Macintosh Developer Online (MDOnline)


2002年3月12日発行号 - GoLive6は4月



オンラインバンクは残高をチェックできるあたりは便利なんだけど、他の銀行への振込ってなんであーなんでしょうね。もちろん、使う前には警告はでますが、口座名義が違っていれば手数料は単に取られたままになります。しかも、先日は、「有限会社○○○」さんに入金するのに、口座名を念のため調べてもらい、通帳には「有限会社○○○代表取締役○○○」と書かれているということで、後者のように書きました。ところが、正しくは前者であり、入金は受け付けられませんでした。サポートの電話してそれはおかしいだろうと言ったのですがだめでした。あまりに腹が立つので、日経ビジネスに投書してしまいました(笑)。返事をくれた記者の人は自分も同じ経験があるとおっしゃっていました。
もちろん、相手の口座の情報をオンラインにのせれば、たとえば、あるオンラインバンクのアカウントを使って片っ端から口座番号を与えれ、その支店の顧客リストが作れてしまうこともあり、セキュリティ上は問題があるでしょう。だけど、窓口ではそれなりに「人間的」な対応がなされているにもかかわらず、インターネットではどうしてこうなんでしょうか。その入金先の方(これを読まれていますが…)は「それは銀行の新手のビジネスでしょう」とおっしゃる通り、まさに、カネヅルにしているに違いないです。だって、窓口では文句が言えるけど、画面に向かって文句は言えないですし、電話でいくらクレームがついても電話の向こうでちゃんと対処しているかは分かりません。適当にすみませんを繰り返していたらいいわけですから、結局泣き寝入りでしょう。人間は間違いを一定割り合いで起こすものですから、そう考えれば、ミスによる手数料収入はバカにならないと思います。
こんなものは、もし口座名が違っていれば、メールで問い合わせて、再度処理をさせるというのが基本ではないでしょうか。メールでは、ランダムな数字を入れたURLにアクセスしてもらい、もちろんオンラインバンクの認証も行って、そこで単に入力してもらうだけでもいいかもしれません。そのメールの問い合わせに2日経過しても何もしないと手数料だけを取られるというのでもいいでしょう。入金したときにランダムな数値を含むクッキーをセットし、再処理も同じブラウザでさせないといけないようにしたりなどの工夫をすれば、それなりにセキュアでしょ。もっとも、そこまでやることもないとは思うけど…。要はIT技術とかなんとか言ったところで未熟なだけじゃないでしょうか。

などと愚痴をたれながらも豪華プレゼントが…。カンファレンスをすべて見ることができると同時に、展示会も入場できます。

===============================プレゼント
「Macworld Expo カンファレンス3日間共通券」(1枚、新居雅行提供)
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(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS Xネイティブ対応したGoLive 6の日本語版は2002年4月中旬に発売

アドビシステムズは、Webオーサリングツール「Adobe GoLive 6.0 日本語版」を2002年4月中旬より発売することを公表した。Windows版、Macintosh版のいずれも24,800円である。Ver.4/5からのアップデートは12,100円となっている。また、動画コンテンツを作成するツールLiveMotionとのセットである「Adobe GoLive/LiveMotion PACK日本語版」についても34,800円で発売する。アカデミック版は8,400円である。

GoLive 6.0の大きなポイントは、Mac OS Xネイティブになったことと、ワークグループサーバが付属したことだと言えるだろう。
Webページの制作での新しい機能としては、変数の機能で、「スマートオブジェクト」と呼ばれている。たとえば、Photoshopで文字の入ったボタンのグラフィックスを作るとき、文字と背景画像を異なるレイヤーにしておく。そして、文字レイヤーについて表示文字に対して変数名を与えておく。そうすると、GoLiveでそのボタン画像をWebページに配置し、GoLiveの側で変数値を与えることで、1つの画像から「トップ」「リンク」などの異なる文字が表示されたボタンを自動的に生成することができる。
携帯電話コンテンツの作成を支援する機能もあり、編集ページ上で横幅を制約したり、特定のHTML言語に依存した部分だけのページ作成ができることに加え、iモードやNokiaフォンのエミュレータも付属している。
さらに、データベースにアクセスするページの支援も広まり、ページ上にダイナミックコンテンツのアイコンを配置していくことでスクリプトを生成し、ダイナミックなページの生成ができるようにもなった。

Adobe Web Workgroup Serverは、GoLive 5でのWebDAVサポートをさらに進めるものとなる。クライアントとして、WebDAVにサポートは終えているが、Adobe Web Workgroup ServerはGoLiveとは別のサーバソフトウエアである。WebDAVサーバであるが、GoLiveでのグループワークを支援する機能追加が行われており、生のWebDAVサーバよりもはるかに高機能だ。Windows 2000/XP、Mac OS Xで稼働する。基本的には、GoLive 5でのワークグループサポート機能と同様、チェックアウトして編集を行いチェックインして作業を終えることで、編集中のページの作業の競合が起こらない。また、サイト自体のバージョン管理ができるので、以前のページに戻したり、あるいはレビューを行なってから公開すると言った作業にも対応できる。また、ページを比較する機能も利用できる。ページ対するコメントを管理するといった機能も組み込まれている。サイトの管理はWebブラウザから行うようになっており、ユーザを登録して使えるようになる模様だ。
動作の上ではAdobe Web Workgroup ServerはWebDAVサーバとして機能しているため、Adobe Web Workgroup Serverに各種のWebDAVクライアントからのアクセスは可能となっている。しかしながら、GoLiveとのやりとりにおいて、基本的なWebDAVでのデータに加えて独自に追加した情報のやりとりがあるため、結果的にはGoLiveと組み合わせて使うことでメリットが発揮できるサーバとなる。ある程度以上の規模のWebサイトを運営するためには、複数のデザイナや担当者が関わることも増えているが、そうしたサイト構築のサポートという点では、Adobe Web Workgroup Serverは一歩進んだ環境を提供することとなるだろう。

GoLiveはデザイン指向のサイト作成者も使っているかもしれないが、さまざまなWebページ作成ソフトが市場から消えた現在では、GoLiveはMacintosh市場ではデザイナでない人がテキスト中心のサイトを作るような場合でも使われるソフトとなっている。Windows市場での一般ユーザがホームページビルダを使うのとは大きく異なった市場形態となっている。業務ユーザはさまざまな理由でMac OS Xに移行できないかもしれないが、個人ユーザは比較的気軽にMac OS Xに移行できるだけに、Classicで使わなければならなかったGoLiveがやっとネイティブ対応することで、Mac OS X派には支持されるリリースとなりそうだ。

関連リンク:Adobe GoLive 6
カテゴリ:オーサリング系, インターネット全般, 各種プロダクツ


【MacWIRE配信予定】小池邦人のプログラミング日記》2002/3/11〜Overlayウィンドウを利用する

   この記事のPDFファイル(710KB)は以下のアドレスにあります。
   ダウンロードには、MDOnlineのアカウントが必要です。
   pdfs/MDOnline020018.pdf
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今回は、Overlayウィンドウ(下地が透明なウィンドウ)の利用方法を解説してみます。Overlayウィンドウとは、Mac OS Xから採用された新機能で、Quartz 2Dによる描画を使えば半透明のオブジェクトをモニタ上に表示することも可能です。

Group_Demo1アプリケーションを紹介した時に、Sheetウィンドウの親ウィンドウとしてOverlayウィンドウを使いました。Overlayウィンドウとは、Mac OS X 10.1から採用されたディフォルトで下地が透明なウィンドウのことです。下地が透明ということは、QuikDrawで図形を描画すると、それだけが画面上に浮き上がることになります。また、QuickDrawの代わりにQuartz 2Dで半透明な図形を描画するとも可能です。Mac OS X 10.1のApplicationsフォルダに「Clock」というアプリケーションがあります。これが時計の表示に使っているウィンドウがOverlayウィンドウだと思われます。Quartz 2Dの描画により半透明な表示を実現しています。

 

Overlayウィンドウを作成するのにはCreatWindow()を使います。この時のウィンドウクラス(WindowClass)にはkOverlayWindowClassを選択します。ウィンドウクラスの種類は、Universal Interfacesの「MacWindows.c」に定義されていますので参照してみてください。同時に、どのウィンドウクラスがどのCarbonLibのバージョンで利用可能なのかが併記されています。そちらも確認しておいた方が良いでしょう。

 

Overlayウィンドウを使う簡単なサンプルアプリケーションは、CarbonLib 1.5 SDKの「Sample Code」フォルダにある「GrabBag」です。表示されたウィンドウの「Overlay」タブを選択して、メニューから「Large Cursor」を選択すると、マウスカーソルの位置にカラフルな三重丸が表示されるようになります。ソースコードを見ると、QuickDrawでOverlayウィンドウに円を描き、それをマウスカーソルにあわせて移動させています。Overlayウィンドウは下地が透明なだけであり、それ以外の性質は一般的なウィンドウと大差ないことが理解できます。

 

それでは、Overlayウィンドウを利用した「Overlay_Demo」サンプルアプリケーションを紹介します。Nibファイルから、Overlayウィンドウの下敷きとして使うウィンドウ(TitleWindow)を呼び出します。続いてCreateNewWindow()でOverlayウィンドウを作成します。表示位置は、TitleWindowとピッタリ同じにします。両ウィンドウをグループ化し、マウスドラッグで同時に移動できるように設定します。Overlayウィンドウを表側に持ってくるためのグループアトリビュートの調整も忘れないでください。この処理は、ChangeWindowGroupAttributes()ルーチンで行います。

 

ふたつのウィンドウを表示したら、Overlayウィンドウにはウィンドウいっぱいに赤色の半透明な円を描画しておきます。この描画には、QuickDrawではなくQuartz 2Dを利用します。

 

ふたつのウィンドウのCarbon Event Handlerルーチンは、setUpTitleWindowEvent()とsetUpOverlayWindowEvent()により別々にインストールされます。

 

TitleWindowには、ToolBarボタンのクリックを認識するために、Carbonイベントの種類としてkEventWindowToolbarSwitchModeをインストールしておきます。Overlayウィンドウには、マウスドラッグによる落書き機能を実装します。そのために、マウスクリックを認識できるkEventWindowClickContentRgnをインストールしておきます。

 

Overlayウィンドウ内でマウスクリックが起こると、そのマウス位置がHandlerルーチンのoverlayWindowEventHandler()に渡ります。ちなみに、Overlayウィンドウの透明部分はマウスクリックの対象にはなりません。イベント情報からマウス位置を抽出するのにはConvertEventRefToEventRecord()を使います。Quart 2Dによる図形の描画はpaintOverlayWindow()で行われます。

 

paintOverlayWindow()ルーチンでは、マウスドラッグにより半透明の青色の円を描画します。半透明の図形描画と、描画を赤い円だけに制限するクリッピング処理には、Quartz 2Dの能力を使っています。

 

続いてTitleWindowのHandlerルーチンであるtitleWindowEventHandler()を見てみます。ToolBarボタンがクリックされると、TransitionWindow()によりウィンドウサイズの縦方向をゼロにします。つまり、TitleWindowはタイトルバーだけなってしまうわけです。再度クリックすればウィンドウサイズは元に戻ります。ToolBarボタンをクリックした時にどちらに状態に切り換えるのかは、GetWindowBounds()で得た矩形サイズから判断しています。

 

ToolBarボタンのクリックにより下敷き部分が上に登り、Overlayウィンドウだけが画面に表示されることになります。ただし、両ウィンドウはグループ化されていますので、タイトルバーをドラッグすればOverlayウィンドウも一緒に移動します。また、下敷き部分が消えてしまっても、Overlayウィンドウへの描画はそのまま継続することが可能です。

 

ここで解説した「Overlay_Demo」サンプルアプリケーションは、以下のサイトに登録されていますので試してみてください。Mac OS X 10.1と最新版のDeveloper Toolsが必要です。

 http://www.ottimo.co.jp/library/

次回は、オブジェクトのセレクションにOverlayウィンドウを利用してみます。Finderのアイコン選択のような「雰囲気」を目指します。昔からあったペイントソフトの「ウニウニ波線」をMac OS Xライクに書き換えるわけですね(笑)。

∽∽∽∽∽∽∽この項、以上∽∽∽∽∽∽∽[小池邦人/オッティモ]∽∽∽∽∽∽∽

関連リンク:オッティモ
カテゴリ:ユーザインタフェース, 小池邦人のプログラミング日記


JavaアプリケーションサーバのLutrisがMac OS Xに対応

Lutris TechnologiesのアプリケーションサーバLutrisが、Mac OS Xに対応し、プレビュー版が公開された。Lutrisは、Java2 Eenterprise Edition、Webサービス、各種のXML、ワイアレス関連サービスなどの機能が統合されたアプリケーションサーバであるが、設定やカスタマイズの柔軟性に特徴があるとしている。Javaをベースにしたサーバベースのアプリケーションを構築するプラットフォームとなるが、同社ではこうした機能を「Javaサービス」と呼んでいる。J2EEやXMLといった標準規格に加えて、ボイス対応やCHTMLに対応するなど携帯コンテンツのサポートがある点も特徴と言えるだろう。開発ライセンスがユーザあたり$995、稼働環境はCPUごとに$4495となっている。動作環境はMac OS X 10.1であるが、PowerMac G5 500MHzが最小構成とされている。Lutrisは、オープンソースのアプリケーションサーバであるEnhydraをベースにした製品である。

関連リンク:Introducing the Lutris EAS Java Services Architecture for Highly Reliable Mac OS X J2EE Applications
カテゴリ:サーバー製品, Java


FrotranとUNIXソフトの移植に関するメーリングリストが開催

Appleが運営しているメーリングリストに、Fortran開発者向けのものと、UNIXのソフトウエアの移植を行うというテーマのものが追加された。Fortran開発者向けfortran-devは、コンパイラやあるいはライブラリの利用などについての会話が行われる見通しだ。また、unix-portingでは、C/C++で作成したUNIX向けのソフトウエアをMac OS Xで稼働するように移植を行うことがテーマである。いずれも、英語のメーリングリストである。

◇fortran-dev: Discussions about how to use Fortran on Mac OS X
 http://www.lists.apple.com/mailman/listinfo/fortran-dev

◇unix-porting: Discussions about porting UNIX-based software to Mac OS X
 http://www.lists.apple.com/mailman/listinfo/unix-porting

カテゴリ:アップルからの開発資料


スタティックテキストコントロールがデアクティベートしない場合の対処

スタティックテキストコントロール(kControlStaticTextProc)が、ウインドウがでアクティベートしても、コントロール自体はデアクティベートしない点についてのQ&Aが掲載された。これは、互換性を確保するためにこうした動作になっているというのがまず基本である。テーマウインドウのバックグランドブラシがウインドウに設定されていない場合にはこうなる。バックグランドブラシの設定を行えばデアクティベートはきちんと行われる。もし、この方法以外でスタティックテキストのデアクティベート時の文字の色を切り替えるには、コントロールにコールバックルーチンを定義して、そこでのメッセージに応じたプログラムを作成すればよい。そのプログラムについて簡単にまとめられている。

関連リンク:QA1125: Why isn’t my Static Text Control deactivating when my other controls are?
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), ユーザインタフェース


Mac OS Xネイティブなキオスク端末向けのソフトウエア制作ツール

1stKIOSK社は、キオスク端末向けのソフトウエア開発環境であるk-BUILDERをアナウンスした。公共の場所に設置されて、情報提供やあるいはチケット発券などを行う「キオスク端末」向けに、インタラクティブなアプリケーションを作る必要があるが、k-BUILDERはそうしたソフトウエア作成をサポートする。Mac OS Xネイティブで稼働し、15の言語に対応している。QuickTime等のMac OS Xのシステム機能に対応するのはもちろん、FileMaker Proとの連動により、プレゼンテーションに利用するデータのデータベース化や、あるいはFileMaker Serverを利用して複数のキオスク端末に同じコンテンツを供給するといったことも行える。Mac OS Xがサポートする周辺機器も利用できるので、たとえば、プリンタやUSB経由のタッチパネルなどを利用することもできる。たとえば、旧タイプのiMacを利用したキオスク端末で使う提示ソフトウエアの作成等に利用できる。現在は、k-BUILDERは市販されておらず、プロジェクトごとに契約して利用するようになっているが、2002年末には販売を行う予定となっている。

関連リンク:1stKIOSK
カテゴリ:オーサリング系


Mac OS Xのシステムの状態を監視するユーティリティ

シェアウエアのMac OS Xシステムモニタツール「XMonitor 1.4.1」が公開されている。Jon Daniels氏によって開発されたもので、CPUの負荷や、メモリの利用状況、ディスクの利用状況、ネットワークトラフィックをパレット形式のウインドウ上でコンパクトなグラフに表示する。また、その内容がDockでも参照できる。グラフはリアルタイムに描画され、さらに長い期間のグラフも別途大きく作成することができる。メールボックスにメールがあるかどうかや、別のサーバが稼働しているかといったモニタ機能も含まれている。価格は$25となっている。

関連リンク:XMonitor
カテゴリ:ユーティリティ