Macintosh Developer Online (MDOnline)


2002年3月19日発行号 - シマンテックがX対応



【重要】昨日の夜中に、MDOnline購読料の返金に関するご案内をお送りしましたが、届いていない方はすみませんがご一報いただけるでしょうか。一部の方より連絡をいただきまして、古いメールアドレスに届いているということです。正直なところ、少し手作業でミスっている箇所があるような気がするので、すみませんが、ご確認ください。
まず、メールをお送りしたのは、郵便振替、QQQシステム、WebMoney、BitCashでご購入の方、倉橋さんのところで購入された方で、さらに、2002年4月以降まで購読期間がある方々です。MOSA会員の方々、ヘリオグラフさんの顧客の方々は、個別には返金対象にはなっていません。それぞれの購読権の期間が混合している方についての計算について、ご不明の点があれば、お問い合わせ下さい。
実は、2/27時点のデータを編集したものを使っています。つまり、廃刊を決めて、廃刊費用がどれくらいになるかを概算するために、必要な情報を抜き出したのですが、さすがに廃刊機能までは作り込んでおらず、データをダウンロードしての手作業でのアカウントチェックを、しかもあまり時間をかけられない状態でやりました。2/28に金額を確定させて出金の手続きを済ませたかったからです。一部にご迷惑をおかけしましたが、事情を考慮の上、平にご容赦いただければと存じます。アカウントの残り期間を確認する方法については、このメールの末尾を御覧下さい。

それから、Expoの展示会のチケットですが、以下の方々が当選者です(敬称略)。19日の午前に投函していますので、たぶん、水曜日中に到着はするとは思いますが、迫っているので、もし到着しない場合はすみませんが、あきらめてください。

 当選者:金田 健、enu、中根純夫
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


【MacWIRE配信予定】Macworldでの開発やシステム関連のセッション

今週から開催されるMacworld Conference & Expo Tokyo 2002の有償カンファレンスはすでに前売りの販売が閉め切られたものの、当日券の1日券が15,000円、3日券が25,000円で販売されるので、チケットを購入していなくても現地で購入ができる模様だ。カンファレンスで予定されている開発やシステム関連のセッションを紹介しよう。

まず、3月21日(木)には、Enterprise & Networkingとして、企業ユーザをターゲットにしたネットワーク関連のトラックが開催される。13:00からはガラパゴスシステムの佐藤徹氏による「NetInfoを使った統合ネットワーク管理」で、NetInfoを利用した統合システム管理が解説される。14:40からはテクノポートシトラスの山田喜浩氏による「Macユーザーサバイバルガイド WindowsネットワークとMacの共存」として、Windows 2000 ServerをベースにしたネットワークでのMacの活用法が紹介される。16:20からはNTTデータの宮本久仁男氏による「次世代プロトコルWebDAVの概要とMac OS Xでの実際」として、比較的新しい技術であるWebDAVについての解説が行われる。

3月23日(土)には、Developer Toolsとして開発環境関連のトラックが開催される。まず、11:00からは快技庵の高橋政明氏による「進んだ開発環境を提供するMac OS X」が開催され、Mac OS Xでの開発全般について講演される。Mac OSからの移植や新規開発でのポイントなどが説明される予定だ。13:00からはオブジェクトファクトリーの糸田雄一氏による「Cocoa によるプログラミング」が開催される。Mac OS XネイティブプラットフォームのCocoaについて、Interface Builderを使った開発方法や、フレームワークのさまざまな機能の使い方を含めて、効率の高い開発が実現するところなどが解説される。14:40からは、Apple ComputerのDr.Ernest Prabhakar、WAISHI.JP代表の吉本伸一氏、MDOnlineの新居雅行といったメンバーで、「Mac OS XのUNIXとJava」が開催され、AppleにとってのUNIXやJavaの取り組み、Mac OS Xで利用するUNIXやJavaに関することが解説される。

