によりビジネス的にも有効である。また、別のサイトでは、HTMLよりFlashのページの方が5倍速く利用でき、帯域が減ってサーバへの負荷も減少する。また、リッチなコンテンツでページの滞在時間も増加させることできる。Unicodeサポートでマルチ言語が可能となり、ビデオサポートも実現している。デバッグ環境も含まれているので、プログラムのテスティングが容易になる。MicrosoftやAppleを始め各社とパートナーシップを結んでいる。Flashは全ての人にリッチなユーザ体験、デザイナとデベロッパに対する強力なツールである、実質的な効果が期待できるとして、結んだ。
‥‥‥‥‥‥‥この項、続く‥‥‥‥‥‥‥

関連リンク:マクロメディア
カテゴリ:オーサリング系, 各種プロダクツ


【MacWIRE配信予定】Flashの次期バージョン「Flash MX」を発表、Webアプリケーションのクライアント開発機能を強化(2)

続いて、マクロメディアのプロダクトマーケティングマネージャの阿部成行氏からのデモが行われた。Flash MXのユーザインタフェースが紹介され、DreamweaverやFireworksのような感じで使えることが紹介された。今まではWebデザイナ向けだったが、開発者にも使えることを目指しており、開発者向けのユーザインタフェースに変更することができる。開発者向けのUIではコーディングをしやすいように、リファレンスなどが最初から用意されている。なお、Windows XPとMac OS XにFlash MXは対応しており、Aquaユーザインタフェースで稼働するFlash MXも紹介された。ビデオを表示させるコンテンツの例が示されたが、Windows Media PlayerやQuickTimeサポートのフォーマットならコンテンツ内に読み込むことができ、そしてSorensonで圧縮する。配置したビデオのオブジェクトは回転させたり変形させることもでき、素材の1つとして使える。ムービーにコンポーネントを追加して、マウスを近付けると再生をしながらリアルタイムでズームができるといったデモを示した(が実際にはうまくデモができなかった…)。続いて、静止画のビューアを示したが、フラッシュのオブジェクトに画像を含めてあるのではなく、別のフォルダにある画像を表示するといったことができるようになった。同様に、MP3等についても外部のデータを再生できる。自由変形が可能なツールや、パスのエンベローブ設定が可能になるなどのデザイン強化機能が紹介された。マスクの機能が強化され、スクリプタブルとなり、透過位置をドラッグで移動させるということもできるようになっている。Unicode対応によって、1つのコンテンツに韓国語と日本語を表示することが示された。1つのテキストフィールドに言語を混在することもできる。11の言語に対応している。たとえば、XMLにテキストを入れればそれぞれの言語できちんと表示される。スクリプトについてはテキストエディタのヒントなどさまざまな機能が追加された。ユーザに入力させるようなUIを作る場合の効果的な機能としてUIコンポーネントが紹介された。テキストフィールドにスクロールバーのコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけで、スクロールバーが設定されるようになった。また、ラジオボタンについても、単にドラッグ&ドロップして配置するだけで、グループを理解して、切り替わりは自動的にできるようになる。また、コンポーネントのルック&フィールを変更できるので、カスタマイズやあるいは開発者とデザイナの分業にも適した機能となっている。複雑なUIのデモも示されたが、階層報じのコントロールと言ったものも実現しやすくなったと説明された。さらにソニーミュージックのプロモーションビデオのインタラクティブなプレイヤや、Flashだけで作られている鬼武者2のサイトでのムービーの利用、Mr.Childrenの公式サイトでの録音風景のインタラクティブコンテンツが紹介された。いずれも短期間で構築が行われた。
Flashで作られたコンテンツのいいところとして、画面の再描画が行われないことであるということが紹介された。さらに、これまでとの違いとしてサーバソリューションも含めての提供をこれから行うことが予告され、そのデモも行われた。ビデオのリアルタイムストリーミングをサーバ経由で行い、リアルタイムでビデオ会議的なこともFlashのコンテンツで実現できることも示された。
最後に営業マーケティング統括常務取締役の小俣修一氏よりの販売関連の話が行われた。日本語版の発売は2002年3月29日(金)で、価格は58,000円となっており、エデュケーション版が12,000円、アップグレード版は19,800円となっている。有償アップグレードは本日から今年の10月まで受け付けられる。また、本日販売分の旧バージョンではオンラインダウンロードによる無償アップグレードを受け付ける。

