Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月11日発行号 - MDOnline-サーバを使う情報管理ツール



年賀状のシーズンですね。まあ、個人のものは、毎年のごとく、大晦日とかに大騒ぎで処理することになるのですが、会社からの年賀状の送付先の確定作業をもうやってしまわないといけなかったりして、けっこうあせっていたりします。パソコンショップのソフト売り場も、宛名印刷ソフトを中心に年賀状需要向けの平積みになっていますし、書店でもその手の本が目につきます。
もう何年も前から、電子的な手段での「年賀状」ってありました。NIFTY-Serveはインターネット以前からパソコン通信レベルでの、くじ付き年賀状なんかがあったかと思います。メールで送るクリスマスカードも、物珍しさで何回か送りましたが、最近はこの種のものはあまり流行っていないのでしょうか、話題にならないような気がします。ここまでインターネットが普及しても、年賀状だけは「紙」ベースから移行しそうにありません。むしろそう考えれば、宛先のテキストファイルとJPEGファイルから、印刷を代行してくれるようなサービスの方が、市場があるのかもしれません。
今日も、Mac OS 9シリーズはお休みにします。ご了承ください。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


電子メールなどの情報をサーバで管理する情報ツールがリリース

スタジオエリプスは、クライアント/サーバ型の情報管理ツール「iClue」をリリースする。電子メール、アドレス帳、メモをサーバーに記録管理することができ、それをクライアントから参照することができる。検索することも可能だ。複数台のパソコンを使っているようなユーザにとっては便利だ。また、データ保存にデータベースエンジンを利用することができるなど、システム開発の素材としても使える。クライアント、サーバとも、Javaで開発されており、MRJ 2.1.1以上、あるいはJDK 1.1.7以上で稼動する。シングルユーザー向けの発売は1999年末で、現在は評価版がダウンロードできる。価格は9800円を予定している。Mac OS、Windows、UNIXをサポートするが、クライアントについては、Webブラウザからの利用や、iMode、Palm、Windows CEベースのものもサポートする予定である。クライアントライセンスは柔軟に対処されており、1ライセンスを複数のクライアントにコピーできる。Workgroup版が2000年春の出荷予定で、さらにEnterprise版の発売も予定されている。
電子メールのメッセージを蓄積する方法としては、IMAPなども利用されるようになってきているが、クライアント側の制約があることなど、使い勝手が良くない場合もある。iClueは「中間的」なサーバを経由することで、複数台からのメール参照を可能にする。グループでの利用はもちろん、個人的な利用を視野に入れたサーバ製品とも言える。なお、開発は、Macintoshで行われているため、MRJでの稼動はもちろん、ユーザインタフェースの作り込みも、Mac OSで行っているそうだ。

関連リンク:Stuido Ellipse
カテゴリ:その他のインターネット, Java, 各種プロダクツ


HTMLのレンダリングライブラリを利用したブラウザのサンプルソース

Appleより配付されているサンプルプログラム「HTMLSample」は、Mac OS 9で新たに登載されたHTMLのレンダリングライブラリ「HTMLRenderingLib」の利用方法を示すものだ。サンプルアプリケーションは、このライブラリのドキュメントのHTML版を参照するようになっている。また、ファイルで保存されているHTML文書を開いて表示することも可能だ。ヒストリを記録し、「戻る」「進む」のボタンを組み込んでいるなど、簡単ながらHTMLブラウザの機能が組み込まれたアプリケーションだ。そうしたアプリケーション機能をどのように実現するかを示すサンプルともなっている。HTMLファイルを開いてレンダリングした結果をウインドウに表示する方法が理解できるだろう。また、HTMLの表示結果中にあるリンクなどの機能を実現するのに、コールバックの処理などを組み込むことになるが、その方法も、このサンプルを参照すれば分かるだろう。

関連リンク:Human Interface Toolbox: HTMLSample
カテゴリ:アップルからの開発資料, グラフィックス, Mac OS 9


プログラミングのライブラリ集MoreIsBetterがバージョンアップ

Appleによって公開されている「MoreIsBetter」というサンプルプログラムは、さまざまな便利なプログラムコードがライブラリとして含まれている。Control Manager、Appearance Manager、Dialog Manager、Window Manager、Menu Manager、Navigation Services、Network Setupなど、Mac OSのさまざまなシステム機能を利用するための便利なライブラリが多数組み込まれたものである。1999年10月にバージョンアップしている。