カテゴリ:イベント


【MacWIRE配信予定】シマンテックがMac OS Xにネイティブ対応したセキュリティ製品を発表

2002年3月19日、シマンテックは記者会見を開き、セキュリティ製品のMac OS X完全対応版の発売をアナウンスした。記者会見での発表内容をお届けしよう。
最初は、シマンテック代表取締役社長の成田明彦氏からの話で始まった。Mac OS X対応の製品のニーズは高かったが、発売に漕ぎ着けた。Mac OS Xが盛り上がっているところに製品投入が可能になった。製品は、セキュリティと問題解決のためのものと大きくわけられる。Mac用のウィルスは幸い少なく被害はあまり出ていないが、Mac OS XはUNIXベースになったので、UNIXに対するウィルスは今後大きな脅威となる。その意味では、セキュリティ製品はより重要なプロダクツとなる。Mac版の価格はこれまで少し高かったが、戦略的な意味でより安い価格を設定した。
続いて、Apple Computer社のWorldwide Developer RelationsのDirectorであるShaan Pruden氏よりの話となった。Mac OS Xのアプリケーションは3300あるが、さらにシマンテックの製品が加わることを嬉しく思う。セキュリティは顧客にとっても重要な課題であり、アップルも力を入れて取り組み、シマンテックとの協力も行っている。シマンテックはMac OS X向けのユニークな機能も折り込み、すばらしい開発をしている。そして、Macworld Expoで展示や基調講演などを行うことを紹介し、来場を促した。これまでは消費者向け展示会であったが、今年はプロのユーザ向けの展示を主体にした。

続いて、シマンテックのプロダクトマネージャをしている田上利博氏よりの話となった。今回発売するのは、Mac OS XネイティブでAquaのインタフェースを持つものである。5製品を発売するが、スイート2製品を中心に展開をしたい。コンピュータウィルスなどの脅威はMacでもあり得ることである。Mac OS Xでも新たなセキュリティの脅威はあり、たとえば、Internet ExplorerやOfficeといったセキュリティホールも発見されている。また、Backdoor型のトロイの木馬も発見されている。
Norton Internet Security for Macintosh 2.0(\13,800)を利用することで、こうした脅威から守ることができる。2001年1月に発売された製品ではMac OS Xには完全に対応はしていなかった。Ver.2.0の新しい機能として、メールアドレス情報など個人情報を守るNorton Privacy Controlがある。また、外部から見えなくするステルスモードや、外部からテストを行うセルフテスト、自動的にデータを更新するNorton Schedulerといった機能が加わっている。
一方、マシントラブルの統計を示し、マシンのフリーズがいちばん多いことを示し、その解決方法としてメーカに連絡するのについで自主解決をするユーザが多いという調査結果を示した。自分でマシントラブルを解決するようなユーザに対して、Norton SystemWorks for Macintosh 2.0(\17,800)を利用してもらえる。DiskWarrior Recovery Editionも新たに加わり、これまで以上にディスク修復の機能が高まった。
Norton AntiVirus for Macintosh 8.0(\9,800)では、Auto-Protect、SafeZoneがMac OS Xでは使えなかったが、使えるようになった。また、新機能としてコマンドラインスキャナーとしてrootとなってボリューム全体のチェックをできる機能が加わっている。Norton Utilities for Macintosh 7.0(\14,800)もMac OS Xでインストールして使えるようになった。ディスク診断やファイルのUnEraseなどの機能を使えるし、CD-ROM起動でMac OS Xのシステムのチェックもできる。Norton Personal Firewall for Macintosh 2.0(\9,800)については、ステルスモードやセルフテストモードといった新機能がある。
Macでのセキュリティソフトのシェアとして、シマンテックは84%、ソースネクストは8.2%、アクトツーが7.6%となっている。ユーティリティソフトのシェアでは、シマンテックが36%、BHAが12%、ロキシオが10%となっていることをBCNランキングの数値を示して紹介した。雑誌広告やWeb広告を展開する。価格については高いという批判があったが、今回は価格を改定した。発売は2002年4月18日(木)となっている。今後はMac OS Xのアップデートに対応し、常に最新のバージョンに対応する努力をすると約束した。

Q:出荷予想と実売価格は?
A:実売は2〜3割引ではないかと思われる。5製品で50万本を目標にしている。
Q:Mac OS 9などの従来OSへの対応は?
A:今回の製品は、Mac OS 9用とMac OS X用が同梱されている。それぞれ若干の機能差はあるが、Mac OS 9でも利用できるようになっている。Mac OS Xの新機能についてはたとえば、Privacy機能は9に対応する予定はない。
Q:バージョンアップパッケージについては?
A:パッケージの準備はしないが、アップグレードの案内は行う。
Q:バンドルソフトは日本語版か?
A:日本語版があるものは日本語版であり、アラジンシステムズのものは日本語版になっている。
Q:マルチユーザで使うときの定義ファイルやライセンスについては?
A:定義ファイルはすべてのユーザで使える。インストールをシステム管理者モードで行えば問題はない。ライセンスは1CPUに対するものなので、1台にインストールすればマルチユーザとして利用することができる。

