Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月2日発行号 - MDOnline-MN128も9情報を公開



MN128も、Mac OS 9での不具合情報を公開しました。NECのAtermのページを見に行ってみましたが、現状では特に何のアナウンスもありません。ダイアルアップルータのDHCPサーバー機能ではかなり高い確率で、不具合になると言えるのかもしれません。ケーブルテレビ系は、基本的には問題ないと言えるのかもしれません。
UnisysのLZW圧縮伸長に感する特許は、一時期話題になりましたが、また再燃しているようです。以前は、GIF機能を組み込んだソフトなら何でもライセンス料を支払う必要があるというあたりで反発はあったものの、基本的には開発側が支払うことでおおむね決着しています。今度は、ライセンスのないソフトで作ったり生成したGIFのライセンスを、Webサイトから徴集しようというものです。金額的にもかなりものものだけに、かなり反発している人もいるようです。みなさんはどう考えますか? ちなみに、米国でのUnisysの特許は2002年に無効になるそうです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


MN128のDHCP機能がMac OS 9などでは正常に機能しないことをサポート

ISDN対応ルータのMN128と、Mac OS 9などOpenTransport 2.5.X系列との相性について、MN128の開発元であるビー・ユー・ジーからアナウンスがなされた。MN128をDHCPサーバとして使った時に、Mac OS 9などを使ったクライアントとのやりとりが完了しないため、起動に時間がかかったり、起動しなかったりするとしている。この症状になるのは、MN128のすべての機種のすべてのバージョンのようで、つまりは特定のルータによる問題ではなく、Mac OS側の問題ということになるだろう。MN128-FRとMN128-SOHO SL11は、正しく動作するようにファームウエアのアップデートを12月下旬を目処に行う予定だ。しかしながら、その他の機種については対応は未定とのこと。現状での回避方法として固定のIPアドレスを設定する方法も記載されている。

関連リンク:新iMac, iBook, Power Mac G4, MacOS9対応について
カテゴリ:Power Mac, iBook, iMac, Mac OS 9


Sherlockプラグイン作成方法の文書がSherlock 2に対応

Sherlockのインターネット検索プラグインを開発する方法が記載されたTechnoteの「Technote 1141:Extending and Controlling Sherlock」が更新され、Sherlock 2対応の内容になった。Sherlock 2では新しく「チャネル」という概念が組み込まれ、チャネルごとに異なるタイプを設定できるようになった。「ニュース」「ショッピング」では、検索結果から一覧を取り出す設定が、従来のプラグインとは若干異なっているがその点について触れられている。また、タイプが「人々」の場合は、WebサーバーではなくLDAPサーバへ検索をかけるが、その場合のプラグイン作成方法も記載されている。一部変更されたAppleScriptの利用方法についても記載されている。Sherlockプラグインを作成している人や、新しいタイプに対応したプラグインを作っている人は、要チェックだろう。

関連リンク:Extending and Controlling Sherlock
カテゴリ:Mac OSテクノロジー, Technote, Mac OS 9


【Mac OS 9シリーズ】AppleScriptをIP越しに使う

Mac OS 9では、AppleScriptをインターネット経由で使えるようになった。つまり、AppleEventのやりとりがAppleTalkプロトコルだけでなく、TCP/IPでもできるようになったのである。インターネットを経由して、別のマックで動いているアプリケーションをコントロールできる。そのコントロールプログラムをAppleScriptで記述することが可能となった。実際に、どのようにすればコントロールできるかを紹介しよう。
まず、コントロールされる側のMacintoshでは、基本的な準備として「ファイル共有」コントロールパネルを開きプログラムリンクを開始しておく。そして「TCP/IP接続でプログラムリンクを可能にする」というチェックボックスも入れておく。このとき、このMacintoshが外部からどういうドメイン名で見えるかもウインドウに表示されている。この場合は「eppc://urawa-2hjk14.urawa.cabletv.ne.jp」だが、場合によってはIPアドレス(この場合は「203.180.26.14」)しか参照できないかもしれない。いずれにしても、どちらかの情報は、後から必要になる。
figs/macos9/05/file0001.gif

次に同じく「ファイル共有」コントロールパネルで「利用者&グループ」のタブを選択する。そこで登録ユーザを作成しておくが、表示項目で「共有」を選択し、「プログラムリンク」のチェックボックスを入れておく。この場合は、msykという登録ユーザーに対して、プログラムリンクを許可した。このアカウントで利用する必要がある。
figs/macos9/05/file0002.gif

一方、コントロールをする側の準備は、もちろん、Mac OS 9とTCP/IPの動作は正しく行われるようにしておく必要があるが、それ以上は特に必要がない。たとえば、次の図ようなプログラムを実行すると、ネットワーク越しに別のMac OS 9が動いているマックのFinderをコントロールして、システムフォルダ内にあるファイル一覧を得ることができる。
figs/macos9/05/file0004.gif
(プログラム1)
set targetMac to "eppc://urawa-2hjk14.urawa.cabletv.ne.jp"

tell application "Finder" of machine targetMac
  using terms from application "Finder"
    get files of system folder
  end using terms from
end tell

プログラム1を実行したとき、次のように、接続するMacintoshのアカウントを確認する。ここでは、プログラムリンクを許可したmsykというアカウントで、実際に設定されているパスワードを入力した。このアカウントとパスワードも、キーチェーンで管理することができる。
figs/macos9/05/file0003.gif

AppleScriptのプログラムを見てみよう。まず、ポイントは、machineオブジェクトの指定である。AppleTalkではここにコンピュータ名などを指定していたが、TCP/IP越しにあるマックの場合は、そのマックのドメイン名、あるいはIPアドレスを「eppc://」というプロトコルで参照するのである。そうすれば、たとえば、tell〜end tellの範囲は、ネットワーク先の別のマックをコントロールできる。ここではFinderだが、他に起動しているアプリケーションがあってリモートイベント処理が可能ならそのアプリケーションをコントロールして良い。
次に、using terms from〜end using terms fromという節がある。これはMac OS 9で新しく導入されたコマンドだ。この間に、from以下で指定したアプリケーションの用語を適用する。前のプログラムの場合、tell内部にある「get files of system folder」の処理をさせるのは、ネットワークの向こうのマックで動いているFinderだ。しかしながら、構文チェックの段階ではネットワークアクセスしたくはないとする。その場合、using terms fromでローカルにあるFinderの用語情報を得て、スクリプトのコンパイルができる。using terms fromの利用は必須ではないが、相手のマックと必ずしも接続ができないような状況でもプログラミングをすすめる時などには必要になるだろう。また、接続先のマックやあるいはアプリケーションを変数化したときには、次のようにusing terms fromがないためのトラブルが発生する。
using terms fromの機能を確認するため、たとえば、次のようなプログラムにしたとしよう。

(プログラム2)
set targetMac to "eppc://urawa-2hjk14.urawa.cabletv.ne.jp"

tell application "Finder" of machine targetMac
  get files of system folder
end tell

このプログラム2は構文チェックはOKだが、実行時にfilesでファイルの取得ができないというエラーになる。一方、

(プログラム3)
tell application "Finder" of machine "eppc://urawa-2hjk14.urawa.cabletv.ne.jp"
  get files of system folder
end tell

は正しく機能する。後者のプログラム3が動作するのは、ネットワーク越しに用語情報を取り込んでいるためだと考えられる。前者のプログラム2が機能しないのは、machineの指定が変数であり、構文チェック時にはtellの部分の指定が無視され、Finderの用語情報が正しく適用されないのではないかと思われる。
一方、図で示したプログラム1の場合はusing terms fromによって、構文チェック時にはローカルのFinderの用語情報が正しく適用されるものだと思われる。そして、tell節の適用先が変数により与えられ実行時には正しく指定できているというわけだ。

カテゴリ:AppleScript, Mac OS 9, Mac OS 9


HFS Plusを使うFile Managerのプログラミング文書が公開

Mac OS 9で利用できるHFS Plusベースのファイル処理の利用方法を示したドキュメント「File Manager for Mac OS 9」が公開されている。HFS Plusの機能を利用すると、ファイル名をUNICODEで処理でき、最大255バイトまでのファイル名をつけることができる。また、2GBを超えるファイルを扱えたり、データとリソースだけでなく複数のフォークを利用できるなど、Mac OSの最大のネックであったファイル処理機能を向上できる。このドキュメントには、基本的なデータ構造やAPIの利用法が示されており、これらの機能を使ったプログラミングのための必要な情報は揃っている。従来のファイルシステムでのFSSpecに対応したFSRefは80バイト長の構造体ながら内部構造は非公開になるなど、細かい点は従来のファイルシステムとは大きく異なっている。また、Finderをはじめほとんどのソフトがまだ新しいFile Managerの機能を使っていないために、255バイト長のファイル名は実質的にはまだ使えない状態だ。将来を見越したソフト開発をする場合に、新しいFile Managerの利用は必要だが、現状では「前調査」的な興味が大きいジャンルだと思われる。

関連リンク:File Manager for Mac OS 9
カテゴリ:アップルからの開発資料, Mac OS 9


Multilingual Text Editorのプログラミング文書が公開

Mac OS 9に新しく搭載されたテキスト編集エンジン「Multilingual Text Editor(MLTE)」に関するドキュメントが公開されている。従来からあるTextEditに置き換わるもので、32KBというデータ量の制約がなくなり、ATSUIや32レベルのUndoサポート、ファイルとの入出力、ドラッグ&ドロップのサポートなど高機能なテキスト編集機能を提供する。ただし、TextEditとのAPIレベルでの互換性は確保されていない。
このドキュメントには、MLTEの基本概念をはじめ、構造体やAPIコールの利用方法などがまとめられている。ただし、リファレンス部分は整理されておらず、とにかく文書化したというレベルであり、少し読みづらい。前半のMLTEの概念などは、MLTEを使おうというプログラマにはもちろん必要だが、概略を知りたいという人もその部分は読む価値はあるだろう。リファレンス部分まで把握したのであれば、一通り目を通す覚悟でかかるか、あるいは整理されるのを待つのが良いと思われる。

関連リンク:Multilingual Text Editor
カテゴリ:Mac OS 9, アップルからの開発資料


UnisysのLZW特許をWebサイト向けにも適用

UnisysがLempel Ziv Welch、つまりLZW方式の圧縮技術の特許を取得していることはよく知られており、LZW技術を使った例として、GIF画像、PDF、PostScriptなどがある。UnisysはLZW変換機能を持つハードウェアまたはソフトウェアの利用や配付に対してライセンス契約を行うことを要求している。この適用範囲をWebサイトにまで広げている。ただし、ライセンスされたソフトウエアを利用して作成したGIF画像を使う限りは問題はない。ライセンスされていない画像ソフトを使って作ったファイルを利用したり、あるいはCGIなどでGIF画像を生成するようなライブラリがライセンス料を払っていない場合、そうした素材を使ったWebサイトに対してライセンス料の支払いを要求するものである。ライセンス形態に、Intranet WebサイトおよびInternet Billboard Webサイトという形態を設けている。Intranetは文字通りクローズドで特定団体内部で使われている場合だ。Billboardは、オープンなサイトであるが、第三者の広告がなく販売行為も行っていないなどのサイトで、一般企業の告知中心のホームページあたりをイメージされる。一方のライセンスは$5,000、両方まとめては$7,500のライセンス料となっている。
インターネットでいくつかのサイトを検索したところ、たとえば画像ソフトの場合、販売価格の2.5%をライセンス料としてUnisysに支払うということを要求されたことがなどが見つかった。GIFの圧縮伸長技術について米国はもちろん日本でも特許が取得されている。ライセンス契約したソフトをエンドユーザーが利用する上では、ライセンス侵害にはあたらないし、そうして作った画像を使う上では問題はない。GraphicConverterのように特許料を支払っていることが明記されているソフトもあり、多くのアプリケーションソフトはライセンスに応じている模様だ。しかしながら、Webサイトという意味では、グラフィックス形式のカウンターで使われるGIF画像処理ライブラリなどにライセンスが行き渡っていないことに目を付けたのだと思われる。いずれにしても、Unisysの特許は、GIF形式の圧縮や解凍を行うソフトウエアのライセンスであって、できあがったGIF画像を利用する上ではライセンスは必要無い。しかしながら、ライセンスされていないソフトウエアを利用する側にも明確にライセンスを要求しているということである。

関連リンク:Web Site LZW Licenses Available from Unisys
カテゴリ:業界動向


iModeなどのCompact HTMLのブラウザがリリース

Mac OSで機能するCompact HTML対応のブラウザが開発されている。ソフトウェア工房「なおちゃん☆こむ」よりリリースされている「CompactHTMLBrowser 0.2.0」で、現在は開発途中版が無料で配付されている。Compact HTMLは、iModeでのブラウズで利用されているマークアップ言語である。業務用途を中心にiMode向けのWebサービスを開発しているところも増えてきているが、たとえばこのソフトを利用すると、表示具合やデバッグをMacintoshから可能となる。ただし、まだ対応していないタグも多く、画像が表示できないなど制約も多い。しかしながら、今後も開発を継続していくようなので、期待はできるだろう。

関連リンク:REALbasic の部屋
カテゴリ:各種プロダクツ, ブラウザ


音声認証に使うマイクは登録時と認証時は同じものを使う

Tech Info Libraryに「60653:Mac OS 9: Multiple Users - Voice Verification "No Microphone Was Found" Message」という文書が追加された。マルチユーザ利用時の音声認証で、マイクがないというメッセージを出す場合の対処が記載されている。まず、マイク自体が正しく接続されていないなどの基本的なことが示されている。また、音声を登録したときのマイクが、認証時にも使用されるように、マイクの設定が引き継がれるようになっているため、たとえば組み込みのマイクで登録をした場合、外部接続のマイクでの認証はできない。

関連リンク:Mac OS 9: Multiple Users - Voice Verification "No Microphone Was Found" Message
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


Mac OS 9でUSBアダプタが使えない、原因は究明中

Tech Info Libraryに「60654:Mac OS 9: USB Adapter Card Support」という文書が追加された。PCカード、あるいはPCIカードで、USBを利用できるようにするアダプタカードがMac OS 8.5/6では利用できていたが、Mac OS 9では利用できなくなった。原因は現在究明中で判明し次第伝達される。USB Adapter Card Support 1.2がMac OS 9で利用できないのが原因である。

関連リンク:60654:Mac OS 9: USB Adapter Card Support
カテゴリ:周辺機器, Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


REALbasicに150の機能を加えるプラグインがリリース

The Macintosh Developer Centerより、REALbasicのプラグインである「TMDC Utilities Plugin」がシェアウエアとしてリリースされた。シングルユーザーのライセンスは$20で、サイトライセンスなども設定されている。このプラグインにより、REALbasicに150もの新しい機能を追加することができる。つまり、クラスや関数、コントロールなどを追加する。アプリケーション操作、暗号化とハッシュ、エンコードやデコードを含むファイル処理、フォルダ処理、Internet Configの設定の取得、サウンド、URL Access関連の機能などがリストアップされている。以下のページからダウンロードできるが、PowerPC版のみで、68k版は近々公開される予定だ。

関連リンク:TMDC Utilites Plugin
カテゴリ:ライブラリ, REALbasic


1999/11/1付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月1日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

17927:CD-ROM: "This disk is unreadable" Message
24554:AppleShare IP 6: Print Server FAQ
60649:At Ease 5.0.2: Is Not Qualified With iMac, iBook, Power Mac G4 Models
24789:Troubleshooting "No Dial Tone"
43015:Transferring Information Between Computers via Ethernet
43023:Troubleshooting USB Error Messages and Issues
20233:Macintosh Computers: 8x-Speed (or faster) CD-ROM Drive & Vibration
24803:Troubleshooting Unreliable Modem Connections
58028:USB: Basic USB Printer Troubleshooting
58033:USB: Device Troubleshooting
30893:Remote Access: Modem Not Responding Alert
24482:56Kbps Modems: Getting The Fastest Connection
58467:iMac (Slot Loading): How to Connect External Display to VGA Port
58027:iMac: How Printers Show Up In Chooser With USB Adapter
43042:iMac Emergency Handbook: Problems Printing
30705:iMac: Power Supply Specifications
22230:iMac: Where is the PPP Control Panel?
58174:iMac: When to Install Available Updaters
43012:iMac: Installing Memory (1 of 2)
30713:iMac: Changing Internet Setup Assistant Configurations
58412:iMac: How to Resolve Intermittent Pause During Usage
43028:iMac: Where Can I Get a Floppy Drive?
43016:iMac: Can I Attach an External Display?
43026:iMac and iBook: How to Utilize External SCSI Peripherals
44004:iMac: Third Party Updates
58348:Mac OS: Alternating Flashing ? and Icon Inside Folder at Startup
16473:Mac OS: Troubleshooting Startup Issues
56042:Mac OS: Troubleshooting Out of Memory Errors
6859:Mac OS: How to Use File Sharing
58102:Mac OS 8.5: Network Browser Features
58496:Mac OS 8.6: Save Name and Password Greyed Out in Chooser
60641:Mac OS 9: Issue With DVD Player After Clean Install
60571:Mac OS 9: Using Acrobat PDF Documents
14438:Macintosh: Startup Problems Q & A
58183:Power-On Self Test Beep Definition - Part 1
43027:Connecting a Serial Printer to a USB Capable Macintosh
58453:QuickTime Pro: How to Get Key Resent if Lost
26181:Macintosh: Support for Older Operating Systems
26184:Support for Apple Scanners
32030:Printing to a StyleWriter From a USB Capable Macintosh
2238:Macintosh: How to Reset PRAM and NVRAM

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)