Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月8日発行号 - MDOnline-REALbasicでキーチェーン



Mac OS 9のDHCP問題ですが、MacWIREの掲示板では、ISDNルータのコムスターズではだいじょうぶだったと言う報告がありました。いずれにしても、どうなるか分からないという状況から、ISDNルータをDHCPで使うときに発生する時の問題として集約されてきたように思います。ケーブルテレビは結局、トラブルになったという話はまだ聞かないように思います。
マイクロソフトは独禁法の裁判でどうやら敗訴する公算が高くなったようです。その理由のうち、「Windows以外に選択肢はない」というのはちょっとどうかとは思います。ですが、Windowsの高いシェアを利用してWebブラウザのシェアを奪うなど、アプリケーション市場で圧倒的優位に立っていること自体、競争要因を疎外するのは当然のことです。もう、何年も前から「新しいビジネスをやるならマイクロソフトがやってないことをするしかない」ということは皆が言っていたことです。ただ、敗訴したとして、その次の手をマイクロソフトがどう打つか非常に見物です。分社化するというのは誰でも思い付く手法でしょうけど、普通の会社じゃないですから、きっともっとすごいことを考えるでしょう。マイクロソフトの動きによっては業界の再編成にもつながりかねませんので、2000年からしばらくは渾沌とするのではないかと予想できます。もちろん、アップルをはじめ、多くの企業はそれを参入拡大の機会と捕らえて積極的に打って出るべきでしょう。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


キーチェーンをREALbasicで使えるようにするプラグイン

Mac OS 9で利用できるようになったキーチェーンの機能をアプリケーションから利用するKeychain Managerに対応したREALbasicのプラグイン「Keychain Plugin 1.0a5」がリリースされた。Matthijs van Duin氏によって開発され、Nubzというページで公開されている。ただし、REALbasic Ver.2.1a1以降が必要となっている。Keychain Managerを使うことで、パスワードの管理をシステムにまかせることができるなど、アカウントの管理がやりやすくなる。なお、執筆時点では以下のページからのダウンロードリンクは正しい位置を示していなかった。

関連リンク:Nubz Development Resources for REALbasic
カテゴリ:REALbasic, ライブラリ, Mac OS 9


【Mac OS 9シリーズ】マルチユーザ機能を使う(2)

 ちょっとしたことだが、マルチユーザでログオンするときにパスワードのダイアログボックスで気が付いたことがあるので記しておこう。ユーザを選択した後、通常はパスワードの入力ダイアログボックスが表示される。このダイアログボックスでキータイプしてOKボタンをクリックするとそれでいいのだが、パスワードを間違えた場合、普通はどうするだろうか? パスワードの入力ミスは画面に目に見えないだけに、何回かdeleteキーを押して全部クリアしないだろうか? Mac OS 9では、何文字入力されていても、deleteキー1つでパスワードが全部クリアされ、最初から入力できるようになっている。細かなところだが、すばらしい配慮だと思う。
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 所有者で利用している時に「マルチユーザ」コントロールパネルで利用者の設定ができる。利用者のタイプを「制限付き」「パネル」にしていると、詳細設定での「アプリケーション」のタブが利用できるようになる。はじめてこのタブを開く時には時間がかかるかもしれない。ここで、その利用者が利用できるアプリケーションを設定することができる。
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 図ではすべてのアプリケーションを利用できるようにしたが、ここで、Acrobat 4.0だけを使えるようにして、そのユーザでログオンしてみた。ここではユーザ名「bird」でログオンしたが、書類保存用のフォルダのエイリアスがユーザ名と同じ「bird」という名前でデスクトップにある。併せて、「birdの項目」というフォルダのエイリアスがあるが、ここには、利用可能に設定したアプリケーションのエイリアスがある。従って、アプリケーションの起動は、結果的にはこのフォルダを開いてダブルクリックすればOKだということだ。
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 ここで、Acrobatにしかアクセス権を与えていないため、別のアプリケーション、たとえばSimpleTextを起動してみる。SimpleText文書をダブルクリックすると、次の図のように、起動できないことがメッセージで表示される。
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 利用できるアプリケーションを制約できることで、使えるアプリケーションを限ることができる。安全性という面ではいいかもしれないが、まじめに設定するとなると、非常にやっかいかもしれない。上記のようにAcrobatしか実行できないユーザはインターネットさえ見ることができない。ブラウザやメーラが起動しないからだ。こうした一般的なMac OSライクな環境を制約付きで実現するのはかなり面倒だと思われる。
従って、現実的な設定としては、たとえば年齢層の低い子供向けに、ほんとに2、3種類のアプリケーション程度を起動するような場合が1つだ。ゲームなど利用できるソフトが限られるのならこの方法が有効だ。さらに別の機会に紹介するが「パネル」利用者にしておけばもっとスムーズに使えるだろう。
 一方、別のやり方としては、いったんすべてのアプリケーションを使うように設定をする。「すべてを選択」ボタンをクリックすればいいので簡単だ。そして、使わせたくないアプリケーションのチェックボックスをはずすという使い方だ。たくさんのアプリケーションを利用できるようにするために、いちいちチェックをしていくのでは面倒だが、このやり方なら現実的だろう。
 いずれにしても、アプリケーション選択は所有者まかせになっている。特定のフォルダに分けておいて、フォルダ単位で利用の可否を設定できるなど、設定手法に工夫が欲しいところでもある。