関連リンク:シマンテック
カテゴリ:ユーティリティ, ブラウザ


UNIXで実績のあるインターネットメールサーバのPost.OfficeがMac OS Xに対応

オープンテクノロジーズは、インターネットメールサーバソフトの「InterMail Post.Office Edition 3.6 日本語版 for Mac OS X」を発売することを発表した。Post.Officeは各種UNIXやWindows NT/2000で利用されている商品のメールサーバで、大規模なプロバイダでの利用が行われているなど、高いパフォーマンスと管理のしやすさを売り物にした製品だ。UNIXをベースにしたMac OS Xに対応し、Post.Officeの対応を広げる。Mac OS X 10.1以降での利用となり、Mac OS XおよびMac OS X Serverに対応する。Mac OS X Serverには標準でApple製のメールサーバが付属するが、Mac OS Xにはメールサーバが使える状態では付属していない。Apple製のメールサーバよりも大規模運用がやりやすいなどのメリットがあると言えるだろう。
InterMail Post.Officeは、POP3とSMTPサーバの機能を持っている。メールのアカウントはPost.Officeが独自にデータベースに保持するため、OSのアカウントと別にメールだけのアカウントを発行する形式となる。また、管理はWebで行えるが、そのページは日本語に翻訳されており、遠隔地からの管理も可能となっている。メールアドレスはバーチャルドメインにも対応しており、エイリアスアドレスや自動応答の設定などもできる。また、SPAM防止やリレー、フィルタ関連の機能を備えており、セキュリティ対策も取ることができる。さらに、メーリングリスト機能を組み込んだライセンスもあり、メーリングリストをやはりWebでの管理ツールで簡単に作成することができるようになっている。一方、IMAP、APOPといったものには対応していないが、これはそれほどのニーズがないからだとしている。AUTH SMTPについても対応していないがこれは検討課題だとした。
2002年4月1日にβ版をリリースし、4月30日に正式版をリリースする予定となっている。8月末まではキャンペーン価格で販売されるが、その価格を紹介しておこう。まず、25アカウントパックが\14,000、100アカウントパックが\64,000、100アカウントと100リストのパックが\99,000となっており、いずれも定価の半額である。なお、ユーザが増えた場合には、100アカウントあるいは100リストごとに\128,000で追加ができる。それ以上のユーザ数の場合には単価が下がるが具体的な価格は問い合わせてほしい。ない、トライアル版
さらに、NetTenからのトレードアップとして、25、100、100/100のパックが\14,000、\32,000、\49,000で提供される。また、AppleShare IPやEIMSからのトレードアップは\14,000、\48,000、\73,000で提供される。さらに、Mac OS X版のiToolsとのセットが、\50,000、\100,000、\135,000となっている。

Mac OS Xでの電子メールサーバとしては、sendmailをなんとかして使うという選択肢はほとんどないとは言え、Postfixを利用することなどを含めてフリー系を始め、Mac OS X Serverの標準機能を使うなどの方法を取ることができる。Post.Officeは大量のアカウントでも十分なパフォーマンスがあることや、メーリングリストの機能が統合されているあたりがポイントになるだろう。

関連リンク:オープンテクノロジーズ
カテゴリ:サーバー関連, サーバー製品


ファイルメーカーProで画像やムービーを取り込んでデータベース化できるプラグイン

Troi Automatisering社は、FileMaker Pro用のプラグイン「Troi Grabber Plug-in 1.4b1」をリリースした。ビデオ入力からの画像を取り込んだり、ビデオを取り込むといったことができるプラグインである。FileMaker Pro 5.5に対応しており、Macintosh版とWindows版があるが、Mac OS Xを含むMac版はQuickTimeをベースにしているのに対して、Windows版はTWAINを使っており機能は少なくなっている。Mac版は画像やビデオを取り込んでデータベースに保存することができる。価格は$79となっている。なお、FireWireを利用したWebCamのMac OS Xドライバ情報も含まれている。

関連リンク:Troi Grabber Plug-in
カテゴリ:データベース


クロスプラットフォーム対応のアプリケーションフレームワークがバージョンアップ

KSOFTは、WindowsとMac OSやMac OS X向けのアプリケーション開発に利用可能なフレームワークのCPLAT 4.0をリリースした。C++言語での開発を行うためのクロスプラットフレームワークである。Ver.4.0では、Visual C++.NETへの対応、OpenGLを扱うクラスの追加、COMのようなプラグインの仕組みの追加、ロングファイル名のサポート、Mac OS Xの大きなアイコンを扱えるRADTool、Windows XPのサポート、フォント選択ダイアログやパスワード用のテキストフィールドやツールバーといった機能が追加されている。
CPLATはWindows、Mac OS X、Linuxに対応しており、Mac OS XについてはCarbonで対応となっている。ウィンドウやメニューなどの標準的なユーザインタフェースを持ったアプリケーションを作成できるが、RADToolとしてリソースエディタ的な機能のアプリケーションを利用することもできる。1ユーザあたり$50で購入でき、それにはフレームワークのソースも含まれている。開発結果の配付にはライセンス料は必要ない。

関連リンク:KSOFT
カテゴリ:ライブラリ