関連リンク:Overview: MoreIsBetter
カテゴリ:アップルからの開発資料


DrawSprocketsで全画面描画を行うサンプルプログラム

Appleによって公開されている「Graphics 2D: Simple DrawSprocket」は、DrawSprocketの利用方法を示したサンプルコードだ。DrawSprocketの機能が利用できるかを確認し、全画面表示を行う。そこで、画面解像度を640×400に設定するようなサンプルとなっている。サンプルは、Command+Qで終了できる。全画面への切り替えや、別のアプリケーションからの切り替え動作では、画面全体がフェードイン・フェードアウトする。全画面を使う基本的なやりかたを説明するサンプルと言えるだろう。

関連リンク:Graphics 2D: Simple DrawSprocket
カテゴリ:アップルからの開発資料, グラフィックス


一部のハードディスクでインストール後の再起動に失敗する

Tech Info Libraryに「60662:Mac OS 9: Starting Up From the Disc Reports That the Hard Disk Is Unrecognized」という文書が公開された。Power Macintosh G3の一部のハードディスクでは、Mac OS 9をインストール後の再起動で、起動ディスクが見つからないというメッセージが出る。この場合、CD-ROMで起動したのち、コントロールパネルの「起動ディスク」で、インストールしたディスクを選択して、再起動する。つまり、起動ディスクを手動で設定する必要がある。

関連リンク:Mac OS 9: Starting Up From the Disc Reports That the Hard Disk Is Unrecognized
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


シングルCPUのMacintoshでもMultiprocessingフォルダは消してはいけない

Tech Info Libraryに「25048:Mac OS: Do Not Remove Multiprocessing Folder」という文書が公開された。機能拡張フォルダにMultiprocessingフォルダがあるが、シングルCPUで使っているので捨ててもいいかと言う疑問に答えるもの。このフォルダは捨ててはいけない。捨ててしまうと、マルチCPU対応のアプリケーションの利用で支障をきたす可能性がある。ハードディスクの容量を食うものでもないので、そのままにしておいてもそれほど問題はないはずだ。

関連リンク:Mac OS: Do Not Remove Multiprocessing Folder
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9, Mac OS 8


Mac OS 9利用時にBattery Reset 2.0は、iBookは不要、PowerBook G3は必要

Tech Info Libraryに「60665:Mac OS 9: Includes Battery Updater Functionality」という文書が公開された。Battery Reset 2.0では、Battery Uppdater 1.0が組み込まれるが、Mac OS 9にはその機能も含まれているので、iBookユーザは利用する必要はない。PowerBook G3シリーズのユーザーは、Battery Resetアプリケーションを得るために、Battery Reset 2.0を利用する必要がある。Battery ResetアプリケーションはiBookでは必要なく、また、機能もしない。

関連リンク:http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n60665
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook, PowerBook, Mac OS 9


NuBus仕様のPower Macintoshは、Mac OS 9はCD-ROM起動してインストール

Tech Info Libraryに「60666:Mac OS 9: Installing on NuBus-based PowerMacs」という文書が公開された。NuBus仕様のPower Macintosh、すなわち6100/7100/8100のモデルでは、Mac OS 9をインストールするには、Mac OS 9のCD-ROMで起動するか、あるいはMac OS 9をインストールした外部ディスクで起動しないと、インストール作業はできない。つまり、Mac OS 8.Xがインストールされた内蔵ハードディスクで起動し、それをMac OS 9にアップデートはできないのである。

関連リンク:Mac OS 9: Installing on NuBus-based PowerMacs
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9, Power Mac


1999/11/10付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月10日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先についての文書は省略した。

71921:OPENSTEP Boot and Driver Disk Images
70027:OPENSTEP Driver Compatibility Guide
70033:OPENSTEP Current Patch List
70039:NeXTSTEP Driver Compatibility Guide
70008:OPENSTEP 4.2 and Third Party Libraries
70038:NeXTSTEP Current Patch List
72667:NeXTSTEP Boot and Driver Disk Images
71432:Data Type Storage Sizes for Mach
72593:Password Protecting OPENSTEP for Mach in Single User Mode
70034:Linking Windows NT DLL’s into OPENSTEP 4.1 applications
70125:OPENSTEP Year 2000 Technical Tips
70044:OPENSTEP 4.2 Mach: The Euro Currency Symbol
72607:Using the GDB Debugger
58465:iMac (Slot Loading): How to Eject a CD
58449:PowerBook G3 Series (Bronze keyboard): Restoring Battery Functionality After Deep Discharge
60654:Mac OS 9: USB Adapter Card Support
60556:Mac OS 9: Late Breaking Tips
60649:At Ease 5.0.x: Is Not Qualified With iMac, iBook, Power Mac G4 Models

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)