 利用者のフォルダ内はどのように構成されるのだろうか? 本来はこの疑問に詳細に答える情報がアップルから出ていてほしいところだが、まだまだ断片的だ。だいたい次のような動作は動かしてみれば分かるところだ。利用者を定義した段階では、フォルダも何も作られない。そのユーザで初めてログオンをしたとき、次のようなダイアログボックスが表示される。少し時間がかかっているのは自分用のシステムフォルダを構成しているからだ。つまり、この段階で「利用者」フォルダ内の自分の名前のフォルダが作成されるようだ。
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 このとき「初期設定」フォルダにはファイルが作られる。それは、あらかじめ決められたシステムの動作に必要なものだけがとりあえず作成されるようではあるが、なぜかSnapz Proの初期設定ファイルもコピーされていた。コントロールパネルにSnapz Proがあるからかもしれない。「アップルメニュー」フォルダには、ある程度利用者の「アップルメニュー」フォルダの内容がコピーされるようだが、「最近使った○○」フォルダの中身は空になっている。一方、「機能拡張」「コントロールパネル」など、利用者ごとに用意されないフォルダは、「システムフォルダ」にあるものが使われる。
 おおざっぱなまとめ方になるが、所有者のシステム設定に近いものの、ある意味ではまっさらのシステムと同じ状態で、ユーザは最初にログオンするのである。その後、たとえばInternet Explorerを使うとそのユーザの「初期設定」フォルダに「Explorer」フォルダが作られ、その中にお気に入りなどが管理されるという具合になる。

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


ReportMillの独占販売権をAppleが取得

WebObjects用のレポート作成ツール「ReportMill」が、Appleによってリセールされるようになったという発表があった。ReportMill Software社のReportMillは、WebObjectsで作成するアプリケーションで、各種フォームや帳票類を作成できるツールだ。PDFを生成するフレームワークも含まれている。AppleがReportMillの独占的な販売権を得ているとしているものの、Appleのページでは販売についてのアナウンスは全くない。想像だが、WebObjectsに統合されるということも考えられる。

関連リンク:APPLE COMPUTER TO OFFER POWERFUL REPORTING TOOLS FROM REPORTMILL
カテゴリ:サーバー関連, WebObjects


Sherlockプラグインの作成支援ツールが登場

Sherlockのプラグインを作成するツール「SRCメーカー」がリリースされた。Ver.1.1がダウンロードできる(ページ上にはVer.1.2と記載)。ダイアログボックスで、必要なパラメータを入力することで、プラグインのファイルを作成することができる。既存のプラグインを読み込んで修正することも可能だ。ただし、基本的には支援ツールなので、検索結果のHTMLを解析するなどの作業は利用者側で必要になる。ダウンロードしたHTMLファイルを見ながらの作業ができる。ただし、「検索」タイプのプラグインのみに対応しており、Sherlock 2で増えたタイプには対応していない。

関連リンク:Rei’s HomePage自作作品集
カテゴリ:開発ツール, システム関連ツール