Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月3日発行号 - MDOnline-Java版CodeWarrior



Mac OS 9の調子はどうですか? うちではそれなりに使えているのですが、どうも、Sherlock 2と「ネットワークブラウザ」が良く落ちるようになりました。落ちはじめると、何度も落ちます。デバッガでは復帰しないで、リセットボタンを押さないと行けない状態になります。ただ、きちんと動いているときもあります。
今日の【Mac OS 9シリーズ】は簡単ですが、オリジナルのユーティリティを作成しました。とても簡単なプログラムですし、オープンソースというほどのこともありませんので、読者の方々で、その内容を独自に変更して配付されてもいっこうにかまいません。可能なら、オリジナルの出所と、MDOnlineの御紹介をいただければ、大変ありがたいところです。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


CodeWarriorのJava版がクロスプラットフォーム対応でリリース

Metrowerks社は、同者の開発ツールのJava専用版「CodeWarrior for Java」をリリースした。すでにリリースしているCodeWarrior Pro5のJava関連機能だけを取り出したものではあるが、Developer Depotでは$89.95で売り出しており、かなり安価である。Mac OS、Windows 95/98/NT、Solarisをサポートするが、SolarisのみPro4ベースのツールでPro5相当のツールは今年中にフリーアップグレードされる予定だ。CodeWarrior for Javaは、JDK 1.1およびJava2に対応したツールで、RAD機能によりビジュアル開発が可能なことや、JDWP対応のリモートでバッグが可能でサーバーコンポーネントのデバッグができることなどが特徴だ。また、統合開発環境としてもスムーズに使いやすく利用できるなど、定評のあるツールとして知られいてる。CodeWarriorはプラットフォームごとに別売されるようになったものの、for JavaはJavaのクロスプラットフォームに呼応した形でマルチターゲットの製品としたと考えられる。NetBeansがサンマイクロシステムズに買収されてフリーで配付されているように、Java開発環境の変化に対応した製品だと言えるだろう。日本語版については現在はアナウンスがない。

関連リンク:Metrowerks Ships New Release of CodeWarrior for Java
カテゴリ:CodeWarrior, 開発ツール, Java


【Mac OS 9シリーズ】起動時のマウントは「サーバ」フォルダ

AppleShare関連のことと、Mac OS 9での新しい機能などについて、説明をしよう。AppleShareは、Mac OSでのネットワークを通じたファイル共有を行うプロトコルだ。Mac OS、Mac OS X Server、AppleShare IPなどにAppleShareサーバーとなる機能がある。AppleTalkプロトコルをベースにしたAppleShareと、TCP/IPベースのAppleShare IPという2種類があり、もちろん、後者はインターネット経由のファイル共有も可能である。Mac OS 9ではAppleShareだけでなく、AppleShare IPのサーバーになることもできるようになった。「ファイル共有」コントロールパネルに、TCP/IP経由でのファイル共有機能を利用するかどうかを指定するチェックボックスが加わっている。

AppleShareクライアントで、公開されているサーバーのフォルダをマウントするには、次の2つの方法がある。


いずれの場合も、サーバーを指定し、アカウントやパスワードを入力する。キーチェーンに登録していれば、パスワード入力などは省略されるか、あるいはキーチェーンのパスワード入力が必要になる。その後、マウントする公開フォルダを選択したりするプロセスが入る。ここまでは、Mac OS 8.Xまでと同様だ。セレクタから作業を行った場合、起動時にマウントするというオプションを選択できるが、その場合、名前やパスワードはキーチェーンに保存されるようになった。自動的にマウントするようにしておくと、起動時にキーチェーンのパスワード入力を行う必要がある。
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一方、AppleShare IPのサーバーをアクセスしてマウントする方法としては、次の2つの方法がある。

前者の方法は、従来から利用できる方法だ。これに加えて、Mac OS 9ではネットワークブラウザからアクセスすることができるようになった。手順としては、次のようにすればよい。図に振った番号と対応させてある。
1. ネットワークブラウザの一番左のアイコンをクリックし、「サーバへ接続」を選択する。
2. 接続するサーバーのドメインやアイコンを指定する。
3. 必要なパスワード設定を行う。サーバーに対するパスワード入力、あるいはキーチェーンに対するパスワード入力を行う。
4. ネットワークブラウザに、AppleShare IPによってアクセスしたサーバーでの公開フォルダが一覧されている。ダブルクリックすれば、マウントできる。
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ここで、AppleShare IPサーバーを指定するのに「afp://ドメイン名」という記述を利用している。つまり、TCP/IPのプロトコルが「afp」のURLで指定している。Mac OS 9をサーバーとしている時、このURLは「ファイル共有」コントロールパネルに表示されるはずだ。