Q&Aで質疑応答された内容は次の通りだ。Flashの中のテキストはロボット検索で収集されるかどうかという問いに対し、サーチエンジンによってはそうしたことは可能であるが、HTML側にテキストを書き出すオプションを利用するのがお勧めであるとした。
UIコンポーネントのスキンの変更はどの範囲で行われるのかといった問いに対しては、基本的にはライブラリと同じなので、おおもとのライブラリを変更すると、すべてのコンポーネントに適用されるとした。
Flashを使ったウィルス対策については、実質的には被害はなく、exeファイルのことであり、Web場のswfファイルについてはウィルスといった問題は発生しない。知らない人からの添付ファイルを開かないというのが基本だ。
Flash等を添付しないWindowsが出荷された場合はどうなるのかといった問に対しては、XPの発売に際してバンドルの見直しが行われたが、Flashについてはバンドルされることとなった。Microsoftとはいい関係になっている。Windows CEでも必ずFlashプレイヤは入っている。
日本での販売実績、販売ルート、初年度売上目標についての質問については、実績と目標は未発表であり公表はできない、ルートは量販店等に加えSI向けへの販売も行うとした。
Webサービスに関する強化点については、Cold Fusion MXを計画しており、Flashクライアントとサーバのコネクションがより強くなる。
∽∽∽∽∽∽∽この項、以上∽∽∽∽∽∽∽

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アップル主催のMac OS XのJavaに関するセミナーが開催(1)

2002年3月7日、アップルコンピュータにおいて、無料でのセミナー「Java on Mac OS X」と題したセミナーが開催された。
最初にアップルコンピュータのプロダクトマーケティングの鷲滝薫氏より「Java on Mac OS X & WebObjects 5.1」と題して講演が開始された。Javaを選ぶ理由として、Gartnerの調査では81%がクロスプラットフォームを選んでいる。開発言語としてはVisual Basicが多いが、Javaプログラマ数は非常に増えており、今年後半くらいにC++プログラマと逆転するとされている。Mac OS XのJavaの優位性として、最初からJava VMが組み込まれた唯一の商用OSであり、先進のグラフィックス機能、先進の操作性、パフォーマンス、開発面での親和性が挙げられる。SwingベースのアプリケーションはそのままでAquaのルック&フィールになり、Java 2DはQuartzを使って処理を行う。パフォーマンスを高めるために、Swingライブラリを共通に持つShared Swingを採用し、さらにハードウエアでの表示速度を向上させるAccelerated Swingに対応し、対称マルチプロセッシングに対応している。Accelerated Swingは現在はデフォルトではオフになっているが、コーディングの段階でオンにすることができる。Sharing Swingを使うことで起動時間が3分の2くらいに短くなる。また、Accelerated Swingではベンチマークテストでの処理時間は半分以下になる。マルチCPU対応によりJavaのスレッドを複数のCPUに割り当てて処理させることができるが、カーネルレベルでのマルチプロセッシング対応がなされている。.NETとJavaを比較し、歴史のあることや開発者数の数などの優位性を示した。また、WindowsのJavaに比べてMac OS XのJavaはOSとの親和性の高さなどの独自のテクノロジーを組み込んでいる。
Appleが提供している開発ツールは、Project BuilderとWebObjects 5.1である。JavaプラットフォームであるStandardにはMac OS Xで対応し、EnterpriseはWebObjects、JBuilder、Tomcatによって対応し、Microに対してはi-JADEによって対応されている。今後のロードマップとしては、安定度が上がったUpdateが最近あったが、WWDC 2002ではJava 1.4のプレビュー版、7月に1.3.1の最終アップデートを行いOracleのサポートやハードウエアアクセラレーションを標準にする。そして、秋にJDK 1.4のファイナルを出す。
続いてWebObjects 5.1ではJava2EEへの対応として、より柔軟な運用環境での利用が可能となった。WebObjectsのアドバンテージは一体化した開発環境であり、高度なフレームワークが組み込まれていて、簡単にWebアプリケーションを作成できる。WebObjectsではまずHTMLベースのアプリケーションだけでなく、Javaクライアントを使ったものも作成できる。開発においては、ユーザインタフェースとロジック、データベースを分離して作業が行なえる。運用環境としてはJava2 EEに対応しており、アプリケーションサーバについても柔軟に構成できる。NTTを始め各社で使われており、Appleでも様々な業務に使われている。
続いてデモが野村氏より行われた。Project Builderを使った基本的な使い方や、EOModelerによるモデルの作成、EJB関連のコンポーネント、Webページの構築などが示された。映画のデータベースから検索して取り出し一覧表示するといったWebアプリケーションを実際に作るところがデモされた。
WebObjectsの販売情報や、WebObjectsのトライアル版についての説明があった。先日のトライアル版配付はすぐになくなったので、3月下旬に再度配付を予定している。また、Macworld Expoでの関連情報が紹介された。

続いて、ボーランド株式会社のツール担当の岩本氏よりのJBuilder 6についての製品紹介が行われた。ボーランドの歴史についての説明があり、古くから開発ツールを作ってきているが、95年からはビジュアル開発環境を提供し、それをJavaに適用した。ボーランドはJavaコミュニティにエグゼクティブコミッティとして参加しており、JavaBeansの仕様策定などに協力している。インターネットの普及に対応してJavaが広まっているが、Javaは言語としてすぐれている面もあって受け入れられている。現在はWebアプリケーション構築にはJavaが広く使われている。Java2 EEでのServletやJSP、EJB、Java Web Startといった強力なフレームワークを提供している。Webアプリケーションの一般的な形式を示し、JavaではView ObjectにServletやJSPを使い、ビジネスオブジェクトにEJBやORB Objectを使って構築される。JBuilderはJavaの統合開発環境で、プログラム作成を支援するさまざまな機能を提供する。ソースコード生成を支援するが、作られるコードはPure Javaとなっている。また、JBuilder自体もJavaで作成されている。JBuilderはJDK 1.3.1ベースで動いているが、生成するコードではJDKスイッチング機能で任意のバージョンに対応している。また、ビジュアル開発とコードを連動する機能が利用できる。
JBuilderのWebアプリケーション開発機能についての解説に移った。ServletやJSPのひな形を作成するウィザードがあり、基本部分は簡単に作成できる。さらに、ビルトインWebサーバにより開発環境内で実行し、デバッグもできるようになっている。実行すると、JBuilderがブラウザモードになって、その場でServletやJSPが実行できる。
実際にMac OS Xで実行させたJBuilderを使ったデモに移った。新規にプロジェクトを作成し、さらにウィザードでアプリケーションを作成すると、自動的にソースコードが生成される。そして、ウインドウにボタンやテキストエリアを配置するといったビジュアル開発の様子を示し、その結果がソースコードとして生成されるところが紹介された。ソースコード側を変更すれば、ビジュアルツール側に反映されるなど、どちらで開発作業をしても可能なことが示された。また、DBExpressによりデータベースとの連動が簡単にできるような機能も紹介された。また、JavaBeansについても、何も中身がないものはビジュアル開発ツールが使えない。だが、BeansExpressによってプロパティを設定すれば、Getter/Setterのメソッドが自動的に作成されるといった機能も使える。シリアライズやイベント実行メソッドの自動作成も可能となっている。
Webアプリケーションも最初にウィザードで構築し、それに対してサーブレットやJSPをその中にウィザードで追加する形で作成する。HTMLを戻すサーブレットだけでなく、XMLを戻すものも定義できる。サーブレット向けには、HTMLを自動的に生成されるようなパーツがJBuilderに用意されているので、データベースの内容をTABLEタグで得られるような機能が使える。サーブレットの実行を実際にJBuilderで行い、JBuilderのブラウザの機能や実行の様子などが示された。また、サーブレットをデバッグ実行するところも説明された。以上がデモであった。
そして、EJB 2.0対応の開発機能や、UMLに対応している。既存のソースコードを解析してUML図を作成することもできる。さらに、リファクタリング機能として、クラス名などの名前変更をサポートしたり、パッケージ名を変更したときの作業などをサポートする。さらにユニットテストといてテストの自動化の機能もある。Java開発の注意点として、強力な機能でも間違った使い方をしても効果がないということを指摘し、サポート等でフォローをしている。
なお、英語版のJBuilder 6 Personal版がフリーで入手できるが、これは機能限定版となっている。
‥‥‥‥‥‥‥この項、続く‥‥‥‥‥‥‥

カテゴリ:Java


アップル主催のMac OS XのJavaに関するセミナーが開催(2)

続いてゼンテック・テクノロジーの中西氏より、携帯電話向けアプリケーション開発環境のi-JADEシリーズの解説が行われた。各社からJava対応の携帯電話が発売されたのを受けて、開発ツールを提供している。携帯電話は昨年で3700万人の市場となっており、ビジネスアプリケーションの可能性もあって、音楽配信などが普及している。キャリア各社は第3世代に向けて動きだしており、コンテンツはゲームから広い用途に向かっている。携帯電話の市場や適用分野などを資料を示しての解説が行われた。携帯Javaの開発の問題点としては、なれない分野なので最終的にコストがかかってしまうなどの点が指摘された。また、セキュリティ関連の問題もある。今後の携帯Javaの方向性としては、チケット予約や電子決済といった分野がある。また、行政や医療向けの伸びも期待できる。現在は各社ごとに異なる開発環境であるが、1〜3年の間に機種ごとの違いを吸収した統合的な開発環境を提供する予定となっている。
iアプリ向けの開発環境としてi-JADEを提供している。開発をパソコン上で行えるが、エミュレータをプレゼンテーション用に使うことなどもできる。J-Phone向けのSKY-JADE、au向けのez-JADEも予定されている。JADEシリーズの利点の説明が行われた。従来ならコンパイルをして実機に転送してのテストになっていたが、IDEで作ったプログラムをエミュレータでテストできるので、最終段階での実機テストだけで良くなり開発効率が高くなる。なお、エミュレータ等を含むi-JADE Liteというフリー版を公開しているがMac OS X版は用意していない。さらに開発ツールやテンプレートなどを追加したi-JADE Lite Plusを販売しており、Mac OS X版も用意した。さらにJADE Proシリーズとして、セキュリティ開発やデータベース利用といった機能を加えたものもリリース予定となっている。
そして、Mac OS X版のi-JADEのデモが行われた。6機種の携帯電話のエミュレートが可能で、実際の携帯電話のイメージで、その表示部分でJavaのアプリケーションが稼働するところを示した。

続いてフィードバックセッションとして、全体的なQ&Aが行われた。
Q:WebObjectsでのHTMLオーサリングツールとの連係について。JSPとの連係もできるのかどうか? Dreamweaverでは実際にはソースがうまくやりとりできない。
A:GoLiveにはプラグインがあるのは知っているが、それ以上は分からない。
Q:WebObjectsでのJSPがどんな感じで作成できるのか?
A:基本的にはツールは利用できない。コードを打ち込む必要があり、GUIでの作成はできない。
Q:JBuilderはオーサリングツールとの連係はできるのか?
A:シームレスな連係はできないが、Dreamweaverで作ったJSPはJBuilderで開くことができる。また、米国ではJBuilderとUltra InterDevがパッケージになったものが入っているので親和性は高い。
Q:Mac OS XはJava 1.3.1 Update1まで日本語のインプットメソッドの問題があり、Swingは事実上使えなかった。そのことは認識していたか? 日本語に関する問題の解決に1年かかるのはなんとかならないか。Javaチームに日本語の分かる人がいないそうだし、日本語での対応もされていないのはなんとかならないか。
A:問題は最初から認識していた。Update1でほぼ解決されたと考えている。時間はかかったが、問題があれば今後はなるべく早く対応したい。日本では、デベロッパーの窓口を通じて対応できる。チームに日本語が分かる人がいない分は、日本のアップルからのサポートで対処している。
Q:JBuilder 6の英語版の発売時には日本語版を出さない理由としてMac OS Xの問題があると言われた。
A:英語版でもUpdate1によって起動するようにはなった。それまでは起動がきちんとできなかった。ボーランドととして日本語版の検証はこれからで発売についてもこれからになる。なるべく日本でもたくさんの人が使ってくれれば、日本語版も早まるかもしれない。
Q:EJB等の新しいバージョン対応はどうなっているのか?
A:もちろん、新しいバージョンに対応するが、時期は言えない。
Q:データベースのアクセスがWebObjectsが簡単に出来そうだが、JDBCドライバはApple独自のものか?
A:プラグインとしては独自のものがあって、Type2と4の両方を持っている。
Q:EJBはEntity Beansによるものか? トランザクションについては?
A:基本的にはそうなっている。
Q:EJB 1.1のサポートなのでリレーションの表現ができないが、Webアプリサーバで動作するのか? また、ロールバック等はどうなっているのか?
A:1.1ベースのことであれば基本的にできる。
Q:SKY-JADEにある2Dや3Dの機能については、Mac OS X版はどうなるのか?
A:開発環境としてプラットフォームに対応したものをセットで販売するので、基本的にはそれを使ってもらいたい。
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カテゴリ:Java