ところで、起動時にマウントするという設定は、従来のシステムでは、AppleShareクライアントがどこかに保存していたため、設定には必ずセレクタで作業をしなければならなくなった。しかしながら、Mac OS 9では起動時にマウントするプロセスが変更されている。システムフォルダ内に「サーバ」フォルダがあるが、ここに、起動時にマウントするボリュームのエイリアスが入れられるようになっている。セレクタで設定をすると、自動的にこのフォルダに「ボリューム名・サーバ名」のエイリアスが作られる。
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もし、起動時にマウントするという作業を解除したい場合には、このフォルダからエイリアスを削除すればよい。また、単にマウントするボリュームのエイリアスがこのフォルダにあればいいのであれば、セレクタで作業をしなくても、起動時にマウントする設定が可能だ。いったん何かの方法でマウントしていれば、そのエイリアスをFinder上の作業で作れば良い。
この「サーバ」フォルダは、「起動項目」にマウントしたボリュームのエイリアスを置くのと同じではないかと考えるかもしれないが、違いはある。「起動項目」にエイリアスを置くと、必ず開かれてウインドウが表示されてしまう。「サーバ」フォルダにある場合には、単にマウントするだけなのである。
「サーバ」フォルダのメカニズムを考えれば、「ボリュームを起動時に自動的にマウントするように設定する」という機能のユーティリティも簡単に作成できる。以下のリンクは、そのためのアプリケーションをAppleScriptで作ったものだ。ドラッグ&ドロップした項目のうち、ファイル共有によってマウントされているボリュームに対して、そのエイリアスを「サーバ」フォルダに作る。エイリアスを作った場合には、ダイアログボックスでメッセージを出す。なお、「サーバ」フォルダにすでに同じ名前のエイリアスがある場合の動作などまでは考えてない。MDOnlineの購読者の方なら利用はもちろんだが、改造やソースコードの流用などは御自由にされてかまわない。
figs/macos9/06/setMountAtBoot.sit

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


制限付きユーザーは「起動項目」フォルダ内の設定変更ができない

Tech Info Libraryに「60653:Mac OS 9: Multiple Users - Startup Items Folder Is Not Configurable By Non-Finder Users」という文書が公開された。マルチユーザ環境で使っている時、制限付きのユーザは「起動項目」フォルダ内の設定変更ができない。これは、「システム終了項目」フォルダも同様だ。また、一般設定コントロールパネルでランチャーを起動時に表示するようにした場合や、ステッキーズを自動的に起動しようと設定した場合にも、アクセス権がないためのエラーが出てしまう。
通常のユーザーは自分自身の「起動項目」「システム終了項目」フォルダは変更できる。制限付きあるいはパネルユーザーは、所有者がこれらのフォルダの変更をしなければならない。この制限については、将来のバージョンで修正する予定だ。

関連リンク:Mac OS 9: Multiple Users - Startup Items Folder Is Not Configurable By Non-Finder Users
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


Mac OSで稼動するサーバー監視ソフトがリリース

サーバーが稼動しているかどうかを監視するソフト「Server Sitter」がリリースされた。James Sentman氏によって開発されたもので、現在はベータ版がリリースされ、自由にダウロードして利用できる。WebサーバーやAppleShare IPサーバー、DNSサーバー、メールサーバー、FTPサーバー、ファイルメーカーProのサーバー、QuickTime Streaming Serverなど、さまざまな種類のサーバーが稼動しているかを監視する。ダウンしていれば、メールで知らせるなどするので、状況がすぐに伝達される。REALbasicで開発されており、ユーザーインタフェースも分かりやすくまた十分な見栄えのするようなデザインとなっている。

関連リンク:Server Sitter 1.0b1
カテゴリ:その他のインターネット


Mac OSでPOSIXのAPIを利用できるライブラリ

Mac OS向けのPOSIXライブラリである「GUSI(Grand Unified Socket Interface)」のVer.2がリリースされた。GUSIにおより、UNIXでのAPIがMac OSでも利用できるということになる。ソケットによるネットワーク処理や、スレッド、ファイル処理など利用できる。UNIXのソフトウエアの移植をMac OSに行う場合の1つの選択肢となるだろう。基本的にフリーで使える。Ver.2ではリライトを行うと共に、スレッドの機能をサポートした。
CodeWarriorで使えるライブラリ形式などが配付されている。以下のリンクはftpのディレクトリで、そこにあるGUSI_20.sit.binが、CodeWarrior Pro5向けのものだ。Pro4向けに、別にGUSI_20_CWPro4.sit.binというファイルもあるが、こちらにはドキュメントなどがなく、基本的にはGUSI_20.sit.binをまずダウンロードすればいいだろう。ライブラリだけでなく、ソースやヘッダなども含まれている。

関連リンク:GUSI Ver.2が含まれるディレクトリ
カテゴリ:UNIX, ライブラリ


差し込み電子メールを作成するユーティリティ

差し込みメールを作成する「Email Merge」がVer.1.8となり、Outlook Express 5に対応した。Email MergeはSig Softwareが開発販売を行っており、ホームページより機能限定版がダウンロードできる。価格は$30などとなっている。文面に差し込みフィールドを記述しておけば、そこに名前などデータベース化したデータを差し込み、1通1通のメールを作成する。Claris EmailerやEudoraなどの電子メールソフトに対応している。

関連リンク:About Email Merge
カテゴリ:電子メールソフト


バッテリの状態を誤認する不具合を修正するアップデータ

アップルから「Battery Reset 2.0」というユーティリティがリリースされた。PowerBook G3シリーズやiBookで、バッテリが正しく利用できるにもかかわらず、コントロールバーでのバッテリ表示が見えなかったり、メニューバーのバッテリのアイコンに赤い×印が入るというトラブルに対処するもの。機能拡張とアプリケーションが組み込まれるが、アプリケーションはiBookでは使用する必要はない。なお、Battery Reset 2.0のRead Meファイルは、Tech Info Libraryの文書として参照できる。

60655:Battery Reset 2.0: Read Me
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60655

関連リンク:Software Update: Battery Reset 2.0
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook, iBook


Macintosh Managerで重複した名前を付けた場合

Tech Info Libraryに「25045:Mac OS: Duplicate Names Confuse Macintosh Manager, Network Assistant」という文書が公開された。Mac OS X Serverでネットワークを管理していて、Macintosh ManagerがNetBootできないというメッセージをだし、Network Assistantはすでに追加したと言う症状についての対処が記載されている。これはコンピュータ名が重複しているのが原因で、Macintosh Managerでファイル共有をオフにすればいい。ただし、ユーザーがオンにするすればエラーとなる。それを利用して重複した名前を付けていないかをチェックすることもできる。

関連リンク:Mac OS: Duplicate Names Confuse Macintosh Manager, Network Assistant
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS X Server


AppleWorks 5でステーショナリが印刷できない

Tech Info Libraryに、AppleWorks関連の文書が2つ新たに公開された。それぞれ、以下のようなものだ。

31121:AppleWorks 5.x: Error Printing Fax Cover Sheet 3
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n31121
ステーショナリにある「Fax Cover Sheet 3」を印刷しようとしたらエラーが出る。対処方法としては、Mac OS 9上で使うか、文書内のグラフィックスのサイズ修正をして使う。

25046:AppleWorks 5 Finnish, Danish: Creating Default Stationery Documents
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25046
フィンランド語とデンマーク語のAppleWorks 5で、既定のステーショナリ書類のファイル名が一覧されている。

カテゴリ:アプリケーション, Knowledge Base(旧TIL)


1999/11/2付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月2日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の末尾にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先についての文書は省略した。

30502:Power Macintosh G3 All-in-one: Connecting An External Monitor
11295:Apple’s Printer Description Files: Where to Get Them
58418:Power Mac G4: How to Differentiate Between Models
70124:NeXTSTEP 3.3 Patch 3 Overview
60619:AppleWorks: Palettes Are Gray in Mac OS 9
25043:TechTool Deluxe: Frequently Asked Questions
26182:Support for Performa Computers
14438:Macintosh: Startup Problems Q & A
60235:Mac OS 8.6: Using DVD-RAM Discs
60640:Mac OS 9: Voice Password Can’t Find A Microphone
60533:Mac OS 9: Application Quits Because "An Update Is Required"
60641:Mac OS 9: Issue With DVD Player After Clean Installation
17697:Disabling Automatic Log On To AppleShare Volumes
24554:AppleShare IP 6: Print Server FAQ
60609:AppleShare IP 6.3: A Printer Can’t Be Found
60613:AppleShare IP 6.3: Setting Up The Filter List
60605:AppleShare IP 6.3: A User Is Having Trouble Sending Mail
60603:AppleShare IP 6.3: Unexpected Crashes or Shutdowns
60607:AppleShare IP 6.3: Users Cannot Connect To The Mail Server
60600:AppleShare IP 6.3: Problems Accessing The Server Over TCP
60604:AppleShare IP 6.3: Using AppleShare IP First Aid
60606:AppleShare IP 6.3: A User Is Having Trouble Receiving Mail
60611:AppleShare IP 6.3: A Document Can’t Be Printed
60610:AppleShare IP 6.3: A Document Can’t Be Queued
60614:AppleShare IP 6.3: Users Can’t Connect To Your Web Site
60608:AppleShare IP 6.3: You Can’t Attach a Printer To a Queue
60602:AppleShare IP 6.3: Serial Number Problems
60601:AppleShare IP 6.3: Problems Logging On Using Web-based Remote Admin
60612:AppleShare IP 6.3: About Sharing, Share Points, and Access Privileges
60647:AppleShare IP 6.3: Server Freezes After Increasing Plug-in Memory
60646:AppleShare IP 6.3: Restart Server to Enable/Disable Plug-ins
60652:AppleShare IP 6.3: Not Tested With At Ease Server
60615:AppleShare IP 6.3: Users Can’t Search the Web Site With Sherlock
60648:AppleShare IP 6.3: Cannot Connect to Admin Agent After 5 Connections